外部ライター・カメラマンと気持ちよく仕事するために押さえたい10のポイント

外部ライター・カメラマンと気持ちよく仕事するために押さえたい10のポイント

Yui Yoshida

Yui Yoshida

メディアディレクターのころもです。LIGブログにおける広告記事のディレクションや編集を担当しています。

私はこれまで100本以上の広告記事を作っていくなかで、社内外問わずたくさんのライター・カメラマンとお仕事をご一緒してきました。

そこで今回は、このようなパートナーさんと気持ちよく円滑に仕事をするために普段意識していることを、依頼時・取材撮影時・制作時などそれぞれのフェーズごとにポイントをまとめてみようと思います。

編集者やディレクターになりたての方、パートナーさんとなんだかうまくコミュニケーションがとれてないとお悩みの方の参考になれば幸いです!

※人によって色々やり方や気をつけていることは違うと思いますので、あくまで私のやり方として捉えていただければと思います。

依頼

依頼時に気をつけていることは主に下記二点です。

  • 依頼条件を漏れなく明確に示す
  • なぜその人にお願いしたいのか理由を添える

①依頼条件を漏れなく明確に示す

まずは一つ目の「依頼条件を漏れなく明確に示す」について、実際に普段ライターさんに送っているテンプレートを参考にしながら紹介します。

ライターへの依頼条件文(例)
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▼案件概要
・クライアント名(必要に応じて)
・サービス名(必要に応じて)
・掲載媒体(記入例:LIGブログ)
・記事の種類(記入例:取材記事、ストーリー系、地方創生 など)
・依頼内容(記入例:執筆&取材)
・撮影場所(依頼時に決まってない場合は「都内」などわかる範囲で)
・文字数(記入例:4,000〜5,000字程度)
・入稿形式(記入例:Word入稿、ドキュメント入稿、CMS入稿 など)
・報酬(税込or税別、交通費込みか否かを明記)
・企画内容(簡潔に)
・イメージが近い記事(URL)
・構成案(あれば)

▼スケジュール
・取材時期(記入例:◯月◯日〜◯月◯日のどこかで1日)
・執筆期間(記入例:取材日翌日から5営業日 など)
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必要に応じてカスタマイズすることはありますが、いつも大体こんな感じの案件概要を記載して送っています。

ここで特に気をつけたい項目は、まず一つに「依頼内容」です。取材を必要としない記事もあれば、現場に同行して取材含めてお願いする記事もありますので、後々のトラブルに繋がらないよう、依頼範囲がどこまでなのかを明記しておくようにしたいです。

カメラマンへの依頼であれば、スチール撮影なのか動画撮影なのか、レタッチも込みなのか否かを書いておくとわかりやすいですね。

次に気をつけたいのは「入稿形式」。WordやGoogleドキュメントでの原稿提出が一般的かと思いますが、媒体によっては直接CMS入稿してもらうこともありますよね。

入稿形式を指定したい場合はこのように最初の依頼時に書いています。カメラマンへの依頼の場合は、同様に「納品形式」として「JPEGのみ」「RAWデータ+JPEGデータ」など念のため明記しています。

そして重要な「報酬」。ここでは税込なのか税別なのかや交通費込みなのかどうかをしっかり書いておきます。それから、例えば企画出しからお願いする場合や構成案も作ってもらう場合など、執筆料に追加で発生するケースもあるので、その金額に何が含まれているのか依頼範囲とあわせてしっかり明記して認識齟齬のないようにしておきましょう。

お金の問題は大事ですからね。

②なぜその人にお願いしたいのか理由を添える

そして二つ目のポイントです。一つ目は、後々トラブルにならないためのリスクヘッジでしたが、二つ目は依頼を引き受けてもらいやすくするために意識していることです。

これはライターカメラマン問わず、演者や社内アサインなどにもいえることだと思います。依頼時に「なぜあなたにお願いしたいのか」を添えることでのメリットは二つあると思っていて、一つはどうしても頼みたい相手に「あなたである必要がある」という想いを伝えることで引き受けてもらいやすくなります。

