こんにちは。ディレクターのまさしです。
先日、弊社が運営する「いいオフィス」は、「ベンチャーと自治体で起こすオープンイノベーション~自治体×ベンチャーマッチングイベント~」というイベントを開催しました。
このイベントのように、公的機関と民間企業がマッチングし、プロジェクトを進めていく動きは今後ますます加速していくと思います。
そこで今回、株式会社うるるさんの入札情報速報サービス「NJSS」にサポートいただき、国や自治体と仕事をするチャンスや実績づくりに適した「入札」の参加資格を取得しました。
今後、仕事の幅を広げたいと考えている中小企業やベンチャー企業の方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも入札ってなに?
あまり聞き慣れない言葉ですが、「入札」とはなんでしょうか?
入札とは、仕事の発注者である官公庁などの公的機関が、最も良い条件を提案した事業者と売買・請負の契約をする方法です。
国や自治体などの公的機関(=官公庁)が事業者に業務を依頼するときは、国民や市民の税金を使っています。税金を使うのですから、最も適正な金額や内容などの条件で依頼する必要があるのです。
そのため、基本的に官公庁は入札によって仕事を発注しています。
入札を利用するメリットとは?
入札で仕事を受注するとは、すなわち「官公庁の受託先となる」ということです。入札を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1. 売上の大幅な上昇が期待できる
まず、売上の大幅な上昇が期待できます。なぜなら案件ひとつあたりの単価が幅広く、数十万円のものもあれば数千万円のものもあるからです。
高単価の案件を落札することができれば、大きな収入の柱になることでしょう。
2. 行政や自治体との仕事で信頼度がアップ
行政や自治体といった公的機関と取引ができることで、社外からの信頼度が抜群に上がると言えます。
信頼は次の仕事を生むものですから、入札の参加資格を取ったばかりで実績を作りたい企業や、規模の大きな案件を受注していきたい企業におすすめです。
また、公的機関との取引の場合、報酬の未払いなどが発生しないというメリットもあります。安心して取引ができるところも魅力です。
3. 自社の強みを活かせる
競争原理が働く入札市場には、「行政や各省庁、地方公共団体や財団法人などと取引をするのは大手企業だ」というイメージを抱くかもしれません。
しかし、じつは一般競争入札は門戸が広いのです。自社の技術力や企画力、あるいはコスト削減力などの強みを活かすことが、落札につながります。
4. 営業をしなくても仕事を得られる
電話営業や飛び込み営業などで案件を探さなくても、入札市場では随時なにかしらの案件が発注されています。コンペ形式になることが多いですが、営業コストがかからないというのは大きなメリットですね。
また、民間の場合は案件数が景気に左右されますが、公的機関の場合はほぼ変わりません。むしろ景気対策で増えることもあるそうです。
次は、実際にどんな案件があるのかを抜粋して見てみましょう。
入札にはどんな案件があるの?
官公庁が発注する仕事の種類は本当に豊富です。
僕もはじめは「土木建築関係くらいの仕事しかないだろう」と思っていましたが、意外にもそうではありませんでした。例えば、学校や市役所の職員さんが使う文房具や飲食料品、またティッシュや洗剤などの消耗品も、入札を使って依頼をしています。
その他にも、クリエイティブ系の制作会社におすすめしたいのは、
- 東京都にある武蔵村山市役所の「観光PR映像制作委託」
- 大阪府の「豊中市 PR 冊子『とよなか物語』制作業務委託」
など。
また、茨城県では「鉾田うまかっぺフェスタ’15開催企画運営業務委託」といったフェスの企画、運営の仕事などが発注されています。さらにペーパーレス化を進めている行政では、情報システムの運営・改修・保守点検の仕事の発注が山のように……。
と、軽く挙げただけでもわかるように、中小企業やLIGのようなWeb系ベンチャー企業でも受注のできそうな仕事が、多く発注されています。
契約方式の種類
官公庁との契約方式は、主に3つに分類されます。
1. 一般競争契約
「一般競争契約」では、「一般競争入札」を行って契約を決めます。複数ある入札形式の中で、最も一般的な形式です。
一般競争入札とは、官公庁が入札者を指定せず、公募する方法。入札参加資格を所持している全ての企業が参加できます。企業は必要書類や提案書を提出し、見積もり金額を提案します。複数の提案の中から、一番条件の良い提案をした企業が落札できます。
2. 指名競争契約
「指名競争契約」では、「指名競争入札」を行って契約相手を決めます。
指名競争入札とは、入札に参加できる企業を官公庁が決めて、見積もりをいくつかの事業者に依頼する入札です。そのため、一般競争入札と比べると参加に制限がありますが、発注機関への業者登録を行い、案件ベースでの「会社等級、技術者適正、地理的状況」を踏まえて機関側から指名をもらえれば、参加できるようになります。
3. 随意契約
「随意契約」とは、入札を行わずに、官公庁が発注先となる事業者を複数社指定する方式です。特定の1社との契約金額が適正であるか否かを判断するために、通常は複数の企業から見積書を提出してもらい、好条件の相手と官公庁は契約します。
具体的な契約方式としては、自社の技術力や企画力で勝負できる「企画競争入札」があります。価格よりも、質を重視している企業が落札しやすい入札方式です。案件数にも触れておきましょう。
企画競争入札の案件は、入札案件約150万件中の2〜3%程度の割合です。少ない!と思うかもしれませんが、案件数にすると、約30,000〜45,000件ほど。一般競争入札よりも件数が絞られているので、自社に合う案件を見つけやすい、というメリットもあります。
ということで、入札市場での代表的な方式を3つご紹介しました。
「一般競争契約」で実績を積めば、「指名競争契約」や「随意契約」方式で発注者から依頼をもらうチャンスがありますよ!
