第10回
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なるほど労務

社労士・勝山が斬る!「いつも偉そうに解説してるけど、社労士の労働環境こそ疑わしいのでは?問題」

勝山


社労士・勝山が斬る!「いつも偉そうに解説してるけど、社労士の労働環境こそ疑わしいのでは?問題」

グワッハッハッハ! 社会保険労務士の勝山です。

労働法とか労務関係の法律って難しいですよね。分からないことは僕に聞いて解決するのが一番です。

当連載「なるほど労務」では皆さんからいただいた質問に対し、社会保険労務士としての見解、アドバイスを加えてできるだけ分かりやすくお答えします。

 

今回いただいた質問はこちらです。

 

社労士の労働環境について
はじめまして、質問です。

特に社労士の個人事務所に多いのですが、社労士さん自身の労働環境は適正ではないのですか?
または、それでよしとされているのでしょうか?

厚労省にも問い合わせてみましたが、無回答でした。

私の周りには士業のかたが多くいますが、なかでも社労士はひどい。
ひどい方は従業員で始発から終電まで残業代なし、バイト代650円程度で働いている方も。特定社労士でも、です。

最低賃金などは何処へ?

知人や勉強会などで会った方が皆さん口をそろえて言われるのが、「一番労働基準法守っていないのは社会保険労務士だろう」と。

この質問お答えいただけるのでしょうか?

そのような方々が本気で労働者の味方になってくれるのでしょうか?

よろしくお願いします。

 

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ちょっとぉ〜、聞き捨てならないなぁ〜。

質問者さんの周りにはそういう境遇の社労士しかいないの!?

厚労省にまで問い合わせをして… 友達想いなんだね。

まぁ、僕は特にやましいことはないので、質問の内容にお答えします。
 
 

そもそも、社労士って何?

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社労士について一旦整理しましょうか。

社労士(社会保険労務士)は、現在日本全国に4万人います。僕らは主に企業の労務管理に関する相談・指導を行ったり、労働保険・社会保険に関する申請代行や労務関係の資料作成および届出などを生業としています。

実は、社労士をはじめ弁護士や司法書士、税理士などのいわゆる「士業」にはそれぞれの士業法が存在するんですね。

社労士にも「社会保険労務士法」というものがあって、業務の適正化を図るために、社労士としての大前提がここに定められています。

以下に第一条を引用しましょう。

 

社会保険労務士法(第一条より抜粋)
(目的)
第一条
この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。

(社会保険労務士の職責)
第一条の二
社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。

 
つまり、「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的に業務を行うし、「公正な立場で誠実にその業務を行う」ことができないと、社労士は勤まりません。結構大変なんだよ〜、社労士って。

こうした決まりがある以上、顧問をしている企業はもとより、自分の事務所をそんなずさんな労働環境にしてしまうなんてことは基本的にはあり得ないと思います。

 
なので、まず一つ目の

「社労士さんは労基法を守らないのですか? また、それでよしとされているのでしょうか?」

という質問に対する回答は、

「いいえ、守りますし、良しとしてません」と、いうことになります。

 

社労士にも労基法は適用されるのか?

社労士には、大きく分けて

  • 開業社労士
  • 勤務社労士

の2つが存在します。

 
事務所(自宅兼事務所可)を構えて自らが事業主になり、独立開業して社労士の仕事をしているのが「開業社労士」。企業には所属していないフリーランスと同じ、個人事業主ですね。ちなみに僕もこっち。

もう1つは、社労士事務所ではなくて、一般の企業に社労士の有資格者として勤める「勤務社労士」です。総務部門の労務管理といった仕事に携わることが多いです。

前者の開業社労士に関しては、自営業者という扱いになるので社労士自身は使用者側(雇用する側)となり、労基法の適用はありません。企業の社長さんたちと同じように「労基法で守らなければならない対象」ではないんですね。

ただし、その事務所内で雇っている従業員には対しては当然、一般的な会社と同じく労基法が適用されます。勤務社労士も、社労士ではありますが会社勤めをしているので、同じく労基法の適用対象ということになります。

だからもし開業社労士“以外”について、本当に「始発から終電まで残業代なし」なんてことが起きているのなら、それは残業代の未払いと同じだし、「バイト代650円程度」なのであれば最低賃金を守っていない、ということになります。つまり普通に法律違法だよね。

今回の質問から想定されるケース

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「基本的にはあり得ない」と回答しましたが、もしかしたら、社労士同士の会話を質問者さんが勘違いして捉えてしまった、ということも考えられるかもしれません。

