旅記事はネタが命!ただの旅好きが「旅ライター」になるまでの軌跡をナレッジ化してみた

旅記事はネタが命!ただの旅好きが「旅ライター」になるまでの軌跡をナレッジ化してみた

ぐっさん

ぐっさん

自分の旅の体験が、そのまま仕事になったら——。
そんなのめちゃくちゃハッピーだと思いません?

こんにちは。エディターのぐっさん(@skgc_n)です。

私は、4年前に「もっと生活の中に旅がほしくて」一般企業のOLをやめ、ライターになりました。それまで、ずば抜けて旅してたわけでもないし、ライターなんてやったこともなかったけれど、いろいろと試してみた結果、今では「旅ライターです」と名乗れるほど、旅記事を書く機会が増えました。

では具体的に、私がどのようにして旅ライターになってきたのか、また、「旅をしながら書く」を続けることで何を学び、そして実践してきたのか、今日はそんなことを語ってみたいと思います。

記事末では、来週 12月15日(木)、いいオフィスにて開催される「旅をしながら食えるライターになるには」というイベント(参加費無料!)の紹介もありますので、興味のある方はぜひご参加下さいね◎

今すぐイベントの情報が見たい方はこちら

旅ライターに「なる」には

DSC_2597※ここからは、私が先日取材してきた青森県三戸町の風景とともにお送りします

どこから仕事をもらう?

旅ライターと名乗るためには、まずは何かの媒体で記事を書かなければいけません。その媒体やルートはいくつかあるので、まずはそれを列挙してみます。

旅記事、どこで書く?
  1. 旅メディア
  2. 地方自治体からのPR案件
  3. 予算のあるPR企画
  4. 自分のブログを旅メディアにする

今回はこの中から、主に1〜3のルートについて語っていきたいと思います。
※今回紹介するのは基本的にWeb媒体になります

どうやって仕事をもらう?

DSC_2679▲「SAN・SUN 産直ひろば」には各農家自慢のりんごが集まる

これは自分の所感ですが、PR系の案件は、報酬はいいもののなかなか受注できません。社内ライターや、すでにいろいろな媒体で書いていてメディアから信頼されているライターが、メディア側から直接依頼されて執筆することが多いからです。

なので……、これから旅ライターを目指す方は、旅メディアに書くのを目標にすることから始めるのをオススメします。かくいう私も、はじめての旅記事執筆は、旅メディアへの寄稿案件でした。

DSC_2746▲三戸でも一軒の農家さんしか作っていないという「ミニふじ」(左)。

旅メディアの中には、ライターを募集しているところもあります。ライター経験を問われないメディアもあるので、初心者の方はそういうところで訓練がてら実績作りをしてもいいかもしれません。ただし、間口が広いところは総じてギャラも安めです。

DSC_2628▲果樹畑の広がる風景

募集がないメディアでも書ける可能性はあります。メディアの使命は情報を発信すること。つまり、どこもネタを探しているからです。ライティング実績のある人なら、これまでの執筆実績とそのメディアで書きたい企画を、メディアのお問い合わせフォームやメールアドレスに送ってみましょう。

企画送付のフォーマットはありません。テキストは短くてもいいと思います。とにかく取材したい場所・モノの魅力がメディア側に伝わって、媒体との相性も良さそうと思わせたら勝ちです。

「いい」旅記事の作り方

DSC_2752▲三戸でも少し奥地にある「からくり人形屋敷」

「いい」旅記事を作るコツは、今のところ、ふたつあります。

ひとつめは「ネタ探し」です。旅記事は、とにかく取材のネタが命です。だって読者の気持ちになってみてください。変わったものや景色が見られる場所、美味しそうな食べ物、面白い体験ができる場所、そういう情報が知りたくないですか?
際立った特徴がない場所を取材することもありますが、たくさんの人に読まれる旅記事は、やはり「ネタがいい」のです。

ふたつめは「ブログ記事になっていないこと」。これは、ライター経験のある人なら気にする必要はないかもしれませんが……。読者が知りたいのは「楽しかった〜〜〜綺麗だった〜〜〜」などの表現に乏しい感想ではない、と念頭に置くことは、非常に大事なポイントになります。

いい旅記事を作るコツ1:ネタ探し

DSC_2779▲水車を動力源とする人形たちがこの中で暮らす

とくダネを手に入れるには、やはり、二次情報(メディアなどにすでに取り上げられている情報)より一次情報(現場からの生の声)に注目することが重要です。私がよくやっているのは、

  • タクシー運転手に話を聞く
  • 地元の小料理屋で話を聞く
  • 道を聞きがてら街の人に話しかける

など、とにかくなんでも人に聞く! というもの。結局地元の人が一番その地域のことを知ってますからね。

DSC_2787▲小屋から少し離れたところに、愛をささやく恋人たちを発見

ちなみに、都会でもできるネタ集めの方法としてオススメなのは、下記の3つ。

 

都会でもできるネタ集めの方法
(1)地方の情報を扱う雑誌を眺める
TURNSやソトコトのような雑誌で小さく取り上げられている情報が、意外にめちゃくちゃ面白いことがあります。そうやってネタを探して取材したのがこちらの記事です↓
https://www.driveplaza.com/trip/michinohosomichi/ver32/

