こんにちは。観音クリエイション(@kannnonn)です。最近古民家を買って、長野県の信濃町に移住しました。田舎は水も空気もご飯も全部おいしい。この環境のおかげでインスピレーションが都会に住んでいた頃の128倍ぐらい沸いており、作曲の仕事がはかどりまくっています。
僕は普段Macで作曲をしているのですが、今回はBTO/自作パソコンの事業を展開するパソコン工房さんが販売するクリエイターPC「iiyama PC SENSE∞(イイヤマピーシー センスインフィニティ)」を使って楽曲を作ってみたいと思います。というわけで本記事はパソコン工房さんの提供でお送りします。
制作に特化したハイスペックなPCで曲を作るだけでも楽しそうですが、せっかく長野県信濃町に住んでいるのでこの地の良さを盛り込んだ記事にしたい。そこで今回は
- LIGが長野県信濃町で運営するThe Saunaのテーマトラックを作って
- 長野県信濃町で活動している映像クリエイターを巻き込んで
- The Saunaのプロモーションビデオを作る
という方向でやっていきたいと思います。
登場人物紹介
人物紹介:観音クリエイション(写真右上)トラックメイカー。今回The Saunaのテーマトラックを制作する。 |
人物紹介:もっちー(写真中央上)長野県信濃町在住の映像クリエイター。クライアントの要望を的確に汲み取り、エモーショナルに訴えかける映像作品に昇華することを得意とする。 |
人物紹介:ころも(写真左上)LIGのメディアディレクター。おもしろからお役立ちまで幅広い記事制作を担当する。彼女に任せておけばだいたい全部うまくいく。 |
人物紹介:野田クラクションべべー(写真下)今回の舞台であるThe Saunaの支配人。なぜかGoogle Meetsに二重ログインして影分身するというトラブルを起こしてメンバーを爆笑の渦に巻き込んだ。こんなトラブル見たことない。 |
楽曲の方向性を決めよう
ころも:みなさん今日はありがとうございます。このテレカンでは、今回の音楽と映像の方向性を決めていきたいと思います。
観音:よろしくお願いしまーす! もっちーさん、映像と音楽、どっちから決めたほうがやりやすいですか?
もっちー:音が先のほうが嬉しいですね。楽曲が決まってからそれに合わせて映像を考えたほうが、トータルの完成度も高まると思います。
ころも:では曲から先に決めちゃいましょう! ベベさん、楽曲のイメージってすでにあったりしますか?
ベベ:そうですね(そうですね)、リラックスした自然の中で(リラックスした自然の中で)、Chillな気分に合う曲が希望です(Chillな気分に合う曲が希望です)。
観音:なるほど。二重ログインのせいで全部リフレインされるのが気になって内容が頭に入ってきません。
ころも:wwwww
ベベ:あれ、すみませんログインしなおします!(あれ、すみませんログインしなおします!)
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ベベ:すみませんお待たせしました! 直ってますか?
もっちー:バッチリです!
ベベ:楽曲のイメージはさっき話した通りなんですけど、伝わってますか?
観音:はい、ジャンルで言うとパンクロックとかヘビーメタルですよね?
ベベ:全然伝わってねえ。影分身の問題じゃなくシンプルに僕の話を聞いてないですよね? ChillhopとかLo-Fi Hiphopみたいな方向性がいいです!
もっちー:映像の尺はどのぐらいにしましょうか?
観音:0.5秒〜1.5秒ぐらいでどうでしょう?
ベベ:サウナの魅力を何にもアピールできねえわ。
観音:じゃあ4時間半。
ベベ:誰が見るんですかそんなインド映画より長いPV。
などなど、ベベさんのツッコミが面白くてまったくミーティングがはかどりませんでした。楽しかったけど。
というわけで今回の方向性をまとめると以下の通り!
- 楽曲はChillな感じ。決してパンクロックやヘビーメタルではない
- 映像の尺は2分前後。4時間半は長すぎ。0.5秒は短すぎ
- せっかくなのでThe Saunaを利用しているときに発生する環境音を取り入れたい
- 映像は僕が作った楽曲をもとにもっちーさんがいい感じに撮影してくれる
という感じ。それではこれをもとに、録音 & 撮影に挑みたいと思います。
The Saunaの音素材を集めよう
今回の舞台、The Saunaにやってきました。まずは音の素材を集めていきます。
サウナのドアを開け閉めする音
熱源のストーブの中でパチパチと爆ぜる薪の音
ジュワーっと水蒸気を発生させるロウリュの音
しゃらしゃらとヴィヒタを振る音
天然の湧き水のせせらぎ
などなど、録れ高はじゅうぶん。
並行してもっちーさんがPV用の映像も撮ってくれていますが、そちらは記事最後の完成版をお楽しみに。
集めた環境音を使って楽曲を作ろう
録音を終え、自宅スタジオに戻ってきました。ここから作曲を開始します。
今回作曲に使うPCはパソコン工房の「SENSE∞(センス インフィニティ)」の「SENSE-R049-LCiX9K-RVX (Windows 10 Home)」というもの。
- 多数のトラックにエフェクトをかけてもしっかりと動作する
- 高速なSSDで大容量音源データの読み込みを快適に
- マルチコアCPUでサクサク動作
と、PCを使った音楽制作にも向いているクリエイターPCとのことです。
こちらのPCで作曲してみたところ、
- 録音した環境音の読み込み、エディットはサクサク
- WavesのL316やiZotopeのOzone9などの重いプラグインを立ち上げても問題なく動作
- 書き出しも爆速
と、全体的に快適。これはいいPCだ。
完成したThe SaunaのPVはこちら!
