こんにちは、バックエンドエンジニアのグッチです。
突然ですが、みなさんはどんなキーボードを使っていますか?
エンジニアやデザイナーの場合は、HHKB(Happy Hacking Keyboard)を使ってる人もそれなりにいますが、大抵の人は付属のキーボードを普通に使っていると思います。
昔はいろいろこだわっていたけど、一周回って「デフォルトが一番」という境地に達した人もいるでしょう。
実は最近、左右がわかれたり・立体的だったりといった変態御用達のキーボードが普通の人たちにも手の届く場所まで降ってきています。これまでは敷居が高く、興味はあってもなかなか手を出せなかったという人でも説明書を読めて、半田付けができる人であればヤバいキーボードに手が届く世界になってきているんです。
もし「初めて聞いた!」「知らなかった!」という人で、興味がある方はちょっと読んでみてもらえると嬉しいです。この記事では僕がこれまで使ってきたキーボードと共に、1月に秋葉原にオープンした自作キーボード専門店の「遊舎工房」を紹介します。
これを機に一緒に自作キーボードの世界を覗いてみませんか?
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目次
自作分割型キーボードへの道
夢の分割キーボード
分割キーボードってかっこいいですよね。小さいころに映画か何かで見て、その特別感に心引かれた気がします。
大学生になったころ、ついに分割型のキーレイアウトになっているkinesisというキーボードを見つけましたが、値段が高過ぎて断念。
最近になり、自作キーボードというクラスタがすごい賑わっていることを知り、去年の年末に分割型のキーボードキット「Corne Cherry」に手を出してみました。実は、この記事もそのとき作ったキーボードで書いています。
分割型キーボードを使うと、
- キーボードを打つ事による疲労が軽減され
- 肩こりが減り
- 姿勢が良くなり
- 腰痛も治り
- 体重も減り
- キーボードをの話題からコミュニケーションが捗り、その結果彼女ができる
という可能性も0ではありません。
これまで使ってきたキーボード
キーボードなんて文字打てればなんでもいいと思ってた時期
- 親からお下がりでもらったPCと一緒にもらったキーボード
- 適当な国産ラップトップ買ったら付いてたキーボード
- 研究室に転がっていたキーボード
- Macbook Proについていたキーボード
キーボードはJISとUSどっちがいい?と聞かれても「US配列?なにそれこわい!」と思ってた。
MacBook Pro US配列キーボード
周りもUS配列の人ばっかりで恐怖感もなくなってきたのでUS配列に。
US配列至上主義になり、ことあるごとに「US配列のほうがいいよ!」と言う病を患っていた時代ですね。懐かしいですね。
HHKB(Happy Hacking Keyboard BT/墨・刻印あり→刻印なし
Bluetoothが不安定でたまに接続がぶちぶち切れるのが欠点ですが、それ以外はおおむねおすすめです。
のちに無刻印に換装しました。が、ランダムなパスワードで記号が入った時にとても困るのでやっぱり刻印ありモデルでもいいような気がしています。
US配列版は「方向キーなんてないよ!」という仕様なため、方向キーはFnキーと組み合わせて入力します(どうせすぐ慣れるので大丈夫)。
値段は通常版が約2万円、静音性を強化したType-Sが約3万円、Bluetooth版が約3万円。
▲HHKBをMacbookのキーボードの上に置いて使ってるよ
このころ、また分割キーボードが欲しくなってきました。
ですが、自作キーボード界隈の情報が出回っていることにも気付いていなかったため、「ひょっとしてHHKBをもう一個買って左右に並べれば幸せになれるのでは?🤔」などとヤバい思考にとりつかれつつ「もう一個HHKB買うのか? どうするんだ?」と悩んでいました。
Corne Cherry(分割型の自作キーボードキット)
そして今使っているのは、Corne Cherryというキーボードです。
キーのレイアウトが横にずれていないタイプで、代わりに指の長さに合わせて縦方向にずれている「Column Staggered」という配列でとてもかっこいいですね。
HHKBは方向キーは甘え!というキーボードでしたが、こちらはそれに加えて数字キーも甘え!という仕様で、キーは42個しかありません。
慣れればあんまり疲れずに打ち続けれるようになってきました。
デフォルトのキーマップでは方向キーの入力ができなかったので足したり、ファンクションキーなどの配置を軽くいじってます。LIGのみんなからは「まず文字以外のキーが大体全部わからん」とか「数字キーは甘えじゃないと思う」とか「変態なんだね」とか言われています。
▲HHKB用のアクリル板の上にCorne Cherryを置いてる様子
コルネはパン(@foostan)さん作のキットで、boothなどで購入しました。現在は遊舎工房の実店舗で購入できるはず。
自作ってどうなの?
