エディターのせぶやです。こんにちは。
先日、LIGでライターの募集を始めたんですが、未経験だけどライターになりたいという応募が全体の7割を占めていました。世間でもライターになりたい人って増えてるんですかね。
さて今回は、webや紙の現場で活躍しているライターや編集者から、読んで参考になった本を聞いてきました。これからライターを目指す方も、すでにライターの方も参考になると思います。
恥ずかしながら、僕も知らない本が多かったので、推薦者よりコメントをもらってます。参考にしていただければ。
現役のライター・編集者がオススメしたい本はこれだ!
インタビュー術!
インタビューのいろはが書いてあって、入門的な本とされています。最初の章にぎゅうぎゅうに大事なことが詰め込まれているから、読んでおいて損なし。
伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)山田 ズーニー
フリーランスの表現指導者・山田ズーニーさんの本。テクニックだけじゃなくハート揺さぶる文章の書き方を教えてくれます!
記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集
ライターや編集者なら誰もが持っている「記者ハンドブック」。現場での表記はこの記者ハンドブックを根拠に語られることも多いので、必携の一冊かも。
新しい文章力の教室
ナタリーの社内向け教育ノウハウが、一般向けに加筆修正された本。読みやすい文章にするための手法を200ページに渡り書いてあります。
必ず結果が出るブログ運営テクニック100
キーワードプランナーの使い方とか、hダグの意味とか、webライティングの基礎が書かれているので、webの書き方に慣れていない人に読んで欲しいです。
一億総ツッコミ時代
お笑い芸人の書いた本です。編集論ではないんですが、コンテンツを作るときに考えさせられます。
はじめての編集
編集のHow toについて語られた本ではなく、編集という概念について語られています。紙媒体だけでなく、展覧会やポスターなど、「集めて編むってどういうこと?」に対する答えが書かれていて、面白いです。
僕たちは編集しながら生きている
後藤さんの編集塾「スーパースクール」で教えてきたことを中心に描かれています。いわゆる文の編集術を生活のなかや、より拡張した企画に落とし込む手段や考え方が書かれているので、どちらかというと企画出しのときとかに役立ちそうな本です。
日本語の作文技術
僕からもオススメしたい本を。「読む側にとってわかりやすい文章を書くこと」をテーマに書いている本で、文章の組み立て方がロジカルに説明されています。概念的な本ではないので、僕みたいな理屈屋にピッタリです。
スペクテイター〈33号〉 クリエイティブ文章術
過去の偉人のルポの取り方とか、代表作とかが紹介されていて、お守り的というか何度でも立ち返って読みたい保存版な本です。ちなみに、スペクテイターは「ニューエイジ系」と呼ばれるジャンルの雑誌で、「発酵」とか「コペルニクス的転回」とか毎回テーマがエッジ効いています。
VERY 2010年 09月号
大げさかもしれませんが、読者の潜在欲求を引き出すコピー力という点では、バブル期の糸井重里氏よりも「VERY」が参考になると思っています。2010年9月号の「母さん、夏の終わりに豹になる」はヤバいです。ヒョウ柄が流行ってるけど、母親なんだからこんな派手な服着ちゃいけないと思っている多くのお母さんを救ったと思います。ちなみに、シロガネーゼとかニコタマダムとかいう言葉作ったのも「VERY」です。
「天声人語」朝日新聞
http://www.asahi.com/news/tenseijingo.html
万人が読んでも意味が通じる文章の平たさが何なのかっていう感覚と、起承転結の構成感をつかめるようになるのではと思います。
新聞は、文章の基礎力の底上げにすごくいいです。限られた条件下&ハイスピードな発行タームで、主観を入れず、根拠や事実のみを、万人に分かるように記している媒体って他にありません。うちのライターや出版業界の後輩にも必ず読むようにすすめています。
おまけ:本やハウツー記事を読むだけで文章は上手くなると思いますか?
インプットは大事だけど書いてみて初めてわかることの方が多い(ライターYさん)
インプットした知識やテクニックはアウトプット(経験)しないと定着しないと思ってます。実際、自分もライターになりたてのときはいろんな文章を分析して「型」を割り出し、それを真似て書いていたのですが、書いてみて初めてわかることの方が多かったです。いわゆる「守破離」というやつですね。ハウツー記事を読むのは無駄ではないですが、それだけではドアを開いただけだと思います。
読むだけでも書くだけでもダメ(編集者兼ライターGさん)
読んで満足しててはうまくはならないでしょうね。たくさん書くのも大事だけど、どうしたらわかりやすい文章を書けるのかのハウツーを知ってから書かないとあんま意味がないかもしれません。
読むことと、実践することは1セット(ライターSさん)
学習って「知る」「理解する」「実践する」「無意識にできるまで繰り返す」が必要だと思っていて、繰り返し打席に立たないといけないと思っています。「知る」ことも大事で、頭で理解すると、覚えが早いんですね。だから、読むだけじゃなく、体を動かすことがセットになっていれば、上達するんじゃないでしょうか。フレームワークも思考の方法も無いなかでやると、試行錯誤が多くなって時間がかかりますから……。
ならない(匿名希望さん)
あくまで本やハウツー記事は、その人たちが確立した方法論なので、自分に合っているかわからない。そして時代によって編集は変わっていくし、編集者さんによって何に重きを置くかの編集方針バラバラです。できるだけたくさんの編集者さんとお仕事させてもらって自分のクセとかを知りつつ、都度覚えていったほうが本を読むより絶対に早いです。
だから勉強会とかセミナーにばっかり行ってるライターさんってどうなのかな。その分1記事でも多く書いたほうがいいんじゃないのって思っています。
まとめ
今回は、現役のライターや編集者がオススメする本などをまとめましたが、聞いていくなかでハウツー本を読んだことないライターが何名かいたのも印象的です。聞けば、自分なりに文章の”型”を研究してひたすら書いたり、いい師匠に巡り会たりとか。
ともあれ、書かなければなにも始まらないよってことですよね。すいません。書きます。