こんにちは、インターンの野上です。私は大学の研究で「可視化」について学んでいるので、今回は可視化をうまく利用しており、新たな情報価値が生まれていると感じたサイトをまとめてみました。
そもそも可視化とは、どういうことを指しているのか、知っている人も知らない人もここで確認しておきましょう。
可視化とは
可視化とは、人間が直接「見る」ことのできない現象・事象・関係性を「見る」ことのできるもの(画像・グラフ・図・表など)にすることをいう。視覚化・可視化情報化・視覚情報化ということもある。
英語の “visualization”, “visualize” に相当し、そのままビジュアリゼーション・ビジュアライゼーションと称されることもある。
出典:可視化 – Wikipedia
最近流行のインフォグラフィックなんかも可視化の一例になると思いますが、可視化させることによって、数値などのデータをグラフや図に変化させ、もともとあった情報の価値をさらに見出すことができます。
とは言え、よくわからない、という感想がほとんどだと思いますので、どのようなサイトが、どのようなデータを可視化させているのか、実例を交えて紹介していきます。
可視化を利用したウェブサイトまとめ
The Internet map
インターネットの世界が宇宙のように可視化されるサイト「The Internet map」です。ウェブサイトは全て円形に表示され、円の大きさはそのサイトへのトラフィック量に比例しています。
水色はアメリカ、紫は日本と、国によって色が判別されており、特に大きいのがアメリカのGoogleであることがわかります。日本ではYahoo!が一番大きく、次にGoogleでした。アメブロも大きいですねー!
拡大すると奥深ーくまで見ることができるので、楽しいです。でも、LIGが見つからない!どこにあるんじゃ!
Cybermap
https://cybermap.kaspersky.com/
アンチウイルスソフトなどのセキュリティソフトを提供するカスペルスキーが作成した「Cybermap」は、サイバー攻撃が世界中でどれくらい起きているのかをリアルタイムで可視化するサイト。
アクセスしてみると、地球上に緑や青の綺麗な線がにぎやかに飛び交うのですが、これは残念ながらすべてサイバー攻撃を表しています。
色の違いは攻撃の種類を表現しており、右のアイコンをクリックすると、地球儀表示から世界地図表示に切り替えることも可能。見ていてとても美しいのですが、コトがコトだけに、あまり喜ばしいことではないですね…
nicter
https://www.nicter.jp/nw_public/scripts/index.php#nicter
※現在はサービスを終了しています。
「nicter」は、独立行政法人情報通信研究機構が運営するウェブサイトであり、ダークネット(IPアドレスの使われていない領域)を観測し、日本に対して行われているサイバー攻撃をリアルタイムに可視化しています。
青や赤などの線が日本に向かって飛んできており、色によって攻撃の種類もわかります。もう一度言いますが、これはリアルタイムです。
国家がものすごい攻撃に晒されていることから、セキュリティを強化する必要が大切ということがよくわかります。
A WORLD OF TWEETS
https://aworldoftweets.frogdesign.com/
※現在はサービスを終了しています。
「A WORLD OF TWEETS」は、Twitterを利用してツイートされた場所を世界規模のヒートマップにして可視化してくれるサイトです。
他にも、サテライト表示やスモーキー表示、3D表示ができる3Dviewモードなどもあり、見ているだけでも楽しめます。
日本のツイート数は、現在世界で5番目。アジアではインドネシアのツイート数が多いなど、ツイートに関する様々な情報を視覚的に理解することができます。
Tweetping
先ほど紹介したA WORLD OF TWEETSと同様、ツイートされた位置を世界規模で表示するサイトである「tweetping」。アクセスすると真っ暗な世界地図が表示され、ツイートされた地点が明るく表示されます。
まるで世界地図の夜景のようですが、こんなロマンチックな可視化もあるのです。
地図の下には、各地域のツイート数やワード数、そのほかにも最新のハッシュタグが表示されます。日本もきれいに光っていますね。
Twitter GNIP
https://www.mapbox.com/labs/twitter-gnip/brands/#5/38.000/-95.000
世界中のツイートを端末情報で判別し、世界中のスマートフォンやガラケーの普及率を可視化できるサイト「Twitter GNIP」です。
情報もかなり詳細で、拡大してもかなり細かいところまで表示されるのがすごい。試しに日本を見てみると、色の分布からAndordよりiPhoneのユーザ数が多いことがわかります。
他にも、日本にはBlackberryユーザーがあまりいないことなど、動向を瞬時に把握することができます。
hivemindmap
※現在はサービスを終了しています。
Twitterで利用されるハッシュタグを、マインドマップのように可視化することができるサイト「HiveMindmap」。拡大してみると、ハッシュタグの関連性を知ることができます。
