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油って身体にいいの?悪いの?はっきりさせるために老舗『金田油店』の女店主に聞いてみた

トギー


油って身体にいいの?悪いの?はっきりさせるために老舗『金田油店』の女店主に聞いてみた

こんにちは! ライターのトギーです。

油って、できるだけ制限すべきものだって思いませんか? 思いますよね? 私は思います。だって “油” ですよ。

でも最近、えごま油や亜麻仁油やココナッツオイルなど、 “健康にいい” みたいな謳い文句の油を耳にするじゃないですか。この油たちは一体なにものなんですか。油なのに健康にいいなんてこと、本当にあるんですかね。

油が身体にいいのか悪いのかをはっきりさせるべく、有名な油屋さんで教えてもらうことにしました。

創業は明治3年、140年以上も油ファンに愛され続ける浅草橋『金田油店』

やってきたのは下町情緒あふれる浅草橋。その中に「油」という大きな文字で存在感出しまくりなお店があります。その名は、『金田油店』。

 

なんと明治3年から続く創業140年という歴史の深いお店です。ここなら油のことを詳しく教えてくれそうですね!

 

7畳ほどの小さな店内は油でぎっしり敷きつめられています。原材料にして50種類以上、商品数なら100種類以上あるんだとか。

どれも初めて見るような名前の油ばかり。山椒香味油、マカダミアナッツ油に、チリシードオイル……。なにかの罰ゲーム用でしょうか。

ではさっそく、この金田油店の店主に油について教えてもらいましょう。

油っていいもの? 悪いもの? 店主に聞いてみた

店主は青木絵麻さん。2004年から金田油店に参画されました。

油って身体に悪いイメージがあるんですが、身体にいい油なんて本当にあるんですか?
まあ、まずは飲んでみてください。
へ?
油を知りたいならまずは飲んでみないと。油の一番の魅力はおいしさなんですから。
え、でも油を飲むって身体に悪そう……。それに考えるだけで胃がムカムカしてきます……。
 

隣を見たら、たいそうご立派な油のテイスティングコーナーがありました。

 

この油なら大丈夫です。これはレモンオリーブ油。ほらほら。
じゃ、じゃあ……
 

(ゴクン)
 
わ、レモンの香りが爽やかでおいしい! 油自体もさっぱりしてて胃もたれもしませんね。
でしょ?
 

油がおいしいのはわかりました。で、結局のところ油は身体にいいんですか? 悪いんですか?
良いも悪いも、そもそも油は身体が生命活動をする上で絶対に必要な栄養素です。
え、油を食べないと死んじゃうってことですか!?
本当にまったく摂らなければ、ですね。食材自体に油が含まれていたり、よぶんな糖が脂肪に変化したりするので、まあ死ぬことはないかと。
でも、健康志向な人やダイエットしようとしてる人って、たいてい油をなるべく摂らないようにしてますよね?
油には種類があって、身体に溜まりやすい油があります。そういった油の過剰摂取を控えることがダイエットの近道ですね。
やっぱり身体によくないじゃないですか!
違うんですよ。そもそも、なぜ人は油を摂りすぎちゃうんだと思います?
油を使えば必ず料理がおいしくなるからです。油や糖分は身体が本能的に欲するもので、DNAに「おいしいもの」としてすり込まれているんです。だから使えば使うほど人間の脳はおいしいと判断するわけなんです。
ということは、油を減らそうと意識しておけば、身体にとってちょうどいい量になりますかね?
それも不正解。摂りすぎなのは油の中でも一部の種類だけ。美しく健康に痩せるには減らしてはいけない油もあるんです。
美しさと健康のために必要な油がある、と。
油の成分の一つである脂肪酸は、細胞膜や血管、脳やホルモンなどすべての原料になります。当然、肌にも必要なもの。肌の生成に必要な油が減れば、肌が荒れちゃいますよ。
私のこの肌荒れも、油不足が原因かもしれないってことですか!
かもしれませんね。現代人は油の摂取バランスがあまりに崩れていて、それがさまざまな炎症や病気の原因になっていると言われています。
油の摂取バランスが適切になれば、肌以外にも良いことがあるんですか?
効果はさまざまです。私が実感したのは、肩こりや冷え性が軽くなったことでしょうか。脂肪酸によって血流が良くなったからですね。
油ってそんなに重要な栄養素だったんですね! 私たちが摂るべき油の種類を教えてください!
 

いいんですか? 油は、一度知ったら気にせずにはいられないし、もう戻れなくなりますよ。それでも聞きたいです?
聞きたいです!

摂るべき油とそうでない油の違いとは? 油の種類について教えてもらった

もう戻れないところまできてしまったので、摂るべき油とそうでない油の違いについても教えてもらいましょう。

油は脂肪酸とグリセリンに分解できます。この脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があり、不飽和脂肪酸はそこからさらに複数の種類に分かれます。

 

飽和脂肪酸は固まっている油、不飽和脂肪酸は液体の油ですね。
その通り。重要なのは、この中に体内で生成できる脂肪酸と、生成できない脂肪酸があるってことなんです。
体内で作れる脂肪酸……?

