こんにちは、LIGMOチームのmisakiです。
野尻湖オフィスの朝活コーヒーに対抗して、わたしは今、囲炉裏の前でコーヒーを飲んでいます。
「日本の冬は、囲炉裏であったまろう」とタイトルをつけたくなるような囲炉裏のあるこの場所。実はカフェでもなければ、古民家でもありません。
ここは、東日本橋に新しくできたホステル「IRORI Hostel and Kitchen」の1階スペース。2015年10月にオープンしたIRORIさんは、問屋街が立ち並ぶ東日本橋・馬喰横山町エリアに位置し、「日本のローカルな魅力に触れたい旅人へ」というコンセプトのもと運営しています。
最寄駅はなんと3つ(馬喰町駅・東日本橋駅・馬喰横山駅)もあり、そのひとつである都営浅草線東日本橋駅は成田空港にも羽田空港へ行くにも一本。しかも駅から徒歩5分圏内と、アクセス的にもうれしい!
今回は、そんなできたてほやほやの「IRORI Hostel and Kitchen」に潜入してきました!
いざ、IRORIへ潜入!
IRORIさんを案内してくれたのは、広報の金子さん(左)とプロデューサーの中尾さん(右)。大人の女性オーラが漂うおふたりにいろいろと教えていただきましょう♩
さて、エレベーターで7階へあがると、早速、第一宿泊者発見! 「あ、見つかっちゃった」とはにかみながら、テラスでなにやら食べている様子です!
サンフランシスコからやってきたという彼。鍋いっぱいに、フルーツグラノーラと牛乳を入れて、太陽の光を浴びながら朝食を楽しんでいました。豪快な朝食スタイルはさすがアメリカ人! 会話はもちろん、英語。東日本橋にいることをついつい忘れてしまいます。
そんな彼の豪快スタイルに負けない、IRORIさんのこだわりをみていきましょう。
こだわり1. 壁の色や照明が階によって違う!
エレベーターホールをふと見上げると目についたのは見慣れないデザインの照明。
広報の金子さんが、照明に対するこだわりを教えてくれました。
「フロアごとに照明を変えているのですが、どれも日本でつくられたものだけを使っています。7階の照明は青森県のブナでできていて、夜になると燃えるようなオレンジ色になるんですよ」 |
他のフロアの照明はこちら。照明だけではなく、階によって壁の色も違うこだわりぶり!
暗くするとこんな感じ。インテリア好きにはたまりませんね!
こだわり2. 木のぬくもりと安心感あふれる部屋でカラダを癒せる!
はじめての土地はわくわくドキドキして、いつもより長く歩いてしまうもの。いっぱい動かしたカラダを癒してくれるIRORIさんの客室をのぞいてみましょう!!
おじゃましまーすっ!
のれんをかき分けると、約20個のベッドが並ぶ客室が。
ベッドは、高知県の四万十森林を守る活動をしている団体からの特注品で、スタッフの皆さんが一つひとつ手で丁寧に組み立てたとのこと。
馬喰横山町の繁栄に欠かせなかった「のれん分け」に由来して、IRORIでものれんによってベッドを仕切っています。日本の文化を感じながら、カラダを休めることができますね。
男女混合ドミトリー
3,4階の男女混合ドミトリーには、2つのベッドタイプがあります。
こちらは、1泊3,000円の2段ベッドタイプ。
ゆっくりしたいときは定員1名のセミダブルベッドタイプ(1人1泊3,500円)もあります。部屋数が限られているので、お早めのご予約を!
女性ドミトリー
ピンクを基調とした5階は女性のためのスペース。
2段ベッドのドミトリータイプで、1泊3,300円です。3,000円ちょっとで、女性でも安心して都心に泊まれるのはうれしいですね!!
「2015年12月18日まで、男女混合ドミトリーは2,500円、女性ドミトリーは2,800円という期間限定価格で宿泊いただけます!」 |
こだわり3. 囲炉裏でココロもカラダもポカポカに!
広々としたオープンスペースの1階には、キッチンと2個の囲炉裏が並んでいます。囲炉裏ってなかなか目にしないので、何度見てもテンションが上がります!
囲炉裏で使った炭でも捨てるのかなと思っていた3つの穴は、熱燗をあたためるときに使うものだそう。うう〜、これからの季節はやっぱり熱燗ですよね〜!
エイヒレの炙りを片手に熱燗をくいっと一杯……なんて妄想をしながら囲炉裏をじーっと見つめていたら、金子さんが囲炉裏に火を灯してくれました。
1Fスペースは 18:00〜23:00 でbar営業をしており、宿泊者以外でも1ドリンク頼めば囲炉裏を利用できるそうです。
この囲炉裏、実はちょっとしたドラマがあったと、金子さんは語ります。
「囲炉裏探しが難航していたときに、“囲炉裏をゆずってくれる方いませんか?” とFacebookで呼びかけたんですよ。そしたら、宮城のとある方が『わたしの家で眠っている囲炉裏をぜひ使ってください!』とメッセージを送ってくれて。 先日、その方がIRORIへ遊びに来てくれたんですが、『家ではゴミみたいに置かれていたので、今は大勢のヒトに囲まれながら火を灯しているのがうれしいです』と喜んでくれました」 |
IRORIでは「日本の良いものに触れてもらうために、日本製のものにこだわる」との強い思いもあり、囲炉裏や照明の素材が日本のどこから来たのかをゲストにも知ってほしいと、フロントのうしろにはスタッフお手製の日本地図が。こだわりのIRORIグッズの産地が描かれていました。
地方と旅人をつなぐ“IRORI”の使命とは?
