こんにちは! Webクリエイタースクール 「デジLIG」(デジタルハリウッドSTUDIO by LIG)運営の秋山です。
デザイナーの仕事について調べるとき、「グラフィックデザイン」というワードはよく出てきますが、具体的に何をデザインする仕事なのか、いまいち分からない方も多いのではないでしょうか?
「Webデザインと何が違うの?」「どんなキャリアパスがあるの?」など、スクールの受講生からもよく聞かれるこの質問。そこで今回は、グラフィックデザインの種類について、ご説明していきます!
目次
グラフィックデザインとは
「グラフィックデザイン」は主に、視覚的に情報やメッセージを効果的に伝えるためのデザインのことです。
ポスターやチラシなどの広告、雑誌のレイアウト、パッケージのデザインなど様々な印刷物だけでなく、街並みなどの景観や企業ロゴといった日常生活で目にするデザインも含まれます。ポスターなど紙媒体だけでなく、Web上や公共のサイネージなどに出てくるデジタル広告もその一種と呼べます。
特定の情報を与えるだけでなく、企業のブランドイメージを根付かせるために、どのようなビジュアルにすべきか考え、設計・制作をおこなうのが、グラフィックデザイナーの役割です。
グラフィックデザイナーの仕事内容は、下記の記事もご参考ください! グラフィックデザイナーの仕事内容は?必要なスキルも解説!
グラフィックデザインの種類
前述の通り、ひとことで「グラフィックデザイン」と言っても幅広く、デザインを作る対象物や仕事内容も異なります。ここからは、それぞれの種類について説明していきます。
※以下のリンクをクリックすると、詳しい説明までジャンプします
①広告デザイン
デザインの対象物の例
- ポスター
- チラシ
- バナーなどデジタル広告
- 新聞・雑誌広告
- リーフレット など
役割や仕事内容
「グラフィックデザイン」と聞いて、一番に思い浮かびやすいのが広告デザインではないでしょうか。広告デザインは商品やサービスなどの特徴、キャンペーンなどを、ターゲットである消費者にデザインを通して分かりやすく伝えることを目的としています。
ターゲットにとって魅力に感じるキャッチコピーやビジュアルを考えてデザインを作りますが、主に印刷物(DTP)に携わることがある一方で、企業の販促やマーケティング施策によっては、いま主流のWebなどデジタル広告までカバーできる能力が実務においては求められます。
クライアントのニーズに合わせて、紙媒体とデジタルの両面の特徴を理解し、効果的な広告のデザインを考え、提案し、制作できることが不可欠でしょう。
主な就職先例
- 広告代理店
- 企業の広報部
- Web制作会社
- 印刷会社
②環境(空間)デザイン
デザインの対象物の例
- イベントや展示会ブース
- インテリア
- 街並みや景観
- サイン(看板) など
役割や仕事内容
景観や看板など、環境・空間のデザインにもグラフィックデザインの知見が活用されています。環境(空間)デザインでは視覚的だけではなく機能性や利便性、安全性なども総合的に考慮して、人々の体験を向上させることを目的に、環境や空間を設計します。ユーザーが快適に過ごせる空間を作り上げるだけでなく、空間を通してブランドのイメージを強化する役割もあります。
広告デザインの役割が「視覚的に情報を届ける」ことに対して、環境デザインはユーザーの五感を通してより良い体験を設計することです。グラフィックデザインの知識だけでなく、建築デザインや人間工学に対する理解も必要と言えるでしょう。
主な就職先例
- 建設・リフォーム会社
- 不動産会社
- ハウスメーカー
- 家具・インテリアメーカー など
③出版物・エディトリアルデザイン
デザインの対象物の例
- 雑誌
- 新聞
- 書籍
- フリーペーパー
- カタログ など
役割や仕事内容
出版物におけるグラフィックデザインの役割は、読者がスムーズに情報を理解できるように、文章やビジュアルを整えて、ページ数が多いものをまとめ、魅力的な紙面にデザインすることです。ターゲットとなる読者層を考えて、テキストや写真、図やイラストなどのグラフィック素材をバランス良く配置し、見やすく読みやすいレイアウトを作成していきます。
