LIGでフロントエンドエンジニアをしているいとしゅんです。
Slackのtimesに、日々気になったWebサイトやWeb関連ニュースをメモのように残しているのですが、社内でも「参考になる」と言ってもらえることが多いので、月ごとにまとめて公開しています。
今回は2026年8月版として、気になったサイト・ツール・読みものをジャンル別にまとめます。Web制作に携わる方のインプットの参考になればうれしいです。
▼前回の記事はこちら 今月フロントエンドエンジニアが気になったWebサイト・ニュース20選【2026.7】
今月気になった「Webサイト・表現」
Lama Lama
Amsterdam拠点のクリエイティブエージェンシー。「all in or not at all」を体現したブランドサイト。WebGL+GSAPで構成し、Awwwards SOTDとDeveloper Awardをダブル受賞しています。
GRAIR
https://grair.undreamstudio.com/
シネマティックなジュエリー体験サイト。暗紫の空間に配置されるジュエリーをスクロール=カメラワークで見せるThree.jsサイトで、照明・構図・空白を主役にしたブランド体験を演出しています。
Noomo Showcase(Noomo Agency)
https://showcase.noomoagency.com
制作会社の実績ページを「ショーリール」ではなく没入型ショーケースとして作り直した例。Salesforce / AMD / Coinbase 案件を 3D + GSAP + ストーリーテリングで見せていて、Awwwards SOTD + Developer Award を8/1に受賞しています。
Making Software
https://www.makingsoftware.com/
「普段使ってるものが実際どう動いているか」を図解で説明するリファレンス本のサイト。
全32章がearly accessで読めて、600点超のイラストとそれを読ませるためのレイアウト設計が見どころです。シェーダーの章もあります。
Hiroto Sato ポートフォリオ
白と黒2色を基調としたミニマルパレットに、3D/WebGL/GSAP/Blenderのインタラクションを載せた個人ポートフォリオ。クリエイティビティ評価は最高点で、色数を抑えたぶん動きや質感の作り込みが前に出る構成になっています。
Awwwards SOTD + Developer Award(2026-07-17、スコア7.33)
a-lign studio
スロベニア拠点の小規模Web制作スタジオの自社サイト。アワード狙いではなく「ビジュアルより先に事業とユーザーを理解する」姿勢を掲げる少人数スタジオで、OsmoのGSAP系コンポーネント(HLS背景動画・スクランブルテキストカーソル・ページトランジション等)を使って構築されています。
Vero New-York(Rodéo studio × plutot.cool)
ウェディングドレスを永続する彫刻作品に変換する高級感溢れるブランドサイト。WebGL + Next.js + Sanityで、素材の質感と時間の永続性を空間的に演出しています。
Awwwards SOTD を8/9に受賞。
PX PUSH(Stud Creative House)
Freedom Tech向けサブスクデザインスタジオのサイト。80年代コーポレートのCRT演出をNuxt + Three.js + GSAPで再現しています。
Jリーグ公式サイト
J1〜J3の試合速報・順位表・チケット・動画コンテンツ・初心者向けガイドまでを束ねる大規模スポーツポータルサイト。Next.jsベースで構築されていて、膨大な情報量をリーグ別のナビゲーションで整理しています。
「はじめての方へ」導線がトップにしっかり置かれているのも印象的で、ファン層の裾野を広げるための情報設計として見どころが多いサイトです。
NPO法人日本タイポグラフィ協会(サイトリニューアル)
NPO法人日本タイポグラフィ協会のサイトリニューアル。文字組みの専門団体が、自らのサイトで文字組みを体現しているのが面白いところです。
タイポグラフィ年鑑2027のエントリーサイトも別立てで整備されていて、団体・展示・刊行物をまたぐ情報設計の国内事例として参考になりそうです。
武蔵新田こころクリニック
https://musashinitta-cocoro.com/
東急多摩川線・武蔵新田駅近くの心療内科・精神科のサイト。色調と余白だけで「通院のハードルを下げる」ことを実現していて、緊張感のあるジャンルでの見せ方の良い参考になると思いました。
今月気になった「ツール・プラットフォーム」
Amicro — React用アニメーションライブラリ(OSS)
ローダー・ホバー・ボタン・トランジションを収録したReact向けアニメライブラリ。
Three.js プロシージャル建物ジェネレーター(OSS)
https://github.com/achrefelouafi/BuildingGeneratorThreeJS
GPUインスタンシングでリアルタイムに雪・雨・濡れ表現。BlenderのGeometry NodesをTypeScriptに移植しており、ソースも公開されています。
今月気になった「ニュース・読みもの」
技術周りのトピックス
