Web事業部_クリエイティブ
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2018.12.05

「編集者ならではの習慣」はあるのか?気になったので取材してみた【前編】

ぶっちゃん

こんにちは、外部メディアコンテンツ制作チームのエディター、ぶっちゃんです。

LIGにはWebコンテンツを制作する部署・チームがあります。そこには、いわゆるWeb編集者(エディター)がアシスタント含め、2018年11月現在、14名在籍しています。

今回は、なかでも中堅〜ベテランの編集者に「編集者ならではの習慣」についてインタビューをしたので、その内容と結果を書いていこうと思います。

なぜ「習慣」に注目したのか?

上の写真は、20代の終わりのころ、僕が歩きでお遍路を回ってゴールしたときのものです。四国をぐるりと一周するように88番の札所(お寺)があって、それを2ヶ月ほどかけて1200キロ以上を歩き、お参りを続けるという旅でした。

歴史のある特別な場所でバックパッカーさながら2ヶ月もかけて旅をしたのだから、よく友人や家族、知人にはこんなことを言われます。

「心境とか、何か変化があった?」と。

それには必ず僕は、こう答えています。「いや、何も変わらなかったよ」と。

そう、1200キロ以上を歩き、野宿の旅に出ても、何も得ることはなかったのです。ただし、ひとつの真理というか、悟りのようなものにたどり着いたことを強烈に覚えています。

それは、「習慣こそ人を変える唯一無二のものだ」ということです。

2ヶ月そこら旅に出たところで、残念ながら人は変わらない。お遍路のように素晴らしく、刺激的な体験を1回経験するより、小さいけれど毎日の細かい体験を100回経験するほうが、人は変わっていくのではないか? それに気づけたことがお遍路で得た一番の収穫ですが、僕はそれ以来、習慣というものに注目をするようになりました。

……前置きが長くなりましたね。LIGにはプロフェッショナルな編集者が大勢在籍しています。それぞれがそれぞれのやり方で研鑽を積んでいる、自分の成長に貪欲なメンバーばかりです。そこで、編集者ならではの習慣にはどういったものがあるのか、ふと知りたくなったのです。

この記事が、「編集者としてプロフェッショナルになりたいけれど、どんな能力を、どんな風に高めればいいのかわからない」……そんな方の参考に少しでもなれば幸いです。

File① 習慣:書店に通うこと(やぎ/外部メディアコンテンツ制作チーム)

女性編集者

人物紹介:やぎ
編集プロダクションの面接を受けた際、社長に「構成力が足りないから、ライティングの学校に通ったほうがいい」と言われたことを受け、学校に通う。卒業後ふたたび面接を受けたところ、「本当に通うとは思わなかった」と言われ採用された、高い行動力の持ち主。ライターアシスタント、ライターを経て編集者になり、2018年にLIGにジョイン。外部メディアコンテンツ制作チームに所属している。

書店がいろんなヒントをくれる

ぶっちゃん:今回はインタビューの依頼を受けてくれて、ありがとうございます。やぎさんは僕より前にLIGに入社していますが、入社にはどういった経緯があったんですか?

やぎ:前職では、経営者向けのWebマガジンの編集をしていたんですけど、会社自体が雑誌の延長でWebメディアをつくっていたところがあったんです。だから、Webのことをもっと知らないといけないなって思って。求人サイトに登録していろんな会社を見ていたら、Web制作会社で有名なLIGから連絡が来たので、面接を受けたんです。それで採用してもらった、という感じですね。

ぶっちゃん:Webに完全にシフトしたほうがいいと。

やぎ:そうですね。今後メディアがどんどん紙からWebに移行していく、という流れを考えたときに、もっと知識をつけないとって思ったのがきっかけです。

ぶっちゃん:僕はやぎさんと同じで、紙媒体から経歴がスタートしていますが、それでも紙ならではのいいところはありますよね。

やぎ:Webメディアはスピード重視の部分もあるけれど、紙媒体はひとつのコンテンツにかけている時間と労力が違いますよね。

ぶっちゃん:わかります。やぎさんは、どちらの媒体も経験されていますが、その中で習慣にしていることって何ですか?

やぎ:だいたい2日に1回くらい、書店に通っています。もともと書店に行くことは好きなんですけど、6年ほど前に書く仕事に就いてから、より意識して通うようになりました。

ぶっちゃん:2日に1回を6年間ですか! なぜそんな頻度で通いつめているんですか?

