動画編集者向けポートフォリオの作り方|転職・案件獲得のための完全ガイド

動画編集者向けポートフォリオの作り方|転職・案件獲得のための完全ガイド

Mio Kato

Mio Kato

こんにちは、Webクリエイタースクール「デジLIG(デジタルハリウッドSTUDIO by LIG)」運営のみおです。

「動画編集者として副業を始めたいけど、ポートフォリオの作り方がわからない」「実績がない未経験の自分でも、転職に有利なポートフォリオは作れるのかな?」そんな悩みを抱えていませんか?

ポートフォリオは動画編集者にとって、自分のスキルや熱意を伝えるための、転職や案件獲得に欠かせないものです。しかし、多くの人が何から手をつけていいかわからず、大切な一歩を踏み出せずにいます。

そこでこの記事では、ポートフォリオ作りに必要な情報を網羅的に解説いたします!

動画編集のポートフォリオに載せるべき必須項目から、簡単に使えるポートフォリオツールまで様々な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

動画編集のポートフォリオとは?

動画編集のポートフォリオとは、動画編集者のスキルや経験、作品をまとめた「自己PR資料」です。いわば、動画編集者としての実力を証明する「名刺代わり」の存在

転職活動では、履歴書だけでは伝えきれない制作スキルやクリエイティブ力をポートフォリオを作ることで、しっかり企業の採用担当者に証明することができます。

また、案件獲得においてもポートフォリオは必須です。クライアントに対して自身の制作スキルを証明し、得意分野やこれまでの制作経験を見てもらうことで案件獲得に繋がります。

特に動画編集業界では、実際の作品を見せることで「どんな動画が作れるのか」「どれくらいのクオリティなのか」を一目で判断してもらえるため、必ずポートフォリオを作ってから案件獲得や転職活動を行いましょう

採用担当者が評価する3つのポイント

採用担当者やクライアントがポートフォリオを見る際に重視している、以下3つの評価ポイントを理解しておきましょう。

  • 技術力:カット、テロップ、音響調整、エフェクトなどの基本技術の安定性
  • 課題解決力:動画制作の目的理解と、目標達成のための構成・演出の工夫
  • 信頼性:人柄や進行管理能力、コミュニケーション力の印象

ポートフォリオに載せるべき必須項目と差がつくポイント

効果的なポートフォリオを作るために、含めるべき項目を確認していきましょう。

また、他の動画編集者と差別化を図るための具体的なテクニックについてもあわせてご紹介します。

自己紹介・プロフィール

顔写真(任意) 信頼感を高めるため、可能であれば顔写真を掲載しましょう。ただし、副業の場合や本名を出したくない場合は無理に掲載する必要はありません。
名前・活動名 本名またはクリエイター名を明記します。覚えやすく、検索しやすい名前がベストです。
経歴・バックグラウンド 動画編集を始めたきっかけや、前職の経験で活かせるスキルがあれば記載しましょう。異業種からの転職の場合でも、「営業経験があるため、クライアントのニーズを汲み取るのが得意」など、動画編集にプラスになる経験はアピールポイントになります。
動画編集への想い どんな動画を作りたいのか、何が得意かなど、あなたの熱意や価値観を伝えましょう。

💡差がつくポイント

「多くの動画を制作」ではなく「YouTubeチャンネル登録者数10万人のクリエイター案件を30本担当」など、具体的な数字を使うことで実績の説得力が増します。

異業種出身の場合、その経験が動画制作にどうプラスになるかを明確に説明しましょう。たとえば「営業経験により、クライアントの要望をしっかりとヒアリングし、期待を上回る提案ができます」など。

スキル一覧

使用可能ソフト
  • Premiere Pro、After Effects、Final Cut Proなど
  • 習熟度も併せて記載(初級・中級・上級、または★の数で表現)
対応可能な動画ジャンル
  • YouTube動画、企業VP、広告動画、ウェディングムービー、アニメーションなど
  • 得意分野を明確にすることで、適切な案件とのマッチングが期待できます。
その他のスキル
  • 撮影技術、グラフィックデザイン、音響調整、ディレクションなど
  • 動画編集以外でも活かせるスキルがあれば記載しましょう。

