こんにちは! デザイナー兼フォトグラファーのおまめ( @omame_creator )です。
実はLIGに来る前、大阪でフリーランスフォトグラファーをしていました。
クリップオンストロボに無限の可能性を感じてどハマりしてしまい、自宅に撮影スタジオを作って夜な夜なセルフポートレートで光の使い方を研究していました(笑)。
でも機材の買いすぎで、つねにお金がなかったんです……。そんな私がよくやっていた格安機材で逆光に勝つ手法を紹介します!
目次
今回ご紹介する方法は、記事のアイキャッチにもなっているLIGのWebディレクター求人写真で使っています。
必要なもの
カメラ以外はすべて揃えても1.5万円以内で収まります!
カメラ
私はSonyのα7IIIを使っていますが、ホットシュー※さえあればどんなカメラでも良いです!
※ ホットシュー・・・カメラに外付けのフラッシュを取り付けられるところ。これ↓
ライトスタンド
重さから解放されるため、最近Nissinのカーボン製ライトスタンドを買いましたが、正直Neewerの格安スタンドで事足ります。
クリップオンストロボ
なんの機能もついていないシンプルなストロボです。価格はなんと3,200円!! 正直めちゃくちゃ遊べます。
今回の撮影もこちらを使用しています。
- 注意
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- 連続発光や長時間バッテリーを持たせなければならない方、ストロボ光を自動調光させたい方は、それぞれ機能がついている高いのを買った方が良いと思います!
- ハイスピードシンクロはできないのでシャッタースピードは一番早くても1/125に設定しましょう。それ以上にするとストロボがシャッター速度に追いつかず、変な黒い線ができます。
ストロボのリモコン
今回使用するクリップオンストロボにはなんの問題もなく使用できます。
ストロボによって対応していない場合もあるので、確認したほうがいいかもです!
ディフューザー
光を柔らかくするためにストロボの前につけるやつです。ディフューザーの面積が大きければ大きいほど柔らかくなります。
今回は大人数の撮影だったのでこちらのアンブレラを使用しました。
アンブレラをつけるホルダーも忘れずに!! ライトスタンドに装着します。
NDフィルター
お使いのレンズの口径サイズによって値段が変わるので確認してください!
私はND100を使用しています。6.7絞り分減光するので、三脚を使わないポートレート撮影ではかなりの逆光時しか使えないです。。。
これからもNDフィルター使っていきたい方は、ND32か64のほうが使い勝手良いかなと思います!
以上、合計13,416円ですべての機材が揃っちゃいます!
純正品を購入するとストロボだけでも1つ4万円くらいするので、かなり節約できますよ……!!
撮影方法
会社の屋上で、午前10時30分から撮影予定。青空をバックに爽やかな雰囲気にしたいとの依頼でした。
さっそく前日にアプリで太陽の位置を確認すると……真逆光!!!!
ふつうに撮影するとこうなっちゃいます……。
こんな求人写真嫌ですね。
この状況でも素敵な写真が撮れるように、当日覚悟を決めてありったけのストロボを持って撮影に臨みました……!!
- 撮影の設定流れ
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- F値(絞り)をできるだけ開ける(F4-5.6)
- シャッタースピードは1/80-1/125までの間に設定
- NDフィルターをつける
- ISOを調節する
- ライティングを組む
1. F値(絞り)をできるだけ開ける(F4-5.6)
主役のディレクター4人を目立たせるため、F値をできるだけ開けて背景のビルをぼかします。
被写体が一人の場合はF1.8など開放で撮りたいところなのですが、今回4人ともにピント合わせる必要があります。また青空をバックに下から煽り気味で撮っているため、ギリギリ全員にピントが当たるように絞って撮影しました。
2. シャッタースピードは1/80-1/125固定で撮る
格安ストロボなのでハイスピードシンクロなどの便利な機能は一切ついていません。1/125以上にシャッター速度を上げてしまうと、発光がシャッター速度に追いつかず、写真にシャッター幕の黒い影が写ってしまいます。
実際に試してみたところ、Neewerのストロボは1/160でたまに画面の端に黒幕が写ってしまいました。なので1/125を上限にしておくことをおすすめします。
(1/80以下に遅くしてしまうと、ブレてしまう可能性が出てくるので注意です!)
