デザイナー、踊り手のJona(ジョナ)です。
私は絵が好きなのに、絵心がありません。それでいて「デッサン入門」みたいな本を買って勉強するほど意欲もありませんから、上手な絵を描くことはもうできないと諦めています。
(↑小学生の頃に自信を持って描いていたキャラクター「はげたろう」)
私のように、うまい絵は描けなくても楽しく絵が描きたいというわがままな方向けに、その方法を紹介してみます。
目次
キテレツな絵がカタチになるまで
私は大学4年生のとき、あまりに暇だったので絵を描き始めました。何を描きたいというイメージも無しに、ただ筆を好き勝手な方向に流し、飽きたら完成。最初の仕上がりはひどいものでしたが、これを4年ほど続けていたら、たまにおもしろい絵が出てくるようになりました。
暇つぶしで始めたことなので最初は何のルールも存在しませんでしたが、数をこなすうちにうまくやるための5つの簡単な手順があることに気付きました。ここからは紙とペンを用意して、手を動かしながら読み進めてみてください。
ちなみにオススメのペンはこちらです。
手順1:適当な線を描いて、気分のいいところで止める
まずは思うがままに線を描いてみましょう。このとき「こっちにいくとどんな仕上がりになってしまうんだろう」と心がソワソワする方向に線を持っていくことがポイントです。描いたことのある、あるいは頭の中でイメージできている線ばかり描いてしまうと、自分が驚くような仕上がりになりにくいからです。何より今つくっているのは、勝手で売り物にならない絵ですから、ここは徹底的に自己満足を追求してみてください。
角をつけたり、ジグザグしたり、丸み帯びたり、回転したり、色々な線を試します。線をある程度描いたら、いったんこの手順は終了です。
手順2:オブジェクトを描く
次にオブジェクトを描いていきましょう。正三角形、長方形、台形、星形、円形など、世の中にはさまざまな図形がありますので、それらに頼るのももちろんOK。落花生、ミジンコ、ミドリムシ、タツノオトシゴなど、奇妙な物体を思い出して描いてみるのもよし。もちろん手順1の要領でに、自分で勝手に形をつくるのもいいです。
自分がドキドキ、ハラハラするところにオブジェクトを置いてみてください。手順1で描いた線とダブったりしてもいいですし、オブジェクト同士が重なり合っても問題ありません。子供の気分で好き勝手にやります。
ここまでで絵の骨格がほぼ完成します。
手順3:模様をつける
ここからは味つけです。今ある絵の線の上、オブジェクトの中、あるいはその外など、ちょっと物足りないと感じる所に模様をつけていきます。
世の中にはたくさんの模様がありますよね。波線、ストライプ、ドットなど、名前の付いているものを使うのもよし。それに飽きたら自分でつくるのもいいです。ここでもまた自分がドキドキ、ハラハラするような模様がつくれると楽しくなります。
今私が思いついたのでいうと、ギザギザとドットを円弧でつなげたらどうなるんだろう……といこと。このような単純な思いつきでOKです。
模様を描き足すのはとても細かい作業なので、できるだけ丁寧にやることを心がけます。「これ以上、模様はいらないなぁ」と満足したところで次の手順へ。
手順4:重なっているところを塗りつぶしてみる
いよいよ終盤、塗りに入ります。たくさんの色を使ってしまうと、説明が複雑になってしまうので、今回は黒だけで仕上げることにします。
もっとも簡単な方法は、オブジェクトや線同士が重なり合ってできた空間を黒で塗ることです。絵全体に対して黒の面積が大きすぎると、どぎつい印象になってしまうので、2〜4割を黒く塗りつぶすイメージ。手順3の時にうまくいかなかった模様は、この段階で塗りつぶしてリセットするのもありです。
ペンで塗りつぶすのがしんどいという方には筆ペンがオススメ。
手順5:仕上げ
さて、仕上げの段階です。
全体を見て、物足りないところに線を書き足したり、塗りを入れたり、模様を入れたり、これまでの手順を何度か繰り返してみます。この手順に入るまででほぼほぼ形はできているので、この段階で大きな変化を加えようとするのはできるだけ避けます。
お疲れさまでした。これで完成です!
過去に描いた絵をいくつか掲載しているので、よろしければ私のInstagramをのぞいてみてください。すこしでも参考になれば嬉しいです。
「こんな絵を描いて何になるの?」
この記事で描いた絵は、慣れればだいたい15〜20分程度で完成します。手軽なので昼休みにちょっと描いたり、夜にお酒を飲みながら描くのもいいですね。
「こんなよくわからない絵を描いて何になるの?」とたまに聞かれますが、私も目的はよくわかっていません。おそらく子供が砂場で山を作るような感覚で、ただ無心で遊んでいるだけなんだと思います。
無目的に、無心で何かをつくる時間って、大人になるとだんだん減っていくと思いますが、そんな無意味に思える時間こそが、人生を豊かにしてくれると思っています。
仕事で組むレイアウトの幅も広がる
最近気づいたことですが、この絵を普段から描いていれば大胆なレイアウトに耐性がつきます。デザインを始めたてのころは、物と物を重ね合わせるような大胆なレイアウトって挑戦しづらいものです。私も「これ一直線に並べとくほうがきれいに仕上がるはずだよな……」という具合に、無難な道ばかり選んでいました。
普段から絵を描いて自由気ままにオブジェクトや線をかぶせていれば、仕事上のデザインで物と物が重なった時にどうなるか想像力がつくので、どんどん面白いレイアウトが組めるようになります。ほかにも、どのような大小差をつければ見やすく仕上がるかなど……。このような絵を描くなかで発見したデザインに活かせる知恵はたくさんあります。
デザインの仕事が行き詰まったとき、息抜きがてら描いてみると素晴らしい着想を得られるかもしれませんね。
みなさまもぜひ一度試してみてください。
ではまたどこかで!
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