こんにちは。観音クリエイション(@kannnonn)です。アルコールを含む液体が好物です。
さて、僕はこれまで「とにかく酔えればいい」という価値観で生きてきたのでビールにスピリタス(アルコール度数96%)をドバドバ注いで一気飲みしてくたばったり、バーカウンター前でテキーラじゃんけんを何十回もやり続けてくたばったりと、どうしようもない酒人生を送ってきました。
そんな僕も今年で33歳。そろそろスマートなお酒の飲み方をしたい。
というわけでウイスキーの名産地、スコットランドに来ました。
上の写真で僕の後ろに流れているのがスペイ川。この川の周辺は「スペイサイド」と呼ばれており、ウイスキーの蒸留所が数多くあります。「スコッチ」として世に知られているウイスキーがたくさんつくられているところです。
今回は「スコッチを頂こうか」とスマートに注文できる人間になるために、スコッチが生まれる蒸溜所を片っ端から見学してきました。
せっかくなので巡った蒸留所をまとめます。この記事がウイスキーに興味がある人の参考になれば幸い。あと将来スコットランドで蒸留所巡りをする人の参考になったら嬉しいです。
というわけで早速行ってみましょう。
グレンフィディック
はじめに訪れたのはグレンフィディックの蒸留所。この蒸留所はツアー中にほぼ全域で撮影が許可されているので序盤に行くのがおすすめ。写真を撮りまくっておくと後から見返しながらウイスキーづくりの工程を復習しやすいので良いです。
Mash Tun(マッシュタン)と呼ばれるもの。麦汁をつくるためのでかい樽です。
マッシュタンの中では原材料の麦と水を混ぜて糖化させます。
こちらのでかいのはWashback(ウォッシュバック)。発酵槽です。
先ほどマッシュタンで糖化させた麦汁にイーストを添加して、このウォッシュバック内で発酵させます。イーストが麦の糖分を食べてアルコールを排泄するプロセス。
ここで数日間発酵させるとアルコール度数6〜8%ほどの液体になります。その液体を試飲させてもらいましたが気の抜けた酸っぱいビールみたいな味でした。
ウォッシュバックで発酵を終えたら次は蒸留。銅製のPot Still(ポットスチル・蒸留機)がいっぱい並んでてかっこいい。
ここではアルコール度数6〜8%ほどの液体を20%台になるまで蒸留し、その20%台のものを再度蒸留にかけて70%前後までアルコールの濃度を高めます。
70%前後に蒸留させたものは樽詰めしてWarehouse(ウェアハウス・保税倉庫)で数年熟成。
イギリスの法律では少なくとも3年寝かせたものをスコッチと呼ぶと規定していますが、だいたいのウイスキーは10年以上は熟成させます。基本的に長く寝かせれば寝かせるほどまろやかになってうまくなるらしい。
なお、どこの蒸留所でもツアーの最後に試飲の時間が設けられています。グレンフィディックでは12年、15年、18年の飲み比べをさせていただけました。ウイスキーへの知見を深めた後に良いウイスキーを飲みまくることができて最高。
ちなみに僕が生まれて初めてボトルで買ったスコッチがこのグレンフィディック。海外ドラマの『SUITS』という作品で主人公のハーヴィーが「グレンフィディック、良い酒だ」って言ってたシーンがなんかめっちゃかっこよくて「俺もそれ言いたい!」と思ってAmazonで買いました。
やっぱり飲んだことのあるウイスキーの蒸留所を実際に訪れると愛着が深まりますね。もともとファンだった芸能人と握手したらもっと好きになってしまったみたいな感覚になりました。
グレンリヴェット
続いてグレンリヴェット。こちらはグレンフィディックと違ってツアー中は外観以外すべて撮影禁止。ツアーの最後の試飲では15年と18年を飲ませてくれます。18年のものが抜群に良かったです。全てに祝福されているような、きらびやかで優しい甘さが口の中に広がりました。音楽で言うとパイプオルガンを伴奏に歌う聖歌隊のコーラス。
