こんにちは! デザイナーのおまめです。
突然ですが私にはまったく絵心がありません。
描けないんですけど、たまにアイデアが浮かんできて異次元の動物の絵を描いています。
▲左から、二足歩行のキリン・みずたまりに映り込むワニ・手垢を付けられて蒸発して雲になったヒツジ
ただ私には絵心がないので、せっかく生まれてくれたこの子に命を吹き込むことができません。
立体にすることも、動かしてあげることも、笑わせてあげることもできません……。
目次
絵を描くことへの熱い想い
絵を描くこと。それは太古から行われてきた行為です。
洞窟には狩猟している人間や動物たちが描かれてきました。ただ伝えるだけであれば必要のない装飾や、彩りゆたかに描かれた絵の数々を見ても、人類の根幹には何かを表現したい! 純粋に絵を描きたい! という欲求があると思えてなりません。
また、後世に残るものは、文字ではなく絵なんだと思います(※個人の見解です)。未来の人間が文字を解読できるとは限りませんが、絵なら伝えることが可能ですよね。
実際、世界には解読されていない古代文字はたくさんありますが、洞窟壁画やヒエログリフなど、絵から派生した文字から、古代がどんな文明だったのかは解明されています。
私が絵を描きたいと思う気持ちは人間としての本能なのだと思います。また、後世に残るなら自分が描いた絵に命を吹き込みたい……。
ということでデッサン教室に挑戦するという話です。
前半は静物画、後半は人物画にチャレンジしてみました。
- 今回お世話になった学校
- OCHABI artgym
アートジムはお茶の水美術美術学院による、社会人のためのデッサン・デザイン・アートスクールです。
中でもデッサンはロジカルに考えることをテーマとしており、論理的に解説していただくレクチャーのお陰で、絵を理解しながら描くことができます。
今回は無料体験1時間30分を受講しました。
デキャンタを描く
デキャンタといえば、ワイン熟成した赤ワインのオリ(液体に沈んだカス)を取り除き、空気に触れさせて風味を豊かにしてくれる容器のことですよね。
実は17世紀にワインボトルが普及する前は、すべて樽で保存していたので、食卓にそのまま置けず、水差しに移し替えてから容器に注いでいたそう。
デキャンタは古代からの風習を踏襲したものだったのですね。
話がそれました。
光は斜め左奥から、右手前にかけて上から差しています。実際はこれを少し上から見下ろす形で書きます。鉛筆は今回2Bしか使っていません。
Before
書き上げたとき、正直めっちゃうまくかけたと思いました。口の部分とか。
ただ今見たら歪みまくってますね……あと立体感が皆無……。
楕円→口の部分→ボディ→底と、上から順に描きました。
After
1時間でこうなりました。
細部まで作り込めてないのですが、立体的に見えませんか!? 形もだいぶマシになってませんか!?
ただ、このときの受講生の中で一番下手でした。当たり前ですが、すぐに素晴らしい絵は書けません。
ここからは、実際にデッサン教室で学んだ書き方をご紹介していきます。
1. 補助線を描く
まず2Dを3Dにするという意識が大事でした。平面で物体の形を捉えてから立体にしていくように描いていきます。
実際のデキャンタを見て、縦横比を鉛筆で測ります。デキャンタを真横から見た断面図と捉えると測りやすいです。今回は縦横3:1くらいの長方形を描いて、中心線をひきます。
比率はなんと鉛筆で測るんですね。画家っぽくてワクワクしました。
2. 形の変わり目に点を打っていく
左右対称になるように点を打っていきます。点を線でつなげて、デキャンタの2D断面図を書きましょう。
3. 3Dにする
断面図に楕円を追加し、3Dにします。
今回は少し上から見下ろす形で書いているので、上から下にかけて楕円の縦幅が大きくなっていくように描くと本物感が増します。下から見上げてる場合は逆で、下から上にかけて楕円の縦幅が大きくなっていきます。
目線の位置によって立体物の見え方が変わるなんて知らなかった……。
アクリルのパイプをみるとわかりやすいですね。楕円の縦幅が、上から下にかけて大きくなっていることがわかります。
4. エッジをつける
楕円に斜めの線を入れていきます。
この線を縦につなぎ合わせた線がエッジといって、一番手前に見える部分となります。この部分の色を濃くすると立体感が出るんです。
実物は真正面にエッジがあっても、絵に書くときは少し斜めにすることで、手前と奥のエッジが重ならないので立体感が出しやすくなります。
5. 塗って完成
手前のエッジと奥のエッジを濃く塗り、外側へ薄くグラデーションをかける感じで塗っていきます。
あとは細部を書き込んだら完成です!
