はじめまして。京都でライター・編集者をしているおかんと申します。「おかん」のあだ名は「場末のスナックにいそう」というオバハンくささでつけられております。
この春から会社を辞め、フリーの仕事をしているんですけども、そろそろポートフォリオサイトとかあればいいのかな〜と考えたりしております。
でも、いざサイトを作ろう! と思っても、どこのレンタルサーバーを借りたらいいのかわかんないんですよね〜。そういうの、全然詳しくないし。
ああ〜、料金が高ければいいの!? ググって最初にヒットしたやつが正解!?
Twitterで検索してもいろんな意見があるしさあ〜! 誰か教えて〜〜〜〜〜!!!!
……と、調べては決めきれず酒飲んで寝るというゴミのような日々を続けていたところ、LIGの人から有益な情報をいただきました。
「サーバー会社の『さくらインターネット』さん、なんでもサーバーをリニューアルして、以前と比べて16倍の速度になったらしいですよ」と。
16倍の速度ってどういうこと!? リニューアルすることでそんなに速くなるものなの?
ホントかよ〜〜〜〜〜!!!!?
そんな疑問が湧きたち、さくらインターネットさんの本社に突撃して、あれこれ聞いてきました。サーバーについてあれこれ聞いていたハズが、最終的にさくらインターネットさんのお悩み相談を解決することに……。
さくらインターネットさんに突撃してみた
というわけで、やってきたのはさくらインターネットさんの本社です。
椅子が1脚ずつ違うというオシャレ空間。グランフロント大阪の35階というゴリゴリにイケイケな立地だし、サーバー会社ってこんなにオシャレなんですね……。
いや、違う!
オシャレさに騙されてはいけない! もう「●倍速くなった」とか「すぐに見つかる運命の人」とか「飲むだけで痩せる」とか、そういう誇大表現にはうんざりなんだ! 今日は疑念ムンムンでインタビューするんだから!
▲お話をうかがったのは、技術本部の谷口さん、堀本さん(画像左から)。
いやもう「16倍速い」の意味が全然わからないし、そこまでの変化は逆に怪しささえ感じる! そこんとこ掘り下げていきますので、今日はよろしくお願いします!
だいたいなんなんですか! こんなシンプルなオフィスに似つかわしくない服のコーディネート!! 迷彩柄のズボンに水玉柄のシャツにトリコロールのインナーって!! 情報量多いんですよマジで!!!
いきなり服装批判から入るのやめてください。
そもそも「16倍速い」って何なの?
オフィスの一角に通されて、キンキンに冷えたお茶とか出てきたけど、私は固く心を閉ざし、疑う気持ちは解かないぞ!!
まず最初にお聞きしたいのが「16倍速い」ってことなんですよね。なにがどう変わったんですか?
16倍速くなったのは、Webページの表示速度ですね。たとえばWebページを表示させるとき、画面に情報が出るまでタイムラグがあることってありませんか?
ああ、ページが真っ白で、タブ上部にくるくる表示が出るやつですよね。
そうですそうです。今回サーバーをリニューアルしたのですが、そのリニューアルによって、タイムラグを最小限に抑えられるようになったんです。その表示されるまでの速度が、以前と比べて最大16倍になったということなんです。
バァアアン!!!
でも待って!! そもそも、以前がクソ遅かっただけって話じゃないんですか!? 元が遅かったら16倍速くなっても、相対的な評価は変わらないんじゃないですか!??
実際、Twitterで検索したら「さくらインターネットは遅い」とか、そういう投稿が見受けられたんですけドゥウウウ!??
(圧やべえ……。)
16倍速くなったのはオトクで一番人気「スタンダードプラン」
私も当社比16倍の速度で聞いていきます。
お恥ずかしながら、実際にそういう評価をいただいていたことはあります。でも、弊社の全てのサービスが遅かったかというと、決してそうではないんですよ。
どこのサーバー会社もそうですが、サービス内容によってさまざまなプランがあるんですね。弊社でも「ビジネスプロ」、「マネージドプラン」などでいうと、決して遅いわけではありませんでした。
▲さくらのレンタルサーバ各プラン表
ただ、うちのお客さまのほとんどは、低価格の「スタンダードプラン」なんです。スタンダードプランは、以前はそうですね……別段、遅いというわけではなかったんですけど、決して速いというわけではなかった。それを改善したんです。
たとえばそれって具体的に?