二つ目は、依頼を受けた側がこの案件に何を求められているのか役割がわかるということです。特に初めて依頼するお相手だと、「私の得意ジャンルと媒体の特色違うけど、なんで依頼されたんだろ? 何を求めているのか?」と疑問に思うこともあるかと思うので、しっかりこちらの意図を伝えることで安心して引き受けてもらうという意味でも、「理由」を添えることを意識しています。

まぁこれはみなさん、誰かにお願いごとをするときには無意識的にやってることかもしれませんね。

取材(ロケ)前

③ブリーフィングで事前すり合わせ

依頼時に企画書や構成案であらかた記事の内容は伝わっていますが、PR対象であるサービスの特色であったり、クライアントの要望であったり、文章で伝えきるには限度がありますよね。そのため、特にライターさんとは事前にブリーフィングタイム(簡単に説明する時間)を設けて、オンラインMTGで口頭で説明します。

急な依頼で取材まで時間がないときや、テキストでも十分伝わる内容の時もあるので必ずしもではないですが、本番までにお互い認識を擦り合わせておくことで、その後の進行もスムーズになります。

私がブリーフィングで主に共有していることはこんな感じです。

  • サービスの推しポイント。自分が使ってみてここが良いと思ったポイント
  • クライアントが期待している細かなニュアンス
  • 取材(ロケ)当日の段取りや気をつけてほしいポイント

特に二番目の「クライアントが期待している細かなニュアンス」は、例えば打ち合わせでの空気感や会話から汲み取った「要望」など、文章で伝えるのがなかなか難しいことなどは口頭でその時の空気感などそのまま伝えて、その期待に応えるベストな方法を一緒に考えたりします。

ライターの話に偏ってしまいましたが、カメラマンにも事前に想定の撮影カットを共有する際、相談ごとがあれば口頭でブリーフィングを行うようにしています。

④情報共有

取材前はライターも編集者(ディレクター)も各々リサーチを行うかと思いますが、そこで得た情報を共有するようにしています。

もちろんライター自身でも情報収集は行っているかと思いますが、その案件の指揮を執る編集者(ディレクター)がどういう目線でどんなことが気になって調べているのかを共有しておいた方が、なんとなく記事を作るうえで同じ方向性を見れる気がして、「この記事参考になりましたよ!」とか共有することがあります。

以前、よく一緒にお仕事させていただくライターさんから、「いつも丁寧に情報を共有いただき、進めやすくてとても助かります」という嬉しいお言葉をいただきました。

一緒に記事を作るパートナーさんに「快適だ」と思って仕事してもらえたらこちらも励みになりますよね。

取材(ロケ)当日

⑤取材中いつでもコンタクトを取れるようにしておく

これは最近取材してて大事だなと思ったんですが、取材中はライターとリアルタイムで意思疎通できるようにしておくべきだなと。

というのも、どれだけ入念に準備して挑んでも、例えば一つの話に思った以上に時間がかかっていて進行状況が悪いとか、もともと予定していた質問だけどあまり深掘りできなさそうだから次に行こうとか、その場で判断しなければならないことってありますよね。

その意思決定をするのは編集者(ディレクター)の役割だと思うのですが、メインで取材を進めてくれるのはライターなので途中で遮って会話で誘導するのが難しい時もあります(話者の失礼にもならないようにしなければならないし)。

そんなとき、ライターにダイレクトですぐに気づいてもらえるようなコミュニケーションツールで、「そこはあまり深ぼっても脱線しちゃうので次行きましょう!」など意思を伝達することができれば、取材を主導で進めるライターがブレずに進行することができますよね。

取材中はこのように自分は「タイムキーパー」の役割と「軸がブレぬよう導くコンパス」のような役割を担っている、と意識して動けると良いかなと思います。

カメラマンとは、都度写真確認しながらその場で直接ディレクションすることが多いです。

⑥取材後、執筆時の方向性をざっくり話す(ライター)

取材やロケが終わったタイミングが一番鮮明に自分の感じ方を伝えられるので、帰り道に記事の方向性について話したりします。

例えば、「あの話とあの話はすごく良かったので必ず抑えておきたいです」とか「逆にこの話はあまり撮れ高なかったのでボリューム控えめで良いかなと思います」など、記憶が鮮明なうちにざっくばらんに話すことで、執筆に取り組んでもらう前に共通イメージを持つことができます

