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はじめての連結決算!連結会計の基本を学び、連結範囲を決めよう

なおき

こんにちは。財務・経理部のなおきです。

2020年10月にLIGの子会社として新たに株式会社LAMPを設立し、ゲストハウス事業の「LAMP野尻湖」を新設子会社へ事業移管しました。子会社を設立したことにより、現在LIGでは連結会計を行っています。

業務に取り組むなかで、「そもそも連結会計ってなんでやっているのか?」「どういう仕組みで行われるものなのか?」と立ち返って確認することがなかなかできていないなと思い、ブログ執筆を機に連結会計の基本的な知識についてまとめることにしました。

初めて連結決算業務を行うことになった経理担当の方々や、業務に関わっていなくとも連結会計について理解を深めたいという方々にとって、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。

連結会計とは?

はじめに、そもそも連結会計とはなにか? なぜ連結会計をする必要があるのか? といった、基本的な前提の部分について解説したいと思います。

そもそも連結会計とは何か?

親会社と子会社などの支配従属関係にある2つ以上の会社から構成される企業集団を、単一の組織体(1つの会社)とみなして、親会社がこの企業集団の財政状態および経営成績を総合的に報告する連結財務諸表を作成するために行う会計処理
『図解&設例 連結会計の基本と実務がわかる本』 第1章 第1節ページ1より)

いきなり難しい言葉が並んでしまいましたが、LIGのケースで言い替えると、株式会社LIGと株式会社LAMPの2社をLIGグループという一つの企業集団とみなします。

その上で、この2社の財務数値(売上・利益数値や資産・負債の保有数)を合算し、一つの財務諸表として作り替え、LIGグループとしての経営成績を対外的に報告する資料を作成します。その合算した数値を整理整頓するための会計制度が「連結会計」です。

なぜ連結会計を行うのか?

例えば、A社・B社の売上・営業利益がそれぞれ以下の数値だとします。

【A社】売上100・売上総利益40
【B社】売上80・売上総利益20

パッと見る限り、A社のほうが売上・売上総利益ともにB社よりも大きく、儲かっているように見えます。しかし、A社の売上100すべてが、実はA社の100%出資子会社のC社への売上で、かつC社はA社から仕入れた商品を一つも売れていないとした場合、連結財務諸表上では以下の数値になります。

【A社・C社連結会計】売上0・売上総利益0・商品在庫60

極端な例にはなりますが、連結会計上ではA社の売上はまだ実現していないため取消を行い(売上が実現していないため仕入も取消)、A社・C社の企業集団としては、まだ商品在庫を抱えたままの状態、ということになります。

このように、会社の経営状況を判断する上で、各社単体の財務諸表だけでは本来の収益力や財務状況を見誤る可能性があります。そこで、子会社・関連会社の財務数値を合算・整理することで、一つの企業集団としての純粋な業績を把握できるようにするために連結会計を行っているのです。

連結決算業務の大まかな流れ

連結会計業務を伴う決算を「連結決算」と呼びます。大まかな業務の流れは以下です。他にも細かな作業はありますが、基本的にはどの企業もこの順序に沿って、連結決算業務を進行していきます。

  1. 連結範囲等の決定
    連結財務諸表を作成する上で、単一の組織グループとしてみなすべき企業集団の領域を判断します。
  2. 連結パッケージの送付と回収
    連結会計を行う上で必要な情報を記載する資料(連結パッケージ)を用意し、各連結子会社から情報を収集します。おもにグループ会社間の売上取引やグループ内の資産の売買取引などを集計し、資料に記載していきます。
  3. 連結精算表の作成
    集めた情報を元に連結修正仕訳を行い、連結財務諸表を作成します。連結修正仕訳とは、グループ内での売上取引を消去するなど、企業グループが外部取引先との間で純粋に得た利益や資産・負債の状況を表示するために行う仕訳処理です。
  4. 連結キャッシュフロー計算書の作成
    連結修正仕訳処理を行った財務数値をもとに、企業グループ全体のキャッシュフロー(現金収支)の状況がわかる資料を作成します。
  5. 連結注記情報の作成
    会計方針の変更など、会社法において定められた重要な会計情報を整理し、開示資料として明記します。
  6. 開示資料の作成
    会社法に基づく計算書類・金融商品取引法に基づく四半期報告書・有価証券報告書を作成します。これらを公開することによって、株主をはじめとする外部の方へ経営成績を発表することになります。

連結の範囲と持分法の範囲

今回の記事では、「1.連結範囲等の決定」について詳細に解説していきます。

連結財務諸表を作成するにあたり、まずは連結子会社の範囲と持分法適用会社の範囲を決定する必要があります。この二つの範囲を決めることで、単一の組織グループとしてみなすべき企業集団の領域が定まります。

連結の範囲

個別財務諸表(各会社単体の貸借対照表・損益計算書)を合算する会社の範囲を「連結の範囲」といい、原則として、親会社はすべての子会社を連結の範囲に含める必要があります(連結財務諸表に関する会計基準13項より)。

※ 支配が一時的である場合や、含むと連結財務諸表をゆがめてしまう場合には、子会社であっても連結の範囲に含めないこともあります(連結財務諸表に関する会計基準14項より)。

