インターネットで鶏ハムを作る?IoTの勉強会「IoTLT vol.15」レポート【後編】

インターネットで鶏ハムを作る?IoTの勉強会「IoTLT vol.15」レポート【後編】

うこ

うこ

こんにちは、DevRelチーム・メイカーのうこ(@harmoniko)です。

前回より引き続き、僕の上司ののびすけ主催の「IoTLT」に参加してきたので、本記事でレポートします! イベント前半の様子は以下からどうぞ。

IoTLTとは?

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リレーションズ株式会社の土屋氏とLIGのエンジニアのびすけが主催している、「IoT(Internet of Things)」の勉強会です。これまでに14回開催され、毎回200人を超える参加者を集めています。経緯についてはこちら

 

東京・箱崎にある日本IBMにて、第15回のIoTLTがおこなわれました。さっそくスポンサーLTの開始です!

IoTLT vol.15後半戦

LT8:センサをネットにつなげるためのプログラミングはもういらない?!

登壇者:平間久美子氏&登尾徳誠氏@ニャンパス株式会社

ニャンパス株式会社のお2人による登壇です。普段は越谷で「HaLake」というコワーキングスペースを運営されているそうですが、今回はプロダクトとして、タブレットでどこでもマイコンプログラミングのできる「Robip」と、オリジナルボード「HaLake Kit」を紹介されました。

デモンストレーションとして、実際にこのボードがくっついた小さな扇風機のワイヤレス制御を披露されていました。とても簡単そうですね!

ここでのポイント!
  • タブレットだけでプログラミングできる「Robip」
  • 各種センサとWifi機能(ESP8266搭載)を備えた「Halake kit」
  • IFTTT(さまざまなWebサービス同士を連携させられるもの)経由で、HaLakeのついた扇風機を回してみた

LT9:ソフトウェアアップデートのできるリノベーションハウス

登壇者:木村大介氏@リのべる株式会社

木村氏はもともとエンジニアだったそうですが、会社では基本的にITそのものをやってないそうです。そのかわり、IoTを活用して「古い家に新しい価値を与える」ためのマッチングサービスを運営されています。

これはいわゆる「スマートハウス化」を支援するためのサービスですが、コンセントが足りなくなったり、ケーブルが収納できなくなったりなどの課題がたくさんあるそうです。現在はスマートハウス化してほしいテスターを絶賛募集中とのこと! スライド資料はこちら(Google Docs)からどうぞ。

ここでのポイント!
  • 中古住宅をリノベーションしてスマートハウスに
  • 作る&使ってもらう(アプリ開発&テスト)を同時にできるマッチングサービスを行っている
  • スマートハウス化してほしいテスターを募集中

LT10:印刷工場をエンジニアにハックさせよう

登壇者:加藤信吾氏@株式会社フライデーナイト

今や本や新聞ですら電子化される時代ですが、紙の印刷物にはそれにしかない体験価値がある、と加藤氏。従来、印刷物の生産状況は印刷会社任せで、発注してしまえばあとはコントロールできませんでした。

しかしこの印刷工場の生産ラインをインターネット経由で制御できるようオープンにすることで、印刷物をつくりたい会社のエンジニアが直接的に「印刷工場をハック」することができるようになったといいます。これを実現しているのは「Codenberg.io」というサービスで、7月からβ版を公開、無料で利用できるとのことでした。

ここでのポイント!
  • あらゆるものがIT化される現代でも、印刷物でしか得られない価値がある
  • 印刷物の生産過程をオープンかつアクセス可能にして、エンジニアが印刷サービスを開発できるように
  • 無料で利用できる印刷API「Cordenberg.io」を7月にβ版が公開予定

LT11:ラズパイとAWSで遠隔カメラをつくる

登壇者:酒井氏

Web系のエンジニアにも人気で入手しやすいボード「Raspberry Pi」ですが、豊富なプラットフォームをうまく組み合わせると独自のサービスを作ることもできます。酒井氏はAWSをフルに活用して、Raspberry Piを監視カメラ化してWebに配信する
仕組みを開発されたそうです。

登壇ではカメラの実物を持って来られていましたが、メカメカしい外観がハードウェア好きはそそられますね。

ここでのポイント!
  • 手のひらサイズのコンピュータ「Raspberry Pi」で24時間見れる遠隔監視カメラサービスを構築
  • AWSのEC2、S3、およびCloudfrontを使っている
  • くわしくは公式サイト