 

バターやオリーブオイルなど、よく見かける油は“体内で生成できる”カテゴリーに含まれているんですね。
そうなんですよ。飽和脂肪酸もオメガ9も体内で生成できる脂肪酸である上に普段から食べることも多いので、必要以上に摂りがちです。
うわあ。私、毎日ように炒め物にオリーブオイル使っていました。
むしろ意識して摂取した方がいいのは、体内で生成できないオメガ6やオメガ3。『必須脂肪酸』とも呼ばれています。
オメガ6やオメガ3が、俗に言う “身体にいい油” ってことですか?
そうともいえますが、オメガ6は一般的に摂りすぎの傾向にあるのでむしろ控えたほうがいいですね。意識して摂らなければならないのはオメガ3。熱に弱いので炒め物などに使うと栄養を摂取できなくなってしまうんです。多くの人が不足しているかと。
なるほど。今流行りのえごま油ですね。
はい。最近は一般的に知られるようになりましたね。昔からアトピーなどのアレルギー患者の方が養生食用に買っていたほど良質な油なんですよ。
えごま油なら我が家にもあります! 話題になってたので買ったんです。一回使っただけで棚の奥に眠ってますけど。
 

あー、もうそれはダメです。
え、ダメ?
オメガ3は生鮮食品と思ってください。開封後は冷蔵庫保管、1ヶ月半以内に使い切らないと
もう使っちゃダメなんですか?!
酸化した油を食べてどうするんですか。
ごめんなさい。家に帰ったら、残ったえごま油をいっきに飲み干します。
オメガ3は身体にためておけないので、意味ないですね。
…………。

油の効用を生かしつつおいしく食べるには、「ハーブやスパイスのように使う」といいらしい

身体にいい油が理解できたところで、効果的な油の調理方法にもお伺いしてみました。

身体にいい油は熱に弱いということですが、どんなふうに調理すればいいんですか?
仕上げの調味料として、ハーブやスパイスのように使うといいと思いますよ。料理の最後にひと振りかける感じで。おいしくて栄養も摂れる一番良い方法かと。
最後にかけるだけなら簡単ですね! どんな料理に合います?
油もいろいろあるので、いろんな料理に使えますよ。じゃあまた試飲しながらご紹介しましょうか。
 

私が最初に試飲させていただいたレモンオリーブ油 (写真中央)の場合、カルパッチョや海老のサラダにかけるのがオススメとのこと。フレンチトーストやシャーベットにかけてもおししいんだそうです。たしかに、レモン味ならデザートにも合いそうですね。

 

次に試飲させていただいたのはアーモンド油(写真右)と、ピスタチオ油(写真左)。

アーモンド油からは、ローストしたナッツのほのかな甘い香りが漂います。後味にうっすら甘さがあります。青木さんおすすめの使い方は、お肉料理や、オーブン料理の仕上げにふりかけるのだそう。

ピスタチオ油は、アーモンド油よりも濃厚で高級感にあふれていました。デザートによく使われるピスタチオなので、アイスクリームやヨーグルト、チョコレートケーキなんかにかけるとおいしいんだとか。お値段は他の油に比べてちょっとお高め。

 

続いてはマカダミア油。こちらもナッツ特有の甘い香りがありますが、アーモンドよりも優しくまろやかな味わい。ほのかに甘みも感じます。サラダにドレッシングのようにふりかけたり、パンケーキに使うのもおいしいとのこと。

 

最後にいただいたのは山椒香味油。後味がピリっとしてまさに山椒。和食ならどんな料理にもアクセントとして使えそうです。青木さんいわく、豆腐や塩焼きそばにかけるととってもおいしいんだとか。七味とは一味違った辛味を楽しめそうです。

 

どれも個性的でおいしい! それぞれ味わいが違うので全部ほしくなっちゃいます。
つい集めたくなりますよね。
青木さんはご自宅にどのくらいの種類の油をお持ちなんですか?
うーん……。数えないようにしています。
へ?
ありすぎて。

そんな青木さんは、油に関する書籍を執筆したり監修したりするほどの油のスペシャリスト。今回お話を伺ったオメガ3についてはレシピ本も出版されています。

もっともっと油について詳しく知りたい方は、実際に店舗に足を運んでみてください。いろんな油の試飲ができたり、青木さんからたくさんお話を聞けたり、奥深い油の世界にどっぷりつかれますよ。

いい油が買いたい、いい油について知りたいなら、浅草橋『金田油店』へ

創業140年の『金田油店』には、世界中の選りすぐりの油が集まっているだけでなく、めったにお目にかかれない国産油も揃っています。

 

小さな老舗だからこそ出会えるのは、3種類の希少価値の高い国産えごま油。中でも奥出雲産のえごま油は、入荷するたびにすぐに完売してしまうほどの人気ぶりなのだそう。

 

いろんな油に出会いたい方はもちろん、油について知りたい方はぜひ金田油店へ! 

ショップ情報

店名 金田油店
住所 〒111-0053
東京都台東区浅草橋2-6-2
電話番号 03-3861-1315
営業時間 10:00〜18:00(土日祝を除く)
公式サイト http://www.abura-ya.jp/

   

トギー
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