GoogleアナリティクスによるWebサイトの調査方法【基礎編】

GoogleアナリティクスによるWebサイトの調査方法【基礎編】

Seita Hichiku

Seita Hichiku

うどん県出身・Webディレクターのセイタです。フィルムカメラで写真を撮ることにハマっています。

世の中には様々なタイプのWebサイトが存在しています。

  • 企業のブランディング強化や問い合わせ獲得のためのコーポレートサイト
  • 採用を獲得するための採用サイト
  • 情報発信のためのメディアサイト
  • 商品や企画をPRするためのLP

LIGではお客様の抱える課題をヒアリングし、解決に向けた施策をそれぞれのWebサイトの特性に合わせてご提案・制作させていただいています。

しかし、様々な施策を盛り込んだWebサイトをリリースすれば万事解決! となれば良いのですが、そう簡単にはいかないのが世の常です。Webサイトを制作したあと、どう運用していくのかがより成果を出していくために必要不可欠となります。

最近では新規でのWebサイト立ち上げやリニューアルでの制作以外に、既存サイトの改修など保守も担当させていただいています。そのなかで改めてこの分析という過程の重要さを再認識し、学び直すべく筆を取りました。

調査に臨むための準備

Webサイトを運用していくためには分析が必要! 早速Googleアナリティクスを見よう! と思ったそこのアナタ! ちょっと待ってください!

分析が大切だと先ほど言いましたが、ではそもそもなぜ分析をするのでしょうか?

分析する理由

Googleアナリティクス(以下:アナリティクス)では様々なデータを閲覧することができます。しかし、そのデータの豊富さゆえにどこを見ていいのか分からないということに陥りがちです。そのためどうして分析をするのか、目的を最初に定めましょう。

仮説の設計

たとえば自社サービスへの問い合わせを獲得するために公開しているコーポレートサイトがあるとします。

しかし、そのサイトはあまり問い合わせを獲得できていない状況です。そこでアナリティクスを見て現状を分析し、改善案を定めることとしました。

まず、仮説を設計してみましょう。

  • そもそもWebサイトがあまり閲覧されていない
  • 見てほしいサービス紹介のページまでユーザーがたどり着いていない
  • 問い合わせのフォームまでたどり着いているにもかかわらず、実際に問い合わせをすることなく離脱している

ざっくりですがこのような仮説が考えられます。仮説を立てたうえで分析に臨めば、まず仮説が合っているのかどうか理解がはやいです。仮説が合っていなかった場合は、ほかの原因が考えられます。

分析実施

仮説を準備したうえで、実際にアナリティクスを見ていきましょう。

閲覧数

まずは基本の閲覧数の確認です。閲覧数は画面左のユーザー欄にて確認ができます。

ここで気になるのが「ユーザー」「セッション」「ページビュー」の言葉です。違いが分かりにくいこれらの言葉の定義を説明します。

たとえば僕、セイタがLIGのWebサイトを下記のように閲覧した場合です。

  1. 朝・夕で2回Webサイトを訪問
  2. 朝は10ページ閲覧
  3. 夕は5ページ閲覧

この際、「ユーザー」「セッション」「ページビュー」はそれぞれ下記となります。

  • ユーザー:1(ひとり)
  • セッション:2(朝・夕の2回)
  • ページビュー:15(15ページ閲覧)

つまり、ユーザーは訪れた人数、セッションはWebサイトに訪問した回数、ページビューは閲覧したページの数ということです。

閲覧時間

ここでは量の閲覧数とともに、長さの滞在時間も確認ができます。

それは「平均セッション時間」です。これはWebサイトを訪れた際の滞在時間のことです。この時間はパッと見で「長ければ長いほど良い」と考えがちですが、実はそうではありません。

どうしてかというと、ユーザーがWebサイト内で迷子になっていたり、ページの内容を理解しにくくなっていることが考えられるからです。

もちろん極端に短い場合も同様のことがいえるのですが、長い場合も要注意です。ユーザーが読み進めていくための導線が煩雑になっていないか? 閲覧しやすいレイアウトにきちんとなっているか? を数字ではなく自分の目でサイトを分析する必要があります。

Webサイトの回遊状況

聞き慣れない言葉ですが、直帰率と離脱率という数字を見ることができます。これは言わばユーザーがどの程度Webサイトを閲覧しているかを確認することができます。直帰率・離脱率は画面左の行動欄にて確認ができます

直帰率と離脱率は、どちらもWebサイトから離脱したことを指します。両方とも離脱に変わりはありませんが、性質が異なります。直帰率とは、そのページしか見なかった割合です。1ページだけ閲覧してそのままWebサイトの閲覧をやめてしまった割合。

一方、離脱率とは、個々のページのすべてのビューページのうち、そのページがセッションの最後のページになった割合です。つまり複数ページを見て、Webサイトの閲覧をやめてしまった割合です。

ただし、大きく違う点は、直帰率の計測は「最初に訪れたページ」だけが対象であること。例えばAというページの直帰率を考える場合、最初にAのページを訪れて離脱した場合は、直帰とみなされます。しかし、最初にBというページを訪れ、そこからAに移動して離脱した場合は、直帰になりません。

離脱率や直帰率を見ることで、関連記事や商品購入ページのクリックといったネクストアクションがされているかを分析できます。

関連記事や購入ボタンを設置しているのにクリックされていなければ、設定場所や誘導文言が適切でないかもしれません。そのように改善方針を定めることができます。

「離脱率や直帰率は〇パーセント以下が良いのか?」と気になるところですが、どちらも数字ではなく目的によって分析することが大切です。

例えば離脱率や直帰率が高くても良い例があります。ノウハウ系の記事では記事を読んでユーザーが完全に理解できたから他に遷移していない場合。購入ページであれば、商品を買い終わったから離脱した、などです。このように分析結果から改善方針を定められます。

アナリティクスで確認できるデータ

ここまでサイトの閲覧数や直帰率を見てきましたが、下記のようなデータも確認ができます。

  • ユーザーがどこから来たか?(流入元)
  • 何を知りたくてWebサイトへアクセスしたのか?どんな目的で来たか?(流入キーワード)
  • 誰に見られているか?(ユーザーの属性)
  • どのページが見られているのか?(閲覧ページ)
  • サイトのゴールまで辿り着いたか?(コンバージョンデータ)

これらのデータもWebサイトの改善においては重要な指針となるデータのため、自社サイトが抱えている課題と照らし合わせて確認してみてください。

終わりに

アナリティクスで確認できるデータの一例をご紹介しましたが、ここまで見てきましたようにアナリティクスをただ見るだけではどうサイトを改善すれば良いか? までは分かりません。

まずは抱えている課題からアナリティクスを見るための準備として仮説を立て、その仮説をデータと照らし合わせて分析してみてください。その結果、改善すべき方針を定めることができますが、あくまでそれは方針までです。

「実際に何をどうしていくのか」は自社サイトをしっかりと自分の目で見て、数字と照らし合わせる必要があります。アナリティクスを強い味方にし、より良い成果が出せるWebサイトへ改善していきましょう!

▼Googleアナリティクスについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

関連情報:Googleアナリティクスの特徴・レビュー紹介ページ

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学生時代に独学でWebサイト制作を学び、デザインから実装まで経験。その後、広告代理店にてWebサイト制作およびアプリ開発のディレクションに従事。2019年にLIGへ参画。大小問わず新規・リニューアル制作から保守運用まで幅広いフェーズを担当している。LIG十六期下期MVP賞受賞。

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