山奥すぎて立地が最強に悪い宿の売上を伸ばし、黒字転換させた方法

山奥すぎて立地が最強に悪い宿の売上を伸ばし、黒字転換させた方法

ケン

ケン

こんにちは。LAMP豊後大野の支配人のケンです。

私はいま、大分県豊後大野(ぶんごおおの)市で、LAMP豊後大野という宿を運営しております。

地図を見ておわかりいただけるように、極めて山奥で宿を運営しています。

 

こちらは4年前、LAMP豊後大野設立当初に公開した動画です。運営開始から4年が経ち、多くの苦節を乗り越え、ようやく宿として軌道に乗り始めてきました。

そこで今回は、同じようにゲストハウスを運営されている方や、宿に限らずサービス業をされている方へ向けて、僕が実践した売上を伸ばす方法を公開しますので、何かしらのヒントになれば幸いです。

激狭の道を車で45分走る山奥の立地

見てください、この山奥を。これは山頂から見た景色です。
 

で、私たちの宿はここです。

サービス業をやるうえで、立地は非常に重要です。私たちの宿は、そんな常識からすると、マジでありえないぐらいの山奥にあります。

不利自慢で言えば、

  • 豊後大野市の中心地からは、1時間以上かかる
  • 周辺に民家は一軒だけで、80歳以上のおじいさんが唯一の住人
  • 最寄りのコンビニまで車で50分
  • 周りは山しかない(本当に)
  • 祖母山という山の登山口にある
  • 標高680メートルくらいのところにある

という場所にあります。おまけに、カーブの多い狭い山道を45分ぐらい走るのです。セオリー通りに考えれば、こんなところで宿をやっても儲かるわけがないです。

今だから言えますが、私も最初にこの場所に連れて来られたときには、「こんな場所に誰が来るんですか?」と聞いたくらいでした。

しかし、現在ではたくさんの方に利用していただける宿になってきました。来てくださるお客様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。いつもご利用いただきましてありがとうございます!

今でこそ記事が書けるくらい多くのお客様にご利用いただけるようになりましたが、最初の3年は正直、赤字経営でした

立ち上げの3年間は地獄だった

こんなことを書くのもなんですが、立ち上げの3年はマジで地獄でした。私たちが運営する前にこの場所は2年間誰も使っていなかったこともあって、以前の宿を使っていたお客様からは「閉まった宿がある場所」として認知されてしまっていました。ちなみに、以前の宿を利用していたお客様の多くは山を主な目的にしており、宿はいわゆる山小屋として利用していたそうです。

本当に一人でスタートし、バカでかい施設を掃除しながら仲間を募り、オープン前にようやく一人メンバーが入ってきてくれましたが、料理も出せない素泊まり運営が半年ほど続きました。

 

その後ご縁があり、若き凄腕の料理人がスタッフとして入ってきてくれました、そしてお食事を提供できるようになり、さらに仲間が少しずつ集まり、最終的には4人で運営できるようになりました。

また、この宿は豊後大野市の指定管理施設であり、事業自体が市と協働での地方創生の一環でもありました。そのため宿スタッフは、移住を視野に入れた地域おこし協力隊からのキャリアスタートでした。地域おこし協力隊とは、地方移住を促す国が行う制度で、1年更新で最大任期が3年と決まっています。

単純な話、3年後に赤字なら正規のスタッフとして雇えません。そんなプレッシャーとも戦いながら、日々もがき続けていました。

そして現在、社員が1名と地域おこし協力隊2名で運営できるようになりました。

売り上げはコンテンツで伸ばせ

さて、ここからが本題です。前述の通りこれまでこの土地ではLAMPが設立する前から他の事業者により宿事業が行われてきました。

そして、現在4年目を迎えるLAMP豊後大野の売上とこの土地で行われてきた宿事業の過去最高額と比較したところ、LAMP豊後大野の売上は過去最高売上の1.7倍という結果を出していました。