💡差がつくポイント

「何でも作れます」よりも「企業の採用動画制作が得意で、求職者の心を掴む構成作りに定評があります」のように、専門分野を明確にすることで印象に残りやすくなります。

実績・作品動画

ポートフォリオの中でもっとも重要な部分です。各作品について、以下の項目を記載しましょう。

作品名・URL 作品名や動画の埋め込みまたは動画が見れるURLを記載しましょう。
使用した技術・ツール どんな編集技術を使ったかを具体的に説明します。
制作の説明 何の動画かが分かるように、制作物の概要をしっかり記載しましょう。
制作期間 制作にかかった期間を記載しましょう。
担当範囲 クライアント対応、企画構成、動画編集、アニメーション、イラスト、選曲、演出・絵コンテなど担当した領域を明確化し記載しましょう

💡差がつくポイント

各作品に以下のような情報を付けることで、思考過程や技術力をアピールできます。1〜2分程度のダイジェスト動画を作成することで、短時間であなたの実力をアピールできます。

  • 概要:どのような動画なのか
  • 工夫した点:技術面・演出面での特別な取り組み
  • 使用技術:具体的なソフトウェアやエフェクトの名称
  • 成果:再生数や反響があれば記載

また、ダイジェスト動画の制作もおすすめです。ダイジェスト動画には以下の要素を含めましょう。

  • 代表的な作品の要所を抜粋
  • 多様なジャンルの動画を含める
  • テンポ良くカットを繋げる
  • 最後に連絡先を表示

BGMは著作権フリーのものを使用し、冒頭の3〜5秒で視聴者の心を掴む構成にするようにしましょう。

連絡先

  • メールアドレス(専用アドレス推奨)
  • SNSアカウント(X、Instagram等)

【媒体別】ポートフォリオの作り方4選

ポートフォリオの作成方法は複数あり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。あなたの目的や技術レベルに合わせて最適な方法を選びましょう。

作成方法 費用 難易度 カスタマイズ性 おすすめな人
YouTube 無料 ★☆☆ ★☆☆ 手間をかけずに作りたい人
Webサイト自作 数千円〜 ★★★★ ★★★★★ こだわりのデザインにしたい人
Notion 無料〜 ★★☆ ★★★★ 情報整理が得意な人
SNS 無料 ★☆☆ ★★☆ 拡散を狙いたい人

YouTube|コストゼロ・共有が簡単

既存の動画共有プラットフォームを活用してポートフォリオを作成する方法です。

すでにある作品動画をYouTubeにアップし、URLを共有するだけで作品ポートフォリオとして活用できる点で、ローコストでの制作が可能になります。自己紹介動画などを加えれば、より本格的なポートフォリオとして使えます。

メリット

  • 完全に無料で利用できる
  • URLを伝えるだけで簡単に共有できる
  • 制作物を見てもらいたいときに手っ取り早い
  • 非公開設定で特定の人だけに公開設定ができる

デメリット

  • 広告が表示される場合がある
  • 動画以外の情報(プロフィールなど)を詳しく掲載しにくい

活用のポイント

  • チャンネルのトップ画像やプロフィールをしっかり設定
  • 再生リストを使って作品をジャンル別に整理
  • 概要欄に制作の背景や使用技術を記載

Webサイトを自作|世界観からこだわりたい人向け

HTML/CSSやWordPressなどを使って、完全オリジナルのポートフォリオサイトを作成する方法です。

メリット

  • デザインを完全にカスタマイズできる
  • 独自ドメインで信頼感が高まる
  • Web制作スキルのアピールにもなる
  • 簡単なノーコードで作れるサイトを使えば簡単にサイトが作れる

