はじめまして! LIGでゲーム事業をしています、うえぴーと申します。
このハイパーカジュアルゲームランキング定期レポートは、LIGのゲームプランナーの私が、日本でのハイパーカジュアルゲームヒット作を出すのを目標に、月刊的にハイパーカジュアルゲームについて分析、コメントを残していくレポートです。
参照ランキング:Top Grossing Games Apps
みなさんがYouTubeやTikTok、Instagramなどの広告で目にし、ダウンロードすると無料で遊べるゲームも、ハイパーカジュアルゲームであることが多いです。
目次
TOP5
1. Candle Craft 3D
YouTubeやTikTokなどの動画系SNSでものづくりの動画は定期的に流行りますが、本タイトルもTiktokで流行った動画からアイデアを得たハイパーカジュアルゲームではないかと考えています。
過去に流行っていたWoodturningのゲームメカニクスとキャンドル作りを掛け合わせることでユーザー意欲を掻き立てる内容にしたのではないでしょうか。
2. PUBG:NEW STATE
非ハイパーカジュアルゲームですが、ゲームジャンルとしてFPS視点のゲームは直近のタイトルでも流行しています。ハイパーカジュアルゲーム以外のアイデアをよりコンパクトにすることでハイパーカジュアルに適合させられる可能性があると考えています。
3. Money Honey!
お金を集めてよりリッチになるゲームです。
ランキングには数ヶ月間似たゲームが集まっていますが、「リッチになる」「より良いものを着る」「失敗するとひどい状態になる」など、現実感のある変化を楽しむことができるゲームになっているのではないかと思います。
「欲求をインスタントに体験できる」というのはゲームならではですが、ユーザー心理にとても響いているポイントなのではないでしょうか。
4. トラフィック・コップ3D
警察のパトロールや尋問などを体験するゲームです。
「体験したことないことをやる!」「できないことを実現する!」など広告を見たなかでもユーザーが妄想を広げられる点が多く、ヒットも頷けます。
5. Text or Die
出題されたお題からタイピングした文字数で生き延びるゲームです。
タイピングは定期的にランキングに上がるので、ゲームメカニクスとしてはウケがいいのでないかと考えています。
ただ、文化の違いや感性の違いがあるので、日本の開発会社からリリースするには難しいタイトルだと感じています。
TOP5以降の注目したハイパーカジュアルゲーム
7.Candy Challenge 3D
Netflixで大人気のドラマ「イカゲーム」を参考にしたゲームです。
一斉にアプリストアから棄却されているゲームもありますが、著作権に触れない範囲での再現は許容されるようなので、ビジュアルをどこまで変えていくかが大事だと思います。
ただ、流行りものは賞味期限早いので、今からとなると大きな利益は期待できないかもしれません。
14. Merge Animals 3D – Mutant race
見た目の驚きをここぞとばかりに活かした作品ですね!
アイコンもそうなんですが、気持ちの悪いキメラ的な動物が走ってたら「WAO!」とか「What’s that!?」なーんて思う気持ちはわからなくはありませんね。
17. Makeover Race
Project Makeoverというカジュアルゲームがを元ネタにしたパロディメイクゲームですね。
元のゲームとはにても似つかない驚きのアクションで面白そう! という気持ちを引き出しているんじゃないかと考えています。
現実では絶対に無理だなと思う行動をキャラクターにやらせて、広告動画で一部見せることで興味を引きます。
54. Level Up Runner
カウントマスターズなどの数字リソース管理のゲームメカニクスを、レベルという表現でランゲームに適合させた内容です。
一般的なランゲームでリリースから日は浅く、まだバージョンアップ途中だとは思いますが、54位まで上がっているので、どういう点でユーザーの注目を集めたのか非常に気になります。
Red vs. Blueなどの棒人間を使ったゲームは、いまだにアメリカでは人気があるため、使っていたモデルなどの影響も考えられるかなと思っています。
73. Hand Evolution Runner
数カ月前までは体験系のハイパーカジュアルゲームが流行っていましたが、トレンド(もしくはユーザーがとっつきやすいもの)はランゲームに落とし込むことがヒット要素になるのではないかと思います。
渾身の一ネタや以前流行っていたアイデアをランゲームに落とし込むと、また新たなヒットに結びつくのではないかと考えられます。
183. Shoot The Crowd
クラウド(群衆)×弓使い×カウントマスターズです。
ハイパーカジュアルゲームで流行った要素の掛け合わせは、ゲームを生み出す有効な手段だと思います。
いわゆるデベロッパー思考の強い会社はゲーム作りのプロが多く発想に富んでいるので、このようなゲームを作りヒットを産むのが一番現実的だと考えています。新たなメカニクスなど流用できる点がないかなどもチェックできたらと思いました。
総評
1ヶ月ぶりにTOP争いの変動が大きくなっています!
ここ最近は質の良いミドルコアやカジュアルゲームなどが上位に入ってましたが、Candle Craftが1位を取ったのを皮切りに、ハイパーカジュアルゲームがまたランキング上位に上がってきています。
Candle CraftはTikTokなどのSNSサイトでバズった動画から着想を得たゲームで、普段からゲームをしない層にもダウンロードを促す要因になってるのじゃないでしょうか?
また、ここ2〜3ヶ月ハイパーカジュアルゲームでヒットを出してる作品は、ランゲーム×お金というテーマのモチーフのゲームが多いので、トレンドとゲームメカニクスの掛け合わることを意識して開発するのがヒットの鍵になるのではないでしょうか。