「新規事業の開発を外注する……ってアリなの?やっぱり採用じゃないの?」に答えます

「新規事業の開発を外注する……ってアリなの?やっぱり採用じゃないの?」に答えます

Jack

Jack

こんにちは、システム開発事業でマネージャーをしておりますJackと申します。

このたび、LIGの元執行役員である寺倉そめひこさんがこう話していたと別のLIG社員から聞きつけまして……

icoいま自分の会社で新規事業の立ち上げをおこなっているんですが、エンジニアが1人しかおらず開発が遅れちゃってるんですよ。エンジニアを採用するにもなかなか難易度が高くて、正直苦戦してます

「あぁ、これはLIGのシステム開発事業をぜひとも提案しなければ!」という使命感から、そめひこ氏をテキトーな理由で呼び出して思いっきり営業をかけてみました。その一部始終をぜひご覧ください。




―― 2021年7月某日@オンライン

そめひこ:Jackさん、僕に相談したいことってなんですか?

Jack:今日は新規事業の開発にお困りのそめひこさんにLIGのシステム開発を提案しようと思い、お時間をもらいました。同事業部のマネージャーであり、エンジニア採用のプロであるくまさんにも同席してもらっています!

くま:よろしくお願いします!

そめひこ:え? なに急に。押し売りがすごい

 

▼登場人物紹介

ico 寺倉そめひこLIGの元執行役員。現在はデジタルマーケティングエージェンシー・株式会社MOLTSを経営。新規事業を絶賛立ち上げ中。
ico JackLIGのシステム開発事業部マネージャー。現役時代のそめひこと在籍期間も被っているベテラン社員。口癖は「絶勝」。
ico くまLIGのシステム開発事業部マネージャー。エンジニアの採用や育成に詳しい。最近noteがめっちゃバズった。

内製化を進めているがエンジニアを採用できない

Jack:ではさっそくですが、そめひこさんから簡単に現状の課題を共有いただけますか?

そめひこ:えー……なんだかすごい急ですが……いま自社で立ち上げている新規事業開発において、エンジニア採用に困っているのは事実です。

ここまでエンジニア1名でずっと開発を進めてきたんですが、いよいよスピードが追いつかなくなってきていて。現に開発スケジュールは数ヶ月ほど遅れおり、8月にようやくリリースできる予定です。

ここからガッと事業を加速させるためには、内製化して同じ熱量を持ってやっていけるようなエンジニアを採用しなきゃいけないと考えています。

しかしすぐには採用できなそうなので、リリースまではいったん既存の体制で走り切る。次のフェーズに向けては、僕が直接ヘッドハンティングするなりエージェントを使うなりして、採用をがんばるしかないと思ってますね。

くま:スタートアップ、とくに20名未満のシード期であればわりとエンジニアは採用しやすいですよ。「誰かが作ったものじゃなく、自分でゼロからサービスを開発したい!」という動機で、自社サービスやSIerのプログラマがスタートアップに寄ってきます。

しかしそめひこさんの会社の場合、ほぼ完成したシステムを引き継ぐところからのスタートですよね。つまり0→1ではなく1→10。となると、エンジニアからは色あせた求人に見えてしまいます。採用はかなり苦戦するでしょうね。

そめひこ:い、色あせて見えるのか……。

くま:採用を成功させるためには、一回起業して共同創業者と仲違いしたとか、シード期の会社に入ったものの事業が失敗したとか、外資系コンサルに入って疲れたとか、そういう人たちを出口で待ち構えてうまくスカウトするしかないでしょうね。

こうした戦略はいつ成功するかまったく読めないので、「まずは外部の力を借りてでも事業を進めましょう。あとは儲かってから考えませんか」とお客様に伝えることは多いです。

そめひこ:そうですね、おっしゃるとおりです。……でもせめて、リードエンジニアだけは外注ではなく採用したほうがよくないですか?

くま:もちろん理想はそうです。仮に外部パートナーと組むにしても、プロダクトオーナーが描く絵を具体化できる人がそばにいてくれたほうが断然進めやすいですね。ただ、現実問題として採用市場にまったくいないんですよね。

そめひこ:ダメだ。完全にうまいこと採用から外注の方向に持っていかれてますわ。

外注するのは漠然と不安

そめひこ:事業責任者の僕としては、安心して開発が進められて、かつ価格が適正ならば外注もありだとは思っています。でも僕自身技術にそこまで詳しいわけじゃないので、わからないことにお金払うのが結構こわいんですよね。ひどい仕事をする開発会社も過去に見てきましたし。

くま:そういう会社ありますよね。僕もLIG入社前に、とある開発会社から稼働していない開発費をしれっと100万円のっけて請求されたことがあります。

そめひこ:ね、そうやって無茶苦茶なことするじゃないですか。

Jack:たしかに技術面に詳しくない方からすると「どの開発会社が本当に信頼できるのか」を見極めるのは至難の業ですよね。であれば、信頼できるアドバイザーをつけて意見をもらうのは有効だと思います。そうすれば外部パートナーから提示されたお見積もりが適正かどうか、きちんと判断できるのではないでしょうか。

そめひこ:なるほど、それは目からウロコでした。当たり前ですが、たしかにそうですね。

しかしうちの開発って、Vue3とかDynamoDBとかAWS Amplifyとか、あんまり使わないものを使っちゃっている自覚がありまして。うまく連携できるのだろうか? というのも外部パートナーと組む上での大きな懸念なんですよ。

Jack:たしかにかなり攻めた技術選定をしてますね……。外注しようとしても「ナレッジがない」という理由で断られる可能性はおおいにありそうです。

そめひこ:やっぱりそうですよね。ぶっちゃけLIGのシステム開発で対応できそうでしょうか?