レンタルサーバーでブログなどを運営するお客さまの多くは、WordPressを使われる方が多いんですよね。WordPressというのはPHPという言語で成り立っています。以前の「スタンダードプラン」では、CGIという仕組みで、PHPで構成されたプログラムが実行されていました。リニューアル後は、より高速で言語の読み込みができるPHP Apacheモジュールを導入しています。
また、サーバー自体のグレードアップも行い、スタンダードプランでも処理を高速化できるようにCPUやメモリの増強を行っています。
なるほどー。つまり一番人気のプランが最良のものにアップデートされたって感じですかね?
んーでも、実際に見てみたほうが納得できると思うんですよねえ〜。速度の比較が証明できるやつ、出してください! はよはよはよ〜〜〜!!! ガタガタガタガタ……!!
机を揺らさないで〜!!まず、こちらの画面を見てください。画面に表示されている「所要時間」がリニューアル前のサーバー環境での速度です。
だいたい14秒かかっていますね。ほぼCM1本ぶんかぁ。
次に、こちらの画面がリニューアル後の速さ。
およそ2秒!めちゃくちゃ早くなってるじゃないですか!……あれ、でも、16倍じゃないですよね?
アクセス過多な環境でないと16倍にはならないんです……。あくまで最大なので。
速くなった以外にセールスポイントってないの?
速くなったことはわかりました。でも、速度でいうと他社でも似たようなものがあるじゃないですか。それ以外に「さくらインターネットのここがいい」ってセールスポイントはないんですか?
リニューアルに伴って、コントロールパネルが新しくなりました! これはすごく見やすくなっていて、手前味噌ながら自信をもってアピールできますね。
ホームに投稿内容とかPV数とかが集まっていて見やすいですね! 逆に前はどんだけ見にくかったのかが気になってくる……。
あと、サポートの手厚さも弊社の強みですね。カスタマーサービスは通話料金が無料なんです。
え、それはすごい! よくあるじゃないですか。「20秒ごとに10円の通話料がかかります」ってやつ。なんで無料なんですか? だって電話窓口っていちばん人件費かかるじゃないですか? みんなが馬車馬のように働いてるからですか?
違います。
一番はお客さまの多さですよね。弊社のレンタルサーバーを使ってくれていらっしゃる人は約43万人くらいなのですが、お客さまの人数が多いからこそ、良質なサービス提供にかかるコストが安くなるというのはあります。
あれ、コール音地獄で通話もできてないのに金だけかかるってことよくあるから、それは嬉しいな〜。じゃあ、さくらインターネットさんでポートフォリオページ作って表示めっちゃ遅かったら、めちゃくちゃ電話しますからね! タダだし!
いくらサーバーが高速でも、Wi-Fi環境が悪かったら表示は遅くなりますからね。そこはお気をつけください。
「16倍速い」は誰にとってメリットがあるの?
今回議題に上がっている「16倍速い」って話ですけど、この速度って計測最大値ですよね。この速さって、誰でも恩恵を受けられるものなんですか? ゆりかごから墓場まで?
そうですねえ……。先ほど計測したときに申し上げましたが、常に「16倍速い」わけではないんです。今回のリニューアルで導入されたPHP Apacheモジュールは、特に高負荷時の処理能力が向上しているので、
普段の動作ももちろん速くなっているのですが、一度にブワーッとアクセスがあるような場合に特に能力が発揮されるようになっています。
金曜ロードショーで「バルス」をみんながつぶやくときみたいな?