子会社に該当するかどうかは、「実質的に意思決定機関を支配しているか?」という実質支配力基準で判断します。

以前は会社の支配力を判断する方法として、「株式をどれだけ保有しているか?」という持株基準で判断されていましたが、その場合だと株式数をコントロールすることで連結対象を選択できます。そうなると、例えば業績の悪い子会社の持ち株数を操作し、連結の範囲から外すことで意図的に企業グループの利益をよく見せることも可能となってしまいます。そのため、現在は実質支配力基準で判断することになっています。

参考までに、以下の条件に該当する法人がある場合は、子会社として判定し、連結会計の対象となります。

(1)議決権の過半数を「自己の計算において」所有している場合(連結財務諸表に関する会計基準7項(1)より)

(2)議決権の40%以上、50%以下を「自己の計算において」所有し、且つ以下の1~5のいずれかに該当する場合(連結財務諸表に関する会計基準7項(2)より)

  1. 役員もしくは使用人、またはこれらであったもの(財務、営業、事務の方針の決定に関して影響を与えることができる者)が取締役会の構成員の過半数を占めている場合
  2. 重要な経営方針の決定を拘束する契約が存在する場合
  3. 資金調達額の50%超について融資、債務保証等を行っている場合
  4. その他意思決定機関を支配していることが推測される事実がある場合
  5. 「緊密な者」および「同意している者」と合わせて議決権の50%超を保有している場合

(3)自己と「緊密な者」および「同意している者」と合わせて議決権の50%超を保有し、且つ以下の1~4のいずれかに該当する場合

  1. 役員もしくは使用人、またはこれらであった者(財務、営業、事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者)が取締役会の構成員の過半数を占めている場合
  2. 重要な経営方針の決定を拘束する契約が存在する場合
  3. 資金調達額の50%超について、融資、債務保証等を行っている場合
  4. その他意思決定機関を支配していることが推測される事実がある場合

(引用元 『図解&設例 連結会計の基本と実務がわかる本』 第1章 第4節ページ18〜19より)

※ 自己の計算において:「自己の利益を図る目的で」という意味です。
※ 緊密な者:自己と出資・人事・資金・技術・取引等において緊密な関係があることにより、自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者を指します。
※ 同意している者:契約や合意等により、自己の意思と同一の内容の議決権を行使していることに同意していると認められる者を指します。

持分法の範囲

連結の範囲を確認した次に、持分法を適用することになる持分法適用会社の範囲を決める必要があります。原則、連結の範囲から除外した非連結子会社および関連会社を含める必要があります。(企業会計基準第16号 持分法に関する会計基準6項より)

関連会社に会社に該当するかの判定は影響力基準で行います。議決権(株式数)の20%以上50%以下を所有する会社や、議決権20%未満の場合でも財務・営業・事業の方針決定について重要な決定を与えることができるとみなされれば、関連会社として扱われます(企業会計基準第16号 持分法に関する会計基準5項、5-2項より)。

子会社の判定と同様に、支配力ではなく実質的に経営や意思決定に関与しているかによって判断されるところが大きなポイントです。

こちらも参考までに、以下の条件に該当する法人がある場合、関連会社として判定し、持分法を適用します。

(1)議決権の20%以上を「自己の計算において」所有している場合(企業会計基準16号 持分法に関する会計基準5-2項(1)より)

(2)議決権の15%以上、20%未満を「自己の計算において」所有し、且つ以下の1〜5のいずれかに該当する場合(企業会計基準16号 持分法に関する会計基準5-2項(2)より)

  1. 役員もしくは使用人、またはこれらであった者(財務・営業・事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者)が代表取締役等に就任している場合
  2. 重要な融資を行っている場合
  3. 重要な技術提供をしている場合
  4. 重要な販売・仕入その他営業上または事業上の取引がある場合
  5. 財務・営業・事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在する場合

(3)自己と「緊密な者」および「同意している者」と合わせて議決権の20%以上を保有し、且つ以下の1〜5のいずれかに該当する場合(企業会計基準16号 持分法に関する会計基準5-2項(3)より)

  1. 役員もしくは使用人、またはこれらであった者(財務・営業・事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者)が代表取締役に就任している場合
  2. 重要な融資を行っている場合
  3. 重要な技術提供をしている場合
  4. 重要な販売・仕入その他事業上または事業上の取引がある場合
  5. 財務・営業・事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在する場合

(引用元 『図解&設例 連結会計の基本と実務がわかる本』 第1章 第4節ページ21より)

今回説明した部分は、連結会計の実作業に入る前の重要なステップです。

経理担当者の方は、自社で保有している子会社・関連会社の株式数や経営層の持ち株状況、その他経営に関与している会社の存在や契約状況を細かく確認し、整理しておく必要があリます。そして、連結子会社の範囲と持分法適用会社の範囲が決まると、実際に連結会計の仕訳業務・連結財務諸表の作成へと移ります。

今回はここまでとなりますが、次回以降、連結会計の実務部分について解説できればと思います。読んでいただき、ありがとうございました。

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