3. NDフィルターをつける
このまま撮影してしまうと画面が真っ白になってしまうので、NDフィルターをつけましょう。このとき使用したND100は6.7絞り分減光するので、そのままだと背景も被写体もかなり暗くなってしまいます。さらにISOで調整しましょう。
4. 背景の青空がいい感じの色になるようISOを調整する
ストロボを使用する際は、背景と被写体を切り分けて露光を調節します。
カメラの設定では背景の色がいい感じ(白飛びしてない、暗すぎない、適正露出)になるように合わせましょう。逆光なので被写体の顔がかなり暗くなると思いますが、被写体の明るさはすべてストロボで調節するため大丈夫です。
5. ライティングを組む
ちょうど太陽と反対側にメインのストロボを置き、クロスライティングになるようにしました。それだけでは右側の男性が暗くなってしまう恐れがあったので、逆側にも少し光量を抑えたサブストロボを置きました。
メインストロボは光量MAX(1/1),サブストロボは光量1/2に設定しました。
撮影写真
ヒストグラム
黒つぶれ・白飛びのない、すべての諧調が良いバランスになりました!
逆光の写真はヒストグラムで確認しつつ撮影することをおすすめします。潰れてしまった部分はいくら編集しても戻ってきません。
レタッチ手順
Lightroomの基本補正のみのレタッチです。いじるのは、1.基本補正 2.HSL(お好みで) 3.明暗別色補正のみ。
あと、今回重要な空の青さを出すため、部分的に段階フィルターをかけていきます。
基本補正
晴天時の日陰部分のケルビン値がだいたい7,000くらいの青みだったので、ホワイトバランスは7,400に設定して撮影していました。
ハイライトと白レベルを下げ、空の青さを引き立てています。シャドウと黒レベルを上げ、被写体の黒い部分を明るく戻しています。
HSL / 色相
空の青さが紫よりも緑っぽい方が爽やかなイメージになるので調節しました。
HSL / 彩度
空の爽やかさを強調したいので、ブルーの彩度を上げました。オレンジは肌の色がちょうどよくなるように調節しています。
HSL / 輝度
空の青をもっと濃くしたかったので明るさを下げました。肌の質感を出したいのでオレンジの明るさを下げています。
部分補正(段階フィルター)
空の青をより青くします。
太陽がある部分がより白っぽくなるので露光を調節します。
- 注意:レタッチを意識して撮影しよう!
- 自分のカメラのダイナミックレンジを理解して、どこまで編集で色が戻ってくるのか予測することが大事だと思います。
レタッチは魔法ではないので、編集で戻らない暗いの明暗差で撮影してしまうと、取り返しがつかなくなってしまいます……。
たとえば……
ストロボなしで撮影した写真を編集して、顔の明るさを良い感じにしようとすると……
背景の青空が完全に白飛びしてしまいます。
また、露出を極端に上げなければならないので画質がガサガサになってしまいます……。
完成
Photoshopで気になるところを編集したら完成です!
撮影時
Lightroomレタッチ
Photoshopレタッチ
無事、青空をバックに爽やかな雰囲気の写真になったのではないでしょうか!!
皆さんの笑顔も最高ですね……!!
まとめ
日中でもストロボがあれば表現の幅が広がります。また、どんな天候でも怖くなくなります。
今回ご紹介した機材は安いので、たくさん買って多灯ライティングの練習もできますよ!
私のInstagram(@mami_matsumoto)には日中ストロボを使った写真もたくさん載せているので、よければ参考にしてください!
それではみなさん、良きストロボライフを!