SEOがうまくいく会社の共通点と、やっぱり専門家に頼った方がいい理由って?老舗のSEOコンサル会社・アイオイクス遠藤氏インタビュー

SEOがうまくいく会社の共通点と、やっぱり専門家に頼った方がいい理由って?老舗のSEOコンサル会社・アイオイクス遠藤氏インタビュー

Mako Saito

Mako Saito

みなさんこんにちは、マーケターのまこりーぬ(@makosaito214)です。

経営者のみなさま、マーケティング担当者のみなさま。この2020年度に入って、「そろそろSEOに本腰入れて取り組まないと……」って思いませんでしたか……?たとえば、こんな感じ。

コロナ禍で業績に影響が出始める

コストカットのため広告出稿を止める

でもお問い合わせはほしい

SEOでもっと安定した流入があれば……!!!

SEO(検索エンジン最適化:Search Engine Optimization)は広告よりも費用対効果が算出しづらく、時間もかかります。しかし今回のような不況に打ち勝つためには、しっかりと押さえておきたいマーケティング施策の一つですよね。

そこで今回は、これからSEOをがんばろうと考えている方が知っておくべき「SEOのこれから」「成功のポイント」を、プロにまるっと聞いてきました!お相手は、Webマーケティングメディア「SEO Japan」を運営している、SEOコンサルティングの老舗・アイオイクス株式会社の遠藤さん@KouzaburouE)です!!!

アイオイクス株式会社 Webコンサルティング事業部マネージャー 遠藤 幸三郎 さん美術大学卒業後、アイオイクス株式会社にWebデザイナーとして入社。10年以上にわたり、数え切れない数のSEOプロジェクトに携わる。2019年よりWebコンサルティング事業部のマネージャーに就任。「事業理解に基づくWebマーケティング」をモットーに、SEOだけでなく、戦略立案・CV改善・YouTube活用・ソーシャルツール活用など幅広く支援。趣味は料理、絵を描くこと、サウナ。

アイオイクスさんはSEOのプロとして私がとても信頼している企業様の1つであり、当LIGブログのSEOの相談にのっていただいています。

「ある程度SEOは理解しているけど……」という方にとっても、これからマーケティング活動を推進していくうえでハッとする気づきがあること間違いなし。ぜひご一読ください!

SEOの過去と現在、未来

変化の激しいSEOの変遷

まこりーぬ:遠藤さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします!取材前半は「これからのSEOには何が重要なのか?」を学ぶべく、いろいろと質問させていただきますね。

個人的にSEOの落とし穴は「昔は確かに効果があった、しかし今ではむしろマイナス効果を及ぼす施策がはびこっているところ」だと思っていまして……恐縮ですが本題に入る前に、今までのSEOの変遷について少し教えていただけないでしょうか……!

遠藤:私は2008年からSEO業界で働いていますが、SEO初期・2000年代はリンクがたくさん集まっているWebサイトが検索結果上位に表示される、いわゆる「リンクの時代」でした。

検索エンジンがリンクを評価する理由は、Webサイトを「本」に例えると分かりやすいです。本って、参考文献をどんどん辿っていくと最も権威性の高い本に行き着きますよね。リンクの本来の意味合いは「参照すること」であり、これをいち早く評価基準に取り入れた検索エンジンのGoogleは当時称賛されました。

しかし残念なことに、参照の意味をもたない大量生産したリンクも評価対象となってしまった。例えば、「公開が終了した映画のキャンペーンサイトのドメインを買って、そこからリンクを貼る」といった方法であっても効果があったんですね。

当時はリンク全盛期でしたが、実を言うと、我々もリンクによるSEOを提供していたという過去があります……。その反省もありまして、今はリンクを提供していませんし、今後も提供することはありません。

まこりーぬ:なるほど。元々は画期的な評価基準だったのに、抜け道が見つかったせいで本質的でないリンクが大量に張り巡らされてしまったのですね……!(涙)

遠藤:そうなんです。このリンクの横行をおさえ、コンテンツそのものを評価するためにGoogleが新しい評価基準をどんどん取り入れていきました。結果、次にやってきたのが「コンテンツの時代」です。

この時代に代表されるのはWELQ問題で話題になった「キュレーションメディア」ですね。不適切な情報掲載・無断転載が2016年に社会問題化するまでは、たくさんのキュレーションメディアが立ち上がり、大量のコンテンツが注ぎ込まれました。

