こんにちは、テクノロジー部のチェです。
今回は初心者向けにLaravelについて解説していきます。LaravelはPHPプログラミング言語の代表的なフレームワークであり、シンプルなコードでわかりやすいという特徴を持っています。
Laravel活用のメリットやデメリット、インストール方法、学習方法についてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Laravelとは?
Laravel(ララベル)とは、2011年に開発されたPHPプログラミング言語の代表的なフレームワークのことです。
コードの構成がシンプルなため、プログラミング初心者の方でも学習しやすく、可読性やメンテナンス性が高いのが特徴です。主に、Webサイトの制作やSNS開発、業務システム、掲示板サイトなどの構築に使われています。
そもそもPHPとはなにか?
PHPは動的なプログラミング言語であり、静的な言語であるHTMLと組み合わせて記述していくことが多いです。
動的とは、時間や状況により同じURLであっても違う内容が表示されることを意味します。たとえば、ユーザーがログインしているかどうかや、アクセスする時間帯によって表示内容が変わるといったことができます。
静的とは動的の逆で、時間や状況などによって内容が変わらない、つまり固定の画面が表示されることを指します。HTMLだけで作られたWebページは、一度作成されると内容が固定され、更新がない限りいつも同じページが表示されます。
動的なPHPを使うと、ブログのようなWebサイトで記事の追加や編集が簡単にできます。PHPはデータベースと連携し、必要に応じて異なる情報を表示できるため、ユーザーにとってより利便性の高いサイトを作ることができます。
Laravelのメリットとデメリット
メリット
ここでは、Larabelを活用する4つのメリットを紹介します。
- 比較的簡単に学べる
- MVCモデルを採用していて、分業開発がしやすい
- 人気のあるフレームワークなので情報が豊富
- コマンドで作業効率が高められる
比較的簡単に学べる
PHPは、他の言語に比べて比較的簡単な構造を持っており、プログラミング初心者にも学びやすい言語です。そのPHPで作られたフレームワークであるLaravelは、可読性やメンテナンス性が高く、シンプルなコードでプログラムを生成できるため、多くの人に支持されています。
MVCモデルを採用していて、分業開発がしやすい
LaravelはMVCモデルを採用しています。MVCとは「Model」「View」「Controller」の頭文字を取ってきた言葉で、一つのプログラムを役割ごとに分けて管理する仕組みのことです。これによりプログラム開発を分業体制で進めることができます。
- Model:データを処理全般を担当するところで、データベースのデータ処理(更新、削除、追加、登録、検索)を担当する。
- View:ユーザーが実際に見る画面を担当。Controllerから取得したデータを表示する役割もある。
- Controller:ユーザーからデータを引き渡したり、データベースから取得したデータをViewに引き渡したりする役割がある
人気のフレームワークなので情報が豊富
Laravelは世界で人気のあるフレームワークなので、情報量も豊富です。インターネットで検索すれば、必要な情報を簡単に見つけることができ、書籍も多数出版されているため、プログラミング初心者でも学習しやすいというメリットがあります。
コマンドで操作することで作業効率が高められる
Laravelではartisanという便利なコマンドラインインターフェースツールが使用できます。このツールを使用することで、マイグレーションの実行やモデル、コントローラの作成などを簡単に行えます。また開発作業を簡潔化し、効率化できる点も大きなメリットです。
デメリット
Laravelには数多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、Laravelのデメリットを2つ紹介します。
- 処理速度が他のフレームワークに比べて遅い
- コードが複雑化しやすい
処理速度が他のフレームワークに比べて遅い
Laravelは機能が豊富なため、処理速度が他のフレームワークに比べて若干遅いです。処理速度が重視されるアプリケーションの場合は、他のフレームワークを検討しましょう。
コードが複雑化しやすい
機能が豊富であるがゆえにコードが複雑化しやすい傾向にあります。またプロジェクトの規模が大きくなると、プログラムの構造も複雑化し、コードの可読性やメンテナンス性が低下する可能性があります。そのため、新しい開発者がプロジェクトに参加すると、コードの理解に時間がかかり、学習コストが増加します。
Laravelインストール手順
次に、Laravelのインストール方法について説明していきます。
- PHPをインストール
- composerをインストール
- Laravelのインストール
1.PHPをインストール
今回はHomebrewを使ってPHPをインストールしていきます。
brew search php
上記コマンドを入力して、インストール可能なPHPバージョンを確認します。
brew install php@8.2
上記コマンドを入力して最新バージョンのPHPをインストールします。インストールが完了したら、指示通りPATHにPHPを追加していきます。
shellを再起動して、変更を反映させます。
php --version
上記コマンドを入力してインストールを確認します。
2.composerをインストール
次はcomposerをインストールしていきます。
brew install composer
上記コマンドを入力してcomposer※をインストールしていきます。
- ※composerとは?