そんなIRORIを運営している株式会社R.projectさんは、もともと千葉県を中心に合宿事業をメインに展開していました。今回ゲストハウスのIRORIをつくるに至った裏話を、代表の丹埜(たんの)さんに伺いました!
人物紹介:株式会社R. project代表取締役・丹埜 倫(たんの ろん) 1977年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、ドイツ証券東京支店、リーマンブラザーズ証券東京支店に勤務したのち、2006年に株式会社R.projectを設立。地域と深く関わりながら、都会や海外からの人の流れを創出し、地方の活性化を目指している。 |
—ゲストハウスを運営しようと思ったキッカケは?
会社を立ち上げた当初から、千葉で合宿施設を運営しています。そこにバックパッカーも泊まれるようにしていたんですが、千葉ってほとんど外国人が来ないんですよ。そんなこともあり、地方に外国人を呼び込みたいという思いがありました。
しかし、千葉を目的地にしても、外国人が集まってこないのはわかっていたので、東京に拠点をつくり、東京に泊まるヒトたちに対して、ぼくたちの運営する施設や地域を紹介していったら、ヒトの流れをつくれるのではと感じました。
そうこう考えているうちに、実際に都内の外国人観光客が増えてきたのと、手頃の値段で泊まれる宿泊施設の需要が増えていることに気づき、外国人を地方に直接送り届けるのではなく、まずは経由地としての東京に拠点をつくろうと決断しました。
—なぜ場所を東日本橋に?
地域を限定して探していたわけではありませんが、都心部の便利なところで、賃料がそんなに高くなく、外国人がおもしろいと思うものがあるところを選びましたね。また、この東日本橋エリアって問屋街なんですよ。買い物をするわけではないんですが、見てるだけでもおもしろい風景がたくさんあります。
アクセスが良いわりに、賃料も安くて、日本らしいおもしろい風景がある。この3つがこの東日本橋にした決め手ですね。
—見学中、“日本らしさ” を大事にしていることがとても伝わってきました。とくに、丹埜さんが一番こだわったところとは?
やはり 「囲炉裏」ですね。とくに外国人は自炊をするのが好きな方が多いです。ただ単に、安くすませたいという理由だけではなく、地域のスーパーで知らない土地の食材を買ってなにかつくってみたいとか、つくりながらたまたま横にいた知らない人と仲良くなってみたいとか。
自炊をしながら日本らしさを感じてほしい、という意味を込めて「囲炉裏」をおきました。囲炉裏は、日本式自炊の象徴と感じています。
—IRORIを運営しているスタッフさんについて教えてください。
現在スタッフは7人で、そのうち5人が女性です。スタッフとのコミュニケーションがゲストハウス滞在の楽しみのひとつと考えているので、採用の際も英語が話せる以上にコミュニケーション能力を見ました。
結果的に旅行会社に勤めていたヒト、ゲストハウスの立ち上げを転々と経験してきたヒト、スポーツクラブのスタッフをしていたバイリンガルのヒトなど、おもしろいスタッフが集まりましたね。
フロントのうしろにある日本地図、表の看板もスタッフお手製です。浅草のバーで働いている子がいるんですが、彼女は囲炉裏の使い方を教えるのが上手で、まさにお客さんを輪に入れるのが得意なんですよね。スタッフそれぞれの良さがIRORIに反映されているので、本当ににぎやかな空間になりました。
—スタッフ一人ひとりがカタチにしているんですね。今後、IRORIをどのような空間にしていきたいと考えていますか?
“IRORI” だからできるアプローチをしていきたいです。
IRORI流のアプローチは、「直接、人と話す」ということと、「食材」だと思っています。地方の食材を囲炉裏などを使って料理し、食べながらその地域のことを話し、その地域を知ってもらう。
どのゲストハウスにも共通していますが、ゲストハウスの特徴は「時間を共有できる」ということですので、共有する時間を大事にしながら、日本の地方の魅力を伝えていければと思いますね。外国人観光客だけではなく、地方の人たちにもIRORIにどんどん足を運んでいただいて、イベントをどんどん開催していきたいです。
そして、京都や名古屋などの地方都市だけではなくて、魅力的だけどまだ知られてないようなところへヒトの流れがつくれたらおもしろいなと思います。
IRORIが地方への出発拠点になる、そんな存在になりたいですね。
取材を終えて……「やっぱりゲストハウスはおもしろい!」
地方と旅人を結ぶべく、今宵も囲炉裏とスタッフのあたたかさで旅人の心に新しい火を灯してくれるIRORIさん。
フロントの日本地図を見ながら、「東京からここまではどのくらいかかるの?」とスタッフに質問したり、囲炉裏をかこみながらお互いの生まれ育った土地を語り合ったりする宿泊客たちの様子が自然と目に浮かびました。
学生時代に21カ国へ足を運び、いろいろなゲストハウスに泊まった身として思うのは、「やっぱりゲストハウスの空間・そこに集まるヒトはおもしろい!」ということ。
今後、IRORIさんでは地方のイベントを積極的に開催していくそうなので、「最近、旅をしていないな」と非日常な空間を味わいたい方はもちろん、自分の地元を外国人観光客に伝えたいという方にもピッタリな空間です!
【「IRORI」イベントスケジュール】
▷ 11/3(火)【島根】木次酒造をたのしむ夜
▷ 11/11(水)【秋田】『トラ男×IRORI』コラボイベントきりたんぽワークショップ
※ 今後も様々なイベントを開催予定です! 気になる方はぜひ参加してみてくださいね!