頑張ればなんでも自由にカスタマイズできる
カスタマイズの難易度順に並べると、
- キーキャップ
一番簡単なのはキーキャップの交換で、これは従来の機械式キーボードであれば割と簡単に入手、交換が可能です。MX軸など同じ規格のものを買えばとりあえず大丈夫(多分)。 - キースイッチ
最近では市販のキーボードでも交換できるものもちらほら見かけるようになりましたが、どのキースイッチが自分の好みなのかがわからないため通販で買おうとしてもどれを買えばいいかわからないという状況になる人が多いと思います。 - キーマップ
Caps LockとCtrlを入れ替えるくらいの変更であればOSの設定で可能ですが、Fnキーや全体的なマップの変更は従来では困難な箇所でした。自作キーボードの場合はファームウェアを書き込む際に自由に好みのキーマップを設定できるため、ファンクションキーなんて使わないよって人はその分自分の使うキーが割り当てられるし、自分の好きなように数字や方向キーなどの場所も自由に自分で決められます。 - キーの物理的な配置・レイアウト
キットに満足できなくなった人は、基盤の設計から自分でやったり、3Dモデリングで筐体のデザインをしたり3Dプリンターで出力するなんて人もいるので頑張ってみてください。
Bluetoothキーボードも現実的になってきそう
ちなみに最近ではBluetooth化が可能になる基板も出てきたりしていて、今後も動向に注目ですね
どうやって作るの?
必要なもの
- とりあえずキットを買うのがおすすめ
- 他に何を買う必要があるのかキットの注意書きに書いてあるのでよく読み、必要なパーツを用意する
- 半田付けに必要なもの
L半田ごて
Lこて台
Lテスター
Lフラックス - PC
ファームウェア書き込みに使用
gitの知識があればなおよし
組み立て
- まず、ビルドガイドという組み立て方の説明ページを大体の作者さんが書いてくれているので端から端まで読む
- ビルドガイド見ながら全体の流れをシミュレーションする
- もう2、3回読む
- キットの説明の通りに部品をテスターでチェックしながら半田付け
- ビルドガイド読む
- キースイッチ、キーキャップなどいろいろ組み立てる
- ビルドガイド読む
- ファームウェアの書き込み
- ビルドガイド読んで抜けがないか確認する
そんなに難しいことはなく、半田付けしたことがあれば意外とすんなり作れるはずです。
どこで買えるの?
自作キーボードキットを入手するには以下のような選択肢があります。
1/13日に「遊舎工房」の実店舗がオープンし、これからは実店舗でも買えるようになりました。
遊舎工房に行ってみた
ということで今回、自作キーボード専門店「遊舎工房」に行ってみました。
アクセス
住所
東京都台東区上野3-6-10 ユニオンビル1F
秋葉原駅から徒歩約10分、末広町駅から徒歩約3分
外観
お店の中の様子
物販コーナー
キーボードを作るのに必要なものは一応ひと通り揃っていて、必要な分だけ購入することができます。
特に、キースイッチは30種類ほどもあるテスターを触りながら選ぶことができます。
文字は抵抗なく打ちたいけど「エンターやEsc, BackSpaceはカチッと鳴ってほしい。でもスペースは軽いのがいい」などといった細かい好みにも対応できます。
- 書籍
- キーボードキット
1〜1.5万円ほどのキットがいくつか陳列されていました
キーキャップやキースイッチは含まれないため別途購入する必要があります - キースイッチ(1個40円〜、1個単位で購入可能
- キーキャップなど各種パーツ
- キーキャップガチャ(200円)
- レンタルボックス
工作スペース(有料)
遊舎工房で買ったものを組み立てる専用コーナーというわけではなく、何かを持ち込んで工作をしても大丈夫とのことでした。
キットを買って組み立てようとしたら、同じテーブルにそのキットの製作者が座っていたなんてこともちらほらあるようです。そのほか、3DプリンタやUVプリンタはどういった料金体系になるのかわかりませんが、かなりいろいろなことができそうです。
- コーヒーマシン(「カンパしてくれると嬉しいいの」と言っているキャラがかわいい)
- 半田ごてをはじめとした工具類(こて、こて台、テスターからオシロスコープまで)
- 3Dプリンタ(FDM方式・光造形式)
- UVプリンター
戦利品
主目的は新しいキースイッチだったんですが、キーキャップガチャを引いてしまったりキーキャップをなんとなく買ったり、Corne Cherry用のケースを買ってみたりしました。
キースイッチはもともと、「おれ、ハイスピード軸で高速タイピングするんだ!」とか言ってハイスピード軸と呼ばれるものにしたんですが、ちょっとピーキー過ぎたのでもう少し普通のものに変更しました。
調子乗ってすみませんでした。ごめんなさい。
まとめ
楽しかった!
変態キーボードが普通の人の手に届く場所まで降ってきている!
2万円弱で夢の分割式キーボードが手に入る時代になっています。今後もさまざまな開発者の手でいろんなデバイスが実現していくと思うと、とても楽しみです。今は享受する側でしかありませんが、いつか自分から何か発信できるようになれたらいいなと思ってます。
価格は少し上がるが1店舗でだいたい揃うのは魅力
実店舗「遊舎工房」の価格に関しては、作者さんから直接買うのと比べて多少上がりますが、1箇所の実店舗で揃うという点や実物を見て悩んで触って買えるという点を考えると断然メリットの方が多いと感じました。
設計図などはgithubなどで公開されている場合も多く、ライセンス的には勝手に作って売ってもいいはずですが、ちゃんと作者さんへも還元しているという点もポイント高いですね。興味のある人はぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか。
少しでも自作キーボードの魅力を知ってもらえたら嬉しいです。グッチでした。
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