こんにちは。「いいオフィス広島」のまさしです。
- 謹んで豪雨による災害のお見舞いを申し上げます
- この度の平成30年7月豪雨により被害を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。皆さまの安全と一日も早い復旧をお祈りいたします。
7月6日の西日本豪雨の影響により、広島県をはじめ西日本の各地が大きな被害を受けました。
およそ1ヶ月が経った今でも、僕の地元では電車が動いておらず、いまだに復旧作業がおこなわれています。
豪雨災害を目の当たりにし、「僕たちは変わらなければいけない」と強く感じました。今回は、そのことについて書いていきたいと思います。
西日本豪雨災害が起こり……
以下でお見せするのは、すべて僕の生活圏内での写真です。
決して、報道機関でなければ入れないような場所ではありません。まずはこちらを、ご覧いただければと思います。
災害がもたらした多くの爪痕
身近な場所にも「危険」が潜んでいた
災害は多くの爪痕を残していきました。自宅や親戚の家のそばなど、見慣れた風景は破壊されました。通勤で通った道が、帰りには土砂崩れで通れなくなるなど、信じられない光景ばかりでした。
生活への影響
現在でも、多くの方が避難生活を余儀なくされている地域もありますし、僕の住む地域のように交通手段が限定されている地域もあります。もちろん、すでに復旧し、普段の生活を取り戻している地域もあります。「いいオフィス広島」のある広島市の都市部は、翌日には普段の生活に近い状態まで復旧しました。
しかし、すでに復旧している地域でも、災害の直後はコンビニのお弁当やパンの製造が困難となり、一部の商品の物流が止まりました。県外の配送にも大幅な遅れが生じていたようです。
被害が大きかった地域では、仕事に行けない人や、学校に通えない学生も多く発生し、現在も通勤・通学が困難な状態が続いています。
広島県内のどのエリアに住んでいても、災害の影響がなかった人はいないでしょう。
僕が住む東広島市は
市内から車で40分くらい離れたところに位置する東広島市は、土砂崩れや道路の崩壊の影響により交通手段が断たれ、災害から1~2週間はひどい交通渋滞が起こっていました。
現在も、JRが復旧していないことにより、災害が起こる前と比べて、約2倍の通勤時間がかかっています。
僕たちが直面した課題
「大丈夫だろう」という危機意識の低さ
台風やゲリラ豪雨に慣れているせいもあり、多くの人が大雨が引き起こす災害への危機意識をもっていませんでした。僕もそのなかの一人で、「大雨で道路が冠水するなんて、年に一度くらいはあるだろう」と軽く捉えていました。
しかし、オフィスからの帰り道、いたるところで木々が倒れ、土砂が流れ込む状況を目撃し、「大変なことが起こっている」とやっと認識したのです。
いつも通りの時間に退社したのが間違いでした。ひどい交通渋滞により、家まで10時間以上かけて帰ることになりました。
他の地域では「大丈夫だろう」という認識のせいで、逃げ遅れてしまう方もいたと、のちほど報道を見て知りました。
被害の全貌がつかめなかった
同時多発的に起こった今回の災害被害は広範囲にわたっており、現地にいても全貌がまったくつかめませんでした。
マスコミの情報も、特に被害が大きかったエリアに集中していたため、自分たちが住んでいるエリアのどこで被害が起きているのか、わからなかったのが実情です。
SNSや、人から人への口コミが一番の情報源でした。僕も直接見た情報は逐一SNSで発信し、ほかの人にも伝えるように心がけました。それでも災害発生直後は、情報が錯綜していたため、なにを信じていいのかわかりませんでした。
被災地と非被災地とのギャップ
地元の企業で仕事をしていると、そのエリアの被害状況など、みんな理解しやすいのですが、多くの人は広島市内に通勤しています。住むエリアによって被害状況がさまざまなため、通勤している人は、それぞれに事情を抱えながら働かれています。
僕のように、東京やほかの地域と連携し、リモートで仕事をする場合、こちらの状況や空気感を伝えるのは本当に難しいです。
被災の影響がいまだに続いていても、報道されなくなってしまうと、人々の心から消えていってしまうでしょう。
今後、孤独な戦いを余儀なくされる人も出てくるかもしれません。
最低限の備蓄
東日本大震災のときも、同じような問題が起こりましたが、今回の災害でもガソリンスタンドからガソリンがなくなり、スーパーでは水や食料が売り切れ状態になりました。
物資が行き届いていないときに大量購入してしまうと、必要な物が多くの人に行き届かなくなってしまいます。水などの最低限必要なものに関しては、普段から備えておくべきだなと思いました。
僕は、関東で東日本大震災を経験しているにも関わらず、家に備蓄はほとんどありませんでした。過去に起きた災害から学び、今後に活かすことの重要性をあらためて感じました。
変わらなければいけない
「自分だけ」では成り立たない
近年、自然災害によって大きな被害が発生するケースが多く見られます。技術が発展しても、犯罪率が低下しても、「自然」のチカラを止めることはできません。
自然災害が発生したときに、経済は止まってしまいます。そうなったとき、「自分だけ安全で問題がなければいい」という意識では社会の存続が危ぶまれます。
