ウイスキーの知見を深めたいのでアイラ島まで行って島内の蒸留所10ヶ所全部巡ってきた

ウイスキーの知見を深めたいのでアイラ島まで行って島内の蒸留所10ヶ所全部巡ってきた

観音クリエイション

観音クリエイション

こんにちは。観音クリエイション(@kannnonn)です。

前回はスペイサイドの蒸留所を巡りました。今回はスペイサイドから車をぶっ飛ばしてフェリーに乗ってアイラ島へ。アイラ島では島内にある蒸留所10ヶ所全部を回ってきました。というわけで全部紹介します。

ラフロイグ

今回訪れた蒸留所の中で一番撮影に寛容な蒸留所でした。見学ツアー中、すべてのエリアで写真撮影OKです。

せっかくなのでウイスキーができるまでの工程を順を追って見ていきましょう。上の写真で床に広がっているのは全部大麦です。発芽させるプロセス。麦に含まれるでんぷん質はそのままだとアルコール発酵させられないので、発芽させて糖に変えてやる必要があるとのこと。

発芽した麦です。ブレているのは僕が初めてこの光景を目にして興奮していたからです。見づらくてごめん。

ここはピートを炊く部屋です。焼けた家みたいなにおいがする。

ピートを炊くことで発芽した麦を乾燥させ、成長を止め、ちょうどいい塩梅で次の工程に移れるのだそう。アイラモルト特有の煙臭さはここでどれだけの時間をかけて煙で燻すかによって決まります。

ピートは乱暴に説明すると海藻とかの死骸が長い年月をかけて炭化して泥みたいになったやつです。日本語では泥炭と言います。

ところでラフロイグの蒸留所はこんな感じで壁に良い感じの文章が書かれてあったりしてかっこいい。

ウォッシュバック。麦汁を発酵させるところ。

発酵させたばかりのものを飲ませてくれます。味はぬるくて煙くて気の抜けたビールです。

銅製の蒸留機が巨大でかっこいい。

蒸留したものを選り分けるスピリットセーフというものです。酒が無限に出てきて最高。天国に川が流れているとしたらこういう形してると思う。

樽を熟成させるウェアハウスも撮影OKで至れり尽くせり。ラフロイグの見学ツアーはマジで良いのでみんな行こう。

ツアーの最後はお楽しみの試飲会。味は液体化した正露丸です。

ただなんか癖になって何度も飲んでしまう不思議。音楽やってる人にしかわからない例えをするとTR808のキックに70ヘルツぐらいの低音のズーーーーンっていうベースを重ねてピンポンディレイで飛ばした音みたいな重くて長くて中毒性のある余韻が口に残ります。

で、これを15年とか18年熟成させると主張が取れて丸くなってうまいんですよね。ウイスキー、奥が深すぎる。おもしろい。もっと勉強したい。

カリラ

続いてはカリラ。有名なブレンデッドウイスキー、ジョニーウォーカーの原酒のひとつに選ばれている蒸留所です。

こちらはラフロイグと違ってツアー中の撮影は禁止。最後の試飲のときだけ撮影OKです。

試飲の際は丁寧に説明してくれます。

カリラ、アイラモルトの中ではそこまで癖や煙くささが控えめで飲みやすい。写真を見ると僕の表情が虚無っぽく見えますが朝11時とかからウイスキーをストレートで飲み続けると多幸感がレッドゾーンに達してこんな感じになります。

ところで見学ツアーに参加すると大体どこの蒸留所でもグラスをお土産に頂けます。今回の旅でロックグラスやテイスティンググラスなどでカバンがいっぱいになりました。帰国してからウイスキーを飲むときに使いまくろう。

ラガブーリン

お次はラガブーリン。僕の後ろに隠れている文字はLです。スペルはLAGAVULIN。

ほかの蒸留所とは違ってお洒落なカフェのような内装。ガーリーなセンスが光ります。

ここでは予約をミスっていたせいで30分遅刻してしまって蒸留所見学には残念ながら参加できず。

めげずにテイスティングだけ参加。

荒々しい8年と円熟した16年の飲み比べはウイスキー初心者でも違いがわかりやすく、「熟成とはこういうことか」と舌の経験値が増えました。

アードベッグ

その足でアードベッグへ。ブレンデッドウイスキーのバランタインの原酒のひとつに選ばれている蒸留所です。

ツアーのチケットかっけえ。

アードベッグはほぼ全域撮影OKです。工程順に撮影した写真を並べておくので何をしているところか想像してみてください。

だいたいどこも工程は一緒ですね。発芽→ピート炊いて乾燥→粉砕→水と混ぜて麦汁づくり→発酵→蒸留→樽詰め→熟成。

アードベッグの試飲部屋もこれまた雰囲気あって良かったです。

味は「こまけえことはいいんだよ!」という無骨で男らしい感じ。

試飲の案内もその味に見合うラフな感じで、目分量でドッバドバ注いでくれてクソ笑いました。他の蒸留所では大抵ポアラーという30mlを正確に測る道具を用いて注がれます。