そのほか、サイトに搭載されているカレンダーを見てみると、今週話題になっているハッシュタグをチェックすることが可能です。イソギンチャクみたいですね〜。
それにしても、Twitter関連の可視化が多いのは、やはり注目度の高いビッグデータであるということでしょうか。
Submarine Cable Map 2014
https://submarine-cable-map-2014.telegeography.com/
一見、なんも変哲もない普通の世界地図に見えますが、なんとこの地図、海底に沈んている海底ケーブルがどこからどこへ繋がっているのか可視化できる地図なのです。
ちなみに、こちらのサイトは静的な可視化であり、他のサイトのように動きはありませんが、年々海底ケーブルが増えていくのを見ると、見えないところで世界は繋がっているということがわかります。
東京都風速
ちょっと趣向を変えて、東京都の風の流れを可視化することができるサイト「東京都風速」をご紹介します。こちらは東京都環境局と、国土交通省政策局が公開しているデータを利用し作成されたそう。
公開されている資料を見たとしても、そのままでは全然興味を示さない分野だと思いますが、このように可視化することによって、「見て楽しい」という新たな価値を生み出すことができるのではないかと思います。
earth wind map
https://earth.nullschool.net/#current/wind/surface/level/orthographic=-179.81,0.70,429
先ほど紹介した東京都風速と同じように、風の流れを可視化できるサイトですが、なんと「earth wind map」では世界規模で風の流れを確認できるのです。東京都風速と同じように、アメリカ国立気象局の気象データを利用して、風の流れを可視化しています。
地球儀をクリックすると、そのポイントの風速なども見ることができます。Modeで切り替えれば、風の流れの他に海流まで見れちゃいます!すごいですねー!ワクワクします。
Music Timeline
https://music-timeline.appspot.com/#
※現在はサービスを終了しています。
今度は音楽の歴史を扱った可視化サイト。年代が変わると、ファッションのスタイルが変わるように、音楽のジャンルの人気度も変化するものですが、それを可視化できるのが「music timeline」です。
こうして見ると1950〜60年代のJazzの人気度はすごいですね。そこからはRockの人気が拍車にかかることがわかります。下にはジャンルに分類された様々なアルバムのジャケットが表示されており、クリックすると本来は視聴できるらしいのですが、日本では著作権の問題で利用できない状態になっています。悔しい…
Top World Cup Players on Facebook, Day by Day
https://www.nytimes.com/interactive/2010/07/02/sports/soccer/facebook-worldcup.html
2010年、ワールドカップ期間中に、Facebook内でどの選手がその日話題になったのかを、選手の大きさで表したキャンペーンサイト「Top World Cup Players on Facebook, Day by Day」です。肯定的、否定的な投稿を共に算出している模様。
ちなみに日本の本田選手が大きく表示されているのは、6月14日でした。W杯決勝では、優勝国スペインの代表イニエスタ選手が話題になり、堂々と大きく表示されています。4年後の今年もこのようなキャンペーンは行われるのでしょうか。
カゼミル+
※現在はサービスを終了しています。
風邪をひいたときにお世話になる風邪薬「エスタック」などを販売しているエスエス製薬が提供しているサイト「カゼミル+」。東京大学・知の想像化センターの技術提供を受け、風邪に関するツイートのみを自動抽出する「カゼミルエンジン」を用いており、高精度なツイートの抽出を可能にしています。
各地の天気予報と、抽出した風邪の流行情報をうまく組み合わせ、一週間先の風邪話題度を予測することができるようになっています。こんなこともできるだなんて、すごすぎる…!
日本のお野菜収穫量
http://infographic.jp/nippon-yasai/
なんと最後は、野菜。小学生の頃に、社会の勉強で都道府県の野菜の収穫量などを学ぶ機会ってありましたよね。でも、例えば県ごとのキャベツの生産量が全国に占める割合を実際にイメージにするのは難しいと思ったこともありました。
しかしこのサイト、「日本のお野菜収穫量」を見れば、野菜の収穫量が都道府県別に色と円の大きさで表現されており、わかりやすく知識を整理することができます。ちなみにトマトを含めた5種類の野菜に対応しています。
まとめ
いかがでしたか。最近ではビックデータがビジネスや社会を支えるカギだと言われていますが、今までただの数値だったものや、そのままではあまり価値の見えなかったデータでも、このように可視化することで、新たな価値を見出すことができ、新しいサービスやシステムが生まれるきっかけになるかもしれません。
本来人に見ることのできないものを可視化するという発想を、ぜひ皆さんにも参考にしていただき、世界を変えるチャンスをつかんでほしいと思います。それでは、また!
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