こんにちは、Webディレクターのわたるです!
Webディレクターの仕事をはじめて早7年、この間ついに初めての体験をしました。そう、それは「オフショア開発」!
プロジェクトがスタートする前、まったく英語が話せない僕は「とうとうこのときが来たか……」という感じでした。今回はオフショア開発のプロジェクトに初めて携わってみて、感じたことを書いてみようと思います。
そもそもオフショア開発って知っていますか?
みなさんはそもそも、「オフショア開発」というものを知っていますか? 一般的なオフショア開発の定義は以下です。
システムの開発や運用管理業務を海外の会社に委託すること。主な委託先として中国、インドなどが挙げられる。
―引用:コトバンク
つまり、開発のコストが抑えられる、というメリットがあるんですね! しかし、下記のようなデメリットもあるようです。
オフショア開発は、人件費を中心としたコストの削減が目的だが、文化の違いやコミュニケーション不足、人材の流出、といったトラブルが問題になっている。
―引用:コトバンク
なるほど。たしかに海外の人たちと仕事をするとなると、文化や言語の違いがあるためコミュニケーションをとるのが難しくなりそうですよね。プロジェクト管理は慎重にやっていかないといけないなあ……。
実際にやってみてどうだったか
オフショア開発でプロジェクトを進めることが決定したあとも、正直めちゃくちゃ不安でした。
「本当に英語を喋れなくて大丈夫なんだろうか……」、「つくっていくなかでテクニカルな問題に突き当たってしまったらどうしよう」、「文化や考え方の違いがあっても、きちんと歩調を合わせて進められるのかな」など、いろいろ心配していましたが、実際にプロジェクトが開始してみるとどうでしょう。
「めっちゃスムーズ! ってかほとんどストレスなくね?」
嘘だと思うじゃないですか。でもこれ、本当に正直な感想なんですよね。めちゃくちゃビビってたのはなんだったんだろうかという感じ。スムーズにクオリティの高いものが出せて、とても気持ちよくやれました。
なぜうまくいったのか
では、当初想像していたより、なぜうまくいったのでしょうか。考えてみると、3つの大きな要因がありました。
1.開発のクオリティがイメージしていたより断然高い
本当に全セブ島のエンジニアに謝りたいくらいなのですが、イメージしていたよりもはるかにクオリティが高いです。デザインの再現度や、アニメーションの表現のニュアンスまで、とても綺麗につくってくれます。諸事情で今回は割愛しますが、実際のサイトをお見せしたいくらいですね……。
ちなみにセブ支社のエンジニアであるPatrickは 「Webサイトで一番大事なのはデザインだ。デザイナーが望むことのためだったらなんでもする」と職人っぽいことを言っていて、クソカッコよかったので、ビールを奢っときました。
こちら側がオーダーしたことを、高い再現度で仕上げてくれて、めちゃくちゃ助かりました。
2.Google先生のおかげで、ほぼストレスフリー
気づけば、Googleのツールにお世話になりまくっていました。プロジェクト管理で心配していたのは、おもに下記の2点です。
コミュニケーション
コミュニケーションはチャットツール「Slack」を使っていましたが、会話はほぼ単語でした。
こちら側が送るのは「Issue No.21, done or not?(21番は終わった? まだ?)」「I want to finish it until 11:00AM. Can you?(午前11時までに終わらせたい。できる?)」くらいな感じです。ほぼ中2で習った英語で完結できるレベル。これくらいならわざわざ辞書を使わないでもできました。 文法なんてちょっと間違ってても伝わります。
英→日の翻訳はChromeの翻訳アドオンが超便利だったので、ずっとこれを使っています。ちょっとややこしい内容は日本語で文章をつくって翻訳にかけて送るだけですね。
肝心のMTGはいつもビデオチャットサイト「appear.in」でおこなっていました。LIGのセブ支社のオフィスには、日本人インターンの子たちがいるので、彼らに翻訳に入ってもらえば、コミュニケーションにおいてはほぼストレスフリー。
不明点があれば「Now I want to have MTG with you about Issue No.23. And please tell ○○ “Please join this MTG Now”(23番について会議をしたい。〇〇にもこの会議に参加するよう伝えてくれない?)」とSlackで声をかけていました。文法もへったくれもない学のなさ丸出しの英語ですが、伝わってるから問題なし。すげーな! いける!
プロジェクト管理ドキュメント
ファイル管理はGoogle Driveでおこない、フォルダ名やファイル名を英語にして管理していました。また、修正課題表はGoogleスプレッドシートでやってました。
これもそんなに難しいことではないのですが、下記のように指示を出していました。これで困ったことはなかったです。
- 例
- Change text.
Point:キャプチャーURL
Now:aaaaaa
Hope:bbbbbb
キャプチャーに関しては、その場でオンライン上に画像をアップできるサービスのほうが、課題表がかさばらなくて良いかと思います。僕は「Lightshot」というサービスを使って該当箇所に赤枠をつけてアップしていました。
またアニメーションのニュアンスの指示だけは、修正が発生した時点ですぐ、オンライン上で直接話す場を設けました。
3.フィリピンのエンジニアたちは、想像以上に僕らを受け入れようとしてくれている
フィリピンのエンジニアはみんな、僕が想像していたよりもはるかに、僕を理解しようとしてくれていました。どうしたら僕が仕事を進めやすいかを考えてくれているのがよく伝わってきましたし、実際とても進めやすかったです。本当にホスピタリティが素晴らしい。
でも「なぜそんなにこちらに歩み寄ってくれるのか?」と聞いたところ、みんな言うのが「この仕事が好きだから」ということ。なんだ、この美しい世界は!? 楽園か!?
もう少し細かく聞いてみると、彼らは下記のように感じていることがわかってきました。
- 東京オフィスのメンバーの仕事のクオリティに憧れをもっていて、それを学べる環境であるということが素晴らしい。
- そのクオリティのプロジェクトに自分も参加し、貢献できていることを誇りに思っている。自分の実績としてもとても良い。
- オフィス(いいオフィスセブ)の作業環境がハイペックに整っている。オシャレだし。
なるほど、彼らにしてみれば、業務上で経験できる仕事の質や、学ぶ上で適した環境などがきちんと提供されている、という状態なんですね。
まとめ
いかがでしたか。ここには書き切れないほど、たくさんの感動や苦労もありましたが、大きくは今回執筆した通りかなと思います。
実際に、初めてオフショア開発のプロジェクトに携わってみて、想像してたよりずっとスムーズにプロジェクトが進められたように思います。ただ、ここまでスムーズだったのは、手前味噌ではありますが、LIGフィリピンのエンジニアチームのクオリティが高いからです……!
みなさんに胸を張ってオススメできるクオリティだなぁと感じています。フロントエンドエンジニアのリソース不足に悩んでいるWeb制作会社の方々、ABテストなどの細かい開発リソースを自社でできないプロジェクトオーナーの方々、ご興味あればぜひ下記からご一報を!
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