- composerとは、Laravelのライブラリやフレームワークの管理ツールです。composerを利用すると、パッケージのアップデートやインストールがコマンドで簡単にできるようになります。
composer -v
上記コマンドを入力してインストールを確認します。
このような画像が表示されればインストールは完了です。
3.Laravelをインストール
composer create-project laravel/laravel example-app
上記コマンドを入力してLaravelをインストールしていきます。example-appは任意につけたプロジェクトの名前なので、自由に変えても大丈夫です。
実行すると、指定した名前のフォルダが作成されます。
php artisan -V
作成されたフォルダの中に移動して、このコマンドを入力すると、インストールしたLaravelのバージョンが確認できます。
Laravelの学習方法
ここからはLaravel学習のおすすめの手順についてご紹介していきます。
- PHPを学習する
- MVCモデルを学習する
- 実際にWebアプリを制作しながら学習する
1.PHPを学習する
LaravelはPHPで書かれたWebアプリケーションフレームワークなので、Laravelを学習する前に、PHPの基本的な知識を習得する必要があります。
PHPのおすすめ学習サイト「Progate」
PHPを学べるおすすめの学習サイトをご紹介します。
Progateは、エンジニアやWebデザイナーを目指す初心者向けに作られた学習サイトです。
イラストを使ったわかりやすい解説が特徴で、初心者でもプログラミング学習をスムーズに始められます。
2.MVCモデルを学習する
Laravelが採用しているMVCモデルについて理解していれば、システムの構成もある程度見えてくると思います。
Laravelで開発をしていく上で、Model、View、Controllerごとに分業して開発作業をしていくことが大事です。MVCモデルの理解は必要になりますので、ぜひ学習しましょう。
3.簡単なWebアプリを制作しながらスキルを身につける
Laravelを使って、自分が作りたいものを実際に開発してみましょう。実際にプログラムを作ることで、わからない部分も見えてきます。開発を始める前には、完成物の具体的なイメージを持つことが重要です。
プログラミング初心者の方は、まず以下のような簡単なWebアプリケーションを作ることをおすすめします。
- TodoList
- ブログ
- 掲示板
【注意】Laravelのサポート期限
Laravelはバージョンごとにサポート期限が設定されています。サポート期限を過ぎると、こんなリスクがあるので注意が必要です。
- EOLになったバージョンを使うと、アップグレードや新機能を使用できないので、定期的にバージョンをアップグレードすることを推薦します。
- 公式サイトでのサポートをもらうことができないので、問題解決が難しくなります。
- ライブラリやパッケージとの依存関係に問題が発生する可能性があります。
LaravelのEOLバージョンについては公式サイトで確認することができます。
出典:公式サイト
まとめ
本記事ではPHPプログラミング言語で作成されたLaravelフレームワークのメリット・デメリット、インストール方法、学習方法について紹介しました。
Laravelの基礎知識については役に立ちましたでしょうか? 本記事に紹介できなかった便利な機能がいろいろありますので、また機会がありましたら活用してみてください。