そうですそうです。いろんな人が一度にアクセスすると、処理が追いつかなくなって一定数以上は503エラーが表示されますよね。新しいサーバーはその処理に余裕があるんですよ。
だから、アクセス集中する高負荷のサイトは一番効果を感じられると思いますね。ひとまずページになにか表示されるってとこまで、問題なく持っていけます。だからそうですね……普段からあまり負荷のかからないサイトは、16倍の実感は薄いかもしれませんね。
ただ、PHP Apacheモジュールが利用可能ならPHP5.6 CGIモードと比較して、7倍程度の表示速度向上は期待できるので、WordPressの管理画面など負荷の高いページでは実感できる可能性が高いです。
誰にもメリットがあるなんてやすやすと言わないところ、めっちゃ好感持てる……。
速くなったというのはつまりどういうことか、図で説明してもらいました。
いままでは重い処理が発生すると、図の上のようにアクセスをさばくのに長い時間が発生していたんですね。たとえば1アクセスさばくのに15秒かかるとしたら、1分間に4アクセスしかさばけない。でも高速化の現在だと、1アクセスさばくのに3秒で済む。そしたら、1分間にさばけるアクセスの数は5倍になる、というわけなんです。
しかもリニューアルによってアクセスの入り口自体も増やしているので、より多くの流入に耐えられるようになっているんですよ。
お話や図解で説明されるとわかるんですけど、これってユーザーの人に初見で「変わった!」っていうのが理解されにくいですよねえ。
そうなんですよねえ……。リリースから半年経ってるんですけど、いまだにいい例えを見つけられてなくて。えへへ……。
バァアアッコオオオン!!!
あかんやん!!! せっかくいいリニューアルして、低価格で良質なサービスを顧客が享受できるようになったのに、それをバッと可視化できなんだら意味あれへんやないか〜〜〜〜〜!!!!!
おっしゃる通りなんです……。うちはサーバー会社としては息が長くて、かれこれ20年以上の歴史があるんです。でも、どうもアピール下手なところがありまして……。
アピールしてって〜〜!!そもそもいい例えを出せてたら、金なし・暇なし・男なし、こんな呑んだくれてるだけの無知なライターにお金払わなくていいんですよ〜〜〜〜!!!
自虐やばい。
ハワワ……なんかいい例えってありませんかね……?
「16倍速い」をイラストで例えてみた
一目で今回の変化がわかるような例えを考えることになりました。ホワイトボードに書き込んで、ベストなビジュアルを考えてみます。
やっぱこう、絵でわかるほうがいいと思うんですよね……。
こういうことじゃないんですか? 処理できる「手」がめっちゃ増えて、結果として16倍速くなったっていう。全ての人を漏らさずその手ですくい上げる、そう、千手観音のように……。
絵がうまい。
いや〜、ちょっと違うかな。あと普通に千手観音は思い浮かべないです。処理のスピードが上がって、なおかつその窓口が広がったみたいなイメージです。
駅の窓口みたいな?
ああ、それは結構近いですね!
ああ〜、わかったわかった完全にわかりました。こういうことですよね。
何を見させられているんだろう……といった表情のふたり。私だって必死こいて例えを考えてるのにそんな顔しないでほしい。
16倍速い=「超スキルの駅員さんが複数の改札に立ってる」説が爆誕?
ほら、こういうことでしょ! 今までは「そこそこの駅員さん」が「ひとつの改札」で頑張ってたけど、リニューアル後は「ハチャメチャにモギリの速い駅員さんたち」が、「複数の改札」でお客さんをさばいてるっていうイメージ。
ああああ〜〜〜〜それ〜〜〜〜〜〜!!
やった〜!
みなさん、さくらインターネットさんの「16倍速くなった」は図解すると「超スキルの駅員さんが複数の改札に立ってる」です!
ほんとにこれでいいの……?
安くて速いさくらのレンタルサーバ
▲速度16倍の理由もわかったし、いい例えも思いついたので、バーカウンターに置いてあった泡盛で乾杯
一見怪しかった今回のリニューアルの裏には、低価格でもユーザーさんに満足してもらいたいというさくらインターネットさんの企業努力がありました。
最初は最大16倍速くなったと聞いて「な〜んのこっちゃ!」という感じでしたが、おふたりの丁寧な解説を聞いて納得!
リニューアル後のさくらインターネットサーバーはもう遅くないですよ、サーバーで迷っているみなさん! サポートも充実しているし、ぜひたくさんの人に知ってほしいですね!