Web媒体に携わる編集者が覚えておきたい、紙とWebで異なる3つのこと

Web媒体に携わる編集者が覚えておきたい、紙とWebで異なる3つのこと

Hiroyoshi Saito

Hiroyoshi Saito

LIGに入社してから、早9ヶ月が経ちました。どうも、エディターのヒロです。

10年以上に渡り紙媒体の編集者として仕事をし、今年の3月にWeb編集者としてデビュー。現在は、社外オウンドメディアでの記事コンテンツ制作が主な業務です。

SEO? PV?? UU??? などの単語に四苦八苦しながらも、なんとか頑張っています!

今日は、そんな僕が、LIGに入社しWeb媒体(オウンドメディアの記事コンテンツ)に携わるようになってから気づいた紙媒体(雑誌など)との違いについて、編集者の仕事の変化などにも触れながら、振り返ってみたいと思います。

ちなみに、ここに書かれている違いについては、あくまでも僕個人の見解によるものです。すべての編集者に当てはまることではないので、あしからず。

企画立案におけるマインドの違い

まずは、企画を立案する際の編集者としてのマインドの違いから。

編集業務の中で、一番面白く、さらに個々人の力量やセンスが遺憾無く発揮されるのが企画立案時かと思います。たとえ紙媒体の編集しかやったことがなかったとしても、長きに渡り培ってきたその企画力はWeb媒体であろうとも十分に通用します。

ただ、ここでひとつ注意が必要です。実は紙とWebとでは、企画を立案する際の編集者側のマインドに違いがあるのです。

その違いは下記となります。

紙媒体 編集者が「面白い」「教えたい」と思うコトを読者に届ける。
Web媒体 読者が知りたいコトを届ける。

「読者が知りたいモノ・コト」については、編集者であれば、媒体にかかわらず当たり前のように考えていることだと思いますが、Web媒体のほうがより“読者が知りたいこと”という意識が強いのです。

これは、紙とWebとのメディアの違いによるところも大きく作用しています。

まず紙媒体の特徴は、基本的に読者は購読者です。つまり、少なからずその媒体に興味を持っている人となります。

読者がその雑誌のファンであることを考えると、企画を考える際には媒体の特性やトーンに合わせることが重要となります。その上で、新しい表現や独自の発想、その雑誌でしか読めない企画というのが求められます。

一方Web媒体は、読者が不特定多数であるというとことです。メディアや記事自体に興味がない人が目にすることも多く、最後まで読んでもらえない可能性やすぐに記事から離脱してしまう可能性があります。それを防ぐには、読者の共感を呼ぶような内容や表現が重要となってきます。
そのため、企画を立案する際は、“ターゲットとなるペルソナが何を知りたがっているのか?” “何を必要としているのか?” を徹底的に調べ、そこから企画立案へと繋げていくことが求められます。

上記の違いから、Web媒体で企画を考える際、僕は常に下記キーワードを念頭に置くようにしています。

Webは「共感」!

はい、40代以上の皆さん!
大きな声でもう一度

Webは「共感」!!

記事制作における『タイトル』の違い

原稿を制作する際にも、紙媒体とWeb媒体では大きく違うことがあります。その最たるものが「タイトル」です。

雑誌などの紙媒体においては、読者にいかに刺さるか、が大切となります。そのためタイトルには「インパクト」「ドラマティック性」が重要とされています。しかし、Web媒体のタイトルで重要視されるのは「SEO(検索エンジンの最適化)」です。もっと言えば、GoogleやYahooなどで読者が検索したときに、表示ページの上位に表示されるかどうか、になります。

これは、先ほど説明した媒体の違いにも起因します。紙媒体の場合は、読者がその雑誌のファンということもあり、購入さえすれば、よほどダメなタイトルでなければ読まれる確率はかなり高くなります。

しかしWeb媒体の場合、まずは記事までたどり着いてもらわなければならず、そのため、いかに記事と読者の接点を増やすかが重要となります。その対策のひとつとしてSEOが重要視されるのです。

この接点についてですが、僕自身、Web媒体に携わるようになって初めて意識したことです。

紙媒体では、流通が決まっており、コンビニや本屋に並べば読者の目に触れさせることができます。しかし、Web媒体の場合は、「読者の目にどのように触れさすか?」から考えねばならず、そこをきちんと考えないと記事は公開したが誰にも読まれないという悲しい結果に陥ってしまうことになります。