そんなこんなで完成したPVがこちら。我ながらいい仕事ができました。そして映像めっちゃ綺麗。もっちーさんすげえ。
今回の作曲の流れ
せっかくなので今回の曲を作る際に考えていたことや、制作の流れを言語化しておきます。何かの参考にしてください。ちなみに制作環境は以下の通り。
- DAW:Ableton Live
- オーディオインターフェース(PCとUSB接続して、良い音でスピーカーから出力する機材):ベリンガーUMC22 U-PHORIA
- MIDIキーボード(PCとUSB接続して、ピアノやドラムを打ち込むための機材):AKAI MPK mini MK2
イントロ
始まりはサウナのドアを開け閉めする音。そのドアを閉めるときに鳴る音にAbleton Live付属のヴィンテージディレイエフェクト「Dub Syndicate」をかけました。
サウナに入って「ととのう」体験と、このDub Syndicateの音が反響しながらふわんふわーんと広がっていく音響効果がなんとなく似ているので使ってみたら思いのほかマッチしました。
Aメロ
ドアを閉じる音と同時にコードを入れて、The Saunaを表現していきます。このサウナを囲んでいるのは森や湖などの優しい大自然。そういった幻想的な雰囲気にはパッドが合うのですが、なんか普通にパッド使うのはベタだから違うことやりたいなと思ったので音源をディグりました。そして見つけたのがAddictive KeysのMark One Stage Pianoというやわらかなエレクトリックピアノ音源。これだ。
うん、いいですね。今回はインストもので声が乗らないため、飽きがこないように4小節ではなく8小節のループをこしらえました。僕はコード進行や音楽理論の知識がないので一音一音重ねながら気持ちいい和音を探すという遠回りな作業をしています。いつかちゃんと勉強したい。
ちなみに動画本編ではこのコードの上に、サウナのストーブの薪がパチパチとなっている音をレコードノイズ的に使ったり、ヴィヒタを水にジャブジャブ浸ける音をシェイカーとして使ったりしています。
ピアノを重ねる
ベベさんから「ChillhopとかLo-Fi Hiphopみたいな方向性がいいです」という要望をいただいたので、フル無視してSlipknotのようなデスボイスを入れます。冗談です。Lo-Fiっぽさを出すために音色を意図的に汚していくことにしましょう。
とはいえ元のやわらかなエレクトリックピアノをそのまま汚すのはイメージ元となった長野の大自然を汚してしまうような感じがして気が進まない。そこで別音源を重ねて、そちらを汚すことでLo-Fiの役を担ってもらうことにします。
選んだのはAddictive KeysからINDIE PREACHER Dというプリセット。乾いた音にピアノ本来が持つノイズ音までサンプリングされていてLoFiっぽさを出すのにピッタリな音色。
このままでも十分かっこいい音だったのですが、さらに雰囲気を良くするために
- WavesのAPI-2500でヌケを良くする
- EQで1kHz以下の帯域をカット
- WavesのGW PianoCentricでさらに汚して馴染ませる
という処理をおこないました。
汚したピアノを単体で鳴らすとこんな感じ。
この汚した音を、元のやわらかなピアノに重ねるとこういう雰囲気の鳴りになります。
汚したピアノにかけたエフェクトの設定は以下のとおり。
ちなみにここで映像とのリンクを考えて
- ロウリュのジュワーという音
- 吐息の音
をアクセントに入れました。この音入れときゃ、あとはもっちーさんがいい感じにしてくれるだろうと思ってたら期待通り映像を気持ちよくハメてくれて嬉しかった。
展開
いよいよ水風呂へ。サウナー界では「暑いサウナは水風呂に入るための助走」とも言われるほど水風呂は重要な要素。楽曲もそれをイメージして「ついに」「いよいよ」「待ってました」という味付けを施します。
- ギターの音を追加
- ロウリュ、吐息、薪ストーブの環境音を徐々に消す
- 川のせせらぎの環境音を追加
- ピアノの音を逆再生
と、あれこれ展開をつけて「次に何かが来る」期待感を演出しました。
サビ〜アウトロ
一番盛り上がる部分。
- 水風呂に飛び込む音をアクセントに
- ビートを入れて
- 外気浴中の「ととのう」感覚に近い高揚感のあるギターソロを重ねる
という感じで一気に畳みかけます。
ちなみにビートの音はこの日録音した環境音だけで構成しています。ドアを閉める音をキックに、肌を叩く音をクラップに、川のせせらぎをパーカッションとして使っています。
アウトロはフェードアウトではなくディレイで終わらせました。そのほうが映像と組み合わせたときにかっこよくなるかなと思ったからです。これまたもっちーさんが期待を超えてかっこよく仕上げてくれました。
制作後記
ちなみに今回の参加メンバー、全員異常に仕事が早くて、
- 僕が録音して2日でトラック完成
- もっちーさんがその2日後に映像完成
- 確認が必要な場合はころもさんとベベさんが爆速でレスをくれる
と、なかなか最強なメンバーでございました。仕事できる人たちとものづくりをするのは楽しい。
PCの性能や使用感については前述した通り快適。難点を無理やり挙げるとすれば久しぶりにWindows PCを使ったのでショートカットキーにちょっと戸惑ったぐらいでした。トラックを複製したいときに左手小指でCtrl + Dを押さなきゃいけないのにMacの習慣がついてるから親指でWindowsキー + Dを押してデスクトップを表示させてうわあ! ってなったりしました。
というわけで、Windowsで制作用のハイスペックなPCをお探しの方はSENSE∞(センス インフィニティ)をチェックしてみてはいかがでしょうか。
以上、観音クリエイションでした。