2015年に話題になり、ホリエモンこと堀江貴文さんなども注目した、LINEで弁護士に無料相談できるサービスをご存知ですか?
- 「LINEで弁護士に無料相談」とは
- アトム法律事務所弁護士法人が運営する、累計72,599人(2017年3月現在)が登録、利用しているサービス。「刑事事件加害者専用」「交通事故被害者専用」「なんでも相談OK(現在は一時休止中)」の3つの窓口があり、それぞれ友達登録して相談内容を送るだけで、弁護士に相談ができる。
実は、このサービスのFacebook版が登場しているんです! 現在は「刑事事件加害者」「交通事故被害者」のみに相談が限られているものの、Facebookで簡単に、しかも無料で弁護士さんに相談できるなんて……至れり尽くせりすぎる。
何回か相談したところで「これ以上の回答は課金が必要です」と言われるとか、よくできた人工知能が自動で回答しているとか、何かそういうカラクリがあるのでは……?
というわけで、実際に「Facebookで弁護士に無料相談」を使って確認してみた
「Facebookで弁護士に無料相談」では、24時間365日相談が可能なので、土日でも深夜でも送ることができるそう。こちらの気が向いたタイミングで連絡したら弁護士が対応してくれるなんて、そんな贅沢なことあるわけない……。ますます人工知能説が色濃くなってきました。
試しにさっそく自分のスマホから相談してみることにします。
今回は、「事故にあって骨折した」という設定で送ってみることに。どんな返答がくるんでしょうか。
おっ! 返信がきました。意外と早い……! やはり、人工知能か……?
年齢や年収など聞かれたので、順に答えていきます。
弁護士さんからの質問に対して答えを返していったところ、最終的に、かなり具体的な回答が返ってきました。でも、依頼するかどうかは相談者次第のようで、不安を煽られたり、強制されたりすることもありません。
ちなみに、緊急の場合は24時間受付のコールセンターに連絡することもできるそうなんですが、弁護士事務所で、24時間受け付けている所はなかなか少ないみたいです。
今のところ、ユーザーのメリットしか見当たらず、ますます何か裏があるとしか思えません。こうなったら弁護士さんに直接問い詰めてみましょう。
担当の弁護士さんを問い詰めてみた
今回は、サービスの発起人で、アトム法律事務所弁護士法人の代表である岡野弁護士に、お話を聞くことに。
岡野 武志 弁護士 高校卒業後、バーテンダーから各種工事の現場作業員、人材派遣コーディネーターなど、日米でのフリーター生活を経て、独学で司法試験に合格。2008年に刑事事件専門の「アトム法律事務所」を設立。現在は交通事故と刑事事件を専門に取り扱う。 |
無料の決め手は「弁護士を身近に感じてほしかった」から
—いきなりですが、無料でやり始めた理由を教えてください。
一番は、弁護士を身近なものとして感じていただきたいと思ったからです。2000年代から本格的に始まった司法改革で、弁護士の数は増え、弁護士業界の広告規制も緩和され、相談はしやすくなりました。とはいえ、「弁護士に相談する」という行動は、一般の方にとってまだハードルが高いように感じます。
そのハードルを下げたいという思いと、弊社にはWeb・スマホを用いたサービス展開のノウハウがあったのもあり、2015年にLINEを使った相談をはじめてみたんです。
—そうだったんですね。でも、無料とはいえ、弁護士さんも商売ですから、さすがにやりとりの回数に制限はありますよね?
限度はあるものの、「交通事故の被害者」「刑事事件の加害者」からの相談であれば、特にやりとりの制約はもうけていませんし、対面での相談も無料です。
—そんなに大盤振る舞いして大丈夫なんですか? 法律相談の相場って、通常はどれくらいなんでしょう?
相談料金は、30分で5千円というのが一般的ですね。初回は30分無料で対応している弁護士も多いです。ただ、電話やLINEなどで相談に対応している弁護士は少ないと思います。
—ちなみに、1人の弁護士さんにつき、1日何件の無料相談を担当されるんですか?
現在、全国で11社、19人の弁護士がいるんですが、1日につき、1人2〜3件を担当することが多いですね。移動中や仕事の合間に対応しています。
相談から依頼になることももちろんあるので、その場合に引き継ぎのロスが生じないように、相談者の地域によって弁護士の配分を分けています。LINEはもちろん、Facebookも、重大な守秘義務がある弁護士・専属職員以外は誰も見ることができないようにしているので、安心してください。
—2〜3件とはいえ、日々の仕事に加えて無料相談もあると負担が多くなりますよね……。この取り組みに賛同する弁護士さんは多かったんでしょうか?
