
こんにちは、DevRelチーム・メイカーのうこ(@harmoniko)です。
幾度かLIGブログで取り上げているのですが、僕の上司であるのびすけが毎月主催している「IoTLT」の第15回が開催されました。参加してきたのでレポートします!
IoTLTとは?

リレーションズ株式会社の土屋氏とLIGのエンジニアのびすけが主催している、「IoT(Internet of Things)」の勉強会です。これまでに14回開催され、毎回200人を超える参加者を集めています。経緯についてはこちら。
東京・箱崎にある日本IBMにて、第15回のIoTLTがおこなわれました。さっそくスポンサーLTの開始です!
まずはスポンサーLTからスタート
IBM Bluemixでワイン樽からクルマの運転支援まで!
登壇者:伊澤諒太氏 @ 株式会社ハタプロ
今回の会場となった日本IBMによるスポンサーLTは、IoTで使えるクラウドサービス「Bluemix」についてでした。「Bluemix User Group(BMXUG)」というコミュニティもあるのでこちらもチェック。
- ここでのポイント!
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- IoTで使えるクラウドサービス「Bluemix」は、オープンソース(誰でも自由に使える)なソフトウェアとの相性が良い
- 人工知能「Watson」も使えて、利用料の予算計上が簡単
- 株式会社ハタプロは、ワインを作ることのできるIoT酒樽(海外向け)から、クルマの運転を分析して「ヒヤリハット事例」を防ぐようなプロダクトまで、IoT製品を幅広く手がけている
LT本編
開始前の挙手によるアンケートでは、一般参加者はWebエンジニアが少なめの印象で、組み込み系のようなハードウェアエンジニアや学生、デザイナーが少しずつ増えてきているようです。
登壇者のほうは、スポンサーLTを含め15名と比較的多い人数でのLT本編開始となりました。
LT1:世の中はおっさんが動かしている。ならばIoTもおっさん向けだ!
登壇者:鈴木康之氏@がじぇっとるねさす
「世の中のトレンドを動かしているのは、おじさん世代である」という理論のもと、IoTサービスをその世代に向けて推進していこうという鈴木氏。CMで流れるネタもおじさん向けだし、Facebookもおじさんが使っている印象が大きいという意見に、聴衆も頷いていました。
日本はおっさん中心で動いてる #iotlt
— 緋夜子@日本酒test success (@hiyoko9191) 2016年5月31日
そんなおじさん達に贈るはがじぇっとるねさすのマイコンボードということで、IoTLTでは毎回、「GR-SAKURA賞」を(自主的に)用意してくださっています。6月18日に、豊洲で新作がじぇるねボードがもらえるイベントが開催されるそうです。詳細はこちら。
- ここでのポイント!
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- IoTのターゲット層は「おじさん世代」なぜなら世の中がそうだから
- 300万社以上ある中小企業の社長や個人事業主もおじさん世代である
- がじぇるねの開発ボード「GR-SAKURA」で50万円のプロトタイプ案件も
LT2:TEDの登壇者がもっている「アレ」がかっこいいので作っちゃいました
登壇者:うらら@株式会社LIG
2人目は株式会社LIG・DevRelエディターのうらら。TEDカンファレンスなどでよく使われる「プレゼンスライド操作用無線リモコン」を作ってみたという話です。
寝落ちしたら魔法のステッキになっていた!! #iotlt pic.twitter.com/vVEubis1lo
— Koshiro (@koshiro1979) 2016年5月31日
このLTに関しては技術的な面で僕(うこ)が多少サポートをしましたが、「魔法のステッキにしたらかわいいのではないか」といううららのアイデアはガジェットに親しみをもてる素敵な工夫だと思いました。
- ここでのポイント!
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- TED Conference(世界的な講演会)の登壇者がもっている、スライドを動かせる「リモコン」を作った
- 手元のXBee(無線モジュール)で、PCにつながったGR-SAKURAを操作してキーボード信号を送る
- 最初は無骨な見た目だったが、ちょっと昼寝して起きたら魔法のステッキになっていた
LT3:多くの人の悩みの種、花粉症をIoTで和らげよう
登壇者:石崎仁一氏
さまざまなハッカソンで活躍されている石崎氏は、今回は万人の悩みの種である花粉症をIoTの力でなんとかするべく、「IoT花粉ブロック」を開発されたそうです。
日本国民の半分は花粉症なのか!花粉症や、湿度、くしゃみの回数で空気清浄機がONになるIoT花粉ブロック。なるほどね。 #iotlt
— ıɥɔnƃɐʇ oʇoʞɐɯ (@jagainu) 2016年5月31日
起床・就寝時のような、自分で花粉対策しづらい時間帯が特につらいと感じる人が多いということで、「くしゃみ」をセンシングして加湿器に電源を入れるという仕組みにしたそうです。まさかくしゃみをトリガーにするとは、なかなか斬新ですよね。
- ここでのポイント!
