失敗しないオフショア開発。
失敗しないオフショア開発。
2020.04.01
LIG PR

「この世にもう存在しないサービスをPRしてくれ」というクライアントの気持ちを整理するために、お坊さんを呼んでお葬式をあげてもらった話

観音クリエイション

こんにちは、観音クリエイション(写真左)です。

今回、クラウド型勤怠管理システム「AKASHI」というサービスを開発しているソニービズネットワークス株式会社さまより、新たに宣伝してほしいサービスがあるというお仕事の依頼を受けまして、断りました。

そう、断ったんです。事前にメールでやり取りを重ねていたところ、「え、これはさすがに無理でしょ」と誰もが思う案件だったからです。

ざっくり言うと、先方が宣伝したいとおっしゃっているサービスがすでに終了しているんですね。担当者の方との事前のメールのやり取りを簡単にまとめると以下の通りです。

 

観音:今回宣伝するサービスの公式サイトのURLを教えていただけますか?
担当者:公式サイトはもうないんです。
観音:ではランディングページはありますか?
担当者:ランディングページもないです。
観音:そうしましたら一度そのツールを使ってみて、記事の構成を検討の上でお返事差し上げますので、テストアカウントをいただけますか?
担当者:サーバーもデータベースも落としてサービスクローズしたのでそれもできません。

 

なんなの? てかサービス終了したんだったら記事書いて宣伝したところで新規ユーザー獲得できないんだから意味なくないですか? めっちゃお金無駄じゃないですか? 絶対上司とかに怒られると思いますよ? ということを言葉を変えつつ何度も伝えたのですが、担当者の方に「そこをなんとか」「一度お話だけでも」と食い下がられまして、なし崩し的にお会いすることになりました。

今まで何本もPR記事を書いてきた僕でも今回の案件はさすがに意味不明すぎて1人で行くのはちょっと不安。そこで誰か頭の良い人と一緒に行く作戦を採用しました。頭の良い人……。社長とかですかね。会社で一番偉い人だから頭良いはず。あと社長だったら「いかにこの宣伝が無駄か」ということを経営者目線で説得してくれそう。よし決定。

というわけでLIGの社長のゴウさんと2人で、ソニービズネットワークス株式会社のオフィスにお話を聞きにきたのです。

終了したサービスのPRしてくれって言われても普通に困る

三人で話している

ico
今日はよろしくお願いします。今回、LIGさんには弊社が開発した勤怠管理システム「Internet Time Recorder」の紹介をお願いしたく、お越しいただきました。
ico
事前のお話を聞いた限り、僕らじゃ力になれないと思いますよ?
ico
ほんと、何度も断ったのに……。
ico一応伺いますが、Internet Time Recorderってどんなサービスなんですか?

渡邊さん

ico紙のタイムカードを使うのが当たり前だった時代に、勤怠管理や人件費管理といった労務のお仕事をラクにするために作られたWebサービスです。2004年にサービスをスタートしまして、2019年10月に提供を終了しました。
ico終了してるってことはもうこの世にないんですよね?
icoないです。
icoこの世に存在しないもののPRなんか普通やらないんですよ。なぜなら意味がないからです。宣伝して認知を増やしたところでユーザーが増えるわけでもないし、今回の場合は記事を読んでくれた人を誘導できるページもないんでしょう? まったく利益にならないですよね? その辺りのことは……
ico理解しています。

苦笑するゴウ

ico一体何が渡邊さんをそこまで動かしてるんだ……。
icoそもそもこのサービスはなんで終了することになったんですか?

 

サービスを終えたInternet Time Recorderへの熱い思い

渡邊さん

icoInternet Time Recorderは15年に渡って、勤怠管理の面から延べ1,000社を超える企業を支えてきました。15年というのは長い月日です。ユーザー様からの要望に答えて機能を追加してきた結果、つぎはぎで太らせたような構造になってしまい、マイナーアップデートでは対応し切れなくなったんですね。ひとつ新しい機能を追加すると他の場所に影響が出る、というようなことが多々起こってしまっていたんです。
ico10年以上前から開発しているツールですもんね。まあ長くやっていればそういうことも起こりますよね。
icoはい。そこで弊社はアップデートではなく「新たに別サービスを立ち上げる」という方向に舵を切りました。そのリニューアルプロジェクトで生まれたものが「AKASHI」という勤怠管理システムです。
icoんじゃそっちをPRすればいいんじゃないですか? 今現在提供されているAKASHIの宣伝しましょうよ。
ico嫌です。僕はInternet Time Recorderを宣伝したいんです。
icoマジでなんなの?