ちなみにアードベッグは併設されているレストランが最高に美味しいらしく、一緒にツアーに参加した人たちが口を揃えて「絶対行ったほうがいい!」と絶賛していました。今回は予定の関係で行けなかったのでいつか再訪したいところです。

ポートエレン

閉鎖されてしまった幻の蒸留所、ポートエレン。そのレア度もあってアイラ島内のバーでは32年ものがグラス1杯200ポンド(3万円強)で提供されていました。

僕がアイラ島を訪れたときもポートエレン蒸留所は閉鎖中でしたが、なんとディアジオという酒造メーカーが最近買い上げて2020年に稼働の再開を予定しているとのこと。販売の再開を楽しみに待ちましょう。

ボウモア

ボウモアはツアー中の全エリアで撮影OK、動画はNGという初めてのパターンでした。

麦を発芽させるために棒的なもので混ぜる体験とかさせてくれて楽しい。

なんかやたらと厳重に飾られているボトルがあったので値段を聞いたら160万円とのことで白目を剥きました。飲んでみたい。

ツアーの最後で12年、15年、18年のテイスティングをさせてもらえます。それぞれ香りからして表情が違うので面白い。全体的にはしなやかでやわらかな印象。幾度の閉鎖を乗り越えてきたボウモアの歴史と重なるものを感じます。

ブナハーブン

アイラ島の蒸留所はどこも海に面して建てられているのですが、ブナハーブンはその中でも最も僻地にありました。ほとんど隠れ家です。

ブナハーブンはアイラモルトの中では珍しく、基本的にピートを炊かずにつくられるので「アイラモルトを試してみたいけどあまり癖が強すぎるのはちょっと……」という方の入門用にいいかもしれません。

キルホーマン

内陸地にポツンと存在するキルホーマン。

お土産屋さんの品揃えが良かったです。可愛いアイテムいっぱい。

キルホーマンは併設されているレストランが良いです。スープとホットサンドがうまい。

泥酔寸前だったので1杯だけ挑戦。結構酔ってて記憶が曖昧なので味を思い出せません。

アードナホー

近日オープン予定のアードナホーという蒸留所を見かけたので記念撮影。商品が日本に入ってきたらすぐ飲んでみることにします。

ブルイックラディ

アイラ島で最後に紹介するのはブルイックラディ。ここ、最高です。

まずお土産屋さんに置いてあるアイテムがもれなくハイセンス。見せ方もうまい。水色の使い方がいいですね。

そして200ポンド以下のボトルは全て無料で試飲させてくれます。

見学ツアーのチケットもシャレオツ。

ツアー中は全域撮影OK。最後の1枚は樽に詰めて熟成中に目減りする様子が分かるように置かれているものです。1年で約2%、10年で約20%がこんな感じで減っていくのだそう。

この目減りする分はAngels' Share(エンジェルズシェア・天使の分け前)と呼ばれています。英語圏の人ネーミングセンス良すぎ。

そしてブルイックラディでは別料金を支払ってWarehouse Tastingというツアーに参加しました。これが本当に良かった。樽を寝かせている倉庫の中で、レアな樽から直接ウイスキーを注いで飲ませてくれるツアーです。

レアな樽から直接ウイスキーを注いでもらっている様子です。29年ものとか、世界にあと2個しか残ってない樽とか、そういうレアなやつ。すごい。普通にバーで頼んだらいくらするんだ。

それらをこういう大量の樽に囲まれたウェアハウス内で飲めるわけです。環境、ホスピタリティ、注がれるお酒、そのどれもが素晴らしくて、「この先飲みに行ったバーにブルイックラディ置いてたら絶対頼むわ」って思うぐらいファンになりました。

学ぶことも多く、「自分もこういう感動を届けられるような仕事をしよう」という感銘を受けたのは大きな経験でした。ウイスキーはすごい。その中でもブルイックラディはすごい。

まとめ

というわけで駆け足で回ったアイラ島。2時間もあれば車で一周できるくらいの面積で、それぞれの蒸留所へのアクセスもいいので5日間あれば余裕を持って全ての蒸留所を回れます。

時間的な制限があったりする場合はブルイックラディとラフロイグを抑えておけば満足度の高い滞在ができるのではと思います。ウイスキー好きの人、アイラモルト好きな人は是非行ってみてください。

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観音クリエイション
観音クリエイション トラックメイカー / 観音 クリエイション

フリーランスでヒップホップの楽曲を作ったりブログを書いたりしていたらご縁があってLIGに入社してヒップホップの楽曲を作ったりブログを書いたりすることになりました。 好奇心旺盛なので頻繁に旅に出たり写真を撮ったり変なものを食べたり新しいことをやったりしますが向上心がないのでいつもお酒を飲んでいます。

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