記事によっては、ライターの感性にお任せしたほうがいいときもありますが、編集者(ディレクター)の意見を確認しておいたほうがやりやすいと感じてくださる方も多い印象です。

⑦提出期限はその日のうちに再確認

依頼時に原稿締め切りを決めていますが、あらためて取材(ロケ)が終わった後にその場でリマインドしておきます。特にカメラマンとは、データをいつアップしてもらえるか、そのとき話すことも多いので忘れずに期日を確認します。

制作期間

⑧どこを編集したかわかるようにログを残しておく(ライター)

これは以前、自分の先輩とライターのやりとりを見てて学んだことです。記事の編集って、ライターさんにフィードバックして修正を依頼することもあれば、直接編集者が手を加えることもありますよね。

その先輩は割と自分で手を加えるタイプでそのままクライアントへの提出など進めていたので、ライターが最終的に校了した記事を見たときにはどこをどう直すべきだったのか分からず「〇〇さんとのお仕事は自分が成長できない」と嘆いていることがありました。

自分の成長を求めるのもどうなんだという話ですが、私はこの一件で、自分で手を直接加える場合はどこをどう修正したのかわかるようにしておくべきだなと思いました。

今後も同じ方と何度もお仕事していくのであれば、フィードバックを共有して改善していってもらうほうがお互いにとっていいですよね。なので、私は「こういうところが気になったのでこう直しますよ」というのを赤文字で入れたりWordやGoogleドキュメントだと提案モードで入れたりして、修正箇所をライターにわかるようにしています。

⑨写真のレタッチは参考を用いながらイメージ擦り合わせ

これは至極当たり前なことかもしれませんが、カメラマンにレタッチ依頼をする時は言葉で指示するか、言語化が難しい時は近いイメージ例を共有します。

もっとも、いつも依頼するようなカメラマンであればこちらが求めるトーンもわかってくれるのでわざわざイメージ例を送ることも少ないですが、初めてご一緒する方は特に意識した方が良いです。

数十枚レタッチして、イメージと違ってたとなるとお互いしんどいので、初めての方やこだわりたいレタッチの時は2〜3枚レタッチしてもらって確認してから進めると無駄な失敗がなく円滑に進められるでしょう。

公開後

⑩できるだけクライアントや読者からいただいた声を伝える

主題の「気持ちよく仕事するために」と、今後も引き受けてもらえるように一番意識していることです。

記事公開後の反響をできるだけ伝えるということですね。特にクライアントからの評価や感想は、ライターやカメラマンが直接受け取る機会はあまりないので、自分のところだけに留めておかずに共有するようにしています。

「こんな嬉しい言葉をもらいましたよー!」とか「SNSでめっちゃ反響いいですね!」とか「次もまた記事お願いしたいと言ってくださいました!〇〇さんのおかげです!」とか、特に嬉しかったお言葉はそのまま伝えてクリエイターのモチベーションアップに繋げられればと思っています。

でも最近これをできていないなと、書きながら思ったのであらためて意識して続けていきたいなと思います!

まとめ

以上、ポイントを10個ピックアップしてみましたがいかがでしたでしょうか。

このようにまとめましたが、これをすべてやるのが良いという訳ではなく、その時々やご一緒する人によって柔軟に対応できればなと思っています。

今回は結構ディレクションポイントを多く挙げましたが、人によってはやり方をお任せしたほうがいい記事に仕上がる場合もあるので、私はパートナーが気持ちよく力を発揮できる方法を汲み取りながら相手によって対応を切り替えられるよう心がけています。

ご紹介した内容は私の独自の考え方だったり基本的なことをまとめたので、編集者の方で「他にこんなことを気をつけてるよ!」だったり、逆にライターやカメラマンサイドで「こんな対応がやりやすかった」などあればぜひエピソードを教えてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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Yui Yoshida
Yui Yoshida Digital Marketing / Media Director / 吉田 結衣

大学卒業後、旅行会社に入社しツアープランナーとして従事。その後、2018年にLIGへ転職。LIGブログのPR記事制作ディレクターとして、これまで100本以上の記事広告を担当。ツールレビュー、インタビュー、地方創生、面白系などあらゆるジャンルの記事コンテンツを制作する。

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