デメリット

  • Web制作の知識が必要な場合が多い
  • 制作に時間がかかる
  • サーバー代・ドメイン代などのランニングコストが発生
  • メンテナンスが必要

制作のポイント

  • シンプルで見やすいデザインを心がける
  • 動画の読み込み速度を意識する
  • スマートフォン対応を必須とする

Notionで作成|コンテンツの組み合わせ・情報整理がしやすい

近年人気が高まっているNotion(ドキュメントやメモ・タスク管理・情報共有ツール)を使ったポートフォリオ作成方法です。

メリット

  • 無料で高機能なページが作成できる
  • 動画、画像、テキストを自由にレイアウトできる
  • ページの公開設定が簡単

デメリット

  • Notionの操作に慣れる必要がある
  • 読み込み速度が遅い場合がある
  • デザインのカスタマイズに限界がある

制作のコツ

  • 見出しとブロックを効果的に使って情報を整理
  • カバー画像で第一印象を良くする
  • データベース機能を使って作品を管理

Instagram、TikTokなどSNSで発信|併用がおすすめ

SNSでの投稿自体をポートフォリオ代わりに活用する方法です。

また、ポートフォリオをどの媒体で作っていても、SNSでの発信は併用するのがおすすめです。作品の更新情報や制作過程を発信することで、あなたのポートフォリオにより多くの人がアクセスし、信頼感や認知度が高まります。

メリット

  • 完全無料で利用できる
  • 拡散される可能性がある
  • リアルタイムでの反応が得られる

デメリット

  • プロフィール欄に記載できる情報が限られる
  • ビジネス用の問い合わせがしにくい

効果的な活用法

  • プロフィール欄にメールアドレスや他のポートフォリオへのリンクを記載
  • ハイライト機能で作品をカテゴリ別に整理
  • ストーリーズで制作過程を紹介

目的達成につながるポートフォリオの活用方法

作成したポートフォリオを最大限に活用するための戦略をご紹介します。

最初から完璧は目指さない

ポートフォリオ作りに時間をかけすぎて、肝心の案件応募や転職活動が遅れてしまってはもったいないです。

完璧を目指すより、まずは80%の完成度でもよいので公開して、実際の反応を見ることが重要です。クライアントや採用担当者からのフィードバックを元に改善していくことで、より実用的なポートフォリオになります。

ポートフォリオは後からいくらでも更新できます。新しい作品ができたら追加し、より良い見せ方を思いついたら修正していけば良いです。

定期的に実績やプロフィールを更新する

ポートフォリオは一度作って終わりではなく、常に最新情報にアップデートしていくことが重要です。更新すべき内容には、以下のようなものがあります。

  • 最新の制作実績
  • 習得した新しいスキル
  • 単価や稼働条件の見直し
  • 連絡先の変更

また、スキルアップに伴って過去の作品が見劣りするようになった場合は、思い切って削除することも大切です。常に現在のスキルレベルを正確に反映したポートフォリオを維持しましょう。

SNSで見つけてもらえる発信方法

SNSを活用すると、あなたの作品を求めている人に見つけてもらいやすくなります。Instagram、X(Twitter)、TikTokなどでは適切なハッシュタグを使うことで発見される可能性が高まります。

効果的なハッシュタグの例をご紹介します。

  • ジャンル系:#企業VP #YouTube編集 #ウェディングムービー
  • 技術系:#PremierePro #AfterEffects #モーショングラフィックス

完成した作品だけでなく、制作過程や使用した技術についても発信することで、あなたの人となりやスキルレベルを伝えられます。たとえば以下のような発信が有効です。

  • 編集中のタイムライン画面のスクリーンショット
  • 使用したエフェクトやプラグインの解説
  • 制作で苦労したポイントとその解決方法

さらに、SNSアルゴリズムでは定期的に投稿するアカウントが優先的に表示される傾向があります。毎日でなくても、週に2〜3回は何かしらの投稿をするよう心がけると良いでしょう。

トラブル回避のために守るべき注意点

ポートフォリオ制作では、法的なトラブルや実用性の問題を避けるために、以下の点に注意が必要です。

クライアントの守秘義務に要注意

実際の仕事で制作した動画をポートフォリオに掲載する際は、クライアントの許可を得ることが必須です。契約によっては守秘義務があり、作品を公開できない場合もあります。

素材の著作権に要注意

使用している音楽や映像素材の著作権にも十分注意しましょう。以下の音源を使用するのがおすすめです。

  • 著作権フリーの音楽ライブラリから選択
  • クリエイティブ・コモンズライセンスの楽曲を利用
  • 自分で作曲、または知人のミュージシャンに依頼

ただし、フリー素材サイトであっても「個人利用は無料、商用利用は有料」という規定であることが多いです。ポートフォリオはビジネス用途と見なされる可能性があるため、商用利用可能な素材を選ぶか、有料プランに加入することを検討しましょう。

