人情ライターの紳さん(@shinsan_lig)です。
今、僕は正義のために弁護士と対立しています。
こちらは弁護士法人あゆみ共同法律事務所の古川さん。
人が良さそうな顔で、法廷で幾人もの罪なき民を社会的に葬ってきた悪の権化です。
(※古川さんの正しいイメージ写真はこちらになります)
法律は絶対に正しい? いいや、違うね。
この世には、納得のいかない「おかしな法の裁き」が確実に存在しています。
今回は実際にあった判例をもとに古川さんと討論し、「法律は間違っている」「人情こそが正義」という事実を認めていただきたいと思います。
ちなみにもし、口で言っても分からないような輩であれば
シンプルにブン殴って解決させたいと思います。
よろしくお願いします。
驚くべき判例の数々
よろしくお願いします、古川さん。
こちらこそ、本日はよろしくお願いします。
それでは過去にあった「おかしな判例」を見ていきましょうか。
別におかしなことはないんですけどね。
内定取り消しで慰謝料300万円を請求!?
まずは「企業が内定を取り消したら多額の慰謝料を求められた」というケースから。
転職活動をしていた一郎さんは、第一会社の入社試験を受け、見事に採用が決まり、併せて配属先や給料などを通知されました。
すると、入社前に人事担当者より「あなたに関して悪い噂がある」として、急きょ社長や会長との再面接を行なうことになりましたが、
結果、“ 問題ない ”と判断され、社長らはその場で一郎さんを従業員として雇用することを約束しました。ところがその後、第一会社は一郎さんに対して、「採用内定を取り消し、以後、一郎さんの出社を拒否する」という内容の書面を送ってきました。
結局、一郎さんは再び転職活動をすることになり、別の企業へ就職することになりました。
これに対し一郎さんは、「採用内定通知後の採用内定取り消しは無効であり、労働契約は成立していた」として、採用内定を取り消した第一会社に対して、”採用通知を受けた日から、最終的に就職できた会社への入社日までの未払い給与(108万6,693円)の支払い”また、精神的損害を受けたとして、”慰謝料300万円”を請求しました。
結果:一郎さんの主張は認められ、第一会社に採用通知を受けた日から最終的に就職できた会社への入社日前日までの給与108万6,693円と、慰謝料100万円を受け取ることができた。
引用元:街角相談所 -法律-
働いてもないのに3ヶ月分の給与を貰って、さらに慰謝料300万円を請求とか。ヤクザかよ!
精神的損害に対する正確な基準はありませんからね。
これが許されるなら、適当に「精神的損害受けました〜」って言って企業に何百万もの慰謝料を請求するメンタルヤクザが大流行しますよ!
こういう場合の慰謝料は過去の判例を参考にして決めるんですよ。一郎さんには弁護士がついていなかったみたいですから、多めにふっかけたんでしょうね。
そもそも、内定を取り消されたのも一郎さんの素行に問題があったからでしょ。実際に悪い噂が流れてたんだから。
その噂も人から聞いただけです。事実かどうか分からず、内定取り消しをする理由にはならないんですよ。
火の無い所に煙は立たん!
企業としては試用期間があるわけですからね。まずは一郎さんが噂通りの人なのか、実際に働いている姿を見て判断するべきです。
う… なるほど… そうなるのか…
(さすが弁護士… 口だけは達者だぜ…)
遺言書を全無視されて財産を取られる!?
続いては遺言書に相続人としての名前が書かれていなかった者が財産を相続するという、信じられないケースです。
太郎さんはバツイチで、前妻との間に三人の子供が、また、今の妻との間には二人の子供がいました。
そんなある日、高齢であった太郎さんは病気によって亡くなってしまいました。太郎さんが亡くなった後、家族の間で太郎さんの遺産相続の話になったのですが、実は太郎さんは遺言書を残していました。その遺言によると、「太郎さんの遺産全てを『今の妻』と『今の妻との子供二人』にのみ相続させる」という内容のものでした。
さらには、「太郎さんが生きている時に今の妻に与えた財産は、これから相続する財産の中には含めない」とも書いてありました。これに納得できなかった前妻との子供たち三人は、「たとえ、太郎さんの遺言では、『今の妻とその子供二人にのみ相続させる』と書いてあったとしても、相続人には必ず受け取ることのできる最低限度の財産を得る権利があるはずである。」とし遺産の相続の権利を請求しました。
結果:前妻との子供三人の主張は認められ、太郎さんの遺産を相続できるとされた。
引用元:街角相談所 -法律-
ひどすぎる! 死者の魂を冒涜する行為だ!