また書籍のデザインにおいては表紙やカバー、書体のデザイン、紙質や大きさ、印刷の加工など、本の見た目全体に関わる仕事内容になります。
主な就職先例
- 広告代理店
- 出版社・編集プロダクション
- 印刷会社
- 企業の広報部 など
④モーションデザイン
デザインの対象物の例
- ゲーム
- アニメーション
- バナー・動画広告
- Webサイト など
役割や仕事内容
前述では、印刷物や静止画のデザインになりましたが、モーションデザインはグラフィックに動きをつけたアニメーションを指します。ロゴやテキスト、キャラクターのイラストやグラフなどの図形に動きや音を加えて、広告動画やWebサイト、YouTubeやSNSなどの動画コンテンツに用いられています。
動きがあるため情報量が多くなり、静止画では伝わりにくいメッセージや商品説明などを分かりやすく視聴者に届けることが可能です。そのため、記憶にも残りやすいとされています。
デザインツールにプラスして「Adobe After Effects」や「Adobe Premiere pro」など、動画編集に特化したツールを使い、クライアントの目的に沿って企画を考え、制作をおこないます。
主な就職先例
- ゲーム開発会社
- 映像制作会社
- 広告制作会社
- エンタメ業界 など
⑤コーポレートデザイン
デザインの対象物の例
- ロゴデザイン
- 名刺・封筒
- 企業ブランディング
- Webサイト など
役割や仕事内容
コーポレートデザインとは、企業の在り方や戦略、ビジョンや企業活動自体のあらゆるものを設計して、具体的にサービスや製品にアウトプットすることです。これまでと異なり、形のあるプロダクトではなく、企業の「ブランディング」という非常に抽象的な部分をデザインしていきます。そのため、企業の代表の哲学や信念、価値観や想いに至るまで深く掘り下げて考え、戦略を立てるスキルが必要です。
さらにロゴやコーポレートカラー、ガイドラインなど視覚的なデザインも策定し、その企業のブランドを強化していきます。
主な就職例
- コンサルティング会社
- 広告代理店
- Webマーケティング業界
- 企業の広報・クリエイティブ担当 など
⑥UIデザイン
デザインの対象物の例
- Webサイト
- アプリ
- デジタルゲーム
- タッチパネル操作をする機械 など
役割や仕事内容
「UI」とはユーザーインターフェース(User Interface)の略のこと。「ユーザーとの接点」という意味であり、画面を通してユーザーの目に触れ、使用する部分すべてを指します。
そのためUIデザインとはWebサイトやアプリ、システム、ゲームなどにおいて、ユーザーが直感的に分かりやすく、スムーズな操作を実現させる画面を設計・制作することと言えます。アプリやWebサービスにおいて、ユーザーがストレスなく快適に利用できる設計は、離脱防止に必要不可欠であり、利用率や信頼性に密接に関わる重要な役割を持っています。
主な就職先例
- Web制作会社
- 企業のクリエイティブ担当
- デザインファーム
- アプリ事業会社 など
⑦Webデザイン
デザインの対象物の例
- Webサイト全般
- ランディングページ
- Webアプリ
- オンラインストア など
役割や仕事内容
Webデザインは、Webサイト全体のビジュアルデザインを担当します。レイアウト、配色、画像の配置、フォントの選択などが含まれます。
Webデザインの主な役割は、ユーザーが目的の情報にスムーズにアクセスできるようにすることです。ビジュアルを作成するだけでなく、ページ全体の構成設計まで考えたり、デザインをブラウザ上にサイトとして公開するための「コーディング」をおこなったりする場合もあります。
主な就職先例
- Web制作会社
- 企業のデザイナー(インハウス)
- 広告代理店
- IT系のコンサル会社 など
⑧パッケージデザイン
デザインの対象物の例
- 商品パッケージ
- ラベル
- 化粧箱・ギフト包装
- 手提げ袋・紙袋 など
