こんにちは。PRチームでメディアディレクター(エディター)をしているやぎです。私はふだん所属するチームで、このLIGブログに掲載するさまざまな企業の記事広告の制作をしています。
LIGでは、世の中でコロナが流行るようになってすぐの段階から、ほとんどの部署が在宅勤務に切り替わりました。それにより、社内だけでなくクライアントとのコミュニケーションも、基本的にはチャットやメール、テレカンで行う形になりました。
以前から社内でのコミュニケーションは主にチャットで行われてはいましたが、在宅勤務になったことでテキストコミュニケーションの重要性が増したように感じます。
同じように、コロナの流行を境にチャットでのコミュニケーションが増えた、という会社は多いのではないでしょうか。そこで、今回は最適なテキストコミュニケーションについて考えてみました。
私はテキストコミュニケーションの達人……ではないのですが、テキストを扱う仕事をしてきた中堅エディターとしての視点で書いていきます。基本的なことが多いかもしれませんが、「本当にそれが今できているのか?」と自分を省みる機会としていただければ幸いです。
まずは相手の言葉を一度肯定する
テキストコミュニケーションに限った話ではないですが、円滑なコミュニケーションをするには、結局これが一番大事な気がしています。
私は前職も含めてこれまでに7年間、企業から依頼を受けて記事制作をする仕事をしてきたのですが、なかにはこだわりの強い中小企業の代表もいて、やりとりで苦戦することがありました。やはり企業の代表となると、事業への思い入れやこだわりが強いですし、仕上がりや結果への期待値も高いので、制作側からすると正直無茶なことを言われることも。
そんななか、どうすればコミュニケーションが円滑になって、記事制作をスムーズに進められるのかな……と考えるようになりました。前職では、代表とのやりとりはほとんどメールで、返事がないときは電話をする形だったので、とにかくメールでは必ず肯定文から書くことを徹底してみました。すると、体感としてやりとりが円滑に進むことが増えていきました。
肯定文はなんでも良くて、相手のメッセージに対して「ご確認ありがとうございます」とか、「お返事ありがとうございます」とか、「かしこまりました/承知いたしました」、「〜〜なのですね」など一言でもいいし、そこから少し話を膨らませてもいいと思います。
大事なのは内容以上に毎回肯定文から始めるということです。そうすると、だんだん相手が無意識のうちに「私/俺が言うことを否定しない人」と認識してくれるようになります。コミュニケーションにおいて、「承認」が大事だとよく言われますが、テキストコミュニケーションにおいてもそれは同じはずです。
仮に相手の要望を叶えられない場合でも、まずは「ご連絡ありがとうございます」とか、「ご要望について承知いたしました」から始めて、この部分は実現できるけれど、この部分は実現が難しいのでこの方法はいかがでしょうか、と代案を提示すればいいと思います。
口頭でのコミュニケーションだと、相手が言ったことについ反応してしまったりしてなかなか実践が難しいかもしれませんが、テキストコミュニケーションなら実践しやすいので、「まずは相手を肯定するところから始める」をぜひ試してみてください。
- OK例⭕️
メッセージに人間味を加える
要件のみの、無駄がないビジネスライクな文章って合理的ですよね。ただ、同じ言葉と内容でも話すときは抑揚をつけて感情を伝えられますが、テキストだとどうしてもそれが伝わりません。そうすると、本人が思っている以上に冷たい印象になってしまいます。
場合によっては、冷たいどころか少し無愛想な印象を与えてしまうことも……。実際、話すと人あたりのいい人なのに、メールやチャットだと無愛想に見えちゃう人っていませんか。
そうならないためにも、語尾に「!」などの感嘆符をつけたり、「〜〜いたしますね」など「ね」をつけて柔らかい着地にしてみたり、相手との関係値や流れで許されそうなら絵文字を使ったりしてもいいと思います。本来、ビジネスシーンでは推奨されないと言われていますが、コミュニケーションが円滑になるなら、誤解されるよりいいんじゃないでしょうか。
他に、自分の感想を小出しにしていくのもいいかもしれません。相手のメッセージに対して、要件にプラスして脱線しない程度に感想を述べたりすると、やりとりに人間味が増します。例えば相手が送ってくれた参考資料やURLの内容に関して、簡単な感想を述べるとか。
忙しいと、つい社内外のやりとりがボットのようになってしまうことってあると思います。ちょっとしたことであらぬ誤解を生まないためにも、文面の印象を考えて、人間味のあるやりとりを忘れないようにしましょう。
- OK例⭕️(お取り引きの長いクライアントとのやりとりの一部再現です)
趣旨→結論・要点→経緯の順に書く
口頭でも同じことが言えるかもしれませんが、そのメッセージが何に関する共有・報告なのか、はたまた相談なのか冒頭にまず趣旨を書き、次に話の結論や要点を書きます。
そして最後に経緯を簡単に添えるのが、メッセージの構成としては最適ではないか、と思います。送る相手がクライアントや上司の場合は、特にこの構成を意識すると良さそうです。
- OK例⭕️
要点を箇条書きにする
チャットやメールでのやりとりにおいて、長文のメッセージが読みにくいのは誰もが想像できることです。にもかかわらず、長文のメッセージを送っている人をときどき見かけます。そのたびに、要点を箇条書きにして整理したら、絶対読みやすくなるのに……と思います。
おそらく長文で送っている人自身も、自分が何を要点として伝えたいのか判然としないまま書き始め、結論に行き着いた文をそのまま送ってしまっているんでしょう。経緯から書くことが悪いわけではないのですが、要点が複数ある場合は箇条書きにしたほうが理解しやすくなります。
やはり自分が伝えたいこと以上に、相手が要点を把握しやすいかどうかをいったん考えましょう。
- OK例⭕️
内容・文面を見直す
ビジネスシーンでは、スピーディーな返信が大事、とよく言われます。メールよりもタイムリーにやりとりできるチャットが主流になってきたことで、求められる返信スピードは上がったんじゃないでしょうか。
物事を早く動かすためにもスピードはもちろん大事なのですが、よほど忙しいポジションの人でない限り、やはり内容や文面はある程度見直してから送ったほうが良さそうです。
とくに社内のやりとりで条件反射的に返信したはいいものの、後からよくよく考えると「あれ、あの人が言ってたのってこっちの意味だったかな?」とか、「別のパターンや方法もあるな」とか、「もうちょっと言い方変えれば良かったかな」なんて思い直すことってあると思います。それはまだいいほうで、とりあえずで返した内容が間違っていた……なんてことも起こり得ますよね。
スピードを重視するあまり、ただの条件反射で返してないか、今一度考えたいところです。
さいごに
コロナの流行を境に、コミュニケーションのあり方がだいぶ変わりました。チャット文化が主流になったことで仕事に集中しやすくなったり、ログを残しやすくなったりといい影響もあると思います。
とはいえ、急を要する場合やテキストのやりとりだけだと話がこじれそうなときは、やはり電話などで直接話すのが一番です。場面ごとにテキストと口頭でのやりとりを使い分けて、コロナ禍のコミュニケーションを円滑にしていきましょう。