やぎ:企画のネタに悩んだときやモチベーションを高めたいとき、仕事の仕方で悩んでいるときに書店に行くと、何かしらヒントが見つかるんですよ。

ぶっちゃん:自分の仕事の課題解決のために本を探している、って感じでしょうか。 例えば企画の立て方に悩んでいたとしたら、企画立案が上手くなりそうな本を探すのか、それとも媒体に関連がありそうな本を読んで、かいつまむ形でネタを探すのか。

悩む女性編集者

やぎ:それで言うと、両方ですね。ネタを探すときもあれば、課題解決のためのヒントを探しに行くときもあります。あとは単純に書店に行くのが好きなので、何気なく行くこともありますね。特に仕事で疲れたときに本に囲まれると、落ち着くんですよ。ふと気づいたら「あれ? わたしいつの間にか書店にいる!」っていうときもあるくらいです(笑)。

ぶっちゃん:それはすごい体験ですね(笑)。じゃあ、「習慣化しよう!」と思って通うようになったわけではないんですね。

やぎ::そうですね。仕事柄必要を感じてっていうのと、好きだから、という2つの理由です。私の場合、興味を惹かれる本じゃないと、頭に入ってこないんですよ。本を手に取って中を見て、しっくりきたら買うし、しっくりこなかったらどんなに役立ちそうな本でも買いません。

ぶっちゃん:自分は便利なので、すぐ通販を利用してしまいます。そういうサービスは使わないということですよね?

やぎ:はい。実際に手に取りたいから、欲しい本が書店にないときは取り寄せています。

ぶっちゃん:取り寄せもするというのは、珍しいかもしれないですね。それくらいフィーリングが大事、ってことですね。

やぎ:そうですね。だから、人から勧められた本も興味を惹かれて、なおかつしっくりこなければ読まないかも。本当は読んだほうがいいのかもしれないですけど、頑張って読んでも頭に入ってこなければあまり意味がないと思うので。人によって読むのにベストなタイミングも違うと思いますし。

ぶっちゃん:やぎさんが最近出会った本のなかで、フィーリングが合ったものって何がありますか?

やぎ:いろいろありますけど、最近読んだのは植松努さんの『好奇心を“天職”に変える空想教室』で、今読んでいるのが『トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦<1>ブランド人になれ!』という本ですね。

企画のファンになるということ

本棚と女性編集者

やぎ:前職はビジネス系メディアの編集者だったので、社長という役職に就いている人が読んでも「おもしろい」と思ってもらえる記事をつくりたい、という気持ちがありました。なので企画を立てるときは書店でビジネス誌をはじめ、いろいろな雑誌をチェックしていました。

ぶっちゃん:前向きですね。ふと思ったんですけど、自分がやりたくないな、モチベーションが上がらないな、と思う企画を担当するときって、辛くないですか?

やぎ:うーん。わたしはわりと、与えられたテーマや取材対象者のことを調べるうちに、好きになっちゃうんですよ。私の場合、何がテーマだとしても本当に「いい」と思って記事をつくっています。いいところに気がついて、拡大しているというか。なので、今まで案件や企画を担当していて、心から「嫌だな〜」と感じたことはほとんどないですね。

ぶっちゃん:先入観を持たない、ってことですね。その姿勢は見習いたいです!

やぎ:でも、案件や企画が終わったら熱は冷めちゃいます(笑)。またすぐ次の企画に意識が向くので、一時的なものですね。

ぶっちゃん:ものすごくドライですね(笑)。ただ、僕も同じようなところがあります。職業が変わると、前の仕事より今の仕事に夢中になるというか。フィーリングが合った本は、月に何冊くらい買っているんですか?

やぎ:2、3冊くらいですね。それで、だいたい5冊くらいを平行して読んでいます。月に2、3冊完読して、また買って補充して5冊平行読みをする。そんなサイクルです。週末になるとだいたい本をカバンに入れて出かけて、必ずカフェとか出先で読んでいます。書店めぐりをすることもあります。

ぶっちゃん:本を大量に買っては積ん読している自分に言い聞かせたいですね。じゃあ、最後に質問させてください。やぎさんおすすめの、都内で書店めぐりができる場所はどこですか?

