「広告って邪魔だと思いませんか?」大御所コピーライター谷山雅計さんに質問してみた

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ナッツ

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質問3. マス広告の手口が減ったいま、広告は具体的にどう変わるべきなのでしょうか?

谷山雅計 08
もちろん共通認識がゼロになったわけではない。ただ、ある意味では日本人は同一民族なんだけど、多民族国家みたいな広告のつくり方をしなければいけなくなっていくのかなと思っています。

多民族国家は全員に共通する物語というのが少ないので、シンプルなユーモアとか、これなら全員わかるだろというのを広告に盛り込んで、いい広告をつくっていくわけです。日本は「これでわかるでしょ」というのがあったのに、これからももっと共通のストーリーがなくなって、欧米型の広告をつくらないといけなくなってくるのかなと。

ただ面白いのは、日本人はアイデアではなく「トーン&マナーで動く」という習性がありまして。文化問わずに「紅葉が美しいなぁ」という気持ちは人間は誰しも持っているわけですが、「そうだ 京都、行こう。」とかってコピーとしては素晴らしいけど特別なアイデアはないわけですよ。欧米型の広告みたいにビックリするアイデアとか、サプライズがあるわけではない。
だけど、「そうだ 京都、行こう。」といって美しい紅葉の写真が出ると「おぉ〜、京都行こう!」と思うのが日本人だったりして。そういうのはなくならないかもしれないけど、僕もまだ54歳なんでこれからのことを考えなきゃなって思いますね(笑)

これまで外国の賞とかってアイデア合戦としては素晴らしいけど、日本の共通認識を使ってきた人間からしたら、受賞することが偉いことだとは思ってなかったんだけども。
こんだけ日本の社会が変わってくると、「なるほど、今後は欧米の人たちに見せても分かるものにしないといけないのかな」という気もしてきました。

まとめ

終始、「ふむふむ、なるほど!」と思ってしまうお話でした。
特に興味深いなと感じたのは、

日本人は同一民族なんだけど、多民族国家みたいな広告のつくり方をしなければいけなくなるかも

ということ。
もし多民族国家型CMが日本の広告業界でも普及し、どんどんアイデア合戦が生まれたら……。
ジャン=クロード・ヴァン・ダムが2台のトラックの上で開脚していくようなCMが、日本でも生まれてくるのかもしれません。

今後、日本の広告クリエイティブがどう変わっていくのか、楽しみですね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

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北海道生まれ、ナッツです。文章書いたり、写真撮ったり、撮られたりしています。好きな映画監督はウディ・アレン。がんばります。■ 個人ブログもやってます。

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