10代の頃からお産は絶対に無痛がいいっ! と心に決めていました、エディターのあやまんです。
去年の8月、千葉県にある亀田総合病院にて無痛分娩で出産しました。
初めての出産。妊娠中は不安すぎて無痛分娩に関するブログやYouTubeを見まくっていました。笑顔でお産できました^^ という羨ましい声もあれば、普通に痛かった……という不安になる声も。さまざまに見漁った結果、無痛分娩の痛みの具合は人によるのだなということだけはわかっていました。
そんでわたしの場合ですが……結論から言うと、痛かったです。
でも安心してください! おそらく自然分娩の方に比べると遥かに楽だったと思います(自然分娩の経験はないですけども)。
今回はこのへんの話、無痛分娩の痛みの程度やお産の流れver.あやまんについてまとめました。これから無痛分娩を控えている方や、控えていないけど興味はあるという方のイメトレの一助になれば幸いです。
目次
無痛分娩ってなに?
無痛分娩とは、麻酔を使ってお産の痛みを和らげる分娩方法のことをいいます。病院によって手法はさまざまで、完全に痛みを取る完全無痛分娩もあれば、痛みを軽減する和痛分娩もあります。私が経験したのは後者の和痛分娩のほうでした。
担当の先生によると、完全に陣痛の痛みをなくしてしまうと、お産が進みにくくなってしまうのだとか。お産に時間がかかると赤ちゃんにも母体にも負担がかかるので、陣痛が来ていることがわかる程度には痛みを残したほうがよいそうです。個人的には痛みゼロにしてほしかったんですけどね。
無痛分娩の費用は?
亀田総合病院の場合は、通常分娩の費用約58万円+無痛分娩費用10万円でした。10万円を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれでしょうが、わたしはこれで痛みが和らぐなら安いなと感じました。
それよりお産にかかる基本の費用が高くてびっくり。保険適用外だから仕方ないですけどもお産ってこんなにお金かかるんですね。ただ、そのうち42万円は出産育児一時金という国の助成があり、お会計時に引かれるので、実際に支払ったのは約24万円でした。
麻酔の方法は?
無痛分娩の麻酔は硬膜外麻酔という方法で、背中に細い管を通して麻酔を注入していきます。下半身にだけ麻酔がかかり、意識はハッキリと保たれます。痛みを抑えるための麻酔の注射が一番痛い、なんてこともありますが、前情報(フロムYouTube)によるとこの麻酔に関してはそんなに痛くないとのことでした。ただしエビのように丸まるので、体勢がかなりきついとか。
実録!無痛分娩の流れ
運命の日は39週1日目にやってきました。実際にお産がはじまってから、入院、麻酔、娩出、産後処置までの流れを、痛みレベル(MAX★5)とともにレポートします。途中までリアルタイムでメモしていたものの、後半は余裕がなくなり放棄しました。消えかかっている記憶をたどりつつ、激動の無痛分娩を振り返っていきます。
まさかの破水
午前1時前(痛み:☆☆☆☆☆)
夜中ふと目が覚め、お腹から「プチッ」て音が。トイレに行くとピンク色のおしっこが出る。昼間に内診があったのでその影響かなと思いベッドに戻ると、突然寒気が襲ってくる。さらに股からなにかがじわじわ出てくるので、「もしや破水!?」と思い再びトイレへ。自分の意志に反してチョロチョロピンクの液が出てくる。破水と確信し、夫を起こす。
午前1時5分(痛み:☆☆☆☆☆)
震えながら病院に電話。すぐに入院になると言われる。15分くらいかけてあたふた準備。
午前1時20分(痛み:★☆☆☆☆)
家を出る。病院まで車で1時間弱。車内では5~10分間隔で陣痛のようなものが来る。
孤独な入院生活のはじまり
午前2時10分(痛み:★★☆☆☆)
病院に到着。感染対策により付添はNG。エレベーターホールで夫と別れる。すぐに内診、破水と診断、入院へ。病室に通されて、採血、PCR検査、NST(赤ちゃんの心拍とか子宮収縮の具合とか測るやつ)装着。
