Webサイトを作ったまま放っておくとどうなるの?保守運用の大切さを解説

Webサイトを作ったまま放っておくとどうなるの?保守運用の大切さを解説

Yuka Inaba

Yuka Inaba

こんにちは、Webディレクターの因幡です。

私はこれまでに多くのWebサイトの構築に携わってきました。Webサイトといっても、コーポレートサイトや採用サイト、ECサイト、オウンドメディアなど様々な種類がありますが、それらすべてに共通する重要なポイントは「“作って公開すれば終わり”ではない」ということです。

Webサイトはそのまま放置すればいいのではなく、公開後も「保守」と「運用」が必要です。特に重要なのは保守で、これをおこなわなければWebサイトの品質を維持できない恐れもあります。

今回は、Webサイトを制作するうえで知っておくべき「保守運用」の重要性について解説します。

Webサイトの「保守」とは?

保守とは「Webサイトの品質維持」を目的におこなうメンテナンスのことです。ここでいう品質とは、Webサイトが本来の目的をしっかり達成できる状態にあることをいいます。

たとえば、コーポレートサイトの目的は「会社の情報を発信すること」です。「Webサイトが閲覧できる状態にある」「会社の最新情報がしっかり掲載されている」「お問い合わせフォームがきちんと動作している」といった状態であれば、Webサイトはその品質を維持できているといえるでしょう。

しかし、Webサイトにはトラブルが発生することもあります。たとえば、Webサイトにアクセスしても閲覧できないようなケースも起こりえます。コーポレートサイトが閲覧できなくなり、原因もよくわからないとなれば大変です。そうならないよう、Webサイトの品質を維持するのが「保守」の役割なのです。

Webサイトの「運用」とは?

運用とは、Webサイトのコンテンツ拡充や改善を繰り返して、効果をより高めていく施策のことです。「改善運用」や「マーケティング」とも呼びます。たとえば、バナーを変更してPVを伸ばしたり、新しいLPやブログの記事を作成してコンバージョンを増やしたりすることが改善運用にあたります。

改善運用をどの程度おこなうかは、Webサイトの種類によります。たとえば、ECサイトのようにコンバージョンを目的としたサイトなら積極的な改善運用が必要ですが、コーポレートサイトのように情報発信自体が目的であればそれほど頻繁な改善運用は必要ないでしょう。

こうした改善運用は、Webサイトが正常に動作している状態を前提したものです。Webサイトを適切に保守できていなければ、改善運用どころではありません。ですから、改善運用よりも先にしっかりとした保守体制を構築することが重要だといえます。

保守運用をおこなわないとWebサイトに何が起きるのか?

ここからは、保守運用をおこなわないとWebサイトにどんな事態が発生する可能性があるのかについて解説します。

Webサイトが表示されなくなる

それまで問題なく閲覧できていたWebサイトが、急に表示されなくなってしまう可能性があります。

アクセス集中によるサーバダウンやドメインの失効など、原因はいくつか考えられますが、いずれにしても原因の特定および対処には専門的な知識と技術が必要です。保守体制を用意できていない場合、対応できる人が見つからず、復旧に時間がかかってしまう場合もあります。

Webサイトの機能が正常に動作しなくなる

Webサイトに組みまれている機能が正常に動作しなくなる可能性があります。たとえば、問い合わせのメールフォームから連絡してもメールが届かなかったり、CMSを使ったコンテンツの更新がうまくいかなかったりといったケースが考えられます。

メールフォームが動作しなければ重要な問い合わせを把握できませんし、CMSが使えないとWebサイトの情報が更新できなくなり信頼性を落としてしまうかもしれません。

Webサイトの機能が正常に動作しないことで、ビジネスの機会損失につながる恐れがあるのです。

Webサイトのレイアウトが崩れてしまう

Webサイトは制作会社から納品された段階ではきれいにレイアウトが組まれています。しかし、新しく発売されたスマートフォンやパソコンでは、サイト制作時点では思ってもみなかったレイアウト崩れが起きる可能性があります。

あるいは、Webサイトの運用を続けるうちに、「これくらいなら自分たちで触れるだろう」と考えてデザインをいじってしまうこともあります。その結果、レイアウトが崩れてしまい、元に戻せなくなったりします。

情報を更新したいのにすぐに直せない

Webサイトは基本的に情報が更新されていくものです。更新頻度はサイトの種類によっても異なり、たとえばコーポレートサイトなどはそれほど頻繁に情報を更新する必要はありません。

しかし、会社が引っ越したり、社長が交代したり、新事業を始めたりした場合は早急にWebサイトを更新しなければなりません。どんなWebサイトでも、制作した状態のままずっと放置していいわけではないのです。

このWebサイトの更新作業をスムーズにおこなうためには、保守運用体制が欠かせません。保守運用体制が構築できていないと、更新の方法も誰に聞けばいいのかもわからないといった事態に陥ってしまいます。

使いづらい部分が見つかっても直せない

Webサイトを運用するなかで、もしかすると「使いにくい」と思う部分が出てくるかもしれません。たとえば、コーポレートサイトを制作した当時は事業も少なかったのでシンプルなデザインに仕上げたけれど、事業が拡大するについてWebサイトの情報量も増加し、メニュー項目をリニューアルしたくなった――という具合です。