※ WELQ問題:医療メディアであった「WELQ」が医学的根拠のない低品質な記事を大量公開し、検索上位を抑えていたことが社会問題になった

また、検索キーワードに対して共起語を洗い出し、関連するトピックを網羅するよう長文のテキストコンテンツを作るという方法も一般化しました。これにはGoogleがAIを活用しはじめテキスト情報がより重視されるようになったから……という背景があります。

※ 共起語:あるキーワードとセットで検索される確率が高い単語

まこりーぬ:Googleのアルゴリズムの進化にともない、SEOのルールは本当にめまぐるしく変化してきたのですね。20年の間によくもここまで……。

遠藤:SEOに関する情報って本当に玉石混交ですよね。2020年現在はもうキーワード詰め込み型のコンテンツもあまり効果がなく、「ユーザーに向き合う時代」に突入していると考えています。

まこりーぬ:SEO第3世代の到来ッ……!

いま大切なSEOの3要素

まこりーぬ:基礎知識もしっかり頭に入ったところで、ここから本題に入っていきたいと思います。遠藤さん、いまSEOに取り組む上で大切なポイントをずばり教えてください!

遠藤:いまSEOに臨むうえで大切なポイントは3つあり、その3つがすべてそろってはじめて評価されると思っています。

1つめは、やはり「リンクを獲得すること」です。過去に不正なリンクが横行してしまったせいで「リンク=触れてはいけないもの」という空気がどこか残ってしまっています。しかし、冒頭にお話ししたとおり、本来の「リンク」は権威性のある情報を見つけ出すうえで非常に重要なファクターです。Googleのアルゴリズムの精度が上がれば上がるほど、リンクの価値は改めて高まるといえます。

2つめは「よいコンテンツを届けること」。重視すべきは量でもキーワードでもありません。検索ユーザーにフォーカスし、ユーザーを喜ばせる・楽しませるコンテンツを作りましょう。中身だけでなく、形式や届ける場所・タイミングにまでこだわる必要があります。Web上でユーザーとのコミュニケーションを最適化するようなイメージをもつといいですね。

3つめは、「信頼性を高めること」です。友だちが言うことなら信じるけどまったく知らない他人が言うことは信じられない……なんてことが現実世界で起こるように、情報の信頼性を高めるとはつまり、情報発信者が信頼されることです。自分がGoogleからどういった専門性のある人間と認識されているのかを意識しましょう。

まこりーぬ:「リンク」「コンテンツ」「信頼性」の3つ、しっかり覚えました!ありがとうございます。……SEOというとどうしてもGoogleを理解する、Googleをハックするという気持ちになりがちですが、Web上でユーザーとのコミュニケーションを最適化させるというマインドで臨むと、取り組むべきことがスッと腹落ちしやすいですね。

プロが予想するSEOのこれから

まこりーぬ:ここまでの20年、目まぐるしく変化してきたSEOは、今後も変わり続けていきますよね。「これからのSEO」について、遠藤さんはどうなっていくと予想されていますか?

遠藤:先ほどお話しした本質的な3つのポイントに加えて、今後重要性が増すだろうと言えるものは2つあります。

1つは「ユーザー体験の向上」です。先日業界でやや話題になったんですが、Googleが2021年から「ユーザー体験」を評価すると宣言したんですよね。サイトを訪問したときに心地よいスピード感で動くかどうか……といったテクニカルな面が今のところ評価項目として挙げられています。将来的にはユーザー満足度がもっと指標化され、評価できるようになっていくかもしれません。

もう1つは、「リッチなコンテンツ」です。インフラの発達にともない、容量の大きな動画であってもますます快適に閲覧できるようになってきていますよね。ユーザーは贅沢が好きなので、リッチなコンテンツに慣れてしまうと「よいコンテンツ」の基準は上がる一方だと思います。

我々も「動画コンテンツ」にはとても注目しています。特に成果を見込みやすいBtoCのクライアントには早め早めに取り組むことをおすすめしていますね。YouTubeは特定のキーワードにおいてGoogleよりも検索ボリュームが多く、第二の検索エンジンとなりつつあります

まこりーぬ:確かに、動画による情報伝達はここ数年であっという間に一般化しましたよね。数年後には私も記事を作るようにさらっと動画を作っているんでしょうね……!大変だ……!

自社のSEOを成功させるヒント

SEO担当者が最も大切にすべきポイントは?

まこりーぬ:さて、ここからはSEOを進め実際に成果を出すためのヒントを聞いてまいります。まず、SEOを担当・推進する人間が最も大切にすべきポイントは一体なんでしょうか……?