また素材によっては、使用時に制作者名やサイト名のクレジット表記が必要な場合があります。規約を確認し、必要に応じて動画の最後やキャプションにクレジットを入れましょう。

さらに、フリー素材の利用規約は変更される場合があります。定期的にチェックし、問題があれば素材を差し替えることも必要です。

商用利用が可能な素材サイトまとめ

ここでは、動画制作やポートフォリオに安心して使える、商用利用可能な無料素材サイトを紹介します。

ただし、商用利用可能とはいえ、サイトや素材ごとに「クレジット必須かどうか」「加工の可否」など細かい条件が違います。必ず各素材ページでライセンス条件を確認し、必要に応じてクレジット表記を行いましょう。

商用利用が可能な無料音楽素材サイト

  • YouTube Audio Library:YouTubeが提供する著作権フリー音楽(曲ごとにクレジット要否を確認)
  • Freesound:効果音やBGMが豊富にそろっている(多くがクリエイティブ・コモンズライセンス。商用可かどうかは個別に確認が必要)
  • DOVA-SYNDROME:日本のフリーBGMサイト(商用利用可・クレジット表記推奨)
無料で利用できる映像素材サイト
  • Pexels:高品質な映像クリップが無料で利用可能(商用利用可・クレジット不要)
  • Pixabay:動画・写真・イラストが豊富(商用利用可・クレジット不要)
  • Unsplash:美しい写真素材が多数(商用利用可・クレジット不要)

有料素材サイト

品質やバラエティを重視するなら、有料の素材サイトも検討しましょう。

動画クリエイターのポートフォリオ参考サイトまとめ

動画編集を学習中の方から「参考になるポートフォリオを見たい」という質問は多く寄せられます。質の高いポートフォリオには、以下のような特徴があります。

  • 第一印象で「プロフェッショナル」という印象を与える
  • 作品の幅広さとクオリティの高さが両立している
  • 各作品に丁寧な解説が付いている
  • 連絡先や稼働条件が明確に記載されている
  • 定期的に更新されている

以下に、参考にできる代表的なサイトをご紹介します。

  • Behance:世界中のクリエイターの作品が集まるプラットフォーム
  • foriio:日本のクリエイターのポートフォリオが多数公開されている
  • Vimeo:高品質な動画作品とそのクリエイター情報が見られる

他の人のポートフォリオを参考にする際は、デザインやレイアウトは参考程度にとどめ、作品や経歴は必ず自分オリジナルのものにしましょう。模倣ではなく、良いエッセンスを自分なりに取り入れることが大切です。

まとめ

動画編集者のポートフォリオは、自身のスキルと魅力を効果的に伝える重要なツールです。この記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひポートフォリオ作りにチャレンジしてみてください!

もし、独学でのポートフォリオ作りに限界を感じたり、そもそもポートフォリオに載せる質の高い作品を基礎から作りたいと感じたら、スクールでの学習もおすすめです!

プロの講師からの指導やフィードバックを受けることで、効率的にスキルアップし、魅力的な作品づくりができるようになります。また、スクールによってはポートフォリオの添削やアドバイスもしてくれるので、自分では見えていなかった視点も取り入れることができます。

スクールを検討されている方には制作会社が運営し、現役クリエイターが講師を務めるデジLIG(デジタルハリウッドSTUDIO by LIG)がおすすめです。

▼参考:デジLIG 動画クリエイター専攻卒業生の作品たち

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Mio Kato
Mio Kato Digital Education / Career Designer / Leader / 加藤 美欧

キャリアデザイナーとして、採用・転職支援やキャリアサポート、事業企画に従事。青山学院大学卒業後、会計コンサルティング会社で上場企業の経理実務と業務改善を担当。2019年2月にLIGへ参画し、英会話スクールの運営やWebクリエイタースクールの営業・企画を経験。現在はクリエイティブ人材の育成とキャリア支援に注力している。

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