こんにちは、はじめまして。10月からLIGにジョインしている、フロントエンドエンジニアのほりでーです。
突然ですが、人前に出るのは得意ですか? 僕は全然得意ではありません。
高校では1日中寝たフリで授業をやり過ごしていましたし、大学はリア充に囲まれているのがいたたまれず早々に中退しました。
そんな自分がLIGに入社してすぐのとき、CTOからすごく軽いノリで社外勉強会のスピーカーとして誘われ、登壇することになってしまったんです。しかもLT(ライトニング・トーク)のように5分で終わるものではなく、25分も話す結構長いやつ……。
人前で話すことが苦手なので、本番までにさまざまな準備をおこないました。そのかいあって、登壇は無事に終了。
今回の記事では、本番までに僕がおこなった準備についてご紹介していきたいと思います。
まずは社内勉強会を企画しました
いきなり社外勉強会に登壇するのはハードルが高かったので、まずは60分の社内勉強会を企画してみました。
社内勉強会の結果は……
スライドをしっかりと作り込み、準備万端の状態で挑んだ社内勉強会。
「がんばって資料作ったんだから、後はこれを見ながら流れで説明すればなんとかなるよね。社内の人ならそんなに緊張もしないだろうし。」
そんな気持ちで発表に臨んだのですが、人が集まるにつれて緊張が高まっていき……その結果、頭が真っ白に……!!
完全にプレゼンが下手な人の発表になってしまいました。
社内勉強会で失敗した原因とは?
本番でそうならないために、社内勉強会で失敗した原因を振り返ってみました。
スライドを大画面で開いたら、Keynoteの「発表者ノート」に記録したカンペが読めなかった
Keynoteでスライドを作成したのですが、事前に「発表者ノート」という機能でカンペを入れていたんです。しかし、パソコンの画面をプロジェクターにミラーリングさせる際、スライドを大画面で開いた状態にするんですね。この状態では「発表者ノート」が読めなくなるという罠があったんです。
スライドを始めてからそのことに気付いたのですが、もう後の祭り。勢いで突入したものの、全編アドリブ状態で勉強会をやり切ることに。
スライドを棒読みしている
カンペが読めないとなると、スライドを追いながら言いたかったことを思い出さなければなりません。しかし、「次に来るスライドが何かわからない」ほど頭が真っ白になっていたので、スライドをめくっては文字を読み上げるだけの展開に……。
発表などの場において、発表者はスライドの内容以上の情報を喋らなければ、その場にいる意味がないと思います。すごく恥ずかしかった……。
時間配分が考えられていない
スライドは80枚ほど用意したので「これなら60分くらい余裕じゃないか」と高をくくっていました。でも、気がつくとまだ15分しかたってないのに半分以上のスライドを消費してしまっていたのです。
結局30分でネタが尽きてしまい、そこで勉強会は終了となりました……。
社外勉強会の登壇に向けて対策した6つのこと
社内勉強会で失敗してしまったので、「がんばって資料を作ったのになんで上手くいかないんだ〜」という思いで、改善点を探してみました。このままだと入社早々、上司の前で大恥をかくことになってしまうので、僕は必死です。
反省を生かした上で対策した6つのことをご紹介します。
1. カンペは信頼性の高いもので作る
発表に使うノートPCやスマホにカンペを入れると、画面をミラーリングモードにするときや発表中にアプリが強制終了したとき、カンペを見れなくなる可能性があります。発表中という緊張した状態でPCやスマホのトラブルに対応するのは、慣れるまでは難しいかもしれません。
僕はKeynoteの発表者ノートで痛い目を見たので、自信が付くまでは紙でカンペを出力することにしました。ほとんどのものを電子化で済ませるタイプですが、スピーチのカンペはアナログの方が安心できます。
2. スピーチ原稿を起こす
よく「原稿を棒読みしているスピーチは良くない」という話を聞きますし、それは正しいと思います。とは言え、発表内容がスラスラと言葉に出てこないのであれば、スピーチ原稿自体は作った方が良いでしょう。
何も話せなくなるよりは原稿を棒読みした方がまだマシです。
「頭が真っ白になって次に何を話せばいいのかわからない!」といった状況になっても、台本があるとなんとかなるので、とても心強いです。
3. スピーチに合わせてスライドを作る