鉛筆の動かし方にもコツがあり、細部を書くときは手首を使う感じで描くと描きやすく、広い範囲を塗るときは、肩から腕を動かすときれいな直線になり塗りやすくなります。
肩から腕を動かして書いたことなんて一度もなかったので、新感覚でした……!!
無料体験はここで終わったのですが、楽しかったので、後日、別のモチーフも書いてみました!
円柱と球を描く
今回は時間がないので真ん中の円柱と、円柱に乗った球だけ描くことにしました!
Before
2時間がんばって書いて、1回でここまで描くことができました!
最初と比べると段違いで上手くなっていませんか……!?
ボールがなんかおにぎりみたいになっていますが、円柱がとっても立体的に描けて進化を感じました。
ただ、すべて2Bの鉛筆を使っているせいか、色の違いとか質感とかまったく出せてないなーと思ったので、もう2時間追加でブラッシュアップすることにしました。
After
どうでしょうか!! ツルツルしてそうではないでしょうか!?
白の部分塗りすぎ感はありますが、緑と白の色の差も表現できたように思います……!
ここでは、ブラッシュアップする際に意識したことをご紹介します。
鉛筆の硬さを変えた
鉛筆の硬さも濃さごとに違っていて、濃い鉛筆(2Bなど)は柔らかく、薄い鉛筆(HB)などは硬い質感になります。
柔らかい鉛筆を使うと、紙のざらざら感が残ってふんわりした感じになり、硬い鉛筆を使うとツルツルした質感を出しやすくなるそう。
なので今回は2Bだけでなく、2HやFを使いました。とくに円柱側面のつるつるしているところは、一回練り消しで消して、2Hの鉛筆で少しペン先を立てながら書き込みました。
光の回り込みをぼかす
光が回り込んでいるところ(円柱の端や、球の下の映り込みのところなど)を、ティッシュでぼかしました。
濃い色のものを濃く描く
今回は緑のボールが円柱よりも濃い色なので、緑のボールのエッジを、円柱より濃くなるよう全力で塗りました。
球のエッジを目立たせ、反射光や光の映り込みを描く
よく見ると球の下側は円柱からの光の反射にうっすら照らされていることに気づきました。
そこを練り消しで消し、上からのライトのテカリも消しゴムで書いてあげることでツルッとした質感が出ました。また、エッジをより濃く書いたことで、立体感も増したように思います。
まとめ
物体の構造について学ぶことで、物体を立体的に捉えられるようになりました。また、鉛筆の特徴を捉えることで、少しですが質感も演出できるようになったのではと思います!
いろいろ学んだのですが、絵を描くことの一番の近道は、よく観察することだと思いました。光の映り込み、影の消えかた、質感など、観察してブラシュアップを繰り返すことで、絵がどんどんリアルに描けるようになります。
アートジムでは、デッサン部門でアマゾンのランキング1位の本も出しています! とてもわかりやすくロジカルにデッサンを解説してくれているので、興味があればぜひ読んでみてください!
次回は人物のデッサンにチャレンジします。
ほんとに気持ち悪い絵しか描けないのでどうなるか楽しみです!
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