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「とりあえずビール!」が生まれたワケ―戦後ニッポンビール事情―

岡山史興

「とりあえずビール!」文化が生まれた2つのワケ

瀬尾
実は、いまの話がまさに戦後の「とりあえずビール!」という文化が生まれた理由の1つなんです。
岡山
えっ?
瀬尾
「とりあえずビール!」が生まれた要因は2つあると言われています。
1つは冷蔵庫の普及。戦前は氷を入れて使うタイプの冷蔵庫しかなかったので、電気冷蔵庫は家庭に普及していなかったんですね。電気冷蔵庫の普及によって1日の終わりにビールを飲むのが一般的になっていったとのこと。
もう1つは戦後復興による経済成長の存在です。せっせと働く当時の日本人と爽快なビールの相性がバツグンであることに気付いたビール会社や飲食店が、「働く人の飲み物」というイメージで訴求していったことで、仕事終わりの「とりあえずビール!」が一般的になっていったんです。

 
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岡山
インフラとマーケティングと時代背景がうまく合致していったんですね。
瀬尾
はい。瞬冷式のサーバーの登場もその風潮を後押ししました。常温で流通できて卸した先で冷やせるわけですから、当然ビールの普及に拍車がかかっていきます。
岡山
いまこうしてビールで1日の疲れを癒やすことができるのも、先人のおかげなんですね・・・。

カウンター・カルチャーとしてのクラフトビール・トレンド

瀬尾
最近、クラフトビールが流行っていますよね。あれは、これまでの「とりあえずビール!」文化からの脱皮を示す、ビール史における1つの大きな転換を示していると思っています。
岡山
と言うと?
瀬尾
ビールが「働く人の飲み物」として市民権を得た戦後の時代、ビールのCMやポスターってだいたいエロい系のものが多かったんですが、最近そういったものって減ったと思いませんか?

 
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「ビール ポスター」で画像検索の結果

岡山
確かに言われてみれば・・・。
瀬尾
これまでのビールは、大量生産・大量消費時代の流れを汲んでいて「男性のための飲み物」というイメージが強かったのですが、現在は飲み方も飲む人も多様なニーズを抱えています。
消費スタイルも「良いものをカジュアルに」という方向へ変わっていて。それを示すのがクラフトビール・トレンドなのではないかと。
岡山
確かに女性でビールが好きという方は増えていますが、一昔前の「飲むのが好き」というよりも「プロダクトを楽しんでいる」感覚が強い気がしますね。

 

ビールのトレンドは社会の流れを映している?

瀬尾
ビールのトレンドというのは面白いもので、個々の企業の思惑というよりは、社会状況に翻弄され、反映し続けてきた歴史だと思うんです。
明治期の連合形成や戦争の煽りを受けた希少化、戦後の大量生産・大量消費も、狙って作られたというよりは社会の流れを映し出した結果そのようになってきたと。
岡山
深いですね・・・。
瀬尾
現在のクラフトビール・トレンドもリアルなコミュニティと連動していることが多いので、“人や地域が再度つながっていく動きの中にビールがあった”ということだと思っています。
岡山
ありがとうございました。今夜飲むビールは歴史の味がしそうです。
瀬尾
とは言え、ビールは自由で楽しいもの。どんどん美味しいビールが生まれてくることを考えるとワクワクします。なにより、そのワクワクとともにビールを飲み続けていたいですね(笑)

まとめ

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「戦後ニッポンのビール事情」、いかがでしたか?

最近は飲み屋での一杯目にもたくさんの選択肢があり、若い世代ではビール離れが進んでいるとも言われていますが、こんな歴史に出会えるのは長い歴史を持つビールならではですね。

まだまだ暑い日が続くニッポン。電気冷蔵庫やビアサーバーに感謝しながら、今夜も「とりあえずビール」を楽しんでみては?

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