こんにちは。エディターのカナメです!
私は普段、エディターとしてオウンドメディアの運用支援やコンテンツ制作を担当しており、クライアントの課題を日々ヒアリングしています。
ちなみにプライベートでは、無事にハーフバースデーを迎えた息子の成長が著しい今日この頃。昨日までできなかった寝返りが、ある日を境に突然コロコロ。うまく離乳食を飲み込めなかったのに、いつの間にかコツを掴んで上手にごっくん。といった具合に、毎日の成長がホント楽しみです。
ただ、赤ちゃんとのコミュニケーションはなかなかに難しい……。ご機嫌にキャッキャ笑っていたかと思うと、急に不機嫌になって、エビ反りキックを喰らわされたりと苦労しております。まだ「アー」「ウー」といった喃語しかしゃべれないので、親子といえども意思疎通は早々にうまくいくもんじゃないですね。
と、前置きが長くなってしまいましたが、今回は、円滑なコミュニケーションにも欠かせないヒアリング方法について、ご紹介したいと思います。特にオウンドメディア運営に課題を持っているクライアントから、その課題点をうまく引き出すポイントにフォーカスしていきたいと思います。
目次
パートナーとしてのヒアリングの目的
私のチームでは、主にコンテンツマーケティングの課題解決に向けて、新規でご発注いただいた企業様から、継続的にお付き合いしている企業様まで、日々さまざまなクライアントとのコミュニケーションを実施しています。
課題解決策である記事コンテンツを中心とした企画案を提案していくにあたって、重要視していることが、事前にどれだけ充実したヒアリングができているかです。
私はエディターとして、記事コンテンツ制作を通して多くのインタビュー取材を実施してきました。ですが、クライアントへのヒアリングと記事制作におけるインタビュー取材では、スタンスが決定的に異なる点があります。
それは、ヒアリングは「目線合わせ」のため、ということです。
もちろん、ヒアリングとインタビュー取材は「情報収集」という点では共通しています。ですが、この「目線合わせ」という点は、インタビュー取材にはない要素です。インタビュー取材はあくまでターゲット読者に向けた情報収集だからです。
なぜ「目線合わせ」が必要かというと、パートナーとして信頼関係を構築し、顧客目線に立った上で、期待値を超える提案を実践していく上で、欠かせない要素だと考えているからです。
ヒアリングで重視している4つのポイント
次にコンテンツ制作において、エディターが最低限ヒアリングしておくべき項目を、4つピックアップしてみました。
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- メディアコンセプト
- コンテンツの基本方針
- コンテンツのトーン&マナー
- ベンチマークメディア
もちろん、このほかにも納期スケジュールやご予算、納品形式といったマストで確認しておくべき項目もありますが、ここではコンテンツ制作の内容にフォーカスした項目のみを挙げています。
では、それぞれの項目がどのような内容か、ご紹介していきます。
①メディアコンセプト
メディアの戦略設計にかかわる項目です。どのような企業課題があってメディアが立ち上げられたのか、また目指すべきゴールとKPIは何なのか、といった要素が挙げられます。
②コンテンツの基本方針
ターゲットペルソナがどのような課題・悩みを抱えているのか、また、コンテンツによってどのような態度変容を狙っていくのか、といった基本方針が該当します。
③コンテンツのトーン&マナー
基本方針を踏まえ、どのような取材対象者がアサイン候補となりうるか、また最適な文字数イメージ・文体などについてです。ここはプロのエディターとして、こちらから提案していくことも多くあります。
④ベンチマークメディア
目指すべき姿として想定しているメディアであったり、競合企業が運営しているメディアです。定量・定性面での「ものさし」として機能させるためにも押さえておきたい項目です。
ここでヒアリングした情報をもとに、コンテンツアプローチを提案していきますので、できる限り正確に、かつ具体性をもって把握していく必要があります。
そのためには「なぜ」を深堀りしていくヒアリング方法も重要です。「なぜこのゴールを目指すことになったのか」「なぜターゲットとしてこのペルソナを想定することになったのか」といった具合に、「なぜの深堀り」がクライアントの本質的な課題を理解する上で、近道になるケースもあるからです。
ヒアリングシートの活用
前述の項目について、ヒアリング漏れを防止するためにも、定形シートの活用をオススメします。案件によって適宜アレンジは必要ですが、社内メンバー間での情報共有をスムーズに進める上でも効果的です。
なお、事前にクライアントから共有を受けた資料などで確認済みの項目については、ヒアリング前にシートを埋めておきましょう。実際のヒアリング時間に「その結論に至った経緯」など、「なぜ」を深堀りしていくためにも有効です。
ナレッジの蓄積という面でも機能します。複数案件のヒアリングシートを比べてみることで、課題への対応策も探りやすくなります。
事前リサーチでメディアの実態を把握!
ヒアリング前に準備しておくと良いのが、オウンドメディアの実態把握です。課題ポイントを具体的に洗い出し、解決策を仮説立てておく意味でも、リサーチしておくことをオススメします。
なお、これはメデイアが立ち上げ期ではなく、すでにローンチしている場合に限ったお話になります。ベンチマークメディアもあわせてチェックできれば、より良いです。
参考までに、メディアの実態把握をする上で、よく利用している2つのツールをご紹介しておきます。
Ahrefs(エイチレフス)
全世界で導入されているSEO分析ツールの代表格であるAhrefs(エイチレフス)。
URLを入力するだけで、お客様サイトや競合サイトなどの被リンク分析(バックリンク)や検索エンジンの上位表示コンテンツ、想定流入キーワードなど、さまざまなSEO分析が可能です。
SimilarWeb(シミラーウェブ)
SimilarWeb(シミラーウェブ)は、サイトのアクセス状況がわかる解析ツールです。
こちらもURLを入力するだけで解析が可能ですが、月間アクセス数などの数値はあくまで近似値となるため、流入経路などを把握する上での参考値として活用しています。
さいごに
自分もクライアントワークに慣れていなかった頃は、営業職の流暢なヒアリング手法に非常に憧れを抱いたものでした。
ですが、事前準備をした上で場数もこなすようになってからは、段々と苦手意識も薄れていき、ヒアリングの時間を多少は楽しめるようになったかなと思います。
はじめにも述べましたが、ヒアリングの目的は、パートナーとしてクライアントとの「目線合わせ」です。そしてその先にある「企画提案&実施による課題解決」を実現するためにも、この記事が参考になりますと幸いです!