午前4時前(痛み:★☆☆☆☆)
NSTを外して、やっとあれこれ落ち着く。入院着に着替えて就寝。明日は6時45分から診察とのこと。そういや陣痛遠のいたな。
午前6時30分(痛み:★★☆☆☆)
10分おきの陣痛に起こされながら起床。
午前7時5分(痛み:★☆☆☆☆)
内診の結果、子宮口4㎝(MAXは約10㎝くらいになる)。昨日の夜から多少は進んでいるけど、前期破水(陣痛開始前に破水すること)だったので、朝食のあとに陣痛促進剤を使うかもしれないとのこと。
午前7時30分(痛み:★☆☆☆☆)
NST装着。陣痛5分間隔で来てるけど痛みはそんなに。お腹すいた。
午前8時5分(痛み:★★☆☆☆)
朝ご飯が質素で驚く。陣痛の合間に飯をかき込む。先生が来てオキシトシン(陣痛促進剤)の説明を受ける。今のところ経過は順調だけど、無痛分娩だし使っていいかもねとのこと。
運命のLDRに移動
午前8時45分(痛み:★★☆☆☆)
LDR(陣痛から産後まで過ごせる部屋)に移動。かなり広い。ブログのためにいい感じに部屋の写真撮ろうと思ったけどNST繋ぎっぱなしで身動きが取れない。
午前9時20分(痛み:★★☆☆☆)
陣痛の間隔が8分に遠のいてまった。麻酔を待っている間に、紙の産褥パンツアンドシート装着。付けるのむずかしくて10分くらい手間どう。
午前9時30分(痛み:★★☆☆☆)
身動き取れないので実習生さんがバッグから飲み物を取ってくれた。ありがてえ。もう少しで麻酔の先生来ますとのこと。ドキドキ。
待望の麻酔、準備完了
午前10時15分(痛み:★☆☆☆☆)
麻酔の管、装着完了。麻酔ぜんぜん痛ない。試しに少し麻酔を入れてくれた。
午前10時45分(痛み:★★★☆☆)
右腰に凝っているような痛みを感じる。先生いわく陣痛促進剤入れたほうが日中に生まれて安全とのこと。相談した結果、入れてもらうことに。個人的にも早く終わってくれたほうがいい。
午前11時(痛み:★★★☆☆)
糖尿内科の先生あらわる。もしかしたら痛みで血糖値が上がることもあるらしい。そのときはインスリンを打つ場合もあると説明される。
麻酔 vs 陣痛促進剤
午前12時(痛み:★★★★☆)
昼ごはんカツ丼でビビる(血糖値的な意味で)。麻酔が切れたのか、痛みが強くなってくる。
午前12時45分(痛み:★★★★☆)
オキシトシン入れる。同時に麻酔も追加。
午前12時50分(痛み:★★☆☆☆)
今のところ痛みは大丈夫そう……かな? どっちが勝つんや。
午後1時(痛み:★★★☆☆)
わずかな陣痛あり? 尻が痛い。
午後1時20分(痛み:★★★★★)
急激な尻痛。しかも長い。死。尻だけ麻酔が効いていない模様。
午後1時35分(痛み:★★★★★)
麻酔追加してもらう。促進剤はいったん止めてもらう。
午後2時(痛み:★★★★☆)
内診後おトイレへ。麻酔のせいか、尿意を感じない。
午後2時20分(痛み:★★★☆☆)
促進剤を止めたからか、痛み落ち着く。子宮口は6㎝まで開いた。夫呼ぶ。
~記録ここまで
以下記憶をたどりつつ追記~
午後3時10分(痛み:★★★★★)
夫到着。ビデオカメラ設置完了。どこかのタイミングで導尿した。
そして出産へ…
午後6時(痛み:★★★★☆)
体勢変更。股を開いていきみの練習。
午後6時40分(痛み:★★★★☆)
赤ちゃんに酸素届けるために酸素マスクつける。なにかが出てくる感覚がずっとある。
午後7時(痛み:★★☆☆☆)
慌ただしくなってくる。いろいろな機材が運ばれてくる。陣痛が来たらいきんでくださいと言われたけど、よくわからないから勘でいきむ。
午後7時38分(痛み:★☆☆☆☆)
2,450gの男の子誕生。
産後の賢者タイム
午後8時(痛み:☆☆☆☆☆)
股をずーっと縫われている。痛みはまったくなく、ひっぱられてるなーという感覚のみ。ビバ麻酔!
