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2014.06.30

企業情報の分析に役立つ決算書(損益計算書)の読み方の解説

安達裕哉

こんにちは、ライターのあだちです。さて、みなさんは「決算書」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、平たく言えば会社の成績表です。よく新聞やニュースなどで、「経常利益90%減」「営業利益20%増」などと聞きますが、私はかつて「ええ?利益が90%も減っちゃったの?会社は潰れないの?」と思っていました。

しかし、決算書が読めるようになれば、これが正確ではない感想だとわかり、「ああ、なるほどね」と(一応)冷静に見ることができるようになるはずです。企業経営や投資に興味がある人にとっては必須の知識なので、知っておいて損はないでしょう。

それでは、はじめます。

決算書の読み方

1. 決算書の種類

と、その前に。決算書は正式には「財務諸表」と呼ばれていますが、大きく以下の4つがあります。

  • 貸借対照表(B/S)
  • 損益計算書(P/L)
  • キャッシュ・フロー計算書(C/S)
  • 株主資本等変動計算書(S/S)

このうち、初心者に最も取っ付きやすく、覚えやすいのが「損益計算書(P/L)」です。したがって「決算書を読めるようになりたい」という方はまず、損益計算書の読み方を覚え、それから貸借対照表(B/S)の読み方を覚えると良いと思います。

キャッシュ・フロー計算書や株主資本等変動計算書は、本格的な財務分析をするために、もう少し突っ込んで勉強したい方だけ見ればいいでしょう。

2. 決算書はどこで手に入るか

株式公開をしている会社であれば、ほとんどはWebサイトの「IR情報」というメニューから入手することができます。また、「EDINET」と呼ばれる電子開示システムにより、電子化された決算書を閲覧できます。

なお、「決算書」は「有価証券報告書」の一部なので、ウェブサイトにおいては「有価証券報告書」という名前の資料を探すと良いでしょう。

また、株式を公開していない、非公開企業の決算書は通常、外部の人が勝手に見ることはできません。

3. 損益計算書(P/L)の読み方

さて、ここからは、一番取っ付きやすいとご紹介した、損益計算書について説明します。

損益計算書でもっとも重要な項目である「利益」のには、全部で5つの種類があります。

その内訳は、売上総利益営業利益経常利益税引前当期純利益当期純利益です。

損益計算書は、この5つの「利益」を計算するために、存在しています。それぞれの利益について、以下に詳しくご紹介します。

a. 売上総利益

売上高から売上原価を差し引いた数字を「売上総利益」といいます。別名は「粗利(あらり)」です。

売上はわかりやすいと思いますが、「売上原価」とは何でしょう。これは、商品を「作る」ために要したお金の総額です。

IT/Web関連であれば、多くはプログラマーなどの開発者の給与などの人件費になるでしょう。一方、製造業などでは部品代などの材料費も原価として扱われます。

ですから、売上総利益率(粗利率)の高い会社は、ものをより安く、効率よく作ることに長けている、と考えられます。

b. 営業利益

売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた数字を「営業利益」といいます。

販売費はわかりやすいですね。営業活動やマーケティング活動などに要したお金です。主要な費用は広告宣伝費です。

一般管理費はマネジメントをするためのお金や、会社全体の運営にかかる費用です。役員報酬や管理職の給料、複数のソフトに関わるプロジェクトマネジャーの給与、システム運用費などが含まれます。

ざっくりとした内訳も有価証券報告書の中に書いてありますので、興味のある方はご覧いただくと良いと思います。

営業利益は、その企業の「本業で儲ける力」を表していますので、5つの利益の中でもっとも重要な項目と言えます。

c. 経常利益

ケイツネなどと呼ばれている利益です。営業利益から営業外収益を足し、営業外費用を差し引いた数字です。

営業外収益は、いわゆる企業の“財テク”によって発生したお金を指します。たとえば、少し現金が余っていたので、子会社に現金を貸し出してその利息収入があった、その利息は「営業外収益」です。

逆に銀行からお金を借りていて、利息を支払った場合は「営業外費用」といいます。また、為替の上下により発生した利益や損失もここに計上されます。

経常利益は、「財テク」の腕前も含めた企業の総合力を表しています。バブルの頃には、営業利益はさほどでもないが、経常利益は非常に大きい、なんていう企業もありました。本業で儲かっていないので、あまりよい経営とはいえませんが。

d. 税引前当期純利益

経常利益から特別利益を足し、特別損失を引いた数字が税引前当期純利益です。

“特別”という言葉の響きが、何か大層なものを感じさせますが、実際には“今年限りの”という意味で使われています。

すなわち、特別利益は“今年限りの一過性の利益”であり、特別損失は“今年限りの一過性の損失”ということです。

例えば、火災が発生して商品が焼けてしまった、という損失は特別損失です。また、“リストラで、退職金を増やした”という場合もリストラ費用として特別損失に計上します。

逆に、土地を売った、子会社を売ったなどで得たお金も一過性なので特別利益です。

経常利益が赤字なのに、純利益が黒字、という会社は、土地などを売って無理やり黒字にしている、ということです。

e. 当期純利益

税引前当期純利益から法人税を引くと、ようやく会社が自由にできるお金が手元に残ります。これは、新しく設備を購入するなどの投資に充てたり、株主に配当したり、あるいは従業員に「決算ボーナス」として賞与を支給するときの原資になります。

売上に比べるとずいぶんと小さい数字になってしまいます。企業が自由に使えるお金は意外に少ない、ということがお分かりいただけたかと思います。

まとめ

いかがでしたか。5つの利益さえ押さえていれば、損益計算書は非常にカンタンに読むことができます。ただし、損益計算書などは1年分だけ読んでもあまり意味がありません。例えば「営業利益率10%」が良いのか悪いのかは、他の企業と比較したり、あるいは別の年度と比較したりしなければ、判断がつかないからです。

ですから、最低3年分、できれば5年分の決算書と、競合他社の決算書を比較して眺めていただくと、この会社の力がどの程度なのか、よくわかると思います。

以上のことがわかっていると、また違った目でニュースを読み解くことができるようになります。ぜひ、試してみてください。