遠藤:一番にお伝えしたいのは、「お客様にしたいユーザーの1日の検索行動を具体的に想像しましょう」ということですね。キーワードの奥にいるユーザーをきちんと見ましょう、とも言えます。

試しに自分の検索行動を振り返ってみてください。たとえば私の場合だと、仕事でフレームワークを探しているときはGoogleで画像検索しますし、本を購入したいときはショッピング検索を使います。Google Homeで音声検索もしますし、検索結果画面に出てくる動画やニュースのカルーセルもたまにクリックします。さらには、寝る前はTwitterを見て、調べたいことができてGoogleで検索して、その結果をシェアするためにTwitterに戻って……と、プラットフォームをよく横断します。

こうしたリアルな行動を踏まえると、Googleの検索キーワードだけ見ていてもユーザーの検索行動を把握することは難しい、ということが分かりますよね。

検索方法もプラットフォームもこれだけ多様化している時代なので、自社のWebサイトに縛られすぎず、各検索方法・各プラットフォームに最適化したコンテンツを作り、点ではなく面でユーザーと接点をもつという感覚が非常に重要です。

まこりーぬ:……マーケターの大先輩方はみな「まずユーザーを理解しろ」と言いますが、やはり遠藤さんも……!自分がいかに狭い視野でSEOを捉えていたのかを痛感しました。

SEOがうまくいく会社の共通点は?

まこりーぬ:続きまして、多くの企業のSEOを支援している遠藤さんだからこそわかる、SEOがうまくいく会社とそうでない会社のちがいをぜひ教えてください!

遠藤:うまくいく企業の共通点はたった1つで、「施策の優先順位を明確にしていること」です。つまり目標とその達成期限が明確で、やる施策とやらない施策をハッキリと決めている企業がSEOで成果を出せます。

SEOってやろうと思えばできることが本当にいくらでもあるんですよ。よってあれもこれも目移りして優先順位がつけれない企業は実行がグダグダになり、うまくいかないことが多いですね。

まこりーぬ:……私はいま、過去に別会社さんからずらっと提案いただいたSEO施策一覧の半数以上が手つかずで止まってしまっていることを思い出しました。本当に遠藤さんのおっしゃるとおりだと思います。正直なところ、優先順位づけも実行もプロに伴走してほしいです(涙)。

遠藤:ぜひぜひお任せください(笑)。目標設定も優先順位づけも、事業やマーケティングフェーズによって適切な指標や判断基準が異なるため、SEOの専門家に任せていただいた方が間違いないとは思います。実際のところ、コンサルティングをおこなうときはお客様と一緒になってKPIなど決めることが多いですね。

また、前半でお話ししたように変化の激しい領域なので、新しい情報をキャッチアップするのもなかなか大変なんですよ。全部を細かく理解する必要はないので、自社に必要な情報だけ専門家からキャッチアップして施策に活かす……という体制がおすすめですね。

まこりーぬ:私は海外SEOのメルマガを購読しているんですが、毎週新しいニュースが飛び込んできて驚くとともに、キャッチアップの難しさを感じています。ぜひ専門家にキュレーションしてほしい……!(涙)

SEOのパートナー会社の選び方は?

まこりーぬ:しかしながら、専門家にお願いしたいとはいえ、SEO業者ってなんだか全体的に怪しい……ですよね……?(汗)きちんと伴走してくれるパートナー会社を選ぶためポイントを教えていただけないでしょうか?

遠藤:一番は、自分たちの顧客を、自分たちと同じぐらいの解像度で理解してくれているかどうかじゃないでしょうか。先ほどお伝えしたとおりSEOに取り組む上で最も重要なのはユーザーの検索行動を理解することなので、SEO業者であれば当然その理解が深いはずですよね。

また、顧客理解度を客観的に見極めるのが難しい場合はいっそ業界の中にいる人に聞いちゃった方が早いかもしれません。SEO業界に知り合いがいなければWebに関わる人でもいいので、ざっくばらんに「◯◯ってSEO会社どう?」と聞いてみると、その会社の業界内のポジションや評判が分かっていいと思いますね。

個人的には、コンサルティング会社であればその会社の採用情報を見るのもおすすめです。「1年目から活躍できます!」「とりあえずお任せします!」と訴求しているSEOコンサル会社がもしあれば、それはちょっと危険かなと……(笑)。

まこりーぬ:パートナー会社を選ぶ上でも、やはりユーザー理解の視点が大事ですね。具体的な見極め方法の数々、とても参考になりました!

