伝説のアパート、最後の生き残り。83年目の呼吸を聞く。「上野下アパート」

伝説のアパート、最後の生き残り。83年目の呼吸を聞く。「上野下アパート」

たかち

たかち

この写真…どこかで見たことがありますよね。


そう。弊社HPのデザイナーブログのカバー写真です。

上野駅から浅草通り方面に徒歩数分。
80年以上も呼吸をし続けているアパートが、ひっそりと佇んでいるのをご存知でしょうか。
下町、レトロ、 建築あたりに興味のある方にはとっても有名なスポット。

「同潤会上野下アパート」です。

同潤会アパート(どうじゅんかいアパート)は、財団法人同潤会が大正時代末期から昭和時代初期にかけて東京・横浜の各地に建設した集合住宅の総称である。同潤会は1923年(大正12年)に発生した関東大震災の復興支援のために設立された団体であり、同潤会アパートは耐久性を高めるべく鉄筋コンクリート構造で建設され、当時としては先進的な設計や装備がなされていた。

下町を中心に多くのアパートが建てられましたが、現存しているのはこちらの上野下アパートのみ、とのこと。

今回はこちらのアパートに行ってきました。

上野駅から浅草通りをまっすぐ、稲荷町まで歩きます。


左折すると現れるアットホームなおにぎり屋さんを横目に、また左折。


気にかけなかったらなんでもないような風景ですが、見つけた一瞬そのたたずまいにドキッとします。


到着。ここぞとばかりに白の剥がれた表札です。

 
入り口には、怒りの忠告が貼られていました。

築80年越えでも、立派なアパート。住んでいる方がいらっしゃいます。
訪れる方は勝手に敷地内に入らないようにしましょうね。

ここに限った話ではなく、世界中のいろんな居住区が珍しがられて観光地化され、住民が迷惑していることがあります。
文化、歴史のある建築物の保存に興味を持つのは素晴らしい事ですが、居住区民のプライバシーを守る事も大切です。


しかし、吸い込まれそうになる。左に見えるのは「ゴミを落っことす」ダストシュート。


正面です。
入り口から香るノスタルジーに、ドキドキが止まりません。

黄土色の壁なんですが、あちこちに灰色の亀裂が入っています。
パンチしたらぼろっといってしまいそうです。ここが上野だなんて。

 
花もちらほら咲いていました。しかし、春の息吹もここの雰囲気にはかないません。

 
ベランダにはTシャツや靴下が干されていたり、生活感が漂います。
塀の向こうの83年間に、五感が痺れますね。


アパートの隙間を電線が無造作に伸びています。
元はあずき色だったんでしょうか、窓の屋根。すっかり褪せてしまっています。


1階部分は改築され、クリーニング屋さんなどのお店が並んでいます。


見上げれば、くたびれた手すりと非現実的な生活感が。

人も建築も文化も何もかも、酸化してゆっくりなくなってしまうものです。
こちらの上野下アパートも取り壊しや改築が検討されているとのこと。
いつ大きな地震がくるかもわかりませんし、訪れるならお早めに。

わたしは終始ここの不思議な雰囲気に惹き込まれ、どきどきしっぱなしでした。
家賃が気になるところですね。
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同潤会上野下アパート
東京都台東区東上野5-4
 

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LIGインターン生のたかちです。LIGの自社メディア『温泉JAPAN』にて日本一周湯巡り旅を連載、現在はメディアディレクターです。お酒と温泉と写真が好き。

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