いえ、はじめは「代表がまた変なことをやりはじめた……」って空気でしたよ(笑) 「本当にLINEで相談がくるのか?」と、メンバー全員が疑心暗鬼でした。ところが、いざ実際にやってみると、評判もよく、とても多くの方から相談がきまして、徐々に周りも「ちょっとやってみるか」と協力的な姿勢に変わっていったんです。
それに、実は無料相談への対応はそこまで手間ではありません。内容にもよりますが、だいたい移動中や仕事の合間で1時間も使わずに対応できます。弁護士にとっては何気ない雑談レベルのものでも、相談者にとっては価値の高い情報だったりすることが多いようです。
示談金が上がらない場合は成功報酬なし、相談して損することはない
—相談は無料でも、依頼となればもちろん弁護士さんにたくさんの費用を払うことになりますよね。
いえ、弁護士費用は、実質的にほとんどかかりません。私たちの仕事は成功報酬型なので、示談金が上がらなかったとき、基本的に報酬は発生しません。成功報酬も、賠償額の約10%です。たとえば賠償額千万円のケースだと、100万円少々ですね。もともと提示された賠償金よりも、残る差額はかなりあります。
なので、弁護士に相談して、まず損することはないかと思いますよ。損が出そうな場合は、こちらもあらかじめお伝えしますので。
—それなら相談者も嬉しいし弁護士さんにもちゃんと報酬が入るんですね! でも、そもそも弁護士さんに相談するというのが思いつかない気も……。
そこが一番の課題だと思っています。多くの方が、保険会社さんから言われた示談金をもらうことが多いんですが、金額が大きすぎて、適正な価格かがわからないんですよね。
実は示談金の計算式って、保険会社が使う基準と弁護士や裁判所が使う基準で大きく違うんですよ。保険会社だとその計算式で合っているんですが、弁護士が入って交渉すると計算式が異なるので金額がかなり違ってきます。なので、まずは保険会社から出された金額と、弁護士が請求するときの金額に大きな違いがある、という点を知っていただければなと。
—ちなみに、弁護士さんに相談をして賠償請求をした場合と、相談しなかった場合と比べると、どれくらい金額が変わるんですか?
ケースによって異なりますが、3〜5倍以上になることも珍しくないですね。たとえば、交通事故で足首を骨折し、後遺障害12級の認定がされた方は、当初は保険会社から257万円の示談金が提示されていました。メールと電話で相談を受け、示談金の大幅な増額が見込まれることが分かったため、弁護士が保険会社と示談交渉をすることにしました。
結果、示談金は当初提示額から4.6倍増額し、1185万円に。しかも、依頼から示談成立まで3週間というスピード解決となりました。弊社サイトに慰謝料の計算シミュレーターもあるので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
▶交通事故の慰謝料計算機
http://www.交通事故の慰謝料.com/1-1
弁護士のサービスが行き届いていない場所にこそ、広げていきたい
—このサービスが、裏のない、いいサービスだということが分かってきました。これから相談をする方のために、相談をする前に整理しておくとよいものを教えてください。
はい。主に次の6つを整理していただくと、回答もスムーズになるかと思います。
- 事故について(いつ・どこで・どんな怪我をしたか)
- 年齢
- 年収
- 入院期間と治療期間
- 保険会社から提示された示談金額
- 後遺障害の等級
年齢や年収はもちろん、事故で負った怪我で生活や仕事にどのくらい支障を与えているかによっても金額が変わってきます。適正な補償を受けるためには、適正な等級認定を受けることが最も大切なので、事前に弁護士のチェックを受けると確実ですね。
—ありがとうございます! 今後も、弁護士さんが身近に感じられるようなサービスを楽しみにしています。
はい。現在は交通事故と刑事事件だけを対象にしていますが、今後、男女問題や、労働問題、金銭問題などについても順次広げていきたいと考えています。
また、このサービスの存在価値を発揮するのは、専門に特化した弁護士事務所がなかなかない地方です。サービスが行き届いていない場所にも行き届かせるためにも、対応できる弁護士の数を100人、千人と増やしていきたいですね。交通事故やトラブルをなくすことはできませんが、苦しんでいる方が、適正な金額の賠償金を受け取って、日常生活に早く復帰できるようにと願っています。
事故に遭ったときには、「弁護士に相談」という選択肢を
実際に使ったり、弁護士さんに話を聞いたりした結果、「Facebookで弁護士に無料相談」は、途中で無理な課金を要求してきたり、裏で人工知能が回答したりしているようなサービスではないということが分かりました。
本業の弁護士さんに、いつでも、どこでも、気軽に相談できるなんて、心強いことこの上ないですよね!
https://www.facebook.com/atombengo
そんなアトム法律弁護士事務所さんが、4月6日から、交通事故被害者の方への無料相談をより強化するキャンペーン「Facebookで交通事故の無料相談サービス」を開始しています!
車の安全性向上等で、交通事故件数は減少傾向になっていますが、2016年の死者数は3,904人。61万人以上が事故で負傷し、多くの方が後遺障害の悩みを抱えています。事故やトラブルに遭わないのが一番ですが、もし遭ったときには一人で悩まず、アトム法律事務所の弁護士さんにFacebookで相談してみるのが良策といえるでしょう。
もちろん、LINEでの相談も引き続き行われています。自分に合ったツールで相談してみてくださいね!