話をきくゴウと観音

icoちょっと気になったんですが、そのInternet Time Recorderって1,000社を超える企業に使われていたんですよね? サービス終了時にモメたりしなかったんですか?
icoそれがほとんどなくてですね。当初AKASHIへの切り替えに数年ぐらいは時間がかかると見込んでいたんですが、実際やってみるとすんなりうまくいって、サービス終了日をずらす事なく予定通りに移行が完了しちゃったんですよね。
ico普通こういうサービスのクローズって結構モメますよね。移行がうまくいった要因ってなんなんですか?
icoやはりInternet Time RecorderよりもAKASHIのほうが優れているということをユーザーの皆様にご理解いただけたのが大きいかなと思います。AKASHIは画面の見やすさ・使いやすさをかなり意識して作っているので、多くの方々が気持ちよくスムーズに乗り換えてくれました。
icoそれはなによりです。本日はありがとうございました。

より優れているAKASHIの詳細はこちら

ico露骨に話を切り上げようとしないでください。

 

残された人たちの気持ちはわからんでもない

icoそもそも今回、すでにこの世に存在しないサービスを宣伝しようと思った経緯ってなんなんですか? ご乱心?
icoいえ、いたって平常心です。なんというか思ったよりしれっと終わってしまったのが悲しくてですね。開発や営業といった他のメンバーも同じ気持ちだったようで、「寂しいよね」「忘れないように何か形にしたいね」って盛り上がったのがきっかけです。

語る渡邊さん

ico今はフリーミアムという、「基本的なサービスは無料で提供して、高度な機能や特別な機能については料金を課金する」というビジネスモデルが主流ですが、当時は一件一件手厚く営業して、使いづらいところをユーザー様から直接ヒアリングして、次回のアップデートに織り込む、という手をかけた運営をしていたんですよ。だからそのぶん愛着があるんですよね。最初は鳴かず飛ばずだったこのサービスが、3年目ぐらいからやっと売れるようになってきて「これはイケるぞ!」ってメンバー揃って手応えを感じた思い出なんかもあったりして。

ゴウ

icoなるほど。だんだん背景が理解できてきました。渡邊さん、あなた方に必要なのは「終わりの儀式」ではないでしょうか?
ico終わりの儀式?
icoそうです。わかりやすく言うとお葬式のようなものです。要は残された人たちが次に進むために、心に区切りをつける儀式を行わないままサービスを終了させてしまったから、運営に携わったメンバーみんなの気持ちだけが残っていると思うんですよ。
icoああなるほど……。確かに、言われてみればそうかもしれません。

 

(コンコン)

icoあ、ゴウさん、到着されたようです。
icoどうぞお入りください。

 

ドアが開く

渡邊さんの横に立つ僧侶

icoえ? 誰ですか?

僧侶の藤岡さん

ico僧侶
icoは? お坊さん? 本物の? なんで?
icoどうぞおかけください。
ico
では失礼します。
icoいやいや、え? 僕はどうすれば……。
icoちょっと横で立っててもらっていいですか?

四人で話す様子

ico今日は遠いところからありがとうございます。
icoいえいえとんでもございません。
icoこちらの渡邊さん、Internet Time RecorderというWebサービスを15年以上の長い期間に渡って支えてきた方なのですが、そのサービスがつい先日息を引き取ったらしいんですね。にもかかわらず渡邊さんはその、もうこの世にはないInternet Time Recorderを弊社に宣伝してほしいとおっしゃっていて。思うに、彼はこのサービスへの思い入れが強すぎて、その気持ちを引きずっているのではないかなと。
ico心中お察しいたします。
icoそこで今回、このInternet Time Recorderを供養してみてはどうだろうと思いまして、僧侶の藤岡さんにお越しいただいた次第です。
icoなるほど。ご事情承知いたしました。このたびはご愁傷様でございました。
icoいえ、あの、はい、恐れ入ります。

 

Webサービスのお葬式をあげるのはアリなのか

icoまず質問なのですが、こういうインターネット上のサービスが終わるときに、供養としてお葬式をあげるというのはアリなのでしょうか?
ico結論から申しますと、「アリ」ですね。

藤岡さん

ico人間以外の葬儀というと命のあるペット葬などが思い浮かぶかと思いますが、命を持たないものの葬儀例も数多くあります。たとえば人形やぬいぐるみなどがそうですね。
icoああ、聞いたことがあります。
ico葬儀というのは残された者が思いを断ち切る儀式という側面もあります。人は長く携わるものに思いを寄せ、特別な感情を抱くものですが、その対象が命あるものとは限りませんから。
icoちなみに藤岡さんは今回のWebサービスのように、命どころか形のないものの供養をした経験はありますか?
icoあります。人の思いそのものや、忘れたい記憶などですね。そういったものを紙に書いていただいて、お経を読んで供養して区切りをつける、ということをおこなっています。そのようなご依頼は今でも少なくないですね。
icoでは今回のInternet Time Recorderのお葬式をあげることにも意義はある、と。
icoはい、大いにあります。

 

初七日や四十九日などの法事・法要は何のために行うの?

