文房具とは簡単にこだわりをアピールできるオシャレ小物のひとつで、
無印良品などのシンプル系やたくさん装飾が施されたゴテゴテ系など、個性が出るものです。
最近では小学生ですらパソコンでレポートを書く時代だと言われていますが、
まだまだ人類は死ぬまで文房具と付き合っていくのが普通。
浅草橋駅から徒歩5分、日本文具資料館があります。
今では多様性に溢れる文房具ですが、200年前はペン1つ作るのに多くの技術者が頭を悩ませていました。
その文房具の歴史と発展を見られるということで、さっそく向かいました。
外観です。ちょっと入りづらいですが、勇気を出しましょう。
受付で名簿に記入し、さっそく中へ。
入ってすぐ、目の前に展示されているのは中国のアンティークな硯(すずり)。
こんなカッコいい硯初めて見た。牛の頭の部分しか使うところない。
小学生の時に書道道具に入っていた四角いだけの硯とはもうワケが違います。
牛や麒麟、ぶどう、ナスなどのデザインが施された硯たちがズラリ。
中国の細かな装飾がとてもきれいでした。
こんなに荘厳な硯が世の中にあったとは。
入って右側はこのようにガラスケースが並んでおり、セクションごとに説明書きがありました。
筆記具は6万年前から存在し、8000年ほど前に記録の伝達手段として発展したそうです。
竹ペン、葦ペン、羽ペン、スタイラス(蝋板に書くためのペン)など古代の様々なペンが並んでいました。
特に羽ペンは紀元前2000年頃〜19世紀まで使われていたペン界の大御所。古代ギリシャで誕生しました。
最も使われていたのは鷲の羽。1番良いのは外側から2番目と3番目の左翼の羽で、春に抜いたものだそうです。ホントかよ。
レトロな鉛筆の懸紙。とってもキュートです。
奥から「徳川家康の鉛筆」「伊達政宗の鉛筆」「現在の鉛筆」です。国産の鉛筆第一号として考えられているんだとか。
400年も前から鉛筆は存在していたんですね。今のものより短いです。
こちらは「矢立」という筆記具。
墨つぼがついた携帯用の筆記具で、江戸時代に日本で発明されたものです。
何もかもコンパクトにしたい日本人のこころが表れていますね…
ペン先も展示してありました。
18世紀頃に大量生産に成功し、1872年に日本に輸入されました。
適量のインクを出すために何年も試行錯誤が繰り返されたそうです。
なんでも鑑定団に出したらものすごい値段が出されるようなオールドな計算機がずらり。
17世紀にフランスの物理学者がつくりだしたのが最初とのこと。
「計算機」といえばもちろんこれも…
そろばんです。現在のような形は中国から16世紀に輸入されました。
ロシアやメキシコなどいろんな国のそろばんがあり、それぞれちょっと違っていておもしろいです。
インクをいちいちつけるのが面倒だ、という考えから万年筆やボールペンが誕生しました。
それぞれ100年ほど前のペンがこのようにきれいに並べられています。
うっとりするような欧米のオシャレペンに釘付け。
昔のものは本当にひとつひとつのデザインが凝っていて見惚れますよね。
だってこれ筆立てですよ。筆立て。
ヨーロッパのペーパーナイフのデザインがまんま剣でした。奥から3番目とかモロ中世の剣です。
このように往年の映画に出てきそうな可愛いタイプライターも。
英字だとシンプルで良いですね。
見てくださいこの和字タイプライター。果てしない、果てしないよ。
パソコンが生まれて本当に良かったです。
日本文具資料館のパンフレットにはこう書いてありました。
人類の歴史と文具の歴史との相互関係を解明して、後世への研究資料を残し、将来の発展のための基盤を提供したいと思います。古代からの文化も、文字が発明され、それを記録することにより、後世に伝わってきました。人間の歴史と文化の中で筆記具の果した役割は大きいと言えましょう。
世の中に「歴史」を作り出すには文房具なしではあり得ませんでした。
歴史に乗ってやってきた文房具に出会い、想いを馳せてみるのも良いかもしれません。
ぜひぜひ、行ってみてくださいね。
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日本文具資料館
http://www.nihon-bungu-shiryoukan.com/
東京都台東区柳橋1-1-15
開館時間 13:00-16:00(土、日、祝日は閉館)
観覧料 無料