元々、前妻との子供たちは相続の権利を持っているんですよね。これを遺留分権利者といいます。
遺言書に書かれていた内容は考慮しますが、遺留分権利者が持つ権利そのものがなくなるわけではないのです。
知らんわ! 何のための遺言書だよ!
人情的に考えて、死の間際にわざわざ『今の妻』と『今の妻との子供二人』にのみ相続させるって書いたんだから、よほどの考えがあってこの遺言書を残したはずですよ、太郎は。
なんなら、前妻やその子供たち三人がとんでもないやつで、憎んでいたのかも知れませんよ?
私には分かりかねますが。
そうやって何の感情も持たずに、淡々と目の前のことだけを処理するのが法律ですか! 遺言を無視された太郎も浮かばれないぜ…
それは違います。今回のケースは太郎さんの意思もしっかりと汲んだ上で、残された遺留分権利者のことも保護すべきと司法が判断した結果です。遺言を無視などしていません。
そうなの?
はい。前妻との子供三人が主張したのは、「遺留分権利者が必ず受け取ることのできる最低限度の財産」に過ぎません。もし太郎さんの遺言書が無ければ、もっと多くの財産を受け取ることができたと思います。
へぇ〜。
(わりと勉強になるなぁ)
ほぼ浮気が確定しているのに慰謝料を取れない!?
最後は離婚の2日後に元夫が他の女性と婚約したという、悪魔的所業のケースです。
太郎さんと花子さんは結婚し4人の子供をもうけました。
結婚生活は40年を超え、円満にいっていましたが、花子さんの母を引き取って自宅で介護を始めた頃、太郎さんの花子さんの母に対する態度が厳しいことから、夫婦関係は円満さを欠くようになっていきました。
そしてその後、花子さんが風邪で寝込んでいた際に、太郎さんが花子さんの体調を心配せずに食事の支度もしなかったことがきっかけで口論になり、そこから2人が会話を交わすことはなくなりました。
やがて2人は離婚の時期や財産分与についての話し合いをするようになり、その約6年後には別居を開始、離婚調停を何度か隔て、別居開始から3年後に離婚をしました。しかしその離婚から2日間後、太郎さんは幸子さんという女性にプロポーズし再婚することになりました。
幸子さんはもともと、太郎さんの友人(既に亡くなっていた)の奥さんであり、太郎さんの職場にもよく出入りし、太郎さんと特に親しい友人関係を続けてきた間柄でした。
2人は、太郎さんが花子さんとの関係が悪くなり始めた時期から急速に親しい関係となり、結果としてこのような形となりました。これに対し花子さんは、離婚の原因は幸子さんにも責任があり、離婚に至ったのは太郎さんが幸子さんと結婚するためだったのではないかと主張。
離婚する以前から太郎さんと幸子さんは不貞行為をしていたとして、太郎さんと花子さんにそれぞれ慰謝料2000万円を請求しました。結果:花子さんの主張は認められず、慰謝料を受け取ることはできなかった。
引用元:街角相談所 -法律-
花子ぉー! 法の犠牲者ー!
このケースでは「そもそも何が原因で夫婦関係が破綻したのか」がポイントになります。
太郎の悪魔的所業の数々が全ての原因ですよ!
夫婦関係が破綻したのは「太郎さんと花子さんの母との折り合いがつかなかった」こと、そして「太郎さんが風邪の花子さんを看病しなかった」の2点が原因と判断されました。
いずれにせよ、太郎が悪い!
はい。それで3年の別居の末に離婚が成立したんですよね。
でも、花子さんが求めたのは「まだ婚姻関係にある内に、太郎さんが幸子さんと不倫したこと」に対する慰謝料の支払いです。
!?
肝心の裁判では、「太郎さんが幸子さんと不倫関係にあった」という証拠が出てきませんでした。つまり、幸子さんが原因で夫婦関係が破綻したと判断しなかったのです。
だって離婚した2日後ですよ!? 絶対、長きに渡って浮気していたに決まってるじゃないですか。
私には分かりかねます。
常識で考えて! もっと恋愛ドラマとか見て勉強して!