(2)地域が発行しているフリーぺーパーを見る
大きなメディアがまだ取り上げていない、最前線の情報がここに詰まっています。フリーペーパーを作った人たちも、きっと面白くしようと思って作っているはずなので、掲載されている情報は、その地域の「旨味」が詰まっていると考えられます。つまり、街の面白い情報を効率良く収集できるのです。

(3)地方情報が流れるSNSのリストを作る
TwitterやFacebookなどで、地方自治体や地方の面白い活動家をフォローし、リストを作ります。たまに眺めるだけでも、結構な収穫があります。

ただ、もし可能なら、自分が住む地域の情報を発信するのが一番いいと思います。
やっぱり毎日暮らすことで、いろんな情報がどんどん入ってくるし、街の深いところに入っていけるし、なにより愛着もわいてきます。

私が以前書かせてもらっていたメディア『恵比寿新聞』なんかは、その最たる例でした。編集長の恵比寿への愛がひしひしと伝わってくる、恵比寿に住んでいる人や勤めている人なら一度は見たことがある、読者にとても愛されているメディアだと思います(ちなみに、私のおもしろ系ライティングの基礎はここで築かれました)。

いい旅記事を作るコツ2:ブログではなく、「記事」になっている

DSC_2966▲春は桜の名所になる「城山公園」 天守閣手前の杉並木

旅に行ってきた感想を、少ない写真と乏しい表現で、ブログ風に書いてしまう人は多いです。

しかし旅記事の場合、主役になるのは「スポット」や「グルメ」。つまり、読者が記事を読むモチベーションは「読みたい」よりも「見たい」「知りたい」という欲求のほうが強い。なので、重要になってくるのが「写真」と「情報」です。

DSC_2720▲三戸名物の「ひっつみ汁」

まず「写真」ですが、食べ物なら、いろんな角度で撮る、食べ進めた段階で撮る、断面を撮る、いろんな種類を撮る。スポット紹介も同じです。外観・内観を撮る、そこにあるものを撮る、いろんな時間・角度で撮る。

次に「情報」。スポットなら、都市からの距離感やアクセス方法、お店なら、営業時間や混雑具合。こういった情報部分をきちんと書いてあげましょう。自分の感想を書くのは、それができてからです。

取材の方法

DSC_3124▲三戸せんべいの老舗「小山田せんべい店」にて

最後に少しだけ取材の方法を紹介します。

施設やお店を取材する場合は、必ず事前に取材許可を取るようにしましょう。許可を取るときは、電話で一報入れたのちに、メールなどで企画書を送るといいと思います。Wordで作った一枚ものの簡単な書類で大丈夫です。

  • 掲載媒体は?
  • どういう企画か?
  • 取材希望日
  • 訪問予定人数
  • 撮影予定しているカット(ざっくり)
  • (取材する場合)インタビューしたい内容

などの項目がわかると、相手も安心して取材を受けることができます。
※ちなみに、Webメディアが増えたことでマナーの悪いライターも増えているようですが、お店や施設側も忙しいなか取材の対応をしてくださっているということを忘れずに!

DSC_3216▲青森にんにく専門農家「にんにくのよしだ家」の直営店「だるま食堂」さんにて。

また、事前許可は取っていないけれどふと入ったお店で「記事にしたい!」と思うこともあると思います。そんなときは、なるべく自然に、人懐こい感じでこう話しかけましょう。

「すごく素敵なお店ですね! 実は私、こういう者なんですが(名刺を渡す)……、まだ確定ではないのですが、このお店のことを記事にしたいと思ったので、お話を聞かせて(写真を撮らせて)もらってもいいですか?」

これが私の黄金パターンです。もし記事を書いたら、記事公開前に確認していただけるよう、相手の連絡先も聞いておきましょう。

まとめ

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とまあこんな感じで数年間やってきまして、今は、LIGのエディター兼ライターとして、取材や出張で旅に出る生活をしています。フリーランスのライターとして旅していたときは、結構移動が多くて身体がしんどかったりしたので、これぐらいがちょうどいいと感じてます。

というわけで! ここまで自論をいろいろと語ってきましたが、

今回、12月15日(木)に、「旅をしながら食えるライターになるには」というテーマでイベントを開催することになりました!

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月に100万円稼ぐ旅ライターの松田然さん(私がライターになりたてのころ、理想の将来モデルとして掲げていた方です!)と、旅人ライターのお仕事マッチングサービス『SAGOJO』代表の新拓也さんにお越しいただき、食える旅ライターになるためのあれこれを語っていただきます!

トークセッション後の懇親会では、三戸の郷土料理も提供予定!

おそらく私ひとりの経験談よりもいい話が聞けると思うので、ご興味のある方はぜひ遊びに来てください〜〜〜!(参加費無料です!)

イベントの詳細はこちらから

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旅と祭りと湯が好きです。夏の週末は盆踊りで忙しくしています。 意識が高いと思われがちですが、実際はそんなことありません。天気のいい日にお散歩したいだけの、ただの浜田省吾ファンです。

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