あくまで僕の想像にはなりますが、前述の開業社労士になりたての頃って、基本的には自分一人だけだし、本当に忙しいんだよ…。思い出しただけで憂鬱になるなぁ…。

 
そんな状況にいると、ふと「今、自分の稼働している時間(人件費)」と「お仕事をいただいて得る収入」とを時給換算して、時給にしたらまだこんなもんか… ってしみじみしてしまう瞬間があるものなんですよね。これ、開業経験者あるあるじゃないかな。

 
そうした自虐的な愚痴を、言葉のまま「残業代なし」とか「とにかく酷い勤務環境だ」と捉えてしまった、ということは考えられるかもしれませんね。

まぁ、一人立派に羽ばたくためには仕方のない期間なんだけど…。

 
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ちなみに、「社労士はひどい。ひどい方は従業員で始発から終電まで残業代なし、バイト代650円程度で働いている方も。特定社労士持っていてもです。」の一文には、複数の話が混同されてしまっています。

 
まず、「残業代」の件については先ほどの通り。あくまで想像だけどね。

それからバイト代については、恐らく社労士事務所などでアルバイトをしながら「社労士を目指している」という方がいるんでしょう。

ただ、その場合雇い主は社労士であると考えられますが、社労士という職業柄、どの先生も各地方の最低賃金は更新の度にチェックしているはず。そんな露骨に決まり事を破るなんてことは通常考えづらいですね。

 
また、「特定労務士」という単語がありますが、これは一般的な社労士よりも少し業務範囲の広い社労士のことです。

 

特定社会保険労務士(特定社労士)
労使間における労働関係の紛争において、裁判外紛争解決手続制度に則った代理業務に従事することを認められた社会保険労務士のこと

扱える業務範囲が広くなるだけで、社労士であることには変わりないので「特定社労士だからどうこう」というのは、正直あまり関係がありません。

 

社労士は誰の味方?

ということで、社労士だって当然労基法は守らなければならないし、なんなら社労士法の前提に則って、皆さんの模範にならなければいけないわけです。

守ってないやつに相談なんてしたくないですもんね。

 

…で、最後の締めくくりは「本気で労働者の味方になってくれるのでしょうか?」だったね。

なるよ! だってそれが仕事だもの!

 
まぁただ、厳密には「なるとも言えるし、ならないとも言える」かな。

社労士法のとおり、我々は「事業の健全な発達」も、「労働者等の福祉の向上に資する」ことも、どちらも目指さなければいけません

だから、「何があっても絶対に労働者側を守る」ということではありませんが、あくまで公正な目を持ってそれぞれをサポートする立場にあるし、業務にはいつでも本気で向かっていますよ。

 

 

 

 

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え〜、でもさぁ〜、

 

もしかして、本当にこういう社労士事務所が存在するのかなぁ?

なんかちょっと心配になってきた(笑)

 

さっき、今の社労士の登録人数は約4万人って話しをしたけど、他の士業でいうと社労士と境遇が近いのって税理士さんなのね。

司法書士は案件ごとに稼働することが多いけれど、税理士や社労士は大体企業顧問という形を取って継続したお付き合いをするんですよ。で、弁護士さんなんかはどちらも半々くらいのイメージかな。

 
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そんな似た境遇の税理士の人数は今現在約7万6千人くらいいて、もちろんそのままイコールで計算することはできないけれど、でも概ね同程度の社会的なニーズはあるといえる。

そうすると、社労士の人数はまだまだこれから増えていくかもしれないよね。

 
もし「自分の事務所はさておいて」というスタンスの社労士が増えてしまったら、それは本当に良くないことだよね。うん、絶対にだめだ…。

僕の知る限りはどの社労士先生も真摯に取り組まれているし、皆さんまずは自分の身の回りからきちんと整えないと、という方ばかりですよ。

僕だって自分の事務所ではAKASHIを導入して勤怠管理も抜かりなくしているし、労働環境についてもなるべく良い状態を提供できるよう、日々心がけているもの。まるでAKASHIの回し者みたいだなぁ(笑)

 
もし万が一、質問者さんの周りにいる方々が今回お話しした仮説に当てはまらなくて本当に困っているのであれば、それは皆さん自身のためにも、社労士の信頼を守るためにも、一刻も早く改善に向けて動いてほしいですね。

でも動くのは質問者さんではなく、あくまで働いている方々自身。

細かい事情や何やを把握していない第三者が動いても、事が上手く運ばないケースは往々にしてありますからね。
もし会社に相談窓口があるなら相談するもよし、上長に直接交渉してみるもよし。行動しなければ状況は変わりません

 

以上、参考になりましたか?

 

この連載は勤怠管理ツールAKASHIの提供でお送りしています。

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勝山
この記事を書いた人
勝山

社会保険労務士

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