蒸留所内のお土産屋さんやカフェは撮影OK。ボトルのディスプレイがめっちゃかっこいい。
ちなみにここはリヴェット橋です。グレンリヴェットの蒸溜所から車ですぐのところにあるので記念撮影しに行くとテンション上がって良いでしょう。
マッカラン
マッカラン、蒸留所が近代建築でかっこいい。地中に半分埋まっとる。
ツアーに参加しようと思って飛び込みで行ったのですが、残念ながら満員で参加できませんでした。残念。皆様におかれましてはぜひ事前に予約してから行ってください。
せっかくなのでお土産コーナーで飲み比べセットを購入してテイスティング。
マッカラン、蒸留所とウイスキーの味の印象が完全にイコールで面白いですね。高貴な優等生なのに前衛的という感じ。ちびまる子ちゃんのキャラで言うと花輪くんみたいな。
マッカランはスタッフの方が親切で、飲む前に質問すると丁寧に味を説明してくれて勉強になりました。ウイスキーの味の表現って面白い。中でも「クリスマスケーキのような」という言い回しのものを飲んでみると「あーわかるわかる! そんな感じ!」とストンと腑に落ちました。
トミントゥール
ふらっと入ったウイスキー屋さんで店員さんに「この辺でなんか珍しい蒸留所ありますか?」って聞いて教えてもらったトミントゥールという蒸留所。あまり積極的に輸出をしておらず、「イギリス国外で見かけることは滅多にないでしょうね」とのこと。
小さい蒸留所なので見学ツアーは常時開催していませんが、年に何度か中に入れてくれる日があるらしいので運が良ければ内部を見学できるかもしれません。
ちなみにトミントゥールの情報をゲットしたウイスキー屋さんはこちら。THE WHISKY CASTLE。
信じられない数のウイスキーがあって最高。お店の人が親切で、無限に試飲させてくれるので一発で泥酔。見に行った蒸留所のトミントゥールも飲ませていただきました。味がぴしっと整っていてうまかった。
カーデュ
ジョニーウォーカーのキーカスクとなっている蒸留所、カーデュ。蒸留所内は基本的に撮影禁止。
ここの蒸留所は嗅覚テストやブラインドテストなどのクイズっぽいのがあって楽しかったです。ちなみにクイズは全部外しました。めちゃくちゃ難しい。全部当てたら表彰的なのがあるらしいので頑張ってください。
いくつか試飲させていただきましたがどれも優しくて落ち着く味でした。ゆったりしたピアノのジャズとか聴きながら飲むと良さそう。
アベラワー
こちらはアベラワー。たまたま近くを通りかかったときに目に入ったのでその場で見学ツアーに申し込みました。
なぜ目に入ったかというと建物がめちゃくちゃかっこよかったからです。映画とかに出てきそう。こちらも蒸留所ツアー中は撮影禁止。
テイスティングルームは撮影OK。部屋かっこいい。
アベラワーはテイスティングがとてもしっかりしていた印象。1本ずつ説明を聞きながら飲み比べ。蒸留したてのもの、12年のバーボンカスク、12年のシェリーカスク、10年のバーボンとシェリーのブレンド、ブレンドの15年、カスクストレングスの6種類をいただきました。
あーうまいうまいうまいうまいうまいうまい。今まで飲んだことなかった銘柄ですが一発でファンになりました。帰国したらボトルで全種類買いたい。
まとめ
そんな感じで蒸留所巡り、初めてやりましたがめっちゃ楽しかったです。
ウォッシュバックの中でイーストが発酵を促してぼこぼこと泡立つ光景。鈍く光る銅製のポットスチル。しっとりとした湿気を含む熟成倉庫。そこに充満するアルコールのアロマティックな香り。それらを内包する重厚な石造りの建物。
どれも壮大で印象的で魅力的。トータルの体験として間違いなく最高。ウイスキー好きな人は行くともれなく幸せになれます。行こう。
さて、この後はフェリーでアイラ島にアイラモルトの蒸留所を巡ります。アイラ島では麦を乾燥させる際にピートを炊いて独特の香りをウイスキーにつける工程があるらしい。楽しみ!