こんにちは、LIG代表のゴウです。
LIGを数年前にやめてdotstudio株式会社を起業したのびすけっていうイケてるやつがいるんですが、今回そんなのびすけに青森県十和田市でばったり会ったのでインタビューしてみました。
ちなみに、同じタイミングでLIG OBのしょーり君にもインタビューしたので、よかったらそちらもどうぞ。
「正直めちゃくちゃ影響受けてます」LIGを辞めて起業したしょーり君が語る “仕事と場所づくり”
お久しぶりです、のびすけ
ゴウ:めっちゃ久しぶりだねのびすけ。まさか青森で会うとは思わなかったわ。
のびすけ:お久しぶりです。なんかゴウさんとあらためてこうやって話すの緊張しますね(笑)。
ゴウ:辞めてから初めて話すね。仕事どんな感じでやってるの? なんか知ってるようでよく知らなくて(笑)。IoTの会社っていうイメージはあるんだけど……
のびすけ:LIGを辞めてdotstudioを立ち上げたんですが、最初はディベロッパーリレーションという領域で活動してたんですよ。簡単に言うと、エンジニアが使うツールをエンジニアに伝えるというサービスですね。エバンジェリスト業といいますか。
記事を作ったり、サンプルコードを作ったり、セミナーやったりしていたんですが、そのうち企業研修の依頼が増えてきて。2017年ごろから企業向けのIoT研修などをやるようになりました。
ゴウ:なるほどー。やっぱりその領域ってニーズあるんだね。
のびすけ:ですね。非ITの企業さんの課題に対して、少しだけITの要素を加えることでスムーズに課題解決ができるケースが多くて、めちゃくちゃニーズあるなと思っています。たとえば、農家の人が作物を荒らすイノシシを捕獲する罠を仕掛けたりするんですが、罠にかかったかどうかを人力で見て回ってたんですね。山のあちこちに仕掛けるから、それを見回るだけでもすごい大変で。それを罠にセンサーを組み込んで、イノシシがかかったら通知が来るようにしたりして。こういうニーズが、顕在化してないけどメチャクチャあると思っています。
ゴウ:それ、めっちゃ面白いな。罠猟とIoT……!
のびすけ:地方とか、全然自分の知らない業界にそれぞれ解決してほしい小さい課題が眠ってて、それをどう掘り起こすか、そして解決するか。それを考えるのが今とても楽しいんですよね。そういう流れの中から、徐々にスクールをやって欲しいという声があがってきまして。それで個人向けのスクールを始めました。
教養としてのプログラミングを普及させたい
のびすけ:個人向けのプロトアウトスタジオというスクールをやっているんですが、単なるプログラミングスクールではなく、プロダクトをアウトプットするという点に力を入れているのが特長です。技術を学んでも、それだけだと役に立たないし何にもならないと思っていて、とにかく作ってみて、世の中に出してみるまでをしっかりとサポートしています。
ゴウ:あー、たしかに作って世の中に出さないと学びは少ないもんね。めっちゃ良いじゃん。
のびすけ:そうなんです。なのでうちでは、技術のインプット→企画→開発→Qiitaなどで発信というような流れで授業が進んでいきます。単に技術を学ぶだけでなく、そもそもの企画から考えて、なんの課題を解決したいのかを定義してから開発します。そうすることで生きたプログラミングを学べるんですよね。
ゴウ:受講する人は、エンジニアになりたい人が多いの?
のびすけ:実はそういう人はほぼいなくて、むしろ非ITの人がほとんどなんですよ。そもそも、僕はプログラミングをもっと一般教養として学べるような社会になったらいいなと思っていて。エンジニアだけが使える技術ではなく、非ITの人たちが自分たちの課題を解決するための手段としてプログラミングを学べたらいいなと。
たとえば英語を習っている人って多いですが、英語を習っているからって翻訳者になれ、とか英語教師になれって言われないじゃないですか。でも、プログラミングは「習う = エンジニアになる」って思われていて。もっと習うハードルを下げて、教養としてプログラミングを習うようになれば良いなと思っています。
ゴウ:たしかに〜! 非IT系でもエクセル使えるとめっちゃ便利とかそういう感じよね。そういうちょっとした課題を解決できる能力を身につけられたら、いろいろ便利だよなぁ……。
起業して見えた「新しい世界」
ゴウ:のびすけは、任せてたチームをごっそり引き連れてLIGを辞めてるじゃん? 俺からしたら完全裏切り野郎なんだけど、起業してみてどうだった?