ゴウ

ico今回せっかくお葬式をあげていただくので、お葬式後の初七日や四十九日といった法事のことについて改めて理解を深めておきたいと思っていて。あの一連の流れってどういうものなんですか?
ico法事というのは残された人が別れのプロセスを踏む儀式です。死後すぐというのはやはり別れの悲しみが深く残っていますので、その期間は短いスパンで供養を重ねて、心の整理をするわけです。これが7日ごとに7回。7回目が四十九日という一つの大きな区切りですね。四十九日後は百ヶ日、一周忌、三回忌、七回忌と少しずつ期間が空いていきます。
icoそうすることで段階的に心が整って、自然な形で別れに向き合うことができる、と。
icoおっしゃる通りです。そして法事のたびに故人を思い出すことができるという効果もあります。人間は忘れる生き物。大切な人との思い出であっても、時間とともに忘却するようにできています。それを定期的な儀式によって思い出し、記憶に留め、ずっと忘れないようにしてくれるんですよね。
icoなるほど、理にかなっている教えなんですね。

四人で話す

icoところで、こちらのサービスが息を引き取られたのはいつですか?
ico今日が3月6日ですよね。提供終了は昨年の10月ですが、本番データベースの稼働を停止したのが3月2日なので、4日前です。

パソコン画面

icoでしたらまだお気持ちの整理もついていないですよね。渡邊さんが前に進めるように、お別れの儀式をいたしましょう。

読経

一列に並ぶ観音、渡邊さん、ゴウ

帽子を脱ぐと坊主になってる観音とゴウ

お経を唱えている様子

ico我建超世願 必至無上道 斯願不満足 誓不成正覚

ゴウ

ico我於無量劫 不為大施主 普済諸貧苦 誓不成正覚

観音

ico我至成仏道 名声超十方 究竟靡不聞 誓不成正覚

位牌

ico離欲深正念 浄慧修梵行 志求無上道 為諸天人師

渡邊さん

ico神力演大光 普照無際土 消除三垢冥 広済衆厄難

位牌

ico開彼智慧眼 滅此昏盲闇 閉塞諸悪道 通達善趣門
ico功祚成満足 威曜朗十方 日月収重暉 天光隠不現
ico為衆開法蔵 広施功徳宝 常於大衆中 説法師子吼……

 

icoそれではご一同様合掌お願いいたします。
ico合掌。

一同、合掌

ico礼拝。
icoお直り下さいませ。
icoこの世に存在するものは皆、諸行無常でございまして、常に同じというものは何ひとつございません。全ては新しい出会いのための変化だと、そう受け止めてください。このたび役目を終えたInternet Time Recorderもまた同じ。無になったわけではなく、姿を変えて、今も渡邊さんのそばにいらっしゃいます。
icoそう。
ico「AKASHI」です。

 

Internet Time RecorderはAKASHIに生まれ変わりました

位牌を持つ渡邊さん

勤怠管理ツールの先駆けであるInternet Time Recorderは、その意思を受け継ぎ、AKASHIという新しいサービスに転生しました。

〜AKASHIになって進化したポイント〜

  • 勤怠画面、管理画面におけるUI/UXを大きく改善。御社で働く従業員皆様に「使いやすい」と思ってもらえるシステムへ。
  • 残業時間の管理、有給の取得状況もグラフでリアルタイムに確認可能。テレワーク中の従業員を確認できる機能もあり、働き方改革への対応機能も充実。
  • アップデートは週1回以上。お客様からのリクエストを迅速に反映して、常に進化し続けるシステム。
  • 勤怠管理以外にも工数管理やシフト機能も搭載。あらゆる業種、従業員数にも対応可能。
  • カスタマーサポートも充実。リアルタイムで解決可能なチャットサポートをはじめ、社会保険労務士による初期設定サポート(有償)もあり、導入がよりスムーズに。

AKASHIの詳細はこちら