午後9時(痛み:☆☆☆☆☆)
カンガルーケア(赤ちゃんを胸に抱くやつ)なう。小さい。
午後10時(痛み:☆☆☆☆☆)
コンビニ弁当で夕飯を済ませたあと、おトイレに立ち上がると目の前が真っ暗に。生まれてはじめて立ち上がれないほどの貧血を経験する。
午後11時(痛み:☆☆☆☆☆)
亀の歩みで病室に帰還。夫も帰宅。
深夜1時(痛み:☆☆☆☆☆)
明日からの入院生活の説明を受けたり、荷物の整理をしたりしているうちにこんな時間に。やっとこさ就寝。
マタニティブルーズな入院生活
1日目(痛み:★☆☆☆☆)
朝に内診があり、お風呂の許可が出たのですぐにシャワーを浴びる。3時間おきに新生児室に呼ばれておむつ替えと授乳をする。授乳しようとするとギャン泣きされて凹む……。
2日目(痛み:★☆☆☆☆)
母子同室がはじまる。母親力足りなすぎて二人きりになるととんでもなく不安。息子に黄疸が出てしまい、レーザー治療を受けることに。
3日目(痛み:★★★☆☆)
胸が張ってなにをしてても痛い。産後ってこんなにあちこち痛いのか……。授乳がうまくいかず、ブルーな気分になる。早く家に帰りたい。
4日目(痛み:★★★★★)
股の傷の抜糸が顔がゆがむくらい痛かった。あと1日で退院なのに授乳がうまくいかず、焦る。
5日目(痛み:☆☆☆☆☆)
検査の結果、黄疸もよくなりレーザー治療が終了する。無事退院。
痛みはどうだった?出産を振り返ってみて
無痛分娩でも出産は大変でした。出産にかかった時間は約16時間。いや、長かったですね。陣痛に耐えているときに絶えずNSTから聞こえてくる、「トクトクトク……」という胎児の心音がトラウマになるくらいには長かったです。出産直後は「もう二度と同じことはするまい」と心に誓いました(いまはもうその思いは不思議となくなりましたが)。
そしてみなさん気になるであろう出産の痛みの話ですが、やはり完全に痛みが取り除かれるわけではなく、陣痛の生理痛に似た内科的な痛みは感じました。わたしの場合、広範囲の痛みというよりは、麻酔の効きが弱いところが部分的に痛かったです。右尻をやられました。とはいえ痛い時間がずっと続くわけではなく、辛かったのは麻酔<促進剤となったときだけです。
なにより自然分娩の方よりも痛みはかな~~~り軽減されていたのだと思います。夫いわく、廊下に出たときに別の部屋で(おそらく自然分娩で)出産していた方のものすごい悲鳴が聞こえてきたそう。わたしの場合は叫ぶほどの痛みはなく、ぐっと無言で耐え忍ぶ感じでした。ちなみに人生で一番痛かったのは、痔の王様「痔瘻」の切開のとき。「痛いタイタイタイタイ!!!!!!!」と叫び倒しました。痛みレベル★10です。人間本当に痛いときは声が出るんですね。このときの痛みに比べたら、間違いなく楽でした!
お産の後半のほうは、痛みを感じなすぎてうまくいきめず、結果的に吸引分娩になってしまいました。無痛分娩には多いみたいですね。これはデメリットといえるかもしれません。ただ、産まれてくるときの股が切れる痛みやら産後の縫合やらの外科的な痛みはまったくなかったので、本当に無痛分娩を選択してよかったと思います。機会があれば、次も間違いなく無痛分娩にすると思います!
さいごに
出産からもうすぐ8ヶ月。「とにかく疲れた」という記憶は残っているものの、痛みについては正直ほとんど覚えていません。それよりも、産後に待っている「授乳」が拷問かと思うくらい辛すぎて、出産は新米ママの試練のほんの序章に過ぎなかったのだな……と思わず遠い目になるのは、また別の話。