のびすけ:ですね(笑)。あのときはなんかすんませんでした。でもホント、起業して社長になって見えてない世界がいっぱいあったなぁって今になって思います。経営側と社員側には圧倒的に壁があって、わかってくれているって思っていても、ぜんぜん伝わっていなかったりして。自分が好きなメンバーを集めて起業したのに、初めて社員が辞めたときは本当にショックでした……。
ゴウ:チームごとLIGを辞めたやつとは思えないセリフだな(笑)。
※微妙な表情を浮かべるのびすけ氏。
ゴウ:まぁでも辞めるには辞めるなりの理由があったんだろうから、そういうのはぜんぶ経営者の責任だと思ってるんだけどね。でも、辞めたあともこうやって会えるのは素直に嬉しいよ。
地元に帰る理由をつくりたい
のびすけ:自分は宮城県の栗原市っていうところが地元なんですが、まだ地元で仕事が創れてないんですよ。そういう点で言うと、ゴウさんのLAMP野尻湖やしょーりさんのビーコーズは自分の地元でやっていてすごいなって思っています。地元に帰る理由が創れているってのは、シンプルに羨ましいです。
ゴウ:そうだね。やっぱり仕事や場所を作ってると、帰る理由になるよね。それがなかったら、俺も自分の地元になんて年に数回しか帰らなかったと思う。
のびすけ:ゴウさんの生き方を見ていてすごいなって思うのが、なんでも仕事にしちゃうじゃないですか。楽しんだもん勝ちというか、自分の行動のすべてを仕事と捉えているような。それって、仕事を仕事としか見ていない人には気がつけない世界があると思っていて。僕もそういう感覚で仕事をしていきたいんですよね。経営をするようになって、見方や考え方次第ではいくらでも仕事に結び付けられるし、自分が楽しめる方向に仕事を作れるってのに気がついてきて。そういうゴウさんみたいな生き方をしたいなって思っています。
ゴウ:めっちゃ褒めるじゃん(笑)。とりあえずのびすけは地元の古民家とか一個借りたら良いじゃない? コストも安いだろうし。場所があれば帰る理由になるし、なんか人が集まるっしょ。借りてから考えればいいんじゃね?
LIG時代を振り返って
ゴウ:今振り返ってみて、LIGにいたときはどうだった?
のびすけ:体験入社したときに、記事を書く(アウトプット)が仕事だから、自由にやっていいよって言われて。それがすごく印象的だったというか、LIGって自由な会社なんだなーって思いました。でもそのときに培われた「アウトプットすること」っていうのが、今でも自分の事業に生きています。アウトプットするってめっちゃ大切ですよね。不格好でもいいからアウトプットして、少しでも多くフィードバックを受け取ってそこから改善していくのはすごく大事だと思います。
ゴウ:たしかにのびすけはなにやってるか良くわからなかったけど、アウトプットの量はすごかったもんね。イベントもたくさんやってたし。
のびすけ:ずっと楽しそうに見せてるLIGは、今、外からみてもすごいなって思いますよ。愚痴を言っても人は集まってこないですし、ポジティブなことを言って、ポジティブな人が集まる。仕事をするなら前向きな人とやるほうが絶対にいいですからね。
ゴウ:それは間違いないね。俺、愚痴言うの嫌いなんだよね。SNSでも言わないようにしてて。まぁでものびすけもいつも前向きに、そして楽しそうに情報発信してるからすごいなーって思って見てるよ。あらためて久しぶりに話せて楽しかったわ。またどこかで会おう! See you again thank you.
のびすけ:Me too. Thanks for your kindness.
追記
と、のびすけが申しておりますので、読者各位におかれましては、のびすけが俺のことを心から尊敬しているということをご理解いただけますと幸いです。
Special thanks
Keisuke Maita (Photo)
Masashi Naito