くま:弊社の場合、それぞれ多少の経験はありますよ。素養のあるメンバーに学習コンテンツを提供した後、スキルアセスメントツールで一定の基準を満たしたことを社内外ともに認めたのちに、現場配属することになると思います。

そめひこ:学習期間さえ設ければ対応できちゃうんですね。すごい。……うーんあとは、サービス立ち上げ期ということもありかなりの高頻度で修正が入るんですが、どれくらい柔軟に対応してもらえるんでしょうか?

Jack:成果物に対してフィーをいただく請負契約であれば、正直なところ細かな修正対応に限界があります。しかしLIGのシステム開発は、コミットした時間に対してフィーをいただく「準委任契約」なので、まさに新規事業開発にフィットすると思いますよ。

そめひこ:外注に関するさまざまな懸念を絞り出してぶつけたのに、いまのところ全部返されましたわ。

オフショア開発は安かろう悪かろう?

そめひこ:いや、まだまだ懸念はありますよ。LIGのシステム開発ってフィリピン・セブ島でのオフショア開発じゃないですか。海外の方だと肌感が合わなくてアウトプットがズレそう、開発のレベルがそこまで高くなさそう……みたいなイメージがまだまだあるんですが、実際どうですか? 正直に答えてくださいよ。

Jack:たしかにWeb制作におけるデザイン再現やアニメーション表現は日本との差が多少ありますが、サービス開発においては、日本もセブもレベルは変わらないと思います。なんなら一部フロントエンド領域に関しては、国内のエンジニアよりも技術レベルは高いですね。

くま:オフショア開発が流行った約10年前はたしかに安かろう悪かろうだったんですよ。現地でできるのはHTMLとCSSの修正くらいでした。しかし現在、弊社のセブメンバーはほぼみんな情報系の大学を卒業していて、最新の言語も一通り習得しています。

同じレベルのチームを日本で組織するのは相当難しいでしょうね。少子化とは無縁で人材も豊富なので、急な人員強化に対応できるのも大きなメリットの一つです。

そめひこ:素朴な疑問なんですが、フィリピンのエンジニアはなぜ優秀なんですか? 教育制度が整っているとか?

くま:理由の1つは、英語がネイティブでグローバルな情報にアクセスできることだと思いますね。日本語で検索してもたいした情報出てきませんから。あとは、日本人が自由を求めてフリーランスになろうとしている一方、セブの人たちは「自分が一族を養う」という気概をもって働いているんですよ。扶養家族が8人いたりしますからね。一生懸命さが違うなと感じます。

そめひこ:8人はすごい。そりゃ仕事がんばりますね。

ちなみに僕ら発注側って現地のエンジニアと直接やり取りすることってあるんでしょうか? オフショア開発ってどうしてもコミュニケーションに対して漠然とした不安があるんですが。

 

Jack:たしかに従来のオフショア開発は「ラボ型開発」とも呼ばれ、「エンジニアリソースを提供します、プロジェクト管理や設計はお客様自身でやってくださいね」というスタイルでした。結果エンジニアとのコミュニケーションコストが高く、品質低下を招いてしまうところがあったんです。

一方でLIGのオフショアは、プロジェクトマネジメントやデザイン、要件定義を日本人メンバーが対応するため、お客様が現地のエンジニアと英語で話す必要はまったくありません。国内ベンダーとやり取りする感覚だけど価格は安い。これがLIGの強みです。

そめひこ:国内で発注するのとコミュニケーションコストは変わらない、ってことですね。……コニュニケーションも問題なしとくれば、LIGのシステム開発で失敗するケースっていったいどんなときなんでしょう?

Jack:実際にあったのは、「エンジニアと直接コミュニケーションとるから日本スタッフを外して安くしてくれ」と体制変更するパターンですね。この場合ほぼ失敗します。再度日本人スタッフをアサインすることがあるくらいです。

そめひこ:なるほど。つまり最終的に国内のディレクターが信用できるかどうかが重要ですか?

くま:たしかにそれは大事なポイントです。なので発注前にプロジェクトマネージャーやディレクターと面談を希望されるお客様もいますよ。技術的な質疑応答をしてやり取りに不安がないか見てもらいます。先日も面談を経てから受注に至ったケースがありました。

いざ、発注は……!?

そめひこ:ありがとうございました。ちゃんと話を聞いてみたら全然悪くないですね。想像以上に安心して進められそう。自分のなかに「外注やオフショア開発に対する変な壁」を作っちゃってたんだなって気づきました。内製と外注、それぞれのメリット・デメリットを比較せずに、ただ内製化にこだわってしまっていたなと。

Jack:いざ、発注は……!?

そめひこ:次の開発フェーズに入る前に、一回エンジニアメンバーも交えてミーティングさせてください。

くま:おおお! お待ちしております!

Jack:ありがとうございます!発注書を用意しておきますね!!!

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デューサーのJackです。 Web事業部マネージャーも兼務しています。 ディレクター向けの講演依頼はお気軽にご連絡ください。

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