LT12:Webが怖い半導体エンジニアだけどIoTはじめました

登壇者:坪井氏

入社時より「電子の気持ちになって設計しろ」と言われてきた半導体エンジニアの坪井氏は、「JSON」で『13日の金曜日』を連想してしまうほどにWebが怖いそうです。でもIoTやるならWebも頑張らないと!ということで、ゴールデンウィーク返上で「冷蔵庫の食材を教えてくれるシステム」を作られました。

Webエンジニアにとってはおなじみのサービス群をさらっと使いこなされていて、ハードウェアな方々がもっともっとIoTのIの世界に入ってきてくれたら素晴らしいだろうな、と思わずにはいられませんでした。このシステムについて詳しく知りたい方はこちら(坪井氏のブログ)をどうぞ。

ここでのポイント!
  • ハードウェアな人からするとWebは怖い、でもIoTはWebもハードも必要
  • 外出先から冷蔵庫の中身を確認できるカメラを作り、さらに画像認識してどの食材があるのかを教えてくれる
  • ハードウェアエンジニアがWebもやるというのはあまり聞かないのでもったいない!

LT13:ラジコンって取り合いになるよね?じゃあみんなで操縦しちゃおう!

登壇者:いわたん氏

ポケモンを100万人でクリアするという「Twitch Plays Pokemon」から発想を得て、「ラジコンをWebにつなげれば同時に操縦できるのでは」、を実現してしまったいわたん氏。

製作されたラジコンは20人まで同時に接続でき、バックエンドサービスにmilkcocoaを利用されています。はじめてでも難なく使えたとのこと。制御に使ったArduinoでは、Webな言語であるJavaScriptでハードウェアが扱える「Johnny-five」で実装されているそうです。

デモンストレーションでは持参されたラジコンを操作するためのURLが公開され、実際にみんなでラジコンを操縦してみました。スライド資料はこちらからどうぞ。

ここでのポイント!
  • 「Twitch Plays Pokemon」をヒントにして、みんなで操縦できるラジコンを作った
  • 電波を出す部分はそのままに、コントロール部分だけをWebブラウザから操作できる
  • WebRTCを利用してカメラ映像も共有!

LT14:IoTはもうすぐ可視化のフェーズへ

登壇者:菅原のびすけ@株式会社LIG

最後のLTは、株式会社LIG・DevRelエンジニアののびすけ。毎回最後に登壇していますが、今回は「データビジュアライズ」をテーマにしています。IoTという言葉は広く浸透してきましたが、それで得られたデータをうまく活用しなければ意味がありません。

そんな膨大なデータも、近頃はWebサービスにかければ一瞬でグラフにされて可視化することができるようになりました。登壇では代表的なIoTビジュアライズ・サービスについての紹介がありましたが、個々についての詳細は以下のスライドからどうぞ。

ここでのポイント!
  • IoTに取り組む人々が増え、データの蓄積→解析と進んでゆくとこれからは可視化が重要になる
  • とても綺麗なUIが使えるもの(例: IoT Dashboard)や、解析と連携しているもの(例:IBM Bluemix)など、いくつもある
  • Web系エンジニアはぜひ使ってみよう

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まとめ & 交流会

以上でLTは終わり、今回も活気のあふれる勉強会となりました。

 

いつもならばLT終了後に懇親会があるのですが、今回の会場である日本IBMでは飲食ができないため、エア乾杯にて交流会をしました。

当日のtwitterまとめはこちら。「おなかすいた」と呟く人がいるなど、非常にゆるい雰囲気が見てとれます。

満員御礼!第15回IoT縛りのIoTLT!鍋やプリンターがネットに繋がるLT – Togetterまとめ

また、こちらのブログでもまとめを書いていただいています。3本立てのボリュームたっぷりな記事です!

次回の告知

51.03

さて、次回と次々回のIoTLTもそれぞれ開催が決まっています! また、この記事を読んでちょっとでも気になった方はぜひぜひお越しくださいませ。一般の参加者のほかにも、登壇してみたい! という方も絶賛募集中です。詳しくは以下のリンクからどうぞ。

次回(第16回)6月29日(水)IoT縛りの勉強会! IoTLT vol.16 @ IDCフロンティア

次々回(第17回)7月19日(火)IoT縛りの勉強会! IoTLT vol.17 @ ヤフー

それでは、また!

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知能ロボット系の研究者を目指す大学生です。 DevRelでかけだしのメイカーとしてモノづくりを実践しています。 うこっけいがあまりに好きすぎてこの名前になりました。 個人でも細々とMake:的な活動をしていたり、ごく稀に音楽を作っていたりもします。 幼少期から春はニワトリを孵し、秋は田んぼで稲を刈っていました。 最近は夏の海に素潜りして魚を突き、冬の山で猟師をはじめつつあります。

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