初めまして。LIGでコンサルタントをしております、ホーと申します。
当方、LIGのコンサルタントでは唯一の日系企業出身です。他メンバは外資系らしく横文字ドリブンのコミュニケーションをしているのですが、私は日系企業出身らしく、日本語での言語表現を行い、円滑な議論・会話を行えるようにしたいと思っております。
ひいては今後もイシュードリブンでアジェンダをアラインしていきたいと考えております。
さて、本日は複数クライアントの業務標準PJに携わってまいりました私が、業務担当者及び業務改善担当者様に向けて、業務プロセス標準化を行うべき理由と重要ポイントについて、お話をさせていただこうと思います。
目次
業務プロセスを標準化する3つの理由
プロセス標準化を行うべき理由を説明する前に、前提条件を整理させていただきたいと思います。果たして、プロセス標準化を実施するべき対象は、どのような組織になるでしょうか??
私は”組織として活動を行うまたは、中堅未満の人材の参画が起こりうる組織”はすべてプロセス標準化を行うべきと考えております。
要は”スーパーマンしかジョインしないうえに、個人商店的な動きを求める組織”の場合、徹底的に個人主義を突き詰めたほうが効率がいいのですが、そのような組織はそう多くないと考えます。それでは前提条件を説明させていただきましたので、プロセス標準化を行うべき3つの理由をご紹介させていただきたいと思います。
品質低下によって業務の質・効率の悪化を招く
容易に想像がつく内容だとは思いますが、まず基本的なルールがないと品質にブレが生じます。発生する契機としては主に以下の2点です。
- 担当者の経験・ナレッジが少ないこと
- 業務負荷が高くなったことから、一つの作業に充てられる時間が短くなったこと
品質低下はクライアントの満足度低下に直結しますので、大きなリスクではないでしょうか。また担当者がスーパーマンだったとしても、一定の業務負荷を超えてしまうと、品質の低下は逃れられないという点も重要です。
高負荷に陥った当人がエスカレーションを行うことはもちろん大事ですが、組織として業務負荷による品質低下を検知できるようにルールを整備することは必須であると言えます。
組織としての再現性が低下する
再現性と書くと小難しい表現となりますが、”組織としていつでも一定のクオリティの業務品質を維持できるかどうか”が重要である、ということです。例えばAさんだけができる業務はAさんがいなくなると品質の再現はできなくなりますし、Aさん自身の業務負荷にも依存してしまう状態となります。
とりわけ、ルーティン業務やコモディティ化した技術領域においては、組織の人員は代替可能である状態にすることで、組織運営上のリスク軽減が可能となります。
新しい取り組みを始めにくくなる
俗人化が進むと、新しい取り組みを行うことも難しくなります。何故ならば、”Aさんだけが知っている業務の問題は、Aさん以外知らない・気づけない”というジレンマが起きるからです。
俗人化された業務は、その業務を知っている人だけが改善を担うことになるのですが、ルーティンになればなるほど改善の必要性を感じにくくなります。また、外部の目・声が届かない状態では、改善するにも限界があるかと思います。
さらに、組織としてトップダウンで新しい取り組みを行おうとした際にも、俗人化した業務の現状把握のフェーズから始める必要があるため、俗人化の状態が進むほど、余分な工数・負荷が発生することとなります。
業務プロセスを標準化する3つのポイント
ここまで、業務プロセスを標準化すべき理由を述べさせていただきました。同時に、「やらなきゃいけないことは知っています。あなたがコンサルと宣うのなら、どうすればいいかを教えてください」と、恐ろしい声が聞こえてきた気がします。
それではこれらの声にお応えするために、本日はプロセス標準化を行うための大事なポイントを3つだけご紹介させていただきます。
インプットとアウトプットを定める
連続性のある業務は必ず、前段階で作成されたインプット(情報源)を基に業務が実施され、アウトプット(成果物)が作成されるので、この2つの要素が整理されていれば方向性が大きく狂った業務となる可能性は小さくなります。
また、インプットを定めておくことで、タスクの開始タイミングが定まりますので、業務の連続性が損なわれにくくなります。
クリエイティブを失うルールは作らない
業務プロセス標準化を推進していると、必ずぶち当たる壁があります。”どこまでルール・基準作ればいいんだ問題”です。業務プロセス標準化は正直なところ、沼的な要素がありどこまでもルールを作ろうと思えば作れてしまいます。
そこで、提案させていただきたいルール作成における基準は、”その業務にクリエイティブは必要か”ということです。
独自性や創造性が問われる業務は、簡単なルールやロジックでは定義しきれないものであり、余分なルールを課すことで独自性・創造性が損ない、ひいては市場競争力を失う恐れもあります。ロジック・ルールでは競争力のある商品は生みだしづらい時代です。そのため、新商品企画もルールにとらわれないクリエイティブの領域といえますね。
- クリエイティブの定義
- クリエイティブ、とLIGっぽいことを記載いたしましたが、ここでは事業開発やサービス企画における創造性・独自性を指しております。近年は事業環境の変化速度や複雑性が高まっていることから、ビジネスにおける構想検討フェーズでもクリエイティブな検討手法が採用されております。LIGのコンサルティングチームはデザイン思考を活用した事業開発を支援するメソッドを確立していますので、この辺りも後日ご紹介させていただきます。
レビュープロセスはなんとしても固める
最悪はここを徹底すれば、何とかなります。
レビュープロセスを徹底すれば、上長や他部門から指摘を受けることができるので、少なくとも品質の極端な下振れは防げます。また、品質をチェックできることに加えて、品質が低い理由をチームとして把握することが可能となります。
どこまでチームレビューを行うかについての検討は、業務内容と工数の兼ね合いにはなってくるのですが、重要なことは、”業務は組織・チームとして責任を負う”という意識が大事だと思います。
最後に
ここまでお読みいただいた方はプロセス標準化の重要性をご理解いただけたかなと思います。もしご不明点やご相談などありましたら、お気軽にお問い合わせ頂けると幸いです。
LIGのコンサルティングチームには様々な事業ドメインの業務に精通したコンサルタントが所属しておりますので、お客様に合わせたプロセス刷新計画をご提案させていただきます。
それでは最後に恐れ入りますが、プロセス標準化の重要性をご理解いただけた方は、最後に某予備校の名セリフをコンサル風に、ご唱和のほどお願いいたします。
「プロセス標準化いつやるの? ASAPでしょ!」
※注1:ASAP=AS SOON AS A POSSIBLEの略。”なるはや”と同義。
※注2:ASAPは結局のところ、期限が定まらないので基本的には使わないことをお勧めします。ASAPを連呼すると仕事できない人として認定されてしまいます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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