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- 最近、新たに花粉症になる人が増えている
- 実は空気清浄機よりも加湿器を使ったほうが効果が高いらしい
- 花粉予測・湿度変化・くしゃみ計測で加湿器の電源をONにする「IoT花粉ブロック」を開発
LT4:鍋のインターネット(Internet of Nabe)
登壇者:naotaco氏
調理器具をインターネットにつなげたいと考えたnaotaco氏は、キッチン用品のなかでも安全かつ簡単そうな「鍋」をコネクテッドにしてしまいました。温度をキープしたり、強火弱火に操作したりを自動でやるのは意外と難しいことなのですが、それを「Raspberry Pi」を使ってWebブラウザ経由で実現させています。
「料理はパラメータが多く再現性が低い」めっちゃ同意。。 #iotlt
— てけ (@techeten) 2016年5月31日
さらに、その鍋温度の制御データをレシピサイトで共有したいとのことです。実は似たような製品はすでにあるそうなのですが、自分でつくることでしか気付けないことは非常に多いですので、とても大切ですね。このハイテクな鍋についての詳細はこちら(naotaco氏のブログ)をどうぞ。
- ここでのポイント!
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- 調理器具のなかでもインターネットにつなげやすそうな鍋をハックした
- 温度を制御して鶏むね肉を低温調理したらいいかんじにできた
- レシピサイトで鍋の制御データをシェアできるようにすると、レシピの再現性があがるのでは
LT5:プリンタをもらったのでしゃべった言葉を印刷させてみた
登壇者:山田寛延氏@株式会社イノベーター・ジャパン
がじぇるねの鈴木さんから、GR-SAKURAとなぜかプリンタまでもらってしまった山田氏は、DevRelエンジニアののびすけの記事を参考にして「しゃべった内容を出力するプリンタ」を作られました。
死にたいと呟くと怖いのが出た
面白い #iotlt pic.twitter.com/J8vXhKjazs— Koshiro (@koshiro1979) 2016年5月31日
ただし、プリンタが日本語文字に非対応だったため、言葉そのものを英語に翻訳してしまっていました。「なるほどなるほど」としゃべると「AHA AHA」と翻訳されて出てきたのが個人的にはかなりツボでした。
- ここでのポイント!
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- レシートプリンタをもらったので、GR-SAKURAでなにかできないか考えた
- HelloWorldはさらっとできたので、こちらの記事を参考にして、喋った言葉を印刷させてみた
- プリンタが日本語非対応だったので、英語翻訳サービスを挟んでみたら楽しいことになった
LT6:こどもでも扱える!レゴブロックの制御基板
登壇者:河野悦昌氏@秘密結社オープンフォース
Arduinoは、電子工作の初心者でも比較的つかいやすいボードとして有名ですが、逆にその道のプロからすると貧弱で使い物にならない場合もあります。河野氏は、幅広い世代に人気のある「レゴブロック」を制御するための基板を開発されました。
レゴブロックかわいいなあ #iotlt
— うらら (@LigUrara) 2016年5月31日
Wi-Fiに簡単につなげることのできる「ESP8266」というモジュールを搭載し、わかりやすいピン配置にするなどの配慮もされています。
- ここでのポイント!
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- オープンな開発ボードとして有名なArduinoは組み込み開発者にとってはオモチャ
- 子供のおもちゃとしても、大人が開発ベースとしても使える安くて高機能な「レゴブロック制御基板」を作った
- ESP8266という、安価でそのままWifiの使えるモジュールを利用
LT7:光でお絵描き?!遊んで学べるロボットwordee
登壇者:上田浩氏@JellyWare株式会社
上田氏の属するJellyWareは、「きっかけ作り」「価値づくり」を基本理念において活動するなかで、「オープンイノベーション」(自社以外の団体と協力してプロダクトやサービスを開発すること)によってwordeeというかわいらしいロボットを生みだしました。
すごい! #iotlt pic.twitter.com/efvxHIOmXF
— タカシにヒロシ (@bakuonboogie) 2016年5月31日
見た目とは裏腹に、壁や床にクールな光の文字を描くことができるなど、とても近未来的です。このwordeeは、もうすぐクラウドファンディングを開始するとのこと。またJellyWareは、6月25日にマイコンボードの勉強会を開催するそうです。
- ここでのポイント!
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- 壁や床で動かすと文字や絵を描くことのできる「wordee(ワーディ)」を開発
- オープンイノベーションによってうまれたプロダクトの一つ
- 夏にクラウドファンディングの予定
以上で前半戦の終了です!
次回のイベントレポートは明日公開
ということで今回は、全14個のLTのうち、7つを紹介しました。後半戦のイベントレポートは明日6月17日(金)に公開する予定です。
また、次回と次々回のIoTLTもそれぞれ開催が決まっています! この記事を読んでちょっとでも気になった方はぜひぜひお越しくださいませ登壇してみたい!という方も絶賛募集中です。詳しくは以下のリンクからどうぞ。
次回(第16回)6月29日(水)IoT縛りの勉強会! IoTLT vol.16 @ IDCフロンティア
次々回(第17回)7月19日(火)IoT縛りの勉強会! IoTLT vol.17 @ ヤフー
それでは、また!