Claude Security Plugin — ターミナルで動く脆弱性スキャナー(ベータ)。Claude Code内で /security 起動。マップ→推論→横断チェック→二重チェック→パッチ提案のマルチエージェント型。
MCP 新仕様「2026-07-28」リリース — プロトコルがステートレス化。セッションIDと初期化ハンドシェイクを廃止してリクエスト/レスポンス型に。Lambda / Cloudflare Workers / Vercel Edge にMCPサーバーを置けるようになった。
Claude Opus 4.1 が 8/5 にAPI退役、旧 Workbench は 8/17 廃止。モデルIDをハードコードしているスクリプトは8/5以降エラーになる。実験的プロンプトAPI 3種も8/17で同時廃止。
Three.js r185 リリース — ナナイト風ラスタライザーとTSLグラウンドスカイボックスを正式実装。`webgpu_compute_nanite-style` サンプルだった仮想化ジオメトリ処理が正式機能に昇格。超高密度メッシュをWebGPUコンピュートで捌く選択肢が増えた。
Three.js r186 — WebGPU/TSLネイティブのGaussian Splattingレンダラーが開発ブランチへ統合。base Three.jsを除き約7KBの軽量実装で、PLY/SPZ/SPLAT/KSPLAT/glTFに対応。外部ライブラリなしでGaussian Splatをブラウザ描画できる公式ルートができそうです。
Claude Code v2.1.227 — claude-code-actionのBash全失敗バグ修正、Maxプランの誤プロンプト修正。GitHub Actions上でallowed_non_write_usersを有効にするとBashが全部落ちるバグの修正です。CI組み込みで運用しているチームが増えている証拠でもあります。
Claude Code v2.1.234 — 使用量上限リセット後のセッション自動継続、認証情報漏洩対策の強化。これまで上限に達すると手動再起動が必要でしたが、リセットを検知して自動で再開してくれるようになりました。また、remote file read や CLAUDE.md includes などが Windows NT-namespace パスを弾くようになり、NTLM資格情報漏洩への対策も強化されています。長時間の自律タスクを目を離した状態で回す運用に地味に効きそうです。
取り組み・カルチャー紹介
AIエージェントにDESIGN.mdを渡す効果を74件計測した記事。「働くメモ」的なmd管理の効き目を定量で見せてくれるのが貴重。
エンジニアの82%が外部発信、92%が何らかのアウトプットをしているという集計です。AIを使って専門外の技術(Swiftなど)に挑戦する事例もあって、読む・作る習慣の実態が数字で見えるのが貴重です。
X、クリエイター収益分配プログラムを9/7で終了 → Original Content Rewards Programへ移行。新制度はPremium加入+フォロワー500+90日で50万インプレッションが条件。オリジナル投稿を評価する設計で、自作作品を主役にする運用方針とは相性が良さそう。
2026年の調査で、AI生成コードのレビュー時間が週11.4時間と、自分で書く時間(9.8時間)を上回ったという記事です。AIで書く速度が上がっても、ボトルネックがレビューに移動しただけかもしれない、という視点が考えさせられます。
AIを並列で回しても人間側がボトルネックになる話。メンタルモデル数を絞る・割り込みを事前設計する・判断を選別する、の3原則が実務的で刺さりました。
今月のひとこと
今月は3DやWebGLのサイトをよく開いていました。ただ自分が見ていたのは動きの派手さではなくて、素材の質感とか、空間の奥行きとか、時間の流れみたいな部分だったなと後から思います。スクロールがカメラワークになっているサイトを触っていて、これは動きを見せているんじゃなくて対象を見せるために動かしているんだな、と気づいた瞬間がありました。色数を絞っているサイトも、そのぶん質感の作り込みが前に出てきていて、同じことをやっている気がします。
一方で、同じくらい覚えているのが色調と余白とナビゲーションだけで成り立っているサイトでした。情報量の多いポータルや、通院のハードルを下げようとしているクリニックのサイトです。並べてみると自分の中では地続きなのですが、たぶん傍から見るとバラバラなリストだと思います。
ツールのほうは、別のソフトの考え方がTypeScriptに移されてきたり、これまで外部ライブラリでやっていたことが本体のリリースに入ってきたり、という話が目に入りました。よそでやっていたものがブラウザ側に寄ってきているんだな、という感じで見ていました。
読みものは、AIで書く速度が上がったあとの話ばかり残しています。レビューにどれくらい時間がかかっているか、並列で走らせたときに人間側がどこで詰まるか、前提をmdで渡しておくとどうなるか。書く部分が速くなったぶん、確認したり判断したり段取りを組んだりするところに時間が移っているのだと思います。読んでいて、自分もそうなっているなと思いました。
来月もマイペースに集めていきます。
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