こんにちは、LIGのヨシキ(@moriri_nyo)です。もう恋愛というかコミュニケーション全般苦手です。でも、彼女は欲しい。もう、ほんと、深刻に欲しい。
そんな僕を置き去りにするように、最近「彼女(彼氏)いない歴数年ということを気にしない人が増えている」というようなアンケート結果をよく見かけます。
草食化というか、恋愛への無関心化というか、一言でいうと「恋人つくるのが面倒くさいから」という若者心理らしいです。(なんだ、その高みは。)
ただ、その期間にどれだけ本人が苦痛を感じるかについては、結局「片思いをしてるかどうか」に左右されるのではないでしょうか。
そこで本日は、特にこじらせ型の片思いをしがちな人にこそ読んでほしい漫画・『げんしけん』を紹介します。
げんしけん(1) (アフタヌーンコミックス)
- 著者木尾士目
- 出版日2002/12/18
- 商品ランキング50,595位
- Kindle版172ページ
- 出版社講談社
こじらせ型片思いがよくわかる漫画・『げんしけん』
片思いの漫画はどうも切なくて苦手、という方も安心してお読みください。こちら、あまり切なくありません。
- 『げんしけん』とは
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漫画・アニメ・ゲーム・コスプレなどのオタクが集まる大学サークル「現代視覚文化研究会(略称・げんしけん)」内での日常を描いた作品です。
基本的にはオタクの“生態あるある”や“パロディ”などを中心としたコメディなのですが、オタクでない人(元ネタがわからない人)も、青春観察バラエティ的に十分楽しめます。
本作品で主軸のテーマの1つとなっているのが、班目(まだらめ)というオタクの男の子による、咲(さき)という後輩の非オタクの女の子への「こじらせた片思い」です。期間は実に四年間。大学卒業後、社会人になってもひきずってます。
うっかりこじらせた片思いが数年続いてしまう、というのは現実でもよくあること。その場合、「告白して振られる」「次の新しい相手を見つける」など、何らかの気持ちを切り替えるキッカケが必要となります。
時間が経てば忘れられる、というのは案外難しいのではないでしょうか。
ただ、恋愛偏差値が低い人、いわゆる非モテは、この切り替え作業がすごく下手なんだと思います。なにせ自分がそうなので。
ゴールではなく現状維持こそ心地よいと感じる心理状態
片思いこじらせ漫画はたくさん存在しますが、班目が特徴的なのは、その徹底的な「何もしない」姿勢です。
班目が片思いを続けた四年間の中で、咲との進展はほぼ何もありません。ある意味で彼には最初から、この片思いをどうにかしよう、という意思そのものが存在しません。
恋愛下手ゆえのちょっかいの出し方や、かまってちゃん心理は時折みえますが、進展のためのアクションは何も無し。
厄介なのが、咲は「オタク(自分)と対極にあるオシャレで今風の女の子で、オタク的な活動を心底嫌っており、最初から彼氏持ち」という“絶対無理”な条件が揃った相手であること。
つまり「無理とわかっているからこそ、逆に好きなままでいられる」という心理状況がキープできる相手。傷つきたくない、を通り越え、変化しないこと自体が最優先となっているので、この絶対の無理感こそ、彼にとっての理想像なのです。
そのくせ、大学卒業後も「咲に会えるかもしれない」という偶然だけを期待して、部室を頻繁に訪れたりします。会っても何もしないのに、恋をしている自分という心理だけは保ち続けます。
これはもう「恋をしている自分の正当化」と「失恋する自分を防ぐ」という両立を目指しており、ゴールしないことが唯一のゴールと化しているのです。