これは保守運用というよりも「改修」の範疇ですが、とはいえ日頃からしっかりと保守運用をおこなっていなければ、もっと大掛かりな改修に手をつけることは難しいでしょう。機能追加などの改修をおこなう前段階として、保守運用は欠かせない作業といえます。

保守運用は誰がすればいいのか

前段で解説したような事態を起こさないためにも、保守運用体制を構築しておくことは重要です。では、具体的に誰がどうすればいいのでしょうか。

まず考えるべきは、自社で保守運用をおこなうのか、他社に依頼するのかということです。前述したように、保守運用には専門的な技術や知識が必要になることがあります。そうした技術や知識を持つ担当者が自社内にいるのであれば、自社で保守運用をおこなうことも可能でしょう。

一方、そのような担当者がいない場合は、他社に保守運用を依頼することになります。その際、注意したいのは「原則としてWebサイトを制作した会社に任せる」ことです。

なぜなら、Webサイトのことをもっとも把握しているのは、そのサイトを制作した会社だからです。どんな機能がどこに搭載されているのか、ページ数はどれくらいあるのか、Webサイトはどんな技術で構築されているのか。そうした詳細な情報は、Webサイトを制作した会社でなければわかりません。そして、Webサイトを保守するには、そのような情報が必要なのです。

そのような考えのもと、LIGでは他社が制作したWebサイトについては保守をお請けしていません。保守サービスは、LIGで制作したWebサイトに限定してご提供しています。

なお、保守と運用については、必ずしも一緒に依頼しなければならないわけではありません。保守は制作会社に任せるけれど運用は自社でおこなう、という場合もあります。

保守運用では、具体的に何をするのか

自社でおこなうにせよ、制作会社に依頼するにせよ、保守運用でおこなうことは変わりません。ここでは、保守運用でおこなう具体的な内容について紹介します。なお、ここで挙げた例がすべてではなく、保守運用のごく一部です。

ドメインやサーバの更新

Webサイトを公開するには、ドメインやサーバの設定が必要です。また、近年ではSSLサーバ証明書の取得も必須となっています。これらはいずれも一定期間で失効してしまうため、定期的な更新が欠かせません。

ドメインやサーバを更新し、Webサイトが閲覧できる状態を維持するのは重要な保守作業といえます。

ソースコードのバージョン管理

Webサイトのソースコード(内容や仕様)をいつ誰がどんな目的で更新したのか? をGitと呼ばれるバージョン管理ツールで管理します。何らかの事情で変更前の状態に戻したくなったときも、スムーズに戻すことができます。

レイアウト崩れへの対応

スマートフォンの仕様変更などでレイアウトの崩れが発生してしまった場合、早急に対応しレイアウトを修正します。また、うっかり自社でレイアウトをいじってしまい、元に戻せなくなった場合でも、バージョン管理をしていれば復元作業をおこなえます。

サーバ監視

Webサイトに急激なアクセス増加があると、サーバに負荷がかかり閲覧できない状態になることがあります。そうならないよう、普段からサーバ監視をおこない、負荷がかかる見込みがある場合は事前に対処します。

システムのバージョンアップ作業

Webサイトで使用しているシステムがバージョンアップされたら、Webサイトでもそれに合わせた対応が必要になることがあります。バージョンアップは脆弱性への対策という点でも非常に重要です。

外部サービスの仕様変更への対応

SNSなどのサービスをWebサイトに連携することがあります。

たとえば、InstagramやYouTubeを自社サイト内に埋め込んで閲覧できるようにしているサイトも珍しくありません。そうした外部サービスが仕様変更をおこなうと、レイアウトが崩れたりWebサイトが動かなくなったりなどのトラブルが起きることもあります。

外部サービスの仕様変更は常にチェックしておき、早急に対応することが必要です。

コンテンツの更新

Webサイトのコンテンツを更新し、常に最新情報を届けることは信頼性を高めるうえでも重要です。ECサイトや採用サイトでは、コンテンツを更新することで売上が上がったり、採用に好影響が出たりすることもあります。

開発環境の保持とバックアップの取得

何らかの要因でWebサイトが大きく崩れてしまったり、サイト自体が消失してしまったりする可能性もゼロではありません。そうした万が一の事態に備えて、バックアップを取得しておくことは重要です。

また、Webサイトを制作した会社であれば、開発環境を保持しているので、復旧も比較的早くおこなえるでしょう。

さいごに

LIGではWebサイトの制作だけでなく、保守運用サービスもおこなっています。保守運用サービスについては、当社で制作したWebサイトのみお請けしていますが、これは記事でも述べたように「自社で制作したWebサイトでなければ十分な保守運用ができない」ためです。

当社はWebサイト制作の初期段階から保守運用についてもしっかりとヒアリングをおこない、将来の保守運用体制を見据えたサイト構築を心がけています。Webサイトはすべてオーダーメイドで構築し、お客様の課題解決に向けて伴走いたします。

LIGには運用保守のプロフェッショナルがそろっております。Webサイトの制作および保守運用をご検討の際には、ぜひお声がけください。
 

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Webディレクター歴12年。システム開発を伴うプロジェクトの要件定義やディレクション、長期にわたる安定運用と事業展開を想定した情報管理や体制構築を得意とする。Webディレクター・PM向けのセミナーも実施するなど、メンバー教育にも力を入れている。

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