やぎ:池袋は駅周辺に書店がたくさんあるので、よく利用しています。探したい本がある場合も、目当てはないけど何かおもしろそうな本を見つけたい場合もオススメです!

ぶっちゃん:ありがとうございました!

外部メディアコンテンツ制作チームの実績はこちら

File② 習慣:メモをとること(たまき/外部メディアコンテンツ制作チーム)

メモを持っている女性編集者

人物紹介:たまき
23歳で某出版社のパソコン・ゲーム誌の部署に潜り込む。デジタルに関する知識は皆無だったが、2年間でDTPソフトなどが一通り使えるようになり、DTPオペレ―ションからライターまでを編集者が担当する小さな演劇専門誌に転社。年間250本以上の舞台を観て「好きを仕事にするって最高!」と20代を満喫。30歳でフリーランスに。出産などのライフスタイルの変化に伴い、2018年にLIGに入社。LIGではやぎと同じ、外部コンテンツ運用チームに所属している。

駆け出し時代からの習慣

ぶっちゃん:たまきさん、インタビューよろしくお願いします。さっそくですけど、LIGに入社したきっかけを教えてもらえますか?

たまき:家から近いからです(笑)。

ぶっちゃん:ぶっちゃけますね!

たまき:LIGのミッションは「Life is Good」ですから。子育て中の私にとっては「家から近い」ことはかなりGoodなことなんです。もちろん、それだけじゃないですよ! 紙媒体の仕事がメインでしたが、最近はWebの仕事も増えてきて。「このままWebを知らないと(編集者として)滅びるな……」と思ったから、という理由もあります。

ぶっちゃん:「滅びる」ってすごい表現ですね。紙媒体を長くやっていたたまきさんだからこそ、今後について不安に思うことが多かったんですね。先ほどインタビューしたやぎさんも同じようなことを言っていました。それでは、たまきさんが習慣にしていることは何ですか?

たまき:編集者としての習慣と言えるかわかりませんが……。若いころはメモをよく取っていました。

ぶっちゃん:編集者っぽいですね。どんなことをメモに取っていますか?

メモと手元アップ

たまき:思いついたことや、あとで確認したいことなどをメモしていましたね。おすすめされた本のタイトルとか、注目すべき俳優さんの名前とか。あとは、企画を考えているときに、パソコンの前では出なかったアイデアが、帰り道にふと出てくることがあるんです。そういうときにはサッとメモをするようにしていました。

ぶっちゃん:僕もメモを積極的に取っていた時期がありました! メモを取る習慣を持っている人はけっこういるのではないでしょうか。ただ、後から読み返すと、全然内容がわからないってことがよくあるんですよね。そういうことを防ぐために、何かいい方法はありますか?

たまき:たしかに、最初は「何だこれ」というメモもたくさんありました(笑)。途中からは自分だけはわかるようにメモしていましたけど、忘れてしまったら、「わからなくなる程度のことだったんだ」と諦める。都合のいい解釈ですけど(笑)。

ぶっちゃん:なるほど。あとやっぱりメモで難しいのは、取り出す手間があるっていうのがありませんか? まぁ、「今メモしなくてもいいか」ってなっちゃう。

たまき:そうなんです。だから、この小さいメモ帳に行き着きました。ポケットに入れてスッと取り出せる感じがいいんですよ。

ぶっちゃん:小さめのメモ帳がメモを取るにはおすすめ、ってことですね。今も紙のメモ帳を使っていますか?

たまき:今は子育てで毎日がてんやわんやで、通勤時間も短いので、メモを取る機会はグンと減りました。紙のメモを取り出している暇もないので、備忘録にはスマホのメモ機能を使っています。

スマホとメモ帳

ぶっちゃん:紙ではなくなったんですね。メモ帳といっても色々機能がありますが、フォルダ分けとか、整理する機能を使っていますか?

たまき:スマホ自体、あまり使いこなせていないので、とりあえずメモ機能のみを使っています。

ぶっちゃん:じゃあ、純粋に紙のメモがスマホに変わった、という形なんですね。ちなみに、メモを取るのは具体的にいつごろから実践しているんですか?