おそらく、僕みたいに紙媒体でしか編集をしたことがなく、さらにその歴が長ければ長いほど、この意識は少ないと思います。

SEOによるタイトルの付け方、考え方については、長〜くなるので、また次の機会に説明したいと思いますが、今すぐ知りたい! というせかっちさんは、下記LIGブログを参考にしてみてください。

編集者の業務の違い

3つめは、具体的な編集業務の違いについて書きたいと思います。

基本的に、取材、撮影までは、企画立案以外どちらの媒体もそこまで大きく変わりはません。原稿の執筆についても、タイトルを付ける際の考え方は違いますが、SEOにそこまでこだわらないのであれば、本文については経験のある編集者なら普通に対応することができるはずです。

では、何が違うのか。それはWeb媒体(あくまでも僕が携わっているオウンドメディアでの記事コンテンツです)にはデザイナー、印刷所がないということです。

正確に言えばデザイナーはいます。ただ、紙媒体と違いWeb媒体はページのレイアウトを組むわけではありません。また当たり前ですが、紙に印刷するわけではないので印刷所はいません。

僕が制作しているオウンドメディアの記事コンテンツは、基本的に「WordPress」などのブログソフトを使い、編集者自らが原稿や写真をレイアウトしながら入稿します。写真の配置や、文字の大きさ、行間の調整などは、すべて編集者の仕事となります。表などの作図についても、簡単なものであれば編集者が作成したりします。


(▲この記事のWordPress上の編集画面です。紙と比べるとかなり違いがありますよね……!)

入稿した後、クライアントが確認し、問題なければ編集者が公開作業(WordPress上でボタンをクリックするだけですが……)をして終了となります。

わかりやすく言えば、デザイン業務の一部と印刷業務の一部を編集者が行うような感じです。

「デザインも印刷もなんて、いやいや無理でしょ!」と思うかもしれませんが、アドビソフトを使用してデザインするわけでありませんし、実際に印刷をするわけでもありません。「WordPress」での作業自体は、一度覚えてしまえばそれほど複雑ではないですし、作図などもフリーソフトを使えば、簡単に作成することは可能です。

そこまで気にやむ必要もありません。

雑誌などでデザイナーからレイアウトが上がってきた際に、想像以上に良い仕上がりになっていたときの高揚感であったり、印刷所から色校が刷り上がってきたときの嬉しさみたいなものは味わえませんが、自身でレイアウトしページを作り上げていく楽しさは、紙媒体と同じか、それ以上かと思います。

まとめ

ここまで、ベテラン編集者が覚えておきたい、紙媒体とWeb媒体(僕が携わっているオウンドメディアでの記事コンテンツ制作)で異なる3つのことについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

最後にもう一度、紙媒体とWeb媒体の違いをまとめてみます。

紙媒体 Web媒体
企画立案時のマインド 編集者が「面白い」「教えたい」と思うコトを読者に届ける 読者が知りたいコトを届ける
タイトル インパクトやドラマティック性 SEO(検索エンジンの最適化)
業務内容 編集業務のみ 編集業務+デザイン&印刷業務の一部

何度も書きますが、ここで紹介しているのは、あくまでも僕がLIGで行なっているオウンドメディアでのWeb記事コンテンツ制作においての内容です。クライアントや担当するWebメディアによっては、その違いもガラリと変わりますが、企画立案や記事制作の違いについてはWeb媒体共通の認識かと思います。

僕自身、「同じ編集だもの! 紙かWebかの違いだけで、編集者としてやることは同じだもの!」と思っていましたが、蓋を開けてみると結構違うことが多く、“学び”の日々が続いております。

しかーーーし!! 媒体は違えど、読者が喜んでくれるものを作りたい! という思いは、同じ。

最終的には、熱量を持ってやればなんとかなる!

これからも、熱量を武器に、頑張って参ります!!!!!

以上、エディターのヒロでした。

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Hiroyoshi Saito
Hiroyoshi Saito Digital Marketing / Media Director / 齊藤 弘祥

専門学校卒業後、フリーライターとして活動。その後、広告制作会社に就職し、十数年に渡り紙媒体の編集者として従事。2021年にLIGへ転職。WEB媒体の編集者として、オウンドメディア支援を担当。2022年より、LIGブログのPR記事制作ディレクターに。

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