入札に参加する方法は?
それでは、どうすれば入札に参加できるのでしょうか。
「入札参加資格」を取得しよう
入札に参加するためには、「入札参加資格」が必要です。
行政や各省庁などといった公的機関の発注案件は、「全省庁統一資格」を持っていれば、誰でも入札に参加できます。
財団法人や社団法人、独立行政法人などの中央省庁と関係する外郭団体の場合は、独自の参加資格が必要なケースもありますが、「全省庁統一資格」があれば主要な団体は押さえられるそうです。
(案件によってはPマークやISO、同種同規模の請負実績などが、入札参加の条件になる場合もあります。)
また都道府県庁・市区町村などの地方自治体の場合は、独自の参加資格が必要になることがあります。(自治体によっては共通の資格を用意していることもあります。)
ちなみに入札参加資格は、1度取得すると最大3年間有効です。パスポートのように有効期限があるということを覚えておきましょう。
なお、入札参加資格は、
- 受付機関である官公庁の窓口に郵送または持参する
- インターネットから申請する
- 申請を代行してくれる企業または行政書士に依頼して取得する
といった方法で取得できます。
入札参加資格の申請を代行してもらおう
今回LIGでは、記事作成をサポートしていただいた入札情報速報サービス「NJSS」に、入札参加資格の申請代行を委託しました。
その理由は2つあります。
理由1:入札取引の機会損失をする可能性がある
入札参加資格について調べたところ、申請作業にコストをかけると、取引の機会損失をする可能性があると知ったからです。
- 入札参加資格を申請するために必要な記載項目が多い
- 発注機関によって必要な参加資格が異なるため、どの資格を取るべきかわかりにくい
- 記載項目にひとつでも間違いがあれば、申請を受け付けてもらえない
といった課題から、入札参加資格の取得までに時間がかかり、その間、入札するチャンスを逃すことになります。
理由2:提出書類の用意に手間と時間がかかる
入札参加資格の申請時には、必要に応じて、申請書以外にも下記のような書類を官公庁に提出する必要があるからです。
- 登記事項証明書 登記事項証明書 (法人の場合のみ)
- 営業経歴書
- 財務諸表納税証明書
- 資格審査結果通知書(新規申請の場合不要)
- 委任状
- 外字届
- 減価償却に関する明細書の確認(リース資産計上時)
このような書類を担当者だけで用意するのは、時間がかかりそうですよね。言い換えれば、このハードルの高さこそ「入札市場への参入障壁になっている」と言えるかもしれません。
入札には参加したい、でも「申請に時間をかけたくない」「本業に専念したい」「どの資格を取るべきか悩ましい」という気持ちがあるなら、まずは専門家に相談・依頼してみることをおすすめします。
入札情報を効率的に収集しよう
申請の代行を依頼してから、約2週間で入札参加資格を取得できました。資格の取得後は、自社に合った入札案件を探しましょう!
案件探しには、入札情報サービスを利用して効率的に情報を収集するのがおすすめです。入札情報サービスとは、利用者が入札情報を一括で得られるサービスです。各省庁や自治体のサイト上で掲載している入札情報を、ひとつのサイトに集めてくれています。
入札市場には約150万件もの発注案件、5500以上の発注機関サイトがあるので、そのひとつひとつを随時チェックして自社に合った入札情報を探すだけでも一苦労……。しかも入札案件は、基本的に省庁や自治体などの各サイトの、深い階層に隠れるように掲載されています。
「入札案件を探すのは大変だ!」という、企業の不満を解決してくれる本当に便利なサービスですよ。
「NJSS」国内最大級の入札情報サイト
ここで、今回、入札に関する基礎知識を教えてくれた「NJSS」をあらためてご紹介します。
「NJSS」は国内最大級の入札情報速報サービスで、入札参加資格の申請を代行してもらった後、そのままサービスを利用して入札に参加しました。
- 約5500ある発注機関からの情報を集め、660万件の案件を登録中
- 効率的に入札情報の収集をサポートするだけではなく、入札市場分析や競合分析もできる情報提供
- 常駐しているアドバイザーに相談可能
企業として、「仕事の幅を広げたい」「大型案件を受注したい」「信頼度を向上させたい」という項目に当てはまる点があるなら、まずは入札参加資格を取得してみてはいかがでしょうか。
>>入札情報速報サービスNJSSへのお問い合わせはこちら<<
入札市場で落札するためには、いい案件を見つけることが肝です。そのための情報収集は惜しまないようにしたいですね。
スピードや技術力に強みのある企業が入札市場へ進出すれば、多くのビジネスチャンスを掴むことができるはずです。
それでは、また。