役割や仕事内容
パッケージデザインの役割は、製品を目立たせることに加え、ブランドイメージを強化し、消費者の購買意欲を高めることです。デザイナーは、製品の特徴やターゲットを考慮し、視覚的に魅力的なパッケージを作成します。
カラーやフォントの選定、素材の選択、法規制の確認に加え、商品の保護や使いやすさといった機能性も考慮すべき点があるのが特徴です。
主な就職先例
- デザイン事務所・制作会社
- 広告代理店
- 企業のデザイナー(インハウス)
- メーカー系の商品開発部門 など
⑨情報デザイン
デザインの対象物の例
- インフォグラフィックス
- Webサイト
- マニュアル
- パンフレット など
役割や仕事内容
情報デザインは、複雑なデータや情報を整理し、直感的に理解しやすくするためのデザインです。インフォグラフィックスやダッシュボード、グラフやチャート、サインや標識など、幅広くこれに該当します。
視覚的に伝わりやすくするために、色・フォント・レイアウトなどグラフィックデザインのスキルに合わせて、多くのデータを整理して正確な伝達することが求められる分野です。
主な就職先例
- デザイン事務所・制作会社
- 広告代理店
- webシステム会社
- マーケティング業界 など
グラフィックデザイナーがキャリアアップを目指す方法
グラフィックデザインの幅を広げる
ここまでご紹介した通り、「グラフィックデザイン」とひとことで言ってもジャンルは幅広く、キャリアを伸ばすためには「グラフィックデザイン」のスキルにプラスして複数のデザイン分野に精通することが大切です。
例えば、広告デザインだけでなく、UI/UXやアニメーションなどのモーションデザインも学ぶことで、幅広い案件への対応ができるようになります。印刷領域とデジタルの両方を理解することは、クライアントのニーズに応じた柔軟な提案ができるため、デザイナーとしてのキャリアアップに強力な武器となります。
マネージャーやアートディレクターへキャリアアップする
デザインの現場経験を積んだ後、マネージャーやアートディレクターとしてキャリアアップする道もあります。これらのポジションは、チームをリードし、プロジェクト全体の方向性を決定する役割を担います。
ビジネス的な視点やプロジェクトマネジメントスキルを習得することで、クリエイティブ思考とビジネス思考の両方を掛け合わせた対応が求められるポジションです。
コピーライティングやマーケティングなどの知識を身につける
デザインだけでなく、コピーライティングやマーケティングの知識を持つことも大きな強みです。視覚的なデザインに、心を動かす文章やストーリーを考え、組み合わせることで、より効果的な広告やブランディングが可能になります。
また、マーケティングの知識があれば、客観的な視点や定量的なデータを活用し、デザインがどう消費者に影響を与えるか、より成果につながる戦略を提案できるようになります。
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加えて、希望の待遇を得るために企業との交渉や、転職後も相談や悩みに対して、継続的なサポートをしてくれるエージェントもあるので、信頼性の高いエージェント選択が大切です!
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まとめ
この記事では、グラフィックデザインの多様な種類とそれぞれの特徴、キャリアアップの方法について解説しました。
様々な分野がありましたが、共通してデザインツールのスキルや基本的なデザインの知識などをベースに、プラスアルファのスキルセットで、多様なキャリアを描けることが分かるかと思います!
また、デザインのトレンドや、特にWeb・ITにおいては技術も常に進化しており、継続的な学びとチャレンジが求められます。時には、キャリアのプロも活用するのも有効でしょう。
グラフィックデザイナーへのキャリアを踏み出したい方は、弊社LIGが運営するクリエイター特化の転職エージェントサービス「ReNew(リニュー)」もぜひご活用ください!