結婚を1日、2日で決める人なんていないでしょ。ずっと前から不倫関係になければ、そんな離婚の2日後に結婚とかありえない!
訴えるからには、花子さんは「太郎さんと幸子さんが長きに渡って不倫していたこと」を証明しなければなりません。でも、証拠がありませんから…
証拠なんているかボケー! もっと人情で物事考えろやー!
落ち着きなはれ。
落ち着いていられるかー! 法律がこんなメチャクチャを許すなら、僕らは安心して暮らせないんじゃー!
そろそろ、マジでブン殴りますよ?
私、弁護士なんですけど…
(う… 弁護士は殴ったらダメだ…)
- 殴ったらダメなものランキングTOP5(2017年最新版)
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1位 警察官
2位 弁護士
3位 チワワ
4位 ハリネズミ
5位 サボテン
完全敗北や… 間違った法律に人情が分からない弁護士…
正義なんてどこにも無かったんやな…
そんなことはありません。むしろ、先ほどの例は実に人情的な判例だと思います。
どこがよ!?
太郎さんと幸子さんは仕事の協力者同士であり、親しい関係にありました。お互いに秘めたる想いがあり、離婚をきっかけに生涯を共にする決心ができるということは自然なことです。
その前に絶対、SEXしてるから! SEXしたことない相手とは普通、結婚しないでしょ?
私には分かりかねます。
事前に体の相性を確かめておくのは大事だからー!
ともかく、太郎さんは花子さんと離婚した後に幸子さんと純愛関係になったという判断です。実際にそうだとしたら、今回の件は「花子さんが憶測で言いがかりをつけただけ」に過ぎません。
花子さんの言いがかりで2,000万円もの慰謝料を請求されたらかわいそうじゃないですか。そうならないように法律は太郎さんを守ったんです。人情的ですよね。
まぁ、太郎さんからすれば、そうなるのか…
私には紳さんがおっしゃることも分かります。法律は決して完璧なものではありません。
…法律は誰の味方なのですか? 知らない誰かが勝手につくって、どうしてそれに従わなければならないのですか?
法律はみんなの味方です。私たちが理想の社会をつくるために存在するものです。
理想の社会って何なんですか? これ以上、花子さんのような不幸を生まないためには、どうすれば…
全員が法律を遵守することで、「なるべく不幸になる人を少なくしよう」というのが根本的な考え方です。
全ての法律が正しくて、理想の社会を実現するために最適なものとは限りません。日々変わりゆく人間社会の中で、どんなトラブルが起こり得るのか完全には分からないからです。
ただ、みんなにとって最適な法律をつくるための努力は続けられています。過去の判例なども非常に参考になるでしょうね。
そうなのか… 法律が間違っているとか、そういう次元の話じゃないんだな。
(全ての人が法律に守られて幸せになれば良いのに)
どうやら古川さんのことを誤解していたようです。確かに法律は完璧じゃないし、納得いかない判例もあるかも知れない。
でも、いつだって法律は僕たちを守ってくれている。人の幸せを実現するために。
その通りです。
この度はありがとうございました。
ブン殴られなくて本当に良かったです。
悩んだときは、過去の事例を検索してみよう!
今回、参考にさせていただいた判例は全て街角相談所-法律-より引用させていただきました。
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過去、実際にあった様々な事例を紹介&解説したお役立ち記事を無料で好きなだけ読むことができます。
例えば、こんな興味深い判例が…
・インターネット上に人物を特定できる内容で悪口を書き込まれた場合、名誉棄損になるのか?
・上司から「坊主にするか退職するか」と迫られた場合、パワハラにあたるのか?
・退職1か月後にうつ病で自殺した場合、前職の職場に対して損害賠償請求できるのか?
法律の相談なので全体的に悲しい話が多いですが、まるでリアルな人間ドラマのように非常に興味深いものばかりです。
「こんなトラブルに巻き込まれた! どうしよう?」
「弁護士に相談する前にできることはあるかな?」
そんな時は、自分と同じようなシチュエーションの解決事例を検索して参考にすると良いと思います。
法律の勉強にもなるので、お気軽にご利用ください〜!