社会は、人々の健康と安全な生活を守らなければいけません。
企業は、経済活動を維持しつつ社員の安全を守らなければいけません。
個人は、社会活動をしながら個々の生活を守らなければいけません。
災害が起きると
災害が起きると、個人は生活を守るために社会活動への参加が難しくなります。そのようななかでも、企業は経済活動を維持しなくてはなりません。
社会は、個人の安全な生活を守り、1日でも早い社会活動の復帰を助ける必要があります。それが早ければ早いほど、止まってしまった経済の回復も早くなります。周りを見ながら、みんなで助け合うことが本当に大事なのです。
これらの関係は、考えれば簡単にわかることではありますが、災害を経験しなければ意識することはありませんでした。
経済活動を優先するがために招く疲弊
災害後、交通手段が制限されることにより、通勤時間帯には、ひどい交通渋滞が発生しています。およそ1ヶ月経った今でも、40分で行ける道を2時間かけて通勤することもあります。僕だけではなく、多くの人が同じ状況にあるかと思います。
僕の場合は、「いいオフィス広島」という店舗型のビジネスをおこなっているので、お店を開かなければ商売が成り立ちません。なので、交通渋滞があったとしても通う必要があります。
また、広島は「MAZDA(マツダ)」が本社を構えるなど、ものづくりが盛んな都市です。そのため、多くの人がものづくりや物流の仕事に携わっています。
僕を含め、多くの人は、現場に行かなければ仕事が回りません。仕事が回らなくなると業績も落ち、最終的に仕事を失ってしまいます。自然なことではあるのですが「どんな状況であれ、仕事に行かなければならない」という意識が人々のなかに働き、多くの人が疲弊してしまっているのが現状です。
これは本当に難しい問題
仕事を変えるか、働き方を変えるかしか、解決手段が思いつきません。現実的なのは働き方を変えることなのかもしれません。僕も、災害後は通勤時間を1時間半ほど早めて、早朝出勤に切り替えました。
渋滞による復旧の遅れ
慢性的な渋滞や交通インフラの麻痺は、緊急車両や復旧車両の足を止めることにもつながります。災害が発生した直後は、緊急車両が現場に到着するまでに時間がかかってしまったり、復旧車両や自衛隊車両が身動きが取れない状況に陥ったりする様子を数多く目にしました。
こんなときに優先しなければいけないのは「復旧」や「困っている人を救うこと」だとみんな理解しています。しかし、人々は日々の生活を維持するためにも、経済活動を優先せざるを得ません。その結果、交通渋滞が起こり、復旧作業が遅れてしまうのです。
認識しなければならない
この悪循環は、人々の行動の積み重ねによって引き起こされています。まずは、自分の行動が、復旧の遅れを引き起こしていることを認識することが大事だと思います。
「自分優先」な気持ちが、「社会のために、少しでも力になりたい」という気持ちに変われば、復旧はもっと早く進むのではないでしょうか。
「企業」のスタンスが問われる
災害発生時、僕の場合は、本社から「無理をしなくていい」という言葉をいただきました。実際に、数日間は、僕の地元から勤務地へ行くのが困難な状態になりました。
歩み寄りが社員の気持ちを救う
繰り返しになりますが、企業は経済活動を維持しなければなりません。しかし、緊急時には判断をいち早く下す必要があります。社員から相談するよりも前に、歩み寄ってもらえることで、被災した社員の気持ちは救われます。こういうときにこそ、企業側のスタンスが問われるのではないでしょうか。
経済活動の仕組みやシステムは見直せる
最近は、多くの企業がリモートワークやテレワークを導入し、通勤しなくても仕事ができる仕組みを持ちはじめています。「ビジネスモデル次第」と言えるのかもしれませんが、システム化や機械化することで業務効率が改善され、人の働き方を変えられる事業は多いと思います。
これから先、大きな災害が起こらない保証はどこにもありません。そうなったときでも、企業と個人は協力しながら経済活動を続けていかなければならないわけです。世の中の変化の速度に合わせ、仕組みを進化させていく必要があると思います。
長期的に取り組む必要がある
「働き方」について、企業側が「仕組みを見直すのは、うちのビジネスには無関係。人が現場にいなきゃ成り立たない」という意識では、また今回のような災害が発生したときに、危機を乗り越えることが困難になります。持続可能な社会をつくるためにも、企業側が意識を変え、変化を受け入れて、変わっていく必要があると思います。
「働き方」は変えられる
今回の災害で、個人としても会社としても、少し変化がありました。個人としては、通勤時間を1時間半早めました。会社としては、全国で災害が発生した際に対応できるように、各拠点との連絡フローを見直しました。
考えなければいけないタイミング
災害ではありませんが、東京オリンピックの際に、交通麻痺や東京に人が溢れるなどの問題が課題視されていると、よく耳にします。すでに、日本全体が「働き方」を見直すタイミングに来ているのだと思います。目の前に大きな課題が迫っていることを、もっと企業も個人も意識しなければなりません。
「働き方は変えられます!」
大企業も、地方企業も、個人も、一歩前進した新しい働き方にトライしていきましょう。なにが起きても、みんなが健やかで安全に暮らせる社会は、その先にあると思います。