ここまで成長した要因は、私たちが今期から新たなコンテンツとしてスタートしたフィンランド式アウトドアサウナ「REBUILD SAUNA」(リビルドサウナ)が大きく関係しています

また、前回の記事でも紹介したのですが、豊後大野市の「サウナのまち宣言」を支えるため、アウトドアサウナを巡れるコースが、アウトドアサウナ協議会「おんせん県いいサウナ研究所」によってできました。これによりどの施設も良い関係性を築いて一体となり、お客様を送客しあえるようになりました。

つまり、この経験からハコモノビジネスは、その場所のコンテンツが必要だということです。

創業当初は、山を目的にくるお客様が多く、正直特別なコンテンツを用意してなくても、山がなくならない限りは宿に泊まりに来てくださる。という状況でした。こういった宿は少なくはありません。

そんな状況でしたが、LAMP豊後大野を目的に来るお客様が増えない限りは、この先の成長はないと創業時から考えていました。山奥で自然しかないこの場所で、LAMP豊後大野を目的に来てくださるお客様を増やしつつ、自分が熱量をお客様に伝えられるもの。それが、フィンランド式サウナ「REBUILD SAUNA」だったのです。

こうして山を目的としたお客様に加えて、LAMP豊後大野のサウナを目的としたお客様も来てくださることによって、少しずつ客足が伸びていきました。

しかし、コンテンツよりももっと大切なことがあります。

コンテンツよりも大切なホスピタリティと親しみやすさ

ホスピタリティと親しみやすさは、コンテンツよりも大切なことです。

コンテンツがある箱をただ作れば良いわけではなく、血の通ったおもてなしや、宿やコンテンツの親しみやすさが必要です。具体的には、細かな気配りやコンテンツに付随するサービスの拡充、ニーズを把握して顧客満足度につながるおもてなし、といったことです。

加えて、それらがより日常生活に近しく親しみやすいコンテンツであればあるほど、LAMP豊後大野ではリピート率向上につなげることができます。

結局大事なのは、コンテンツの「熱量」

ちゃぶ台を返す感がハンパないですが、最終的にはコンテンツに対するスタッフたちの「熱量」が、ライバルとの差になってきます

九州の人気サウナ施設を見渡しても、どこもご自身の施設やサウナへの「愛」がハンパないです。オーナー自ら熱量を持って、日々SNSの発信をされていますし、その日々の熱量は、施設へ行けば十分なほどに伝わってきます。その熱量と愛こそがコンテンツを良いものに育てていきます。

写真はスタッフのマーシーですが、彼はお客様のことを第一に考えており、改善のスピードが尋常ではありません。私たちもほかの施設に負けじと提供するコンテンツに熱量を込めています。そして愛を注いでいます。

これは店舗やサービス業にかかわらず、どの仕事でも言えることだと思います。

結局は、自分たちのオリジナルコンテンツへの愛を、熱量を持って伝えられるかどうか、お客様の心に響かせられるかどうかに限るのではないでしょうか。

さいごに

4年目を迎え、ようやく赤字を脱し、スタートラインに立てたのではないかと思います。

私たちもまだまだこの結果におごらず、もっと楽しい場所、もっとゆっくり過ごせる場所、また来たくなるような場所を目指してLAMP豊後大野を盛り上げていきたいと思います。

今はサウナブームが全国で広がっていますが、アウトドアサウナを主軸に、サウナを通して「私たちの日々の日常」をアップデートしていくことで、お客様が楽しみながら、多忙な日常から解放され、大自然の中でゆっくりできるような、山奥ならではのウェルビーイングな宿を目指していきます。

ぜひLAMP豊後大野へお越しくださいませ。お待ちしております!

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LAMP豊後大野 支配人・エディターのケンです。 日本人とのハーフの日本人です。オカルトと柔術が好きです。 好きな食べ物は、チャーハンです。 目標は、フリーメイソンに認定されることです。

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