モノからサービスへの価値観変革!新たな価値を捉えるための4つのポイントを解説

モノからサービスへの価値観変革!新たな価値を捉えるための4つのポイントを解説

Teppei Maejima

Teppei Maejima

みなさんこんにちは。コンサルタントのてっぺーです。

LIGでは、これまでにExperienc Point社とのパートナーアライアンスを行い、Design × Consultingをコンセプトに新しいコンサルティングの取り組みを開始しています。

この取り組みを通じて、従来の価値感やビジネスモデルから大きくニーズや価値観が変わっているなと私自身も実感しており、これからの競争化戦略として何を変えていかなければならないのか、その要諦をまとめました。

モノからサービスへ価値観の変革


これまでのエクスペリエンスはスターバックスの「The Third Place 」を例に、体験の「場所」にフォーカスしていました。しかし、企業はモノに価値をバンドルして顧客へ販売しており、顧客はその販売されたモノに価値を感じていましたが、これからは共創化の時代であり、モノ自体に価値があるのではなくモノと体験が一体となって初めて価値を創出できるように時代が変わりました。

例えば、IoTが普及してくるとセンサーやデバイスそのものに価値があるのではなく、センサーやデバイスで取得されたデータとそれを活用する体験によって価値が生まれてくるということです。こうした時代的な背景より、モノと体験から生まれてくるサービスが重要視されており、これを行うビジネスモデルへ変革していかなければならないと考えています。

例えば、農家は農作物を作成し販売することによって価値を提供しているとみられてきました。しかし、サービス観点で見ると、農作物はシェフによって料理に変わり、顧客によって体験へと変換されます。つまり、企業や提供者が行う活動だけでは価値の最大化を実現することが困難になってきているということです。

経営活動のゴールとしては、生産⇒販売となっていたものをさらに世界観を拡大し、体験への変換とその後の使用価値を最大化することへゴール設定を変えなければならないということです。

体験への変換のポイント

上記の通り、生産者、提供者、消費者というつながりから、価値を一緒に作るアクターとして、言葉の定義を変更しなければなりません。また、体験への変換は、観察・インタビュー・共感・インサイトの4つが重要なポイントとなります。

1.観察

顧客や他人を観察し、好奇心を解き放つ方法を把握します。これは、目で聞くということが重要です。目で聞くとはどういうことか? それは、人々が何を大切にし、何を気にかけているのか? を把握するということです。例えば、満員電車に乗っているときに、なぜ人々はスマホを見ているのか? ということではなくスマホで何を見ているのか? を考えるということです。

従来通り、なぜスマホを見ているのか? ということに着目してしまうと、時間潰し・隙間時間の活用といった理由を考えることに始終してしまい、価値を考えるきっかけにはならないのです。

一方、後者ではどうでしょうか? 1日の予定を確認する人もいれば、SNSのチェック、ニュースやショッピングなど、様々な人が何を体験しているのか、その体験は心地よいものなのかといった体験ベースの価値を捉えるきっかけになるはずです。

2.インタビュー

適切な質問とステージの設定が重要です。インタビューで用いる質問は、Yes / Noのクローズな質問ばかりではなく、オープンな質問を行うことが大切です。例えば、「家で料理するときと外出するときでは、どのような気持ちの変化がありますか?」「お気に入りの料理本やレシピ集を教えていただけますか?」のような質問です。

しかし、初対面のインタビュー相手では、なかなか意見や気持ちをオープンにすることが難しいと思います。インタビュー開始の前にカジュアルなトークとリラックスできる場所の設定などインタビュー環境の設計も注意する必要があります。また、インタビュー時に対象者の意見に耳を傾けるなど姿勢も重要です

3.共感

対象者の感情的な経験とニーズを深く理解することです。対象者の身になって、様々な瞬間においてどのように感じたのかを想像し、自分とは異なる新たな視点を獲得することです。例えば、シニアの身になって、交通機関を利用したときにどのような不便さや不満があるのか注意深く耳を傾ける、というようなことです。

この共感は、全体の中の1ピースにしか過ぎませんが、私達が設計しているデザインの想定を超えるのに必要な作業となります。これを行うことで、利害関係者全員の目標を共通化し、各自の見識を統一/調整することができるようになります。

4.インサイト

上記の3つの取り組みを説得力のある洞察へと変えていきます。そのために、観察、インタビュー結果、共感をポストイットに転記し、一般的なパターンやテーマに沿って分類し、クラスター化します。これにより、1~3のインサイトに絞り込みを行い、結果を要約します。

この有益なインサイトによって、漠然とした体験を具体的な体験ストーリへ落とし込みを行うことができます。この辺りは、左脳的なコンサルタントが得意な領域なのかも知れません。収集した情報を構造的に仕分けすることで、発見したインサイトがどの程度、影響力があるものなのか、いくつかの判断軸をベースに定量的に整理することが重要です。

また、インサイトの裏付けとして、社内データを活用することもおすすめします。裏付けとなる収集可能なデータは何か? を意識すると良いでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか? 前述までのポイントを踏まえることで、抽象度の高い「体験」を構造的に整理し、サービスデザインや戦略といった計画へと落し込みができるようになります。

顧客のエクスペリエンスやブランドの体験価値が変わりゆく中で、マーケティング手法やプロダクト、ソリューション、事業開発の手法を見直し、持続的なビジネスモデルを構築することを考えてみてはいかがでしょうか?

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Teppei Maejima
Teppei Maejima Strategy&Consulting / Consultant / Partner / 前島 哲平

アクセンチュア株式会社にて、通信・メディア・エンタメ業界を中心に、営業改革(SFA/CRM)、CX(カスタマーエクスペリエンス)、デジタルマーケティング、分析基盤、個人情報の匿名加工、ERP/BPRなど約10年間に渡り、デジタル化戦略 & コンサルティングに従事。LIG入社後は、DX推進によるデジタル化戦略を支援している。

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