アイオイクスが選ばれる理由

アイオイクスの強みとは

まこりーぬ:たくさんあるSEO業者のなかでも、アイオイクスさんはやはり「SEO Japan」において海外の最新Webマーケティング事情をキャッチアップ・発信されているところが特長の1つだと感じました。いつもどのように情報収集されているのでしょうか?

遠藤:Google本社・アメリカの情報をいち早く仕入れることがSEOにおいては非常に重要なので、海外のカンファレンスにはよく出かけるようにしています。「SEO Japan」を運営していることは現地でコネクションを広げるうえで有利で、「今度我々のコンテンツもSEO Japanで紹介してよ」と声かけいただけますね。あと “SEO Japan” で検索すると我々が1位なんですよ、海外でも(笑)。この間もポーランドの方から「SEOの情報交換をしないか」と連絡いただきました。こうして最新の、濃い情報を手に入れていますね。

まこりーぬ:情報のキャッチアップにめちゃめちゃ貪欲ですね……!さすがです!

遠藤:「メディアを活かした最新情報のインプット」「コンサルティング事業におけるアウトプット・ノウハウ蓄積」「生産性高いチーム運営」という3つの基盤をもとに、時流にあった考え方を常にブラッシュアップしながらお客様のSEO、Webマーケティングを支援できることが我々の強みだと思いますね。

まこりーぬ:なるほど、ありがとうございます。コンサルティング会社なのでコンサルタントの質も重要かと思いますが、アイオイクスで働くみなさんはどんな方が多いですか?

遠藤:ロジカルで分析が好きな人が多いですね。本質的じゃないことを嫌うメンバーが多いと思います。とはいえピリピリしているわけではなく、個々人が強い、いわゆるギルドのようなイメージです。

まこりーぬ:遠藤さんも、いつもLIGの窓口をしてくださっている石戸さん(@idist_410)も、まさにその印象がピッタリ当てはまります(笑)。SEOの知見が豊富で、お話がとにかく分かりやすいんですよね……。今後も、お世話になります!!!

これから取り組んでいきたいこと

まこりーぬ:最後に、アイオイクスとしてこれから挑戦していきたいことを教えてください!

遠藤:お客様にとってはコンバージョンが増えてはじめて集客(SEO)が成功したと言えるので、SEOだけでなくCRO(コンバージョン率最適化)も合わせたコンサルテーションをどんどんおこなっていきたいと考えています。

また一方で、SEO会社ではありますが、ユーザーが検索をおこなう前のフェーズにもっと関与していきたいという気持ちもあります。イベントや動画などで露出を増やし認知を広げるような領域ですね。……個人的には、元々美大出身でクリエイターになりたかった人間なので、動画コンテンツを特に頑張りたいと思っています。

まこりーぬ:遠藤さん、美大出身のSEOコンサルタントってめちゃめちゃレアなキーワードをお持ちなんですね……!改めまして、本日はロジカルで分かりやすく、かつ本質的なお話の数々を本当にありがとうございました!

さいごに

1.5時間みちみちに取材しても足りないぐらいSEOという領域は細かく広い世界でしたが、「ユーザーの検索行動を理解する」「最新の情報を仕入れる」「お客様のビジネスに貢献する」というスタンスが一切ブレない遠藤さんのお話は、聞いていてとても安心感がありました。

SEOはWeb広告のように「月数万円でお試し」ができない分、「ひとまず自分たちでなんとかやってみよう」と思われがちであり、そして目標や優先順位が曖昧でグダグダになりフェードアウトされがちな施策だと思っています。(ものすごく自戒を込めております。)

こうならないためにも、「いつかSEOに “本気で” 取り組みたい」と思うのであれば、ぜひこれを機にSEOのプロ・アイオイクスさんへ一度相談してみてはいかがでしょうか?

早速アイオイクスさんへ相談するちょっと気になるのでひとまず資料請求「SEO Japan」のメルマガで最新情報をGET

以上、まこりーぬがお届けしました!

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Mako Saito
Mako Saito LIGブログ編集長 / 人事部長 / 齊藤 麻子

1992年生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業後に採用コンサルティング会社へ新卒入社。法人営業から新規事業推進、マーケティング業務に従事したのち、2018年にLIGへ。2023年にLIGブログ編集長、2024年に人事部長に就任し、現在は自社のマーケティング・人事業務を担う。副業ではライターとして活動中。あだ名は「まこりーぬ」。著書『デジタルマーケの成果を最大化するWebライティング』(日本実業出版社)

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