マイクロソフト社のビジネスを支えるDevRelの取り組みとは?「DevRel Meetup in Tokyo #4」イベントレポート

マイクロソフト社のビジネスを支えるDevRelの取り組みとは?「DevRel Meetup in Tokyo #4」イベントレポート

21cafe管理人はぎー&えりー

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※本記事は「geechs magazine」より転載・編集した記事です

外部の開発者と関係を構築し、自社製品・サービスを認知してもらう、かつ彼らの意見から更にサービス改善させていく取り組み、DevRel(デブレル)。現在注目されるマーケティング手法であるDevRelですが、その手段はブログやソーシャルメディアなどのオンラインでの発信、勉強会や交流会の実施などのオフラインでの活動と幅広いものです。

そんなDevRelに取り組むエンジニア達が集まる勉強会「DevRel Meetup in Tokyo」。その4回目が先日21cafeで開催されました。

DevRel meetup in Tokyoおなじみの参加者全員の自己紹介から始まり、前半ではコミュニティ主催者の中津川氏から「伝え方とメッセージ」について、後半では日本マイクロソフトでエバンジェリストを務める物江氏から「マイクロソフトにおけるエバンジェリスト活動」について、それぞれお話いただきました。

DevRel Meetup in Tokyo #4

セッション1:メッセージと伝え方

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登壇者:MOONGIFT 代表取締役 中津川篤司氏
エンジニアとして、いくつかの企業を経験したのち独立。オープンソースソフトの技術ブログ『MOONGIFT』にて情報発信をスタートさせる。現在は企業のDevRelを支援する事業を展開。DevRel meetup in Tokyo主催者でもある。

今回の登壇テーマは「メッセージと伝え方」。製品の魅力を伝える為に企業は、製品コンセプトや製品紹介文を提示します。つまり「メッセージ」です。しかし、その表現の仕方によって、発しているはずのメッセージが相手に届いていない場合も多いと中津川氏は指摘します。セッションでは、開発者に届くメッセージを考える上で抑えるべきポイントを紹介。実際の企業の製品コンセプトやWEB上での打ち出し方を、例に見ながら、進行していきました。

「メッセージを受けた人が、当事者意識を持って行動に起こさないと、メッセージを発信する意味はない。」というのが中津川氏の見解です。アクションを起こさせるメッセージとは、”その製品を使うことでどんな良い未来が訪れるか”具体的にイメージさせることができるもの。

日常のコミュニケーションでも言えることですが、自分の伝えたい情報をそのまま長々と説明しても、相手は理解しずらいものです。中津川氏いわく、届くメッセージとは「短く、わかりやすい言葉で、ユニーク」であるとのこと。情報量が増えすぎると、製品の特性がぼやけてユニークさが失われる上に、分かりづらくなります。情報の”断捨離”が届くメッセージ作りに有効な方法のようです。

登壇後の質問タイムでは、「メッセージをコンセプトに落とし込むときの考え方のコツは?」など、実践的な質問が上がりました。それに対し中津川氏だけでなく、他の参加者からも回答が上がるなど、とても盛り上がった様子が印象的でした。

セッション2:マイクロソフトにおけるエバンジェリズム活動

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登壇者:日本マイクロソフト エバンジェリスト 物江修氏
技術者として、ASPサービスの設計と開発やインターネット開発製品のサポートエンジニアを経て、現職のデベロッパー&プラットフォーム統括本部エバンジェリストとなる。以来、ASP.NET、IIS(Webサーバー)の啓発活動に従事。

日本マイクロソフトでエバンジェリトとして活躍する物江氏からは、同社のエバンジェリズム活動のかなり具体的なノウハウを聞くことが出来ました。これは実際に物江氏がそれぞれに担当者に取材して作成したそう! 貴重な情報に、多くの参加者が真剣な表情で耳を傾けていました。

まずは、マイクロソフト社のエバンジェリストの活動について。同社では、エバンジェリストは皆一つの組織に所属し、それぞれ担当分野を持ち活動しているといいます。またオンライン/オフラインにわたり幅広い活動を行っていますが、ブログならPV数、セッションへの登壇なら来場者数と、全てに数値目標が設定されているそうです。

マイクロソフト社には、「開発者に自社技術を採用してもらうこと」を目的とし、学生からコミュニティや法人まで、それぞれのターゲットに向け、DevRelのプログラムがあります。マイクロソフト技術へ貢献した開発者へのアワード(MVP)や利用者への認定試験(MCP)などがそれにあたりますが、ユーザーとのリレーションを強化するため、多くの特典が用意されています。技術者に対し大変手厚いサポートがあるマイクロソフト社。その理由を「マイクロソフトのビジネスはパートナービジネス。パートナー様の成功なければ、マイクロソフトの成功はない。」と物江氏は語ります。

「パートナーがマイクロソフト社の製品を使い、素晴らしいサービス開発をするために、エバンジェリストは”売る”のではなく”伝える”ことをミッションに活動している」という言葉に、同じくDevRelに取り組む参加者から共感を得ていました。

DevRel meetup in Tokyoとは

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「DevRel meetup in Tokyo」ではDevRelの認知度向上やDevRelを行っている企業、グループのための情報共有を行っていくコミュニティです。勉強会の後は交流会も開催していますので、エヴァンジェリストまたはアドボケイト同士で交流の輪を広げていきましょう。

今回は4回目の開催でしたが、次回のmeetupも決定しています。詳細は21cafeのイベント一覧ページでご案内します。前回の「DevRel Meetup in Tokyo #3」の様子はこちら

▼コミュニティ主催者
MOONGIFT 代表取締役 中津川篤司氏

▼公式アカウント
ハッシュタグ:#devreljp 

Connpassグループ:http://devrel.connpass.com/

今後も随時イベント情報を更新していきます。

21cafeの勉強会などのイベント情報はこちらをチェック!

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渋谷のエンジニア向けイベントスペース21cafe(ニイイチカフェ)の管理人「はぎー」と「えりー」、通称はぎえり。21cafeはギークス株式会社が運営する無料のイベントスペース。エンジニアのコミュニティ活動の支援として、LT大会やハンズオン等の勉強会の会場を提供しています。はぎえりは、開催される技術イベントの運営サポートやレポートを行っています。

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