たまき:意識して「ネタ帳」のようにメモを取りはじめたのは、編集の仕事を始めて3年目くらいから。そのときに取材したお笑い芸人さんのネタ帳を見て、真似したくなりました。あと、若いころは、「知りません」とあまり言いたくない気持ちがあったので、知らないことを言われたらこっそりメモを取って、あとで本や雑誌などで調べていました。

ぶっちゃん:以前はWebで調べてもすぐに最適な情報が出てくるものでもなかったですからね。

たまき:今は調べる時間もないので、知らないことはすぐに人に聞きますけど(笑)。

誘いは断らない

たまき:これもまた習慣とは違うかもしれませんが、お誘いを受けたら断らずに行くようにはしていました。スケジュールさえ空いていれば、先入観を持たずに、どんなところでも行ってみる。

ぶっちゃん:それは何か理由があるんですか?

たまき:その場に、面白い人がいるかもしれないじゃないですか。フリーランスになってからは、なおさら多くの人との交流を心がけていました。Twitter黎明期にはそのつながりでお仕事をいただいたこともありましたし。売り込み営業をしてもあまり仕事にはつながらなかったので、やっぱり人のつながりは大事だなと感じました。

ぶっちゃん:僕もフリーランスを経験しましたが、不思議なことに、誘いにのって行くと何か別の仕事につながることがあります。

たまき:そうそう。共通の知り合いがいて、さらに広がることもありますし。もちろん仕事をもらうことを目当てに行っているわけではないですけど。

作家の阿川佐和子さんが、雑誌か何かのインタビューで、ご自分のことを「物事を広く浅くしか知らない」とおっしゃっていたんです。謙遜もあるとは思いますが、だからこそ、「“ものすごく詳しい人(専門家)”と“あまり知らない人(読者)”との橋渡しができる」ともおっしゃっていて。そのときに、「なるほど、それが編集者だな」と。私自身、なにかひとつのことを追求してきたわけでもない「広く浅く知っている」人間なので、とても共感できました。

ぶっちゃん:たまきさんは常に話が途切れないし、引き出しが多くて、知識が豊富ですよね。

たまき:話の引き出しが多いほど、担当できるメディアの幅も広がるので、何にでも興味を持つようにしています。若いLIG社員が注目していることとか、子どもが見ているアニメとか。知らなくてついていけないよりも、多くの人と話せたほうがいいですよね。自分の価値観でものを言うだけじゃなく、相手の考えを聞いて、理解することも大切だと思います。

ぶっちゃん:今は同じ外部コンテンツ運用チームの新人・バズーと一緒に仕事をされていますね。

たまき:私の編集歴とほとんど同じくらいの年齢の子なんですけど、会話をしていても抵抗もないですし、ギャップも感じていません。私は、ですけど(笑)。人それぞれ違うので、「今の若い人は」という固定概念を持って接したこともないです。「みんなちがって、みんないい」んですよ(笑)。

ぶっちゃん:先ほどの話に戻りますが、メモを取ることで、話題のことも覚えておける、ということもありそうですね。

たまき:あまり旬の話題などはメモしていませんでしたが(笑)。ただ、メモを取って忘れないようにすることで、知識量は増えたのかもしれません。

ぶっちゃん:では、最後に質問させてください。たまきさんが考える、編集者にとって一番重要な要素な何だと思いますか?

たまき:うーん。コミュニケーション能力でしょうか。私も幼少期は自分の殻にこもるタイプでしたが、編集の仕事は「場を作る」ことだから、「人見知りなんで……」なんて言っていては務まらないのかなと。なるべく話を広げられるように、何ごとも「面白がる」ようにしています。

ぶっちゃん:コミュニケーション能力が不足しているけれど編集者になりたい、そんな人は、話題のことを含め、何でもメモを取っているといいのかもしれませんね。勉強になりました、ありがとうございました!

インタビューは後編に続く!

今回は弊社での中堅〜ベテラン編集者2名にインタビューをしました。最初はこの企画、4名分のインタビューを1記事で掲載する予定だったのですが、皆さんとにかく話題に尽きない! 聞き足りない! ということで、前後編を設け、2記事構成となった次第です。

僕がこの企画を通じて学んだことは後編の最後に記しますが、次回のインタビューは男性編集者ふたりです。面白いことに、「インプットすること」と「アウトプットすること」という対極の習慣を持つふたり。その理由を、掘り下げていこうと思います。

それでは、LIGブログの更新をお楽しみに! ぶっちゃんでした。
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