Keynoteはトランジションがとても綺麗なので、まるでムービーを作るような気持ちでたくさんトランジションを入れてスライドを作成していました。眺めるにはとても綺麗です。でも、トランジションを入れすぎると自分が話していることとスライドの同期がとりづらくなってしまうことがわかりました。
「こういうことなんです!」とスライドを切り替えた瞬間に言いたくても、トランジションで2秒くらい遅延するなんてことも。こうなってしまっては、スピーチの流れが中断されて、台無しになってしまいます。まずはトランジションを使わないでスライドを作り、ここぞいうところで使ってみるのが良いかもしれません。
4. 言葉にして自然な発表内容を考える
スピーチがうまくいかない理由が分かった。これまではスピーチ原稿を作らず、スライドを頼りに言葉を組み立てていた。僕の作るスライドはドキュメントっぽく、黙読で意味は理解できても口語として自然な語順や接続は全く意識されていなかった。結果、スライドの内容は普通なのに、語りが変になっていた
— hokkey (@y_hokkey) 2015, 12月 1
僕はこれまで、スライドを書類として考えていました。書類であれば言いたいことを箇条書きで端的に書くことができるし、図やキャプションを使用すればイメージを伝えることができます。
しかし、それをそのまま言葉で表現しようとしたとき、上手くいくとは限りません。普段Slideshareなどを見ていると、書類としての側面ばかり考えてしまいますが、発表者のトークあってのスライドなんだということが、今更ながらわかったように思います。
5. ゆっくりと抑揚を付けながら話す
早口で話すと、せっかく用意したスライドや原稿を短時間で消費してしまうだけでなく、なにより聞いてくれている人が聞きとりづらいスピーチになってしまいます。
原稿を読み上げるにしても、淡々と読むよりは抑揚や身振りを付けた方がスピーチっぽい印象になります。読点を多めに入れて大袈裟に間を空けてみたり、ポイントとなる単語の前後で間を空けたりするとそれっぽくなるような気がします。
6. 恥ずかしいから一人で練習する
以上のことを本番でできるようになるためには、練習以外に方法はありません。
でも、誰かがいるところで練習するのは恥ずかしいものです。ある程度型になっていれば、リハーサルのように人に聞いてもらうのも良いと思います。僕はまず、もっと初歩的な練習(発声方法や声の調子、用意した原稿に違和感がないかの確認など)をしてみたくなったので、生まれて初めてひとりカラオケを利用してみることに。
行ってみたひとりカラオケでは、分厚いドアとまるでラジオ局の放送設備のようなマイクとヘッドフォンがあり、誰にも自分の声を聞かれることなく、思う存分自分のしゃべり方を練習できる環境がありました。自分の声を良いマイクを通してヘッドフォンで聞くと、「今の声の感じはキモかったな〜」とか「こうやって話すとちょっと感じ良いな〜」というのが嫌でもわかります。同じ箇所を何度も言い直したり発声方法を変えてみたりと、思う存分スピーチや発声の練習ができます。
ひとりカラオケの環境がかなり気に入ったので、自宅でも練習できる環境を整えることに。早速、ニコ生などでも評判の良いSONYのUSBマイクと、モニタリング用の安めのヘッドフォンを購入しました。MacOSXでマイクの入力を直接ヘッドフォンに出すにはLineInというソフトがおすすめです。ときどき練習するのであれば、コスパ的にはこちらがお得です。
そして迎えた本番
本番はやっぱりメチャクチャ緊張しました。
でも、何度も手直しして練習したスピーチ原稿と、スピーチを補完する方針でまとめたスライドのおかげで、無事にほぼ25分ぴったりの時間で発表を終えることができました。
そのときのスライドはこちら。発表の内容については、また別の機会で記事にしたいと思います!
まとめ【発表できるエンジニアはリア充っぽい】
IT系の勉強会はくだけた雰囲気のものが多く、ゆるい雰囲気で発表している方が多い印象を受けます。
「自分もそんな感じでやれるかな?」という気持ちで社内勉強会をやってみましたが、とてもそんな風にできるキャラではありませんでした。
ナチュラルに発表慣れしている意識高い系リア充IT技術者達の影で、ガチガチに緊張して上手く発表もできない非リア……。そんな被害妄想を